自分の部屋のベッドに横たわり、天井を見つめる。やっぱり結構ショックを受けてるみたいだ、考えてみれば当然なのに。
担任の宗像先生に彼女がいた。
高い身長にイケメンと言っていい顔、どこか浮世離れしたミステリアスな雰囲気、そして誰にでも分け隔てなく接してくれてなんでもできる。そんな宗像先生が我が小学校に赴任して来て以来、女子児童はおろか同僚の女性教諭更には保護者まで多くが心を奪われてしまった、わたしもその1人…今は違うけど。
何かの間違いで芸能界に入ってたら歌って踊ってたり朝ドラにでも出てお茶の間を賑やかしていたかも知れないなんて話も別のクラスの友達はしていたが、毎日担任の先生として接してると少し間が抜けたところもあって天然気味だと思う。
それでも日曜日の今日、宗像先生を見かけた時は胸が高鳴ったしいつもと違う雰囲気に更に胸がドキドキした。話しかけようと近づく前に女の人の声を聞いた。
「草太さん」
振り返った宗像先生の視線の先には手を振るポニーテールの女の人がいた、先生も右手を上げてそれに応じて2人が近づいていく。
「すずめさん」
すずめと呼ばれたその女の人はそのまま先生に駆け寄ると胸元に抱き着いた、固まるわたし。
「すずめさん、人が見てる」
「いいじゃないですか、草太さんのケチ」
そんな仲睦まじいやり取りをしてる2人なんて見たくないのに目が離せない、宗像先生はその女の人を自分から離すと学校の皆には見せたことないような笑顔でその女の人に言う。
「行こうか、すずめさん」
宗像先生は自分からその女の人と手をつなぐと2人は街の中へ消えて行った。
彼女いるよね、というよりあれだけのイケメンを狙わない女はいないと思う。宗像先生はあのすずめという女の人に引っ攫われてしまったのだ。
調べたらすずめという名字はあるらしいが、あの女の人が宗像先生を「草太さん」と名前で呼んでた以上すずめがあの人の名前なんだろう。どんな字を書くかは分からないけどすずめが変な名前だと言うんならわたしの一族(母方)なんて葉っぱだらけだ。お父さんの名前も少し変な気がする。そんなことを考えていると部屋のドアが開いて妹が入って来た。
「お姉ちゃんご飯やよ」
まだ3歳の妹の今のマイブームはお母さんの出身地方の方言だ、何でも語尾に「やよ」付けなくてもいいのに。
食卓に座ると夕飯の準備が整っていた。
「五葉、何かあった?」
お母さんに問われたけど誤魔化す、好きな人に彼女らしき人がいましたなんて言えない。
「お父さん明日には出張から帰って来るから」
そういえばお父さんとお母さんはどうやって出会ったのだろう。生まれも学校も職場も違うし、お母さんの方が3歳年上だ。通勤電車で会ったと言ってたけど、それはまた詳しく聞いてみよう。
わたし立花五葉は夕飯を食べることにした。
草太さん26歳鈴芽21歳くらいの設定で書きました
立花五葉ちゃんは小学校2年生の8歳、妹は六葉です