裏側の苦難   作:鞍馬エル

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何か色々と考えてたら妙な出来になった(今更)
ついでに本筋から明らかにブレた気がする
けどまぁいいか(仕切り直し)

なお今回は深刻なキャラ崩壊を含みます
予めご了承の上で読んでくださいます様、伏してお願い申し上げます


 すれ違いの中で

 どうも、商店街の会長です

 

年末年始をもうすぐ迎える私達『イベント実行委員会』ですが、非常事態発生です

例年通り、クリスマスが終わった為年始の福引についての広告を商店街の様々な所に貼り出しました

 

ええ、それは通年通りであり何一つ問題ありません

ないのですが、そのですね

 

 

会長。そろそろ現実逃避はやめましょう?

 

…うん。ソウダネー

 

 

目の前にあるのは意見箱

商店街のところどころに設置しているのだが、基本的に殆ど機能していないものでもある

 

故に私達は意見箱(空き箱)と思わずルビを振りたくなる事が何度もあった

意見がないのは、不満がないのか?それとも無関心なのか?

それが分からないのは非常に困り物ではある

 

商店街各店には2ヶ月に一度、千円を会費として支払って貰っており後は色々と予算を組んでいる

全国各地にはシャッター商店街と化してしまったところが多い為、私達はそうならない様に努力せねばならないと努力してきた

が、個々人の努力でどうにかなるものでもない為に互助会的な役割を果たしているのがこの商店街組合

 

かく言う私も息子達に店を継いで貰っており、間違いなくこの商店街の一員だ

 

 

とはいえ、この会長職?(本来ならば組合長だろうが何故か会長となっている謎仕様なのだが)に就くまでは意見箱の存在を知らなかったりする

その位周囲に溶け込んでいる(存在感のない)のがこの意見箱

 

まぁ、それでも構わないと言えばそうなのだが

今回ばかりはそうも言っていられない

 

 

というのも

 

 

しかし、どうしますかねぇ

 

意見箱の中に詰まった大量の意見

そう、『入っている』のではなく『詰まっている』のだ

 

 

しかも、そのほぼ全てが

年始の福引についてである

 

更に詳しく言えば、今年まで特賞としていた『温泉利用券』についてであったのだ

 

 

 

秋川トレセン理事長の訪問と嘆願を受けて、商店街組合の数人と共に数年間協力してくれていた温泉旅館に謝罪をしに行った

 

旅館側としてはある程度の事情を把握していたのか、苦笑いしてそれを受け入れてくれたが、やはり心中は複雑であった事だろう

こちらからお願いしたと言うのに、僅か数年でそれを取り下げるというのは余りにも情けない話でしかない

 

一応、今後も旅館側の好意で商店街組合員の家族などについてはある程度割安価格での宿泊プランを残してくれていたが、それはそれでこちらの不甲斐なさが身にしみる話だった

 

 

そんなこんなでどうにか話をつけたのだが

 

 

…凄い量ですね

 

しかもほぼ全てが同じ内容とは。一体どういう事だ?

 

 

そう

この意見箱に寄せられた内容

 

それは

 

 

年始の福引に何故温泉利用券がないのですか?

というものである

 

しかも、匿名で構わないというのに一部の意見書には名前が記載されていた

 

 

またその名前も

 

シンボリルドルフ、ナリタブライアン、エアグルーヴ

といった現在のトレセン学園生徒会のメンバーを始めとして様々な学園生徒からの温泉利用券に対する並々ならぬ熱意、いや執着が見てとれた

 

 

さもありなん

何せ『適切な距離』を保つ事が基本とされているトレーナーとウマ娘。その両者を隔てる壁は薄いが限りなく遠いもの

 

ウマ娘にとって、トレーナーとは唯一無二

しかしながら、トレーナーの人生にとって担当ウマ娘はその時点(・・・・)でこそ唯一無二であるが、トレーナー業という意味においてならばそうではない事が多い

 

苦楽を共にし、自身の勝利を望み願い、その為に命すら燃やして走るウマ娘とトレーナー

そういったトレーナーと出逢えば、まだうら若きウマ娘達はトレーナーに思慕の念を抱く

 

が、トレーナーとして大人としてそのウマ娘からの思いに応える事は出来ない

そんな状況にやきもきするウマ娘達にとっての突破口となり得るのが温泉利用券なのだ

 

僅か一枚とはいえ、トレーナーとの関係を進められる可能性の高いソレ

たとえシンボリルドルフ(トレセン学園生徒会長)であったとしても、その誘惑には抗い難いものがあった

 

 

そうだからこそ、年始の福引はトレセン学園に所属するウマ娘達にとって欲してやまないものなのだ

一部のG1レースを勝利したウマ娘の中にはこの福引の為に半年以上資金を貯めている者すらいる程(福引という性質上、商店街の店舗での一定額以上の買い物が必要な為)

 

トレーナーとの新しい関係への踏み出すキッカケになり得る。いや、ゴールする(恋人関係になる)為の特急券が温泉利用券なのだからそれはもう拘る

 

 

トレセン学園の規則には色々とあるが、基本としてトレーナーの生活スペースやウマ娘達の居住スペースへの双方の立ち入りは厳禁とされている

まぁ、この規則については有名無実となりつつあるのが現状であったりする。が、トレーナーや学園側としては注目されているウマ娘達とトレーナーのスキャンダル(不祥事)は当然看過し得ない問題

 

担当ウマ娘と寄り添い、常に担当の事を親身にそして真剣に考えて行動するトレーナーは貴重な存在

あまり認めたくないが、己が名声の為にウマ娘を利用する不届き者も少なからず存在している

 

そうであるからこそ、担当ウマ娘と真剣に向き合うトレーナーは貴重なのだ

学園側としては下手すればトレセン学園に入学するウマ娘よりも稀少なトレーナー。それをあっさり手放す事は出来ないという事情があった

 

 

何せ、ウマ娘と結ばれたトレーナーの殆どはトレーナー資格を返納する事こそないが、現役トレーナーとしての職務を続行すると言うのは稀どころか奇跡と言って良い程にあり得ない事

数字的にはトレーナーの数は増加傾向にあるものの、実働しているトレーナーと条件をつけると途端に数を大きく減らす

 

 

 

ウマ娘は理性的である

が、彼女達は総じて『愛が重い』

無理もない。幾らウマ娘が注目されていると言っても、未だマイノリティ(少数派)であるのだから。その上、生まれ持った高い身体能力は周囲の同年代の子ども達から倦厭される要因となってしまう

無論彼女達にも親族や理性的な大人(理解者)はいるだろうが、それでも徐々に孤立感を深めてしまうのは避けられない。彼女達としては友達が欲しいと思うが故に他の子供と一緒にかけっこなどをして仲良くなろうとする

それで仲良くなれる場合(・・)も確かにあろう。が、埋められない差を実際目の当たりにした子供の多くは彼女達を避け始める。最初の頃は負けん気で挑み続ける子供もいるだろうが、やがて(生まれ持った才能)に気付き離れて行く

手加減をすれば良い勝負になるかもしれないが、その場合だと彼女達は全力を出す事ができなくなり、彼女達の精神に多大な負荷をかける事になるだろう

 

そして何よりも問題になるのが

高い身体能力を有する彼女達。その身体能力を発揮する場所や機会が殆どない事である

 

野良レースというものがある

ウマ娘達が集まってするものの事。だが、自主トレーニング程度しかしていないウマ娘であったとしてもトップアスリート以上の速度で走る事が出来る

出来てしまうのだ

当然そんな彼女達が走った場所というのはかなり荒れてしまい、それはその土地を所有している者からすると決して歓迎できないこと。では整備すれば良いのでは?と言われるとそうでもない

メジロなどの余程の財力を持つ家や組織でもなければウマ娘が走るに適した環境を保持する事は難しく、ウマ娘専用レーンなどの政策を既に施行している行政もそこまで手厚い事が出来ないのが実情

 

予算はあれど、土地がない

土地はあれど、予算がない

予算と土地はあっても管理能力がない

 

各地方自治体も懸命に理解を求めようとしてはいるものの、全員を納得させるには程遠いものであった

結果野良レースを行なうのも『無断』となるか、広い公園や河川敷などといった公共の場になってしまう

レースの後に現状回復をすれば問題ないが、それを行なうにしても無手で行なえるものでは到底ない。また普段からストレスを溜めているウマ娘の中にはその様な事を考えない者も少なからずおり、荒れ果てた公園や河川敷が残される

これを自治体などにクレームとして連絡する者も残念ながらいる為に、行政側としても対策を講じる他なくなり、結果彼女達が走れる場所が更に少なくなるという負のスパイラルが全国各地でしばしば見られる

 

 

では、野良レース以外で彼女達が活躍できないのか?

と言う話になるのだが、これは活躍できないと言わざるを得ない

国内におけるウマ娘の比率は多く見ても10%にも届かない

 

だが、ウマ娘が加わった競争はだいたいがウマ娘の勝利に終わってしまう

その為、各競技大会には明文化されていないもののウマ娘の参加は歓迎されない(・・・・・・)

明文化されていない為に過去幾つかの競技大会においてウマ娘が出場した事もあるが、文字通り『勝負にならない』

その為か一度でもウマ娘が出場した競技については『ウマ娘不可』が明文化される事になっている

 

勿論、人権団体や一部の活動家達はこれを『ウマ娘に対する差別』と抗議活動が起きる原因だ

この辺の問題は今もって解決の出口が見えない根深いものとなっており、関係者の頭を悩ませ続けていた

 

 

そんな彼女達が『自分を認めてくれる』『歳上の異性』に数年間親身にされてしまえば、どうしても意識する

結果『自身のトレーナーと結ばれたい』と考えるウマ娘が多く生まれてしまう

のだが、彼女達は自身のトレーナーと結ばれたとしてもこう考えてしまう

 

私のトレーナーにこれから指導される後輩(ウマ娘)はトレーナーに恋心を抱かないだろうか?

 

そしてそれは無理と判断するだろう。自分がそうだったのだから

 

そうなると、トレーナー業をしてもらう事自体難色を示してしまう

 

 

 

それは理解できなくもない

が、トレーナーを一定数確保して漸く運営出来るトレセン学園側からすれば非常に宜しくない

 

知識や経験を積んだトレーナー。それが僅か数年足らずで実質離職する様なものなのだから勘弁願いたい事

 

 

それを危惧しての秋川理事長からの要請(嘆願)に応えたら、トレセン学園の生徒からの悲鳴にも似た反響があったのだから商店街側としても困惑する他ない

 

 

 

どうしますか、会長

 

…とはいえ、一度こちらもそれを受け入れた以上簡単に翻す訳にもいかないだろう

それにあちら側(旅館)にも申し訳が立たんよ

 

 

既に秋川理事長の話で動いた後

しかも旅館にも断りの話を入れたばかりだ。流石に生徒からの要望が高いとしても次の福引については動かせない

再来年の福引についてならばもう一度考え直す必要もあるだろうが、来年(次回)については彼女達の要望に沿う事は出来かねる

 

 

(此処まで生徒と学園側の考えが剥離しているとは思いもしなかった。やれやれ、少し時間をおいて調べてから決定すべきだったか?)

 

会長は内心で後悔していた

 

 

 

 

 

 

 

 

トレセン学園において、近所の商店街の年明けに行われる福引は希望だった

マルゼンスキー、オグリキャップといった名だたるウマ娘達がこれを契機に自身のトレーナーとの関係を進め、望む未来を手にしたのは学園生徒であれば誰もが知るところ

 

それがないとなれば、流石に彼女達も平然としてはいられなかった

 

 

 

 

 

困りましたね

 

うん。みんな動揺してる

 

 

そんな喧騒の中にあるトレセン学園の中庭で女性と白い髪のウマ娘がのんびりと会話していた

彼女は桐生院葵。ウマ娘のトレーナーを輩出する名門桐生院家の一人娘であり、昨年引退したオグリキャップのトレーナーの後輩である。現在、彼に師事した経験を活かして自身の担当ハッピーミークのトレーニングに日々邁進している

隣にいるのはハッピーミーク。葵の担当ウマ娘であり、トレセン学園全体を見回しても希少な『全距離適正』と『ダートと芝』両方の高い適正を持つ人物である

 

 

そういえば〇〇トレーナーさんと一昨年行っていたよね?

 

そうですね。一応確認しておくべきかと思いまして

 

 

ミークの指摘に葵は苦笑して答える

当時葵は翌年デビューするミークの育成について悩んでいた。〇〇トレーナーは既に愛バオグリキャップと共に芝とダート両方で活躍していた。その姿は葵にとっての理想であり、当時の葵は同年齢である彼に迷う事なく教えを請うた

彼は自身もまだ未熟な身であると断ったし、オグリキャップとしても自身のトレーナーに他の女性が近づくのを嫌がっていた

彼女としては自分を慕ってくれるハルウララや同期であるタマモクロスなどは許容するが、トレーナーに憧れる葵は要警戒対象であった為である

 

が、葵とてそれなりの教育(葵視点)を受けてきたとは言え、あくまで今まで学んだ事が『机上の空論』に過ぎなかったと痛感したが故に引き下がれなかった

 

 

 

 

私のトレーナーは私のトレーニングやウララの指導で手一杯だ

貴女の気持ちは理解できなくもないけど、私の(・・)トレーナーの負担を考えてくれないか?

 

と言えば

 

確かに先輩の負担になるかも知れません。ですが、私も先輩のお手伝いくらいは出来ます

オグリキャップさんの指導は無理でもウララさんの基礎トレーニングならば私もお力になれると思いますが

 

と葵も返す

裏の意味を考えると些か以上に恐怖を覚えなくもないが、とにかく彼女は粘り強くオグリキャップと交渉した

 

 

後に葵は

 

あの時の苦労(恐怖)を考えれば、この程度の事どうって事ありませんよ

 

と述懐する

 

 

なお、葵はオグリキャップとハルウララのトレーニング(走り込み)にも積極的に参加していた

走り込みの為、そこまでの速度を出す訳ではないがそれでも一般成人男性の全力疾走並みの速度は出ており、それに着いていける葵もまたフィジカル(体力)お化けといえる

因みにトレーナーはパルクールしながら追走出来る程度には余裕があった事を追記しておく

 

 

 

当時商店街において

 

 

アレはなんだ?

鳥か?

飛行機か?

いや、トレーナーだ!!

 

という謎の文言が流行ったとかなんとか(パルクールはあくまでも建物間を飛び回ったりするものでは決してありません。安全大事、ゼッタイ)

 

 

当時タマモクロスは

 

いや、アンタ無茶苦茶やろ

 

と半ば白目をむいていたとか何とか

 

 

 

現在もオグリキャップのトレーナーとして活躍した経験を活かしてハルウララのトレーナーを行なっている。なお以前ほどの奇行は控えるようになったとかなんとか(当社比)

 

翌年ゴールドシップ(メジロの暴走機関車)がトレセン学園に入学する事になるのだが、彼女ですらかのトレーナーのやらかし(・・・・)を聞いて一言

 

 

やべぇ

 

と呟いたそうな

 

 

ちなみにそのゴールドシップは見事に(?)オグリキャップのトレーナーを誤って捕獲してしまい、オグリキャップとハルウララによる鞭と飴(人により評価は変わるものとする)を受けたとかなんとか

 

そのままゴールドシップのトレーナーとしてかの人物が収まる事となり、ゴールドシップは

 

 

あれ、アタシ選択間違えたか?

と彼女と親しいマックイーンも見たことがない程に怯えていたらしい

 

 

 

 

一時期は熱愛報道も取り沙汰されていたオグリキャップのトレーナーと葵であったが、トレーナー氏は苦笑いで

 

彼女と私では(桐生院家のお嬢様である葵とは立場的に)釣り合いませんよ

とメディアの前で答えている

 

葵は

彼女と私では(重賞ウマ娘トレーナーの自分と実績のない葵では実績的に)釣り合いませんよ

と解釈しており、改めて日本語の難しさを実感したオグリキャップだった

 

なお、理解していても訂正はしない模様

オグリキャップも年頃の娘だからね、仕方ないね

 

ついでに小さくガッツポーズした事を知る者は(タマモクロス以外)誰も知らない

 

 

タマモクロス(オカン)

 

まぁ、あれや

オグリの奴の食欲を許容出来て、しかも一緒にトレーニングも出来る。その上オグリの内面も理解してくれるんやからなぁ

 

と半笑いで語ったとされる

 

 

 

 

桐生院葵は先輩に恋していたと言っても良かった

自他共に認める箱入り娘(世間知らず)な葵

トレセン学園に来たのは自身が幼い頃から共にあったハッピーミークを中央で活躍させたいという願いからである

 

桐生院としては次代を担う葵に実績を積んでもらう事で桐生院の名家としての名を後世にも残す事を目論んでもいた

 

そんな桐生院の次代を担う葵には当然の様に様々なお見合いや縁談が舞い込む

桐生院としては葵の意志を尊重(・・)すると言っており、少なくとも葵がキチンとトレーナーとしての勤めを果たせる様になってから話をすべし。との姿勢を崩さなかった

これは桐生院として

 

既に繋がりのある者達との関係強化よりも、今まで手を伸ばしていない範囲にいる有能な人物を桐生院に取り込みたい

という狙いがあったのである

 

 

確かにウマ娘に関する動きは年々大きくなってはいる

それに伴う利権なども比例して増大していることも否定しない

 

が、既得権益などに囚われてしまえば新しく何かを生み出す気概が失われる可能性は高い

それでは活力が損なわれ結果待つのはウマ娘を取り巻く世界自体の衰退だ

 

守りに入る事を否定する気はさらさら無い

が、早すぎるのだ

 

 

故にこそ、まだ(・・)桐生院は新しい可能性や道を切り拓く気概のある人物を欲している

 

 

 

そんな面倒な考えなどつゆ知らず、葵は自身の担当となるハッピーミークがデビューするよりも前にトレセン学園へとやって来たのである

全ては自分とミークがより良い結果を残す為に

 

 

 

そこで出会ったのがオグリキャップのトレーナーだ

彼は規格外という言葉が似合う人物であり、良くも悪くも常識に囚われる事のない人物だ

 

というか、ウマ娘に近い環境で育った葵でも彼女達と併走トレーニングをしようなどとは思わない

元々のポテンシャルが違うのだから

 

 

そんな事をトレーナーである彼が知らない筈もない

新人とはいえトレーナーとしての知識を彼もまた身につけているのだから

 

 

 

 

ウマ娘であるオグリキャップは自身のトレーナーとの出会いを振り返り

 

彼か?

最初思ったかな『変な人だな』と

トレーニングの邪魔とあの頃は思ったけど、今となっては案外良いものだと感じているよ。信頼するトレーナーと共に走るというのも

 

 

トレセン学園現生徒会長シンボリルドルフのトレーナーを務める人物も彼の事を慕っており、日々彼の様になりたいと奮励努力している

 

が、目標とされている人物は

 

あー、なんだ、その

悪い気はしないけどな。目標にするものが少しズレてるって早く気付け?

 

と若干遠い目をしていたりしているが、まぁご愛嬌

 

 

 

なお、自身のトレーナーについてシンボリルドルフは

 

君の気持ちは有り難い。がせめて人の範疇に留まってくれると私は嬉しいかな

とかなり動揺した様子で自身のトレーナーの努力(奇行)を止めようとしている

 

 

そのセリフを偶々聞いたオグリキャップは満面の笑み(・・・・・)生徒会室に向かった(カチコミに行った)そうだ

 

()のトレーナーに何か言いたい事があると聞いた。話を聞かせてもらおうかな?シンボリルドルフ

 

当時の事情を知る某副会長は

 

聞くな。アレを思い出すのは私としては避けたい

昔怒り狂った姉貴に恐怖心を抱いた事もあったが、それより恐ろしいとは

 

某書記は

 

正直生きた心地がしなかったな、あの場所は

なるほど一部界隈では覇王などと言われていたのも無理ないのかも知れんな

とコメントしている(なおプライバシー保護の観点より実名は伏せている模様)

 

 

 

某旅行好きなウマ娘は

 

へぇ、アイツを怒らせたのか

いやいや知らないって良いねぇ。無謀は若者の特権とはよく言うけど

 

と笑っていたそうである

 

 

 

 

 

オグリキャップトレーナーY氏を慕うトレーナーは多く彼を見習って自身の研鑽にも励む様になる。その結果、彼等はトレーナーとしても破格の身体能力やメンタルの強さを身につけた。それ故彼を中心としたトレーナー達を一部学園関係者は

 

一部トレーナーの人間離れが加速している

 

と危機感を抱き慄いているが、些細な事だろう

 

 

 

 

既にレースから引退しているオグリキャップは引退レースである第〇〇回有馬記念を勝利し、有終の美を実現させた

 

その後、彼女が一年生の時に引き当てた福引の特賞(温泉利用券)で向かった先にてYに告白

彼は困惑したが

 

別に今すぐ答えを出してくれとは思わない

いつまでも待っているから

 

とのオグリキャップの台詞を聞き

 

かなわないなぁ、君には

 

と降参した

 

 

その後、オグリキャップはトレセン学園にてYのトレーナー業務を手伝いながら後輩達の相談相手などをして過ごす事になる

Yの次の担当であるハルウララとの関係は極めて良好であり、天真爛漫でいつも楽しそうにレースを走る彼女を見つめるオグリキャップの目は眩しいものを見るかの様だった

 

なおハルウララの同期にはシンボリルドルフ、ナリタブライアン、エアグルーヴやアグネスタキオン(アグネスのヤバい人)にマンハッタンカフェ、シリウスシンボリにビワハヤヒデ。ウイニングチケット、ナリタタイシン、サクラバクシンオーにハッピーミークなどと言った個性豊かな面々が集まっていた

 

 

 

思わずY氏は

 

個性の強さで殴り合いするのはヤメロォ!

 

と絶叫したとされるが

 

鏡はあちらですよ?

と駿川たづな氏に即座に口撃され、撃沈されたとかなんとか

 

 

 

 

因みにY氏はハルウララのトレーナーになった頃、オグリキャップの告白に応えたとか何とか

 

それでも彼を狙ってきている某女性にオグリキャップは思わず後輩であるグラスワンダーから得物(薙刀)を借りようとして彼女と同じくトレセン学園で後進の育成に協力しているタマモクロスやマルゼンスキー達に押しとどめられる事態が発生したとされるが真相は不明である(一部の話によると彼女の瞳から稲妻の様なものが走っていたそうだ)

 

 

余談ではあるが、アグネスタキオンと彼の担当トレーナー。通称モルモットトレーナーとY氏はビワハヤヒデの要請により『ロイヤルビタージュース』(劇物)の開発に成功している

材料協力は商店街各店などに依頼。偏食気味なウマ娘に対して有効な手段として活用される事になった

 

何故か商店街で後にソフトクリーム(ロイヤルビター味)として採用される事になり、謎の人気を獲得している

その後、ロイヤルビター饅頭やロイヤルビター風味アイスにロイヤルビター風味のケーキなど謎のロイヤルビターフィーバーが商店街に吹き荒れた

 

開発者であるアグネスタキオンをして

 

何でこうなったのだろうねぇ

いやいや世の中には不思議が溢れているよ、トレーナーくん

 

と驚愕を隠しきれなかったそうな

なお、タキオンのトレーナーやY氏など一部のトレーナーはジュースを愛飲しており、担当ウマ娘やオグリキャップを慄かせた

 

ウマ娘のNは

 

そんなもの飲み食いするくらいならアタシがアンタのご飯を作ってあげるから!

 

と爆弾発言をしたが、些細な事だろう

 

 

 

数年後、とある人物の長年の苦労の末に

ロイヤルビターラーメンという世にも恐ろしい劇物が爆誕し、某海外ウマ娘が好んで食べたらしい。付き添いのウマ娘はタキオン謹製の甘味錠剤を定期購入したそうだが、因果関係は不明である

 

 

 

 

うららー、トレーナートレーナー。また速くなったかなぁ?

 

そうだなぁ、速くなったと思う。次の有馬記念も楽しみだな

 

うんっ!オグリ先輩もありがとう!先輩が教えてくれなかったらここまで私走れなかったよ

 

気にしなくていいよ、ウララ

私も楽しそうに走るウララを見るのは嬉しくなるからね

 

ウ、ウララさん。相変わらず出鱈目ですわね

 

キング。そりゃ先輩とオグリさんが指導しているんだ。当たり前だろう?

 

ハルウララとキングヘイローは同じコースを走っており、走り終えたウララは自身の大好きなトレーナーと同じく大好きな先輩であるオグリキャップに楽しそうに話しかける

彼女のトレーナーは満足そうにタイムを記入しながら、手元にあるジュースを飲んでいた。オグリキャップもまた楽しそうにウララと話をしながら極力Yトレーナーを見ない様(・・・・)にしている

併走していたはずのキングヘイローは疲労困憊の様子であり、彼女のトレーナーは心配そうに駆け寄っていた

 

 

 

ところでYトレーナー?一ついいかしら

 

ん?

 

それ(・・)美味しいのかしら?

 

息を整えたキングヘイローは前々から気になっていた事を聞いてみる

 

あっ

 

声ならぬ声がYとキングのトレーナー以外から出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなどうしたのかしら?

 

重い、重すぎる沈黙が支配する中でキングヘイローの疑問の声が響き渡る

流石はキング(・・・)の名を関するだけはあるとこの場にいるウマ娘やトレーナー達は彼女を称賛した。勿論内心で

此処はコーストラックであり、彼女達以外にもウマ娘やトレーナーはちらほら見かける

にも関わらず、誰一人として喋らないのだ

奇妙どころか不気味ですらあるだろう

 

なお、キングヘイローの同期であるセイウンスカイは渾身の逃げ足を発揮したのだが、哀れナリタタイシンにより捕らえられていた

 

(あのー、セイちゃん離して欲しいんですけどダメですか?)

 

(アンタに恨みも含むところもない。でも逃がさない)

 

(ちょっと、そこは先輩として可愛い後輩を逃すところじゃないですかね?)

 

と小声で会話している

勿論、周囲には最大限の警戒をした上で

 

 

(ふっ、これで私も終わりなのか。意外と早かったな)

 

(何を現実逃避しているブライアン!何とかせねば以前の悲劇をまた繰り返すつもりか!)

 

(そうは言うがな。どうすれば良いという気だお前は?)

 

(そ、それは)

 

因みに生徒会業務がひと段落したとしてナリタブライアンとエアグルーヴは自主トレの為、現地にいるのだが何を恐れているのか小声で話している

 

 

 

緑の惨劇(グリーン・ハザード)

 

あのシンボリルドルフやシリウスシンボリですらあまりの恐ろしさにキャラ崩壊する事になったトレセン学園史上最悪の悲劇だ

 

シンボリルドルフは思わず一時的にだが幼児退行(ルナ化)し、真っ向から立ち向かったシリウスシンボリはその敵の強さに膝を屈した

 

駿川たづな秘書や秋川やよい理事長を以てすら倒せなかった敵の襲来にトレセン学園中が戦慄したという事件である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その実、ただ単にロイヤルビタージュース(劇物)による好き嫌いの激しいウマ娘達へのペナルティだったのだが、エアグルーヴはそれを制止

 

そんな事が罰になるのか?

と言ったのがきっかけである

 

一応フォローしておくが、決してロイヤルビタージュースは不味いだけの物ではない

栄養に優れ、消化にも良く、更に無臭という優れものなのだ

 

全くもって素晴らしい(味以外は)

トレーニングのお供にもできる(味さえ我慢できれば)

栄養満点、偏食気味の愛バに悩まされるトレーナーにもオススメ(味を考慮しなければ)

なドリンクなのである

 

なお開発においてはタキオンのトレーナーであるモルモットトレーナーや発案者であるビワハヤヒデ、それに協力したY氏の貢献(犠牲)があった事を忘れてはならない

当然タキオン、モルモットトレーナー、ハヤヒデ、ハヤヒデトレーナーにYトレーナーとオグリキャップ、ハルウララは飲む事が出来る(・・・・・・・)

 

 

当時ハルウララもYトレーナーの事を想っていたが、試飲の際に

 

うん。飲めなくはないと思う

でも出来れば少し味について考え直すべきだ

 

と明らかに味の良くない(ハルウララなりの精一杯のフォロー)ジュースを飲み干してYトレーナーにアドバイスするオグリキャップの姿を見て諦めたらしい

その様な経験があり、オグリキャップは如何に愛しい人がすすめてきても飲まないつもりだった(・・・)。が愛は盲目とでもいうべきなのだろうか、すすめられると躊躇こそするが最終的には飲んでしまう

 

実際効果は高い

ならば選り好みしている訳にもいかないだろう

とはハヤヒデの談

 

事実、トレーニング効率はこれを機に明らかに上達し、オグリキャップは芝とダート双方で確たる結果を出すに至ったのだから始末におえないといえるだろう

ハヤヒデもスランプ気味であったが、このあと調子を取り戻すし、タキオンはタキオンで苦手なマイルレースにおいてG1初勝利を飾る

 

因みにタキオンは飲んだ後トレーニングをするのだが、トレーニング後に自身のトレーナーへ甘え倒す

 

風聞、評判?

いやいや。何を言うかと思えば

別に私は気にしないし、私のトレーナーくんも気にしない。ほら、どこにも問題ないだろう?

 

と周りから言われたとしても意にも解さない

 

試作品が完成した際、別にトレーナー達は飲む必要がないと言われているが、タキオンが飲んでいて何故俺だけ飲まないなんて言えるか!とモルモットトレーナーは叫んでから勢い良く飲み干した

栄養価は高い。私たち人にとっては過剰とすら言えるでしょう。ですがそれ故に先輩の様な身体能力を目指す私にとっては効率の良い栄養補給方法となり得る。あの子(ハヤヒデ)のそばで活躍し続ける為にも!ハヤヒデの期待を裏切らない為にも!私はこの程度で折れる訳にはいかないのですっ!!

と常にない様子でヒートアップするハヤヒデトレーナーもまた完全攻略を成し遂げる

なおある意味では告白じみた宣言にその時のハヤヒデは顔を真っ赤にしてそっぽを向いていたのだが、それを知るのはYトレーナーとオグリキャップにハルウララだけであったりする

 

え?タキオンとモルモットトレーナーは

そりゃもう、ね?

 

トレーナーくん、流石だよ!嗚呼、流石私の(・・)トレーナーだ。やはり私にはきみしかいない!!

 

と凄まじい勢いで二人揃って明後日の方向にぶっ飛んでいた。なので周りが見えていなかったのである

 

 

 

 

 

Yトレーナーは

 

うん。美味かった

 

 

大ジョッキ一杯(・・・・・・・)(750ml以上)をあっさりと飲み干し(他の人は250mlである)おかわりしようとしていた

 

 

流石に全員で止めにかかって止められたが、本人はいたく不本意そうであった

ハルウララも何とか250mlを飲み干している

 

 

 

その後、Yトレーナーはタキオン達と話し合い

これ以上の摂取は危険として、彼は考えた

 

栄養価が高いから量は飲めない

なら水増しすればいいじゃない!

 

 

違うそうじゃない

とツッコミを入れる者はその時おらず

 

 

 

彼の携帯する大型の水筒にはロイヤルビタージュース(水増し済み)というあまり宜しくないものが常備される事になってしまったのだ!

 

これには流石のオグリキャップも

 

トレーナー。どうしてそんな発想になったんだ?

と力無くツッコミを入れるほかになかったりする

 

後日それをオグリキャップから聞いたタマモクロスは

相変わらず、奇妙奇天烈な事をしおるなぁ

と感嘆にも呆れにも取れる発言をした

 

曰く

や、アイツのやっとる事に一々ツッコミいれとったらウチの体力が保たんわ。そういうのはオグリの仕事や

との事

 

 

学園一のツッコミマスタータマモクロスすら匙を投げる程の天然部分があるのがかのYトレーナーだ

 

しかし

まあ、そこも良いところだと思う

とオグリキャップには全肯定される始末

 

 

前生徒会長キンイロリョテイは

あー、アイツらか。ほっとけほっとけ

別に変な事をしても致命的な問題は起こさないからな

と投げやりに答えたとか

 

 

 

 

 

そんなトレセン学園を阿鼻叫喚の混乱へと落とした特製ドリンク(リーサル・ウェポン)についてキングヘイローが言及したのだから、さぁ大変

 

噂では彼のトレーナー室にその原液が大量保管されているとの話がまことしやかにされており、去年の惨状を知るウマ娘や先輩から聞いている新入生は神に祈る心持ちでことの成り行きを見守った

 

 

彼は一言

飲むかい?

 

とキングヘイローに少しだけ入れたジュースを差し出す

 

皆は息をのんだ

やはりそうなるのか。また去年の惨劇が繰り返されるのか?

 

(くっ、こうなれば会長に被害が及ぶ前にどうにかせねば!)

エアグルーヴが決死の覚悟を決めようとしたその時

 

 

あら、いけるわねこれ

 

 

誰もが耳を疑い、キングヘイローの正気もついでに疑った

しかしどう見ても正常ではないか?

誰もがそう思って、ある一人を見つめる

 

 

ちょっと失礼するよ、キングヘイロー

その一人とはアグネスタキオンだった

 

え、ええ。構いませんけど

突然真剣な顔をしたアグネスタキオンが近づいてきた為か、キングヘイローの表情が強張る

 

うむ

 

タキオンはキングヘイローの脈拍や熱などを測り、一言

 

 

健康に異常なし

最高のコンディションだ

 

とタキオンが太鼓判を押す

 

 

 

ワッ!

 

いきなり大歓声が校内のあちらこちらから上がった

 

 

え?

 

困惑するキングヘイロー

それもそうだろう。オグリキャップのトレーナーであった人物から少し飲み物を貰って飲んだだけなのだ、自分は

 

 

なのに何だ?このジャパンカップを国内のウマ娘が制したかの様な大歓声は?

 

そしてその大歓声は全て自分に向けられている

 

 

意味がわからないのだけど

 

一人困惑するキングヘイロー

なんというか疎外感が凄いので逆に彼女は少しだけ凹んでしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日校内新聞が臨時で発行され

 

 

学園の救世主!その名もキングヘイロー!!

 

と大々的に彼女の名前が記されていた

 

 

その後しばらくの間キングヘイローは

 

勇者キングヘイロー

と一部から呼ばれる事になる

 

 




という訳で温泉利用券そっちのけで大暴投した気しかしませんが、出来たとなれば投稿するしかありますまい!(某軍師感+鋼の意志)

中身について?
ああ、そうだね(スキル不発)
まぁそういう事もあるということで(諦め癖)

前半部分は結構前に書けていたんですけど、どうしてこうなった!(某幼女少佐感)
というわけで(意味不明)
ご一読ありがとうございました!
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