裏側の苦難   作:鞍馬エル

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勢いの割に今回は手こずった感が強い

ま、仕方ないね

今回は少しばかりキャラ崩壊してる子もいるのでそこの所宜しくです


 トレーナー達の狂宴

 トレセン学園に在籍するトレーナー

 

彼等彼女達は基本的に多忙な日々を送っている

担当ウマ娘のトレーニング内容の思案。決定した場合もトレーニング場所の利用申請や必要に応じて器具などの手配

担当の健康管理にメンタルケア

出走レースの確認や申請。更にライバル達についても調べる必要が出てくるだろう

レースに出走するとなるとマスコミ(慮外者)対策も必要となる場合もある

その上日々担当とのコミュニケーションやトレーニング

 

担当にもよるが趣味に付き合う必要が出てくることもあるだろう

その上で、トレーナー自身も担当や自分の為に更なる知識を求め、研鑽を積み成長していかねばならない

 

 

1日20時間働けますか?

とは東条トレーナー責任者がまだトレーナーになる前にトレセン学園所属のトレーナー達の間でまことしやかに言われていた冗談(本音)だったりする

 

 

何が言いたいかと言うと

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、うちのウンスは可愛いんですよ!

確かに少しばかりサボり癖がありますけどね、それも可愛いじゃないですか!!

 

分かる

 

皆さん結構溜め込んでいたりするのです

 

 

 

 

 

年度末の確定申告という強敵を打破したトレーナー達は束の間の休息を噛み締めていた

 

 

しっかし、お前もセイウンスカイにやられてんなぁ

と茶化すのは『女帝』エアグルーヴのトレーナー。通称たわけトレーナー

 

いうてお前も大概だろうが。ウチのルドルフから聞いたけど半月に一度部屋の掃除に入られているらしいじゃないか?何やってんだよ

とは『皇帝』シンボリルドルフのトレーナー。人呼んで皇帝の杖

 

ええ、流石にそれはまずいでしょう?年下の娘にそこまでさせるのはどうかと思うわよ?

とたわけ氏を冷めた目で見つめるのはキングヘイローのトレーナー。通称お姉さん

 

いや先輩流石にそれはねぇですわ

と茶化されて不満そうなのはセイウンスカイのトレーナー。別名マイナスイオントレーナー

 

トレセン学園において個性的なウマ娘が多いとされているが、それに引けを取らない程度にトレーナーもまた個性(あく)の強い者ばかりである

 

 

 

前々から思ってたけど、中央のトレーナーってのは個性が強くないとダメな規定でもあるのかねぇ?

とはオグリキャップのトレーナーのぼやきだ

 

あら、鏡をお探しなら階段の踊り場にありますよ?

と平然と毒を吐くのは駿川たづなトレセン学園理事長秘書。『空白の世代』のトレーナーである彼とは既に四年以上の付き合いだ。彼を始めとしたトレーナーによって非常に苦労した事があり、割とオグタマ世代のトレーナーには辛辣な言い方をする事が多い

信用してはいる。が、手放しにすると何をしでかすか分からないのだから駿川秘書や秋川理事長の苦労は相当なものだった。二人はその三年で体重が減るわ、胃薬を常備し始める様になったらしい

 

とはいえ、別に必要な事であった事も理解している。だからたまにふざける事で意趣返ししていたりする

何とも人間関係が複雑骨折している様だ

 

 

なお、トレセン学園一のツッコミ(ぢから)を持つタマモクロスはこれに対して

無言で顔を背けていたらしい

 

 

曰く

直視しとうない現実もあるんや

との事

 

 

 

 

基本アルコール類を控えるトレーナー達だが、余程メンタルがヤバい時は近所の商店街にある隠れ家的居酒屋に行って思いの丈をぶちまけるのが通例となっている

 

なお、これはトレセン学園にいるトレーナー達に『代々伝わる伝統』らしくトレセン学園が創設された頃からの伝統との事

その居酒屋は個室があり、

 

 

店での事を外に漏らさない

事が徹底されている

 

客も店側もそれを徹底しているからこそ、今まで伝統として語り継がれてきた

 

元々この居酒屋は店の最奥に個室を一つ用意していた

が、四人席であり、当時のトレーナー達はいつも四人で来店していたのだがいつも顔ぶれが変わるのを気にした店主は改装を決断

奥の個室席の定員を六人に増やしたのだ

更に個室席の壁についても、防音を意識したものに改め毎週金、土、日の三日間は『学園トレーナー』の為に個室席は空けるという事にする

 

なお、改装費用についてはトレセン学園のウマ娘(生徒)やトレーナーの為という事で一部が商店街組合から捻出されていたりする

マスコミなどについては商店街全体で把握、共有出来るようなシステム(連絡網)が密かに整備されているのだから驚きだ。組合長もとい会長はトレセン学園理事長への直接連絡手段を代々引き継いでいたりもするなど商店街側は出来る限りトレセン学園に協力している

 

 

トレセン学園が出来るまでもそれなりに賑わっていたが、それでも大型商業施設などの進出により、全国的に『シャッター商店街』となっている状況に商店街組合や各店は戦々恐々していた

そんな中での大きな、大き過ぎる需要を生み出すトレセン学園の存在は商店街にとって救世主となりえる存在

故に商店街側はトレセン学園を全面的に支持し、支援してきたといえるだろう

 

この居酒屋は非常にわかりにくい場所にあり、インターネットの普及が進んでいる現在においても全くネットに情報を載せる事はない

そんな場所だった

 

注文した商品を個室に届けるのは店員ではなく、おもちゃの機関車である為会話内容を聞かない様にしている(・・・・・・・・・)という徹底ぶり

 

 

これもまた様々な外部に出してはいけない情報を持つトレセン学園のトレーナー達にとってありがたいシステムといえるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

ウチのウンスの事をもっと話したくはあるんですけど、それだけで飲み会の時間終わりますんでやめときますね。で、何でそんな変な状況になってんですか?

とイオントレーナーはたわけトレーナーに話を振る

 

流石に感心出来ない話だろう。彼女達を支えるべき立場のトレーナーが逆に世話されるのは好ましい話とは言えないと思うが?

とは杖

 

そうね。確かにエアグルーヴは家庭的に素敵な娘だと思うわ。でも物事には限度があるんじゃないかしら?

お姉さんもやはり否定的だ

 

や、それ言い始めるとスーパークリークのトレーナーはどうするんですか?多分自分より凄い事になってますよ?

 

おい、そこで例外中の例外を持ち出すんじゃない

 

アレは完全に囚われているからなぁ

 

年下の娘にお世話される三十代の男性。どう贔屓目に見ても事案なのよね

 

イオントレーナーの発言に三人とも異口同音にそれは卑怯だと抗議する

 

 

 

 

ウマ娘スーパークリーク

 

タマモクロスの後輩にあたり、タマモクロスとは家族ぐるみの付き合いの少女

物心つく頃からタマモクロスをお姉ちゃんと慕い、またタマモクロスの弟や妹達の面倒をよく見ていた

 

その為か中々凄い性癖を持つ事になってしまった

 

見た目幼い(失礼)タマモクロスの姉とし、色々お世話されタマモクロスの弟や妹達のお世話をする

 

その内彼女は

お世話され、される事こそ円滑なコミュニケーション手段である

という中々にぶっ飛んだ考えに至ってしまう

 

そして、悲しい事にタマモクロスや同じ地方組であるオグリキャップにタマトレやオグトレにウマ娘としてのトレーニング。中央で上手くやっていける為の方法などを学ぶ事になる

 

 

此処で彼女の考えである

お世話される事が円滑なコミュニケーションに繋がる

というモノに一定の説得力を持たせてしまったのである

 

彼女はそんなオグリキャップ達にご飯を作る事で少しでも恩返ししようとしたのだろう

そうタマモクロスやオグリキャップ達には見えていた

 

が、実のところ違う

ご飯を作るという行為により彼女なりにお姉ちゃん達のお世話をしている

という認識だったのだ

 

その致命的なズレに気付くにはタマモクロスやオグリキャップ、彼女達のトレーナーはあまりにも面倒ごとに巻き込まれ過ぎていた

何せタマモクロスもオグリキャップもトレーナー達もマスコミやURAへの対応(主に二人のメンタルケア)に時間をかける事に注力せねばならなかったのだから

 

 

その結果

 

お世話大好きスーパークリークが爆誕してしまったのである

 

 

因みにスーパークリークは自身のトレーナーのあらゆるお世話をするのだが、逆にタマモクロスやオグリキャップと二人のトレーナーに甘やかされるのも好きという中々に拗らせた事になっている

最近の目標は同室であるナリタタイシンを何とかして甘やかしたいらしい。が、ナリタタイシンのトレーナーも割と極まった人物なのでさしもの彼女でも手こずっているそうだ

タイシンのトレーナーはトレーナーで何かとタイシンを甘やかそうと日々研鑽を怠らない好漢であり、料理の腕前は既にタイシンとほぼ同等の水準にまで達しているとか何とか

 

 

 

 

こうして考えると割と濃い人が多いよなぁ

 

今更でしょ?

 

一緒にされたくない

 

諦めろ。俺もそう思うが、多分手遅れだ

 

トレセン学園の魔境っぷりを改めて実感した彼等はややショックを受ける(手遅れ)

 

 

 

それはそうとして、最近ルドルフが困っているらしいんだ。何か知らないか?

と杖が発言する

 

いや?グルーヴからは何も聞いてないが?

たわけは首を傾げる

 

あの娘からもないわね

 

うーん、どうだろう?

お姉さんは分からない即答するが、イオントレーナーは微妙な顔をする

 

知ってるのか?

 

いやぁスカイから聞いた話なんだけど

 

 

 

 

 

 

 

 

くっ

皇帝と呼ばれているシンボリルドルフは膝を屈した

 

ち、畜生っ!

ルドルフに並々ならぬ思いを持つシリウスシンボリも立ち上がることができない

 

あ、あれぇ?

なんだかんだで向上心と自分の為に奔走してくれるトレーナーの為にも更なるレベルアップを目指しているセイウンスカイは思う様にいかない現状に困惑する

 

くっ、まだこの程度ではっ

向上心においては同世代のウマ娘達にも一目置かれているグラスワンダーは震える足で立ち上がろうとする

 

 

ほいっ

 

ひゃあっ

 

あっさりとグラスワンダーの震える足に追撃の手が伸びる

予想外の事に思わず甲高い声をあげてしまうグラスワンダーだが

 

 

 

 

はい、一時休憩

足崩して休んでもいいよ?

 

 

漸くトレーニング(座禅)が終わった。まあ休憩なのだが

 

 

確かに高い身体能力や咄嗟の判断能力がレースにおいて大きな武器になる事は間違いない

が、それを十全に活かす為には何事にも動じない強い精神もまた必要なのである

 

 

彼女達にとって目指し、そして越えていかねばならない目標であるオグリキャップを始めとした先達たち

学園生活において、生徒会長でありながら破天荒な性格で知られるキンイロリョテイ。彼女ですらレース中はその精神が揺らぐ事は一切ない

それ故にかの世代においてはどんなレースでも名勝負が繰り広げられていたのである

 

確かにオグリキャップやタマモクロスが目立っている様にも見えるが彼女達とて無敗という訳ではない。時に泥に塗れ、苦杯を舐め、それでも勝利を貪欲に求めていたからこそ多くの観客を魅了したのである

『一意専心』ジャラジャラや『暴走特急』エレジー、『奇策縦横』ギンシャリなどと言った決してトレセン学園において注目されていたとは言い難い彼女達。彼女達はクラシックの目黒記念や阪神カップ、鳴尾記念。これらのレースで世代を代表すると言われていたオグリキャップ、マルゼンスキー、ミスターシービーをそれぞれが破っている

 

 

絶対などない。そんな幻想(ゆめ)なんて見る事はゆるさないっ!

 

私達も負けたくない!例え周りがどれだけ私が弱いって言っても私は、私だけは自分を信じて走り抜けるっ!

 

実力が及ばない?笑わせるな!足らぬならば創意工夫をもって補い、届かぬならば届かせるだけの準備をするのみ、私たちの執念を舐めるなっ!

 

各レースを勝利した彼女達は一様に己の実力不足を理解してなお、でもそれでもと3年間もの間その牙を研ぎ続けた

 

レース解説者はそれらのレースの注目は彼女達でないと言っていたが、そんな事(・・・・)で脚を止める、諦める理由にもなりはしないと戦意を高めていた

 

 

中学時代、ルドルフは

皇帝の走りには絶対がある

ともてはやされてきたが、先輩達の執念の走りともいえるモノを見て衝撃を覚えた

シリウスとて半ば自身の中で諦めの感情を知らぬうちに持っていた事を痛感し、己の弱さを恥じた

スカイは自分の勝利へのこだわりがあの先輩達と比べて弱い事を認めざるを得なかった

グラスはどの様なレースであっても全力で挑み、格上と言われる相手にも怯まず挑み続けるジャラジャラ達に大和撫子の心意気をみた

 

 

 

結果、彼女達はジャラジャラ達が3年間利用し続けてきたトレーニングについて調べる事とし、それで判明したのがこの『座禅トレーニング』

だった

 

 

元々どちらかといえば、西洋風な生活を送ってきたルドルフとシリウスにとって長時間の正座というものは未知の強敵

気ままにする事を基本としていたスカイにとって、座禅というモノは未知のものである。がこころ(精神)を乱さない様にするというのは得意としていた。しかし中々思うようにいかない事で心が容易く揺らいでしまう

日本文化に興味のあったグラスは座禅にも取り組んだ事はあったが、今受けている様な座禅は後にも先にもこのトレーニングだけだろう

 

 

何故ならば

 

 

よっしゃ、これ出来たから持って行き。コラァ、オグリィ!自分ばっかり食べたらアカンやろが!自重せんかい!

 

まあまあ、タマモもそろそろ食べる側に回れば良い。ずっと作る側では大変だろう?

 

…トレーナー。これも美味しい

 

そうですか?ではミークこれと交換しましょう

 

ふぅん。確かに皆で食べる食事もたまには悪くないかもしれないね

 

タキオン、次は何食べる?持ってくるぞ?

 

そうだな。そろそろお腹も少し膨れてきた。タマ、私が代わるよ

 

 

とまぁ座禅をしているルドルフ達のすぐそばで調理タマモクロスとそのトレーナーによるバーベキューが行われていたのであるっ!

 

なおルドルフ達は基礎トレーニング後(・・・・・・・・・)であり、当然お腹はとても空いている

そんな彼女達の目の前でトレセン学園でも屈指の調理スキルを持つと言われているタマモクロス達によるバーベキューが行われている

 

 

座禅故、目を閉じている

 

が、視覚を閉じた事により他の感覚が鋭敏となりわかるのだ

 

 

肉や野菜が焼ける音

それらが醸し出す淡白だが濃厚でもある香り

 

これに抗い、精神を統一せねばならないのだからルドルフ達の負担は並ではない

 

 

このトレーニングの凄いところは、トレーニングするウマ娘の体力()一切消耗しないという事であろう

 

一部の極まったウマ娘たち

ジャラジャラやエレジー、ギンシャリなどはこれを通常のトレーニングと併用する事により『不動の精神力』ともいえるモノを身につけている

 

事メンタルの強さにおいて彼女達は『空白の世代』においても最上位に位置する

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事が行われている事を知るのはこの座禅トレーニングの責任者であるオグトレとタマトレに一部のウマ娘やトレーナーとトレーニングを受けているウマ娘。それに秋川理事長、駿川秘書と東条トレーナー部門責任者である

 

…というよりも、このトレーニング法は東条ハナが担当であったカブラヤオーの逃げ癖をキチンとコントロールする為に始めたモノだったりするのだが

それを知るトレセン学園関係者はいない

 

その為内心では

(そう。貴女達もその道を選ぶのね。ふふっ、やっぱりコレが一番なのよね)と悦に浸っていたりするが、幸いにも誰も気付いていない

 

 

 

 

そしてルドルフにせよ、スカイにせよ心の底では

 

(強くなったトレーナーに自分をもっと見てほしい)と思っているのでトレーナーには言い出さないでいた

 

何ともいじらしく涙ぐましい努力と愛ではないだろうか?(感覚麻痺)

 

 

 

 

なお後日そのトレーニングが露見した際、杖とイオントレーナーは日頃の温厚さをかなぐり捨てて、オグトレやタマトレに全力で挑みかかった模様

 

それを見てルドルフとスカイは自身のトレーナーへの思慕の念をさらに強めたとかなんとか

 

 

 

 

 

のちに愛情が溢れた(オーバーフローした)結果

 

シットリルドルフと密かに呼ばれる事になるのは公然の秘密である

 

 

 

 

 

 




なんでこうなったのかは

私にも分からんっ!(開き直り)

まぁ勢い任せで突っ走って垂れたら終わるから大丈夫やろ
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