ぼっちちゃんを雌にするつもりが雌にされた元男(♀)の話 作:樽薫る
※アニメ以降のネタバレがあります
私、後藤ひとりはダメ人間だ……。
バカだし運動オンチだし、人の目見れないし、会話の頭に絶対「あっ」ってつけちゃうし。
高校入ってもうすぐ一年が終わるのに、そのへんまったく変わってない……。
でも……。
「ひとり、どしたの……?」
「あ、ねこみちゃん」
明確に変わったことがあるとすれば、やっぱり結束バンドのことと……ねこみちゃんのこと。
私が良い方向で変えられたことが、それ。
晩御飯も食べてお風呂も入って、年越しそばも今しがた食べ終えて……今はテーブルの前でソファに背中を預けて座ってテレビを見ている。
普段なら家族と過ごすんだけど、今年は特別……。
「その、一年を振り返ってみて……」
隣のねこみちゃんが、クスッと笑って頷く。
「そっか、それで、どうだった?」
「……うん、よかったよ。私の15年の人生で、一番充実、してた」
「まだ15年なのによく言うよ」
そう言って笑うねこみちゃんは、なんだかやけに大人っぽく感じるけど、ねこみちゃんは元々大人びてるのでそこまで不思議でもない。
けど、少し顔が赤いのはたぶん、この一年のことを思いだしてなんだと思う。
どうなるかと思ったけど、結果的にはこの一年……ううん、数ヶ月で私とねこみちゃんの関係は大きく変わった。
―――その、い、所謂……きょっ、こ、ここ、恋人……になったわけで……。
「ん~ひとり、顔赤いぞぉ~?」
悪戯っぽく笑うねこみちゃんが、私の顔を覗き込む。
そんなねこみちゃんも少し赤いけど、それはそれとして動揺は隠せない。
「あっ、いやそのっ……」
私も同じシャンプーやコンディショナー、ボディソープを使ったはずだけど、至近距離で感じるねこみちゃんの匂いにくらっとする。
ねこみちゃんは自分がどれだけかわいいか理解していると言ってるけれど、本当に理解してるのかたまに疑問に思う。
こうやって無防備に近づかれると私も、その……わ、私でも、が、我慢できなくなりそう。
ねこみちゃんをどうにかしちゃいたいなって、そんな悪い(?)ことを思ってしまうわけで……。
良い方向に変わったつもりだけど、悪い方向にも変わったかも……。
「ま、いいけど……さて、年変わっちゃう前に食器片付けてこよ」
そう言うと、ねこみちゃんは食器類をまとめて立ち上がる。
「あ、私も」
「……あ~、いや、ゆっくりしときな、こういうのは私がやるからさ」
そういってキッチンへと向かうねこみちゃんに、私もついていく。
料理やらをしてもらってるのに洗い物までさせるのは悪いな、とも思うんだけど……ねこみちゃんは『私が好きだからやってんの』って言う。
ちょっとはお手伝いできるようになったほうが良い、よね……これからずっと、なわけだし。
「んん~♪」
私に背を向けて、鼻歌混じりに洗い物をするねこみちゃん。
体を少し揺らしていて、その度に長い銀髪が揺れて、安産型のお尻が左右に……柔らかいんだよね……。
―――って私、すっかりねこみちゃんをそんな風にっ、ダメだぁ!
こういうのを色ボケって言うんだと思う。
うん、でもまだ付き合ってそんな経ってないし、このぐらいが適切なのかもしれない……“みんなで行った江の島で見たカップル”もくっついてイチャイチャしてたし……あれは目の毒だったけど、げふっ。
で、でも、いずれ適切な距離感になるまではこれでオッケーなはず……。
……へへっ、自分に甘いところも変わってないかも……。
「あれ、ひとり……座ってて良いって言ったのにぃ、もうちょっと甘えなよぉ」
少し振り返ってそう言うねこみちゃんに、私は笑う。
いつも散々、ねこみちゃんには甘やかされてる気がするけど……。
「あ、甘えすぎもよくない、かなって、えへへっ」
「良いんだって、甘やかさないとこは甘やかさないし……初詣は行くし」
う゛っ、それは辛い、耐えられない……かも!
「ほら、だから甘えときなよ、今の内にさ」
そう言って再び洗い物を再開するねこみちゃんが、また“私達の曲”を鼻歌で歌いながら洗い物を再開する。
―――そ、そうだよね。甘えてもいいよね……。
「……ん」
「きゃっ!? ひ、ひとりっ!?」
私は後ろからそっとねこみちゃんを抱きしめる。
ねこみちゃんの方が身長が高いから、あまり抱きしめた感ないし……むしろ抱き着いてるって感じだけど、甘えて良いそうなのでこれで良いかも。
「ねこみちゃんの匂い、落ち着く……」
「ちょっ、恥ずかしいからぁっ……♡」
本当に良い匂いで……くらっとする。
腰に回した腕にギュッと力を込めると、ねこみちゃんが少し震えながら内股気味に腰を落とすので、腰に回していた腕を少し上げてねこみちゃんの身体を支えつつ、背を伸ばしてねこみちゃんのうなじにそっと顔をうずめる。
落ち着く匂い、落ち着く感触、眼を閉じて深呼吸。
そしてふわっとしながら痺れるような脳で私は状況を理解する。
―――あ、これダメな奴だ。
全然落ち着かなかった。
「んっ♡ ひ、とりぃ……っ♡」
「ねこみちゃん……」
ねこみちゃんを抱いていた腕、右手をねこみちゃんのセーターの裾に伸ばし、うなじに少しだけ歯を立て―――。
「っ♡ だ……ッ!」
ふと、ねこみちゃんの手が目の前に……。
「ダメだってぇっ……!」
「あいたっ……!」
で、デコピン……。
「まったくもぉ!」
「あぅ……」
「ひとりのすけべっ」
す、スケベ……『えっち!』とか言われること多くなったけど、す、スケベ……なんだかショック。
「一日二回も、私の体力がもたないっての……」
うっ、そうだよね。昼もその、私がついついねこみちゃんのこと……そのあと片付けとかで結局すぐに晩御飯になっちゃったし。
最近良くない。うん、流されないようにしなきゃ。
ねこみちゃんがいくらかわいいからって……。
「ご、ごめんね……?」
「う゛っ、そ、そんな顔すんなよぉ」
そう言いながら、ねこみちゃんは洗い物を終えるなりタオルで手を拭いて、私の方を向く。
「んっ!」
「わっ!?」
ねこみちゃんが、そっと抱きしめてくれる。
胸に顔をうずめるような形になって、それが安心感を与えてくれる……。
私はそっとねこみちゃんの背に腕を回す。
―――柔らかい、あったかい……。
「その、別に嫌じゃなくって、むしろ……ひとりが、私をその、求めてくれるのは嬉しいんだけどっ……い、いや、そもそも、私は“そっち”じゃないし、むしろ男らしくカッコいいとこを見せたいわけでぇ……」
気が緩んでねこみちゃんの言葉をいまいち飲み込めないけど、断片的になんとなく聞く。
「で、でもその、ひとりに、触られたり、“あの顔”で視られると私っ……へ、変になっちゃって……」
胸に埋もれていた顔を上げて、ねこみちゃんの顔をしっかり見る。
赤い顔で、眼を泳がせながら、恥ずかしそうに話すねこみちゃんを見てると、その……。
「ボーっとしちゃって、身体の奥が、そのっ、あ、熱くなっちゃうし……」
「……ねこみ、ちゃん」
「ずっと一緒にいたのに、そんなこと、い、今までなかったからっ……わ、わけわかんなくなっちゃぅ……♡」
───あぁ、もぅ……そんなかわいいこと言うから……。
私はねこみちゃんの背中に回した手を、そっと服の中に入れる。
「んっ♡ ひ、とりぃ……♡」
らしくない自覚はあるけど、ねこみちゃんといると……どんどん自分が変わっていくなって思う。
悪い方向じゃなくて、でも良い方向かもわからなくて、けど、そんな風に塗り替わってく自分が嫌いじゃなくて……。
ねこみちゃんのすべすべの背に触れながら手を上げて行って、固い布にぶつかるなり、私は“慣れた手つき”で軽く“ホック”を外す。
支えを失ったねこみちゃんの大きな胸が私の身体に重力というものを感じさせて……。
ふと視線を上げれば、ねこみちゃんは笑顔で……あれ?
「あ、えと」
「だ、か、らぁっ……!」
「ご、ごめんなさ―――」
ゴツン、とねこみちゃんの“げんこつ”が私の頭に振り下ろされた。
「いったぁ……」
「ったくもぉ! いまはじめちゃったら年越すわ!」
「あぅ、ご、ごめん……」
ねこみちゃんが自分の服の中に手を入れてソレを直す。
私は頭を押さえながらかわいらしく頬を膨らますねこみちゃんを見て、思わず笑いを零した。
「えへへっ」
「……怒ってんだぞ?」
「あぅっ、ご、ごめんね……」
◇
少しばかり顔が熱いのは、やっぱりさっきひとりに“焚き付けられた”せいだろう。
まだ付き合って一月ほどにも関わらずこんなにグイグイくるとは思わなかった。
―――だって“
基本結束バンド……いやおもに喜多ちゃんとか虹夏ちゃんとか
どうなってんだよぉ、
にしても調子乗りすぎだぞひとりっ、そんなんだからいずれ“佐々木次子”に『結構図々しいな』とか言われちゃうんだぞ!
まぁ、急に何もしてこなかったら、してこなかったで、その、非常にその、あれ、なんですが……。
「えっと、ねこみちゃん、怒ってる……?」
「ん? ああいや、怒ってないよ。ただその……ひとり、そんなグイグイ来るタイプだったかなぁって」
普通に言ってしまった。気にしなきゃいいけど……。
「う、ううん、私も、ビックリ、してるっていうか、その……」
「あ、そうなんだ……」
「私がこんなこと、その、するなんて、私も思っても無くて、その……」
あぁ、ひとりも想定外なんだなって思うと少し安心した。
てか赤くなるなよ。こっちも恥ずかしくなるわ。
「ねこみちゃんが、そうさせるん、だよ……?」
「え゛っ」
お、私ったらまたなにかやっちゃいました? じゃなくて!
「私が、なんかした?」
「……かわいいから」
「はぅっ♡」
くっ、またひとりのペースにもっていかれるっ。
「そ、そぉ……?」
「うん……ねこみちゃんは、かわいくて、綺麗で」
うんうん、あとはカッコいいからが付いてたら完璧。
「えっ……あ」
「……えっ、てなに?」
「あ、えとっ、えとっ、ななな、なんでもないでひゅっ」
コイツなんか余計なこと言おうとしたな!?
くぅ、舐めやがってぇ……。
私がせめてもの抵抗で、なにかしらひとりを赤面させられるようなことを言ってやろうとすると、テレビから新年まであと僅かとの声が聞こえる。
『みなさん! あと二分で今年も終わりでーす!』
「あ、そろそろ……」
ふと、右手に暖かな感触。
……見なくてもわかる。
今まで散々握ってきていた……ひとりの手。
柔らかさと、硬い指先。
なんだか自然と、頬が綻ぶ。
「……ね、ねこみちゃん」
「ん?」
「
───え、なにどうしたのいきなり、余命幾許もないの?
「今年は特に、その、色々と支えてくれたり……ねこみちゃんがいないと、ダメなことも沢山あって、ねこみちゃんがいるから頑張れることが沢山あって……」
……そんなことない。
でも、そんなことを思う私とは裏腹に、心の底でひとりの言葉に喜ぶ私が確かにいる。
ひとりが私の方をしっかりと向くので、握っていた手の繋ぎ方を正面から繋ぐように指を解いて、またかませて変えた。
手の平の密着度が増える分、お互いの体温を強く感じる。
「その、だから、ありがとう……」
「えっと、こっち、こそ……」
「だ、大好き、だよ……」
「あぅっ♡ わ、私もっ───」
『ゼロッ! 明けましておめでとうございまーす!』
「あっ……」
テレビからの声、新年を告げる言葉が聞こえた。
年超してた時になにしてたとか聞かれたら、とても答えられない。
ひとりと手を繋いで、見つめ合って、愛を囁かれてたなんて……。
───てか、タイミング逃した……。
少し目を見開いたひとりだったが……すぐに目を細めて、いつもの、
細められた瞳が、
身体が熱くなるのは、きっと言葉を遮られた恥ずかしさからだと思いたい。
「今年も……
「ひ、とり……っ」
変わってない部分もあるけど、すっかり変わった部分もある。
私が繋いでない方の左手を伸ばせば、ひとりもそれを察して、右手を出した。
二人で向き合う形のまま、もう片方の手と同じようにそちらの手も、指を絡めて繋ぐ。
「その、末永く……よろしく、お願いします……っ」
顔が熱い。真っ赤なのが自分でもわかる……。
恥ずかしさで視界がぼやけるけど、それでもひとりの方に視線を向ければ、ひとりも赤くなっている。
ひとりが頷くなり、私の目を真っ直ぐ見ながら、口を開く。
「わ、私、今年の目標が、あって……」
「ほ、抱負ってこと……?」
年越しこそ一緒にしてないものの、毎年1月1日には会ってるがそんなこと言ったとこ見たことないので、私は驚き半分、期待半分でひとりの言葉の続きを待つ。
「その、き、去年は最後ぐらいしか、ねこみちゃんとその、こうできなかった、から」
「う、うんっ……」
高校に入った当初は私も人間関係の構築大変だったしね。あまり遊べてなかった。
結束バンド結成後すぐもそうだし、その後も例年に比べれば確かにあまり一緒にはいなかった、かも……?
後半で取り返した気もするけど。
「こ、今年は、そのっ、もっとねこみちゃんと過ごせるように、して……」
別に、バイトも一緒だからそんなこといいのに……。
「もっとっ! し、しっかり……! ねこみちゃんにっ」
頑張って言葉にしてるのが指に込められた力から感じる。胸が熱くなる。
「だ、大好きを、伝えられるように……する、からっ」
「うぁっ……♡」
「……が、頑張り、ます」
これ以上、伝えられたら
「ッ!」
───いやいや! そんな弱気でどうする私っ!
ひとりがこう言ってるんだから答えなきゃだろっ!
彼氏として!
ならば
「ねこみちゃん……」
そして、ひとりを───っ。
ふと、ひとりの唇が私の唇に重なった。
「ねこ、み、ちゃ、ん……」
「んっ……んぅ♡」
何度か啄むようなキスを交わして、ひとりが離れる。
「ふぁっ……♡」
「ねこみちゃん、かわいい、よ……」
―――ひとりをっ♡ こ、恋する乙女に、してやるぅっ♡
「ひ、ひとりにっ」
「ん?」
私しか眼中に入らないぐらいの雌顔に変えてやるっ、そのために私も変わる!
今年こそは……男らしくカッコよく!
「だ、大好きなひとりにっ……」
カッコよく、変わるっ……!
「も、もっと、好きに、なってもらえるように、が、がんばるっ、からっ♡」
―――絶対違うわこれ。
「っ!」
ふと気づけば身体が、仰向けに天井を向いている。
でも、視界一杯にひとり。
「ねこみちゃんが、悪いんだよ……」
───あれ?
「ひ、とり……?」
「そ、そんなかわいいこと、言われたら……」
仰向けになっている私の両足の間にひとりがいるので、まず体を動かすことはできない。それに両手繋いじゃってるし……。
───あ、いやちょっとお待ちになって! 今年の抱負決めたばかりなの!
「私、もう……」
「ひとりっ♡」
―――また、その眼ぇするぅ♡
それだけで私の身体が芯から熱くなってくる。
さらにひとりが顔を近づけて、私の首元に口付けをして……私の中でカチリとなにかスイッチが入るような感覚。
両足を閉じようとするけれど、ひとりが割って入っているのでそれはできない。
「あぅっ♡」
───喜多ちゃんと、初詣あるでしょぉ……。
「ねこみ、ちゃん……」
大丈夫、ひとりはちゃんとダメって言ったらわかってくれるはず。
「い、いい……?」
───絶対ダメ!
「……いいよっ♡ きて♡」
───ああもぉ……♡
◇
明けましておめでとう♡
なんて自撮りを、私こと喜多郁代はイソスタにあげる。
一月一日、初詣のために神社へとやってきた私は、人でごった返している入口から少し離れた場所で立っていた。
さすがに初詣の神社を下北沢にしただけあって、さっきから同級生なんかともすれ違う。
一緒に行く? なんて言われるけれど、私は待ち合わせなのでそれをやんわり断りつつ……。
「ねこみちゃんとひとりちゃん、まだかしら」
スマホで時間を確認すれば、今はねこみちゃんとの約束の時間から10分前。
別に他の子ならそこまで気にもならないけれど、いつものねこみちゃんならこのぐらいには到着しているので、少し遅く感じてしまう。
やっぱりお正月はどこも混んでるし仕方ないのかな、なんて思っていれば……。
「あ、お、お待たせしました喜多ちゃんっ」
ねこみちゃんより先に聞こえたひとりちゃんの声に、少しばかり違和感を感じながら、私はそちらを向きながら挨拶をする。
「ううん全然、明けましておめでとう二人ともっ!」
しっかりとそちらを見れば、そこにはいつものピンクジャージの上から黒のコートを羽織ったひとりちゃん。
そして、そんなひとりちゃんに手を引かれている灰色のコートを着たねこみちゃん。
「あ、えへへっ、あ、明けましておめでとうございますっ」
「んぁ、明けましておめでとう喜多ちゃん」
人混みだっていうのに、なんだか元気そうなひとりちゃんと、少し疲れたようなねこみちゃん。
これ、え、いやこれ……感じたことのないこの、うん、なんかこう……いいっ!
私の周囲にはいなかった大人な恋愛の気配を感じるわっ、色々聞きたい掘り下げたいっッッ!!!
「それじゃあ行きましょう!」
「あ、はい、早く行って帰りましょう……!」
「元気にネガティブ……!」
列に並べば、私の隣のねこみちゃんがなにかを呟いてるのに気づく。
「今年こそはっ、今年こそはひとりにっ、わ、私がタチだって……」
───
「……そして、私の王子様感を取り戻すっ……!」
ねこみちゃんが王子様扱いだったこと一度でもあったかしら……かわいいとか美人は聞くけど。
あと最近はあたふたしてる様子をみられることが多いから、意外とそういう需要もあるとかないとか……
ねこみちゃんが“
今更それをひっくり返すなんて……むしろねこみちゃんは“今もそうだけど”人目を引くタイプだし、同級生はおろか学校の子たちも見てるだろうし、このひとりちゃんとねこみちゃん見られたら、さらに弁明なんてできないんじゃ……。
―――いえ、言わない方が良い! ねこみちゃんがあまりにも不憫っ!
それにしても、二人はずっと恋人繋ぎをしてる……いい、凄い、いい。
「はぁ~!」
「な、なんだか、今日は凄いキタ……キラキラしてますね、喜多ちゃん」
え、ひとりちゃんに容姿褒められちゃった?
「新年からいいもの見れたから、かしらっ♪」
「そ、そうなんですか……?」
「ええっ! ねこみちゃん、ガンバよ!」
「え? あ、う、うん」
なんでちょっと引いてるの?
え、というよりなんでひとりちゃん、今手を離したの!?
「あ、喜多ちゃん、もう少しこっちに……ねこみちゃん」
「ん、ひゃっ……」
ひとりちゃん、ねこみちゃんの腰を抱いて引き寄せた!?
す、すごいわひとりちゃん、すっかり彼氏って感じね……ねこみちゃんの方が身長高いのに、しっかり人混みから守ろうとしてあげてる。
なんて思いながらも、私も人混みに流されるわけにもいかないのでねこみちゃんの方に寄った。
「あ、ねこみちゃん、急にごめんね。だ、大丈夫?」
「ひぅっ、う、うんっ……」
あぁ、こういうのなんて言うんだったかしら―――。
「あぶなかったらその、つ、掴まって、良いからね……?」
「あ、ありがとっ……」
―――そう、尊い……
思わず両手を合わせて拝んでしまうほどに……!
「あ、え、き、喜多ちゃん、お願い事は、ま、まだまだ先ですよ?」
「喜多ちゃんってやっぱり“
同級生A「あれは大張さんと後藤さん!?」
同級生B「やったな」
同級生C「ああ、やった」
同級生D「てぇてぇ、ただただ、てぇてぇ……」
あとがき
後日談を三話にすると決めたので二話目はしっとりな感じでちょっとおセンシティブ……
イチャつかせてるだけになってしまいましたが
そのまましっとり気味な感じで終わらせようとも思ったんですができなかった
ということで喜多ちゃんオチでした。百合を拝む女
ぼっちちゃんがだいぶ肉食系になってますが、まぁ付き合いたてなので多少はね?
では今度こそ本当に次でラスト、お楽しみいただければです!
……いや、またなにかあったら短編一話だけとか書くかもしれないんですけど