裏側の苦難   作:鞍馬エル

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なんか私らしかぬ出来栄えの気もするけど、まぁ出来たのでヨシ!(勢い任せ)

こうなりゃヤケよ。突っ走れー(下校のスペシャリスト)



なお最後にキチンとオチル模様(スキル不発)

という訳で書いた本人も訳が分からないけど宜しければどうぞ


 とある少女達の回顧録

 とある日の昼下がり

世代最強の一角と目されるビワハヤヒデはオグリキャップ達の元を訪ねていた。正確にはオグリキャップのトレーナーつまり、現在はハルウララのトレーナーをしている人物の元へ、だが

 

その要件はシンプルだった

妹の偏食を何としてもなおしたい

 

そういう用件だった

なのでオグリキャップはこの事で力になれないと判断し、後輩であるウララのトレーニングをからの代わりに見守る事とした

 

 

 

私オグリキャップは既にウマ娘によるレースから引退している。世間ではやれ「早すぎる」とか「トレーナーを変えてもう一度するべき」なんて好き勝手に言っているみたいだ

が、私にとってはどうでも良い話

 

 

そもそも、地方出身の私や同期のタマモクロスは中央に来た頃歓迎されていなかった

 

地方で活躍できていても、所詮地方レベルでの話

活躍できるわけがない

 

なんてしたり顔でTVなどの自称専門家(コメンテーター)などは公然と発言していた

気にしないつもりでも、やはり気分は悪かったのを今でも覚えている。同じ境遇であるタマモクロスもそうだったらしく、自然と私と彼女は親しくなっていき、今となってはタマやオグリと呼び合う仲になった

それは中央に来た私にとって数少ない救いだったのだろう

 

中央で閉口したのは、とにかくマスコミの報道に対する姿勢

カサマツにいた頃も地方局からそれなりに注目されていた時期が長かったが、それでもあちら側が取材する時には事前に申し込みがキチンとされてトレーナー達がそれを受けてから細かい打ち合わせをしてのものだった

 

曰く

私達はこれ(取材)が仕事ですが、あなた方にとって取材はあくまでも協力(・・)しているに過ぎませんからね。その辺を弁えないのであれば、トレーナーさん達からお叱りを受けます。それに貴女の一ファンとして貴女の調子を崩させる様な事をしたくないのですよ

との事

 

 

謙虚かどうかは分からないが、少なくとも私たちの事を考えてくれていたのは分かった。だから私たちも出来る限り協力したし、お互い本音で話が出来る程度には打ち解けた

 

 

が、中央のソレは全く違った

事前の説明も通告もなく、立ち入り禁止である事すら無視して自分たちの都合ばかり押し付けてくる

何度トレーナーや学園関係者、はては理事長が注意しようとも『報道の自由』とやらを盾にして彼等は改めない

最終的にトレセン学園敷地内全面立ち入り禁止措置を取る事で殆ど(・・)そういった輩は排除できたそうだ

 

それでも諦めない連中はトレセン学園付近の中層マンションの屋上などに立ち入って望遠レンズなどを使用して学内の撮影を行ない、それを学園やトレーナー達、私達にも一切の連絡なく報道

これには普段温厚な私のトレーナーをはじめとした同期達のトレーナーが激怒

裁判沙汰にすらなった程だ

結局、周辺の中層マンションなども出入り口に管理人や警備員を常駐させる事で居住者やその関係者以外の立ち入りを全面的に禁止する事態にまで発展したと後で聞いている

 

更にトレセン学園付近における報道ヘリの飛行禁止など相当彼等からすれば厳しい沙汰がくだったらしい

現在その件について報道機関側が提訴しているそうだが、気にしなくともいいだろう

 

URAとやらのお偉い方は私の引退について考え直す様に何度も言ったきたが、これは私の意志でありトレーナーや学園も了承していると何度も断った

すると、その時期から私のトレーナーが実は私に対して過剰なトレーニングを指示しており、そのせいで私の引退が早まった

などという捏造報道が発信される様になる

 

流石の私も怒り心頭となり、タマやマルゼンスキーにシービー達が止めてくれなければ恐らく報道局に殴り込みをかけたに違いない

その話を聞きつけたメジロ家の当主やトレーナーを代々輩出する桐生院の当主などが理事長立会いの元私との話し合いを提案してきたのは驚きだったな

全て事実無根の捏造であると私は話し、理事長などもそれについてはっきりと断言してくれた

 

メジロ当主は笑っていたものの、目は一切笑っておらず

桐生院当主に至っては感情を完全に排した能面の様な無表情だったのを今でも鮮明に思い出せるな

 

その後の事については一切私は関知しないし、中央のマスコミについて私やタマを始めとした同期達は一切信用していない

その為、『空白の世代』なんて言われているそうだが知った事ではない

 

 

我がごとながら随分と平穏とはかけ離れた人生を送っていると思わなくもないが、愛しいトレーナーや自分の技術を伝えられる後輩もいる

頼もしくも少し(・・)個性的な友人達に囲まれて過ごす。そんな日々がオグリキャップは嫌いではなかった

 

 

 

 

 

 

 

・・リ

 

・グリ

 

オグリ、どうした?

 

 

どうやら私は少しうたた寝をしていたみたいだ

トレーナーの声で目を覚ます

 

ごめん、少し寝ていた

 

私の言葉に少し眉間に皺を寄せて

 

具合が悪いのか?

 

と聞いてくる

 

いいや、今日は少し暖かいから

 

そうだなぁ

 

私の言葉に納得したのか、いや多分してない

口元が微妙に引き攣っているからね

 

 

彼との取り止めのない会話も好きだが

 

そういえばハヤヒデの用件は?

 

どうにもブライアンくんの好き嫌いが激しいらしくてな

そう言えばアイツも愚痴ってたなぁ

 

好き嫌いについては私は力になれそうにもない。ごめん

 

彼はウマ娘を呼ぶ時、くん付で呼ぶ癖がある

それに該当しないのはタマ、シービーにタキオンとウララくらいだろう。好き嫌いはあまり裕福といえない環境で育った私やタマからすれば理解できない事だと常々感じている

 

トレセン学園に通うウマ娘の殆どがそれなりに経済面で裕福な家の出身である事も理由なのだろう

私の場合は残そうものなら笑顔のベルノ(ベルノライトの事)がOHANASHIするだろうから、まずあり得なかった

今では彼が作ってくれる手料理が3食だから残すつもりは微塵もない。食べすぎたとしても一緒に走り込みすれば問題ないからね

 

 

そこら辺は問題ないさ

タキオンに協力を頼もうと思っているし

 

…それは、その

大丈夫かな?色々と

 

大丈夫、大丈夫

あの人に比べたら基本全員マトモだろ?

 

いや、あの人に比べる時点で大概だと思うんだが

 

最悪あの人呼べば良いし

 

う、うん。止めはしないけど

(ごめん、ブライアン。私も命は惜しいんだ。命は大丈夫だから、多分)

 

こうなった彼を止められるのはカサマツのみんな位なので私も引き下がった

 

 

 

 

 

ゾクッ!

ナリタブライアンは突然自身を襲った悪寒に寝ていたソファーから飛び起きる

 

?どうしたんだ

 

…いや突然悪寒がな

 

体調が悪いなら、保健室に行くべきではないだろうか?

(おかんが悪寒(・・)で飛び起きた。ふむ、いまいちだな)

 

 

ちっ、嫌な予感がする

 

 

 

 

 

 

 

 

雑談もそこそこに私とトレーナーはトレーニングの終わったウララが授業に向かうのを見送ってからタキオンの元を訪ねた

 

 

ふぅん。なるほどね

 

相変わらず何が何だか分からない部屋の中に彼女アグネスタキオンはいた

が、それよりも

 

タキオン。聞いても構わないだろうか?

 

おや?オグリキャップ先輩じゃないか

勿論構わないよ

 

何故君のトレーナーは紫色に発光してるのだろうか?

 

彼女のトレーナーが紫色に発光しているのがどうしても気になってしょうがなかった

 

ああ、なるほどね

失敗したのさ

 

失敗したのか、タキオン

 

残念ながら、ね

 

まぁ失敗は成功の母とも言うし、今後に活かしていけばまだ良いだろうさ

 

そうだねぇ。流石は先輩のトレーナー

良くわかっているじゃないか

 

 

 

頭の痛い会話をテンポよくするタキオンと彼の姿に私は苦笑いするしかなかった。でも心はどうしようもなく痛む

だから私はアグネスタキオンに彼を会わせたくない

 

彼女の想い人は今も紫色に発光しながらパソコンでリモートしているトレーナーなのは間違いない

私はあの人に告白して、あの人からの返事も貰っている

 

何も問題ないんだ

あの2人は波長が合うだけなんだって

 

 

でも、それでも私の中の黒い部分は囁いてくる

 

あの人がもしも自分ではなくアグネスタキオンを選んだら?

貴女より彼女の方があの人に相応しくないか?

 

そんな事はない

そう言い切れるのに、それでも私の心は千々に乱れる

 

 

 

オグリ、大丈夫?

ごめんな

 

嗚呼、そんな顔を貴方にしてほしくない

悪いのは醜い独占欲を持つ私なのに

 

タキオンとはどうしても話が弾んでしまってね

君を苦しませるつもりはなかったんだけど

 

と彼は学内なのに、私をそっと抱きしめる

本来ならトレーナーとして許されざる事だ。それこそ風紀委員長のバクシンさんに見つかれば大事(おおごと)になる。下手すれば懲戒免職にすらなりかねない

なのに、私は彼の優しさに甘えてしまう

 

やっぱり私は貴方が好きなんだ

どれだけ妙な事をしたとしても、貴方以外と共にある自分が想像出来ない

 

弱い私を認めて、それすら包み込んでくれる貴方が私は好きなんだ

そう改めて感じ、私は彼の腕の中で目を閉じた

 

 

 

 

 

 

 

 

やれやれ。此処はドラマの撮影現場でもラブシーンの現場でもないんだけどねぇ

 

私は内心ため息をつく

とはいえ、オグリキャップ先輩の良い人を短い間とはいえ独占してしまったのは私だ。文句は言えない

それに先輩の気持ちは私にも痛いほどに理解できる

 

私と私のトレーナーが出会ったのは公的資料でこそトレセン学園となっているが、そうではない

 

 

私は自分の目的の為に様々な資料は勿論、レースなどを観に行っている。特に今親しくなっているオグリキャップ先輩は私からするとタマモクロス先輩と並んで非常に興味深い人物だった

 

あの日もオグリキャップ先輩のレースを観に府中まで出かけた

しかし、幾ら視力などに優れる私たちウマ娘であっても複数のウマ娘が全力疾走しているレース中の彼女を正確に捉える事など不可能だった

 

脈拍、筋肉や関節の動きに視線の動き

コースどりなどこそ後の映像でいくらでも確認できるものの、それ以外についてはそれこそ目の前で走るところを見ない限りわかるはずもなかったのさ

 

それでも雲を掴む気持ちであの日もレースを観戦していたのだが、いつもの白衣で観戦していた上、注目選手である先輩が出走するとあって普段よりも観客数が非常に多かった

その為、周囲の人と帰りぶつかってしまい私の作ったサンプルの薬が入った入れ物が落ちてしまった。我ながら間の抜けた事をしたと今でも汗顔の至りだがその日私は彼と出会ったんだ

 

 

薬を落とした私は何とかそれを拾おうとしたんだが、なにぶん人が多すぎて階段下まで落ちてしまった

容器については落下の可能性もある為、試薬レベルになったものらプラスチック製の容器に保存していた

 

それを拾ってくれたのがのちに私のトレーナーとなる人物だった

 

 

当時の私は強がっていてもやはり孤独感に苛まれていたのだろう

彼が試薬に興味を示したものだから、思わず人混みから離れたところで10分以上話し続けていたよ

しかも早口で専門用語すら混ぜ込んだもの

 

どう見ても理解不能だし、そもそも側から見ればあの時の私は不審者呼ばわりされたとしても否定できなかっただろうね

いや、我がごとながら余りの無関心っぷりに思い返すだけで顔から火が出そうになるくらい恥ずかしい思い出さ

 

全てわかった訳ではないだろうに、それでも彼は

 

 

つまり俺が飲んでも大丈夫って事ですね?

もし良ければ飲んでみたいのですが?

 

いやあの時の私の顔は間違いなく間の抜けた顔になっていただろうと確信する位意表を突かれたよ

だってそうだろう?今日初めてあったウマ娘。しかもレース場に白衣で来てしかもその白衣に試薬を入れたままとか普通に考えてみればお近づきになりたくない手合いだろうに

 

流石の私も初対面。しかも明らかに人の良さそうな年上の男性に無茶を言えるほど厚かましくはない

 

 

だが、何故か彼の意志は無駄に固かった

結局私の方が折れてしまい、せめて後日何かあっては困るからそれなりの準備を整えてから

という条件を出してその日は別れた

 

今でも思っているのだが、何故被験者の方が乗り気だったのだろう?

 

 

 

そして約束した日、何故か私の姿は豪邸の庭にあった

 

待ち合わせ場所は某駅。そこから私としては自宅に案内しようとしたのだが、何故か黒塗りの高級車から出てきたばんえい出身と思われる体つきのウマ娘達により車に乗せられた

 

まさかわたしの人生で拉致まがいのこと(ハイエース)されるとは思わなかったよ

そしてあれよあれよという間に着いたのが明らかに私と縁のなさそうな豪邸だったのだから私の動揺は理解してもらえると信じたいね

 

 

彼に聞けば、此処はあの有名なメジロ家の屋敷らしい

思わず彼がメジロの関係者かと聞いてみれば、違うとの答えが返ってきた

 

そこに現れたのは薄紫色の髪をした年配の女性と芦毛のウマ娘にトレーナーバッジをつけた人物

というか、

 

 

 

オグリキャップさん!?

 

思わず私は大声を上げるのを何とか自重するので手一杯だった。危うく呼び捨てにしそうになったのは私だけの秘密、だと思いたい

 

 

流石にオグリの事は知ってるわな。で、そこの子が話していた子なのか?てか流石にやり過ぎでしょうよ

 

トレーナーと思しき人物が彼に話しかける

ついでに隣にいる年配の女性に抗議の声をかけてもいたね

 

そうは言いましても。有能な方はウマ娘だろうがトレーナーだろうが顔を繋いでおいて損はありません。ましてやトレセン学園に入る前に見つけられる事など稀なのですから

 

トレーナーバッジをつけた男性の抗議などまるで気にしないかのように振る舞う女性。その所作に気品があるのは流石の私でも理解できた

 

それはそうとして先ずは事情を説明すべきじゃないか?

当事者である彼女が置いてけぼりでは気の毒だ

あと確かに私はオグリキャップ。聞いたけどレースをよく観に来てくれていたそうだね。ありがとう

 

と私に軽く頭を下げる先輩に当時の私は取り乱したものだ

 

 

それからメジロ家の当主である人物主催のティーパーティーが何故か開催され、そこで私の研究テーマやこれまで得た知見。それにこれからわたしがどうしたいのか?などを聞かれた

この時初めて彼が来年度からトレーナーとして生活を始めるという事と先輩のトレーナーが彼の高校時代の先輩である事を知った

 

 

そして私はひと月後トレセン学園受験を決めたのさ

 

 

月並みの表現になるが、あのレース場でのトレーナーくんとの出会いはある意味運命だったのかもしれないと私は今でも感じている

 

トレセン学園に入学が決定するなり彼経由でメジロの当主から合格祝いとの事でプレハブを一棟用意された

曰く

 

貴女のその研究は今後の私たちウマ娘にとって必ず必要になるでしょう。なので先行投資ですよ

若い才能に投資するのに躊躇う理由はありませんからね

との事だったらしい

 

 

後で先輩のトレーナーであるYから聞いた話によると

 

オグリやタキオンにウララの世代にはメジロのウマ娘がデビューしてないからな。メジロの悲願の妨げにならない事。そして本当にタキオンの研究が将来役に立つかもしれないから投資したんだろう

 

との事だった

 

 

 

 

 

っと

随分長い事回想していた気がする

 

さて先輩達は

 

まだの様だね。やれやれだよ

まぁ、トレセン学園で唯一の公認カップルだから仕方ないのだろうけどね

 

 

オグリキャップ先輩とそのトレーナーの話は先輩の同期達なら知らぬ者はいないだろうし、その後輩である私達もまた殆どのウマ娘が知っている事だろう

 

因みにマスコミやURAの人間は知らないだろうし、教える事もない

何せ先輩の世代は質の悪いマスコミが色々しでかした様でそれこそ台所にいる『コードネームG』以上に忌み嫌われているからね

あとマルゼンスキー先輩の件でも相当お冠だったからURAに対する不信感も相当なもののはずだ

それに加えて引退レースである有馬記念の後に噂ではURAの幹部職員が先輩のトレーナーをすげ替えて海外のレースに挑戦させようとしたらしいと私のトレーナーから聞いた事がある

まず可能性はないね

 

もし仮に、万一露見すればそれこそ天地をひっくり返す様な大騒ぎになる事は間違いないだろうけど

 

とはいえ、それを外部に漏らす者がいるとも思えない位羨望の的なんだけどねぇ

 

 

決め手は温泉利用券

トレセン学園内では先輩の正しくシンデレラストーリーのきっかけとなった(私はそう思わないが)ソレに対する生徒達の執着は凄まじいものがある

 

 

 

学園内で私とトレーナーの仲が判明した場合の事を考えると

無事では済まないだろう

 

なにぶん恋愛が絡むと私達ウマ娘も冷静ではいられないだろうからね

 

 

おや?

 

 

 

此処でようやくタキオンは自身のトレーナーがPCのキーボードに覆い被さる様にして眠っている事に気付いた

 

やれやれ

全く私には「無理するな」「健康的な生活を送れ」と散々言っているのに、他ならぬ君が眠ってしまっては意味がないだろう?

 

タキオンはそう独り言をすると、柔らかい笑みを浮かべて自身のクローゼットから予備の白衣を取り出した

 

そして

 

いつもありがとうトレーナーくん。でも私の事を気にし過ぎて身体を壊されるのは困るんだよ?

 

今日はゆっくり休んでくれたまえ

なに1日程度のトレーニングならば必ず取り返してみせるからね

 

大好きな私だけのトレーナー

そう彼の耳元で小さく囁くと自分の着ている白衣を未だに紫色に発光(・・・・・)し続けているトレーナーへと掛けた

 

 

 

 

っ!

 

流石にタキオンも恥ずかしかったのか、顔を赤く染めてしまう

だが、幾らタキオンが意識しても顔が緩むのを止められなかった

 

無理して欲しくない でも彼が自分の為にあれだけ働いてくれるのを見ると満たされてしまう

彼のいつもの笑った顔が見たい でも彼の寝顔は見た事がなかったし、なんというか可愛いかった

 

 

 

何のことはない

タキオンも立派な乙女(恋する少女)だったというだけの話である

 

 

が、自身のキャラではない事をタキオンはしっかり自覚しており、誰の目もない今だからこそ勇気を出して出来たのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう

 

誰も見ていない(・・・・・・・)はずだった

 

 

 

 

 

ト、トレーナー。タキオンが

 

落ち着けオグリ。いいじゃないか、初々しくて

いやぁ、微笑ましいねぇ

 

 

 

へ?

 

 

思わずタキオンは間の抜けた声を出してしまう

いや確かにあの二人は此方を見向きもしていなかったはず、だ

 

おそるおそるタキオンが二人の方を見てみると

 

 

 

おめでとうタキオン。私は誰が何と言おうと祝福する

 

と目を輝かせている先輩(オグリキャップ)

 

いやぁ、アイツも愛されてるなぁ。うん、アイツの親父さんとお袋さんにも良い報告が出来そうだな

 

と何やら危険な事を口走っているY

しかも腹の立つ事にタキオンと目が合うなり、サムズアップをしてくるというおまけ付き

 

 

これは、ウザい(断言)

 

 

 

いつ式を挙げる?私も同行しよう

 

オグリ院

任せろ!こういう時のメジロさんやないか!

 

と明らかに揶揄いながら、それでもタキオンを祝福しているのだから本当に性質(たち)が悪い

負けっぱなしは癪に触るので思わず

 

 

 

なら精々盛大な式にしてくれたまえよ!

何せ私とトレーナーくんの晴れ舞台なのだからねぇ!

 

と顔を真っ赤にしながら宣言(反撃)する

なお私は恐らく薄らと涙目だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから3年後、タキオン自身は忘れたい記憶としてこの日の事を封印していたが、トレセン学園を卒業したタキオンと彼女のトレーナーが年度末である3月末日に盛大な式を挙げたそうである

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まさか、恋愛要素を全面に押し出す事になろうとは、この鞍馬エル執筆の中で我を忘れた!(平常運転)

相変わらずの出来栄えなので良いのか悪いのか判断つきかねますが、お納めください(深々と土下座)
なお、私は甘酸っぱい話を続けると雰囲気を壊したくなります(最低)

なので、そういう話がいる!と思われる方がもしもおられましたらご意見下さい

ではご一読ありがとうございました
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