俺のヌメルゴンがなんか病んでる   作:鋼タイプが好こヴィラン

9 / 11
バトル入れたせいでやたら長くなったので明日に分割
ポケモンバトル書くの初めてだから大変だわ

バトルやめてヤンデレ書きたい…


カトレア3

 

 カトレアちゃんに勝負を申し込んだ後、カトレアちゃんにも準備があるらしくしばらくしてから庭にあるバトルコートにてバトルを開始するとのこと。

 

 ……バトルコートって家にあるものなの⁉︎

 

 バトルコートというのは公式戦などでポケモンバトルする時に使用される場所で、面積や大きさ、使用する土の種類なんかもポケモンリーグの規定によって定められている。

 これはポケモンリーグ公認のバトル会場やジムリーダーが使用するジムなどに設置されているものであり、仮に無理して用意したとしても手入れなどに手間も費用もかかる為、間違っても一般家庭にあるものではない。

 

 やっぱお嬢様ってすげーわ。バトルコートが庭に設置してある家初めて見た。

 

 そんな感じで物珍しさ丸出しにコートを点検していると、いつの間にやらカトレアちゃんの準備ができたみたいでコクランさんを伴いコートまでやって来ていた。

 

 コートの指定されたエリアに入り、お互いに向かい合う。

 

 実というと俺は今の手持ちが2体しかいない不利な状況なのだ。

 

 キュウコンはサーナイトのテレポートで置き去りにされて今行方不明になっている。

 

 ハバタクカミはキュウコンに噛みつかれて戦闘不能。回復はしているがすぐに戦線復帰できる状態ではない。

 

 ウツロイドはそもそも手元にいない。

 

 そして、サーナイトはやる気を見せていない。おそらく戦う気がないのだろう。

 サーナイトはミュウツーに俺が攻撃された時にもっとも近くにいた。というより、彼女はミュウツーの攻撃から俺を直接庇ってくれた。それは俺の死を最も身近に感じたとも言い換えることができる。だから、サーナイトは元カトレアちゃんのポケモンであるということを差し引いても、俺が国際警察を続けることに反対しているのだ。

 

 ということで、俺はマスカーニャとヌメルゴンの2体が強制選出となる。

 

「アタクシが勝ったら、アナタはこれから先ずっとアタクシの側に貰うわ」

 

「俺が勝ったらここから出して貰いますよ」

 

 審判はコクランさんが務めてくれるようだ。

 彼はカトレアちゃんの執事だけど、こういう勝負事はちゃんと公平に判断してくれる人なので信頼できる。

 

「勝負は2vs2のシングル戦。全滅した方が敗北でよろしいですね? ……それでは始め!」

 

「頼むぞ! マスカーニャ!」

 

「アナタの手持ちぐらいアタクシが知らないと思って? 行きなさい! エルレイド!」

 

「エルッ!」

 

 2人同時にボールを投げる。カトレアちゃんが選んだのはエルレイド。格闘タイプを持つため、悪タイプを複合している俺のマスカーニャに対して有利を取れるポケモンだ。そして残念なことに鋼タイプのヌメルゴンにも強く出れるポケモンである。

 当然、カトレアちゃんはヌメルゴンが鋼タイプを持っていることは知らない。ナナカマド博士情報を売ったならともかく、未だこの世界では未発見のポケモンであるヒスイヌメルゴンのタイプを知る方法は俺以外ないだろう。

 故にこれはマスカーニャ対策が普通に刺さってしまったと考えるべきだ。

 

 対して俺が出したのはマスカーニャ……なんだけど……。

 

「ボールから出てこない……。えっ? まさかの応答拒否⁉︎」

 

「ふぅん、アナタのポケモンもここにいて欲しい、危ないことして欲しくないって考えてるみたいね」

 

 マスカーニャお前もか。でもある意味仕方ないと思うところはある。普通トレーナーが目の前で死にかけてたらそんな仕事辞めさせようと考えるよね。

 

 でも、原作知識持ってる俺がやらなきゃならないと思うから辞めないけど。

 

 

 そんな風にトレーナーが考えている中、ボールの中でマスカーニャは人知れず奮闘していた。

 

 そう! 未だにハバタクカミが掛けた呪いのロックが解除できないのだ! 

 

 マスカーニャは何度も抜け出そうとした。にも関わらずボールから出ることは叶わず、毎日摂取しているトレーナー成分を補給することができずに禁断症状が出ているのだ。

 

 その目は血走り全身はガタガタと痙攣している。怖い。

 

 そして今、トレーナーが自分を呼んでいるのにハバタクカミに掛けられたボールロックのせいで出ていくことができない。

 

 これがマスカーニャにとってどれほど絶望的かつ恐ろしいことか分かるだろうか? 

 

 もしかしたら、今回のせいで自分がトレーナーに見限られて捨てられてしまうのではないか? 

 もしかしたら、2度とボールが開かずトレーナーと触れ合うことができなくなるのではないか? 

 もしかしたら、自分がボールの中にいる間に他のメスネコにトレーナーを取られてしまうのではないか? 

 

 そんな恐怖がマスカーニャを絶えず襲ってくる。

 

 そんな恐ろしい妄想がそれを現実にしたくないマスカーニャに力を与えた。

 

「ニャ……ニャアア……ニャァァアア!!!!」

 

 ビシリビシリとボールに罅が入る。マスカーニャが内側からボールをこじ開けようとしているのだ。

 

「フニャアアア!!!」

 

 やがてボールに走る亀裂が全体を覆ったかと思うと、凄まじい怒号を響かせてマスカーニャが中から飛び出して来た。

 

 

 

 なんかマスカーニャがボール割って出て来た件について。

 

「ニャッ! ニャア!」

 

 ボールから出て来たマスカーニャは目の前に立つエルレイドのことなど見向きもせずに、俺に飛びつき抱きついてきた。目から涙を流しながら顔を胸に擦り付けて、俺の匂いを肺いっぱいに取り込むかのように深呼吸を繰り返している。

 

 この動きから察するに、もしかしてボールの故障かなんかで外出れなくなってたのか? だとしたらもっと早く気がついてあげるべきだったな……。

 

 そしてそれに呼応するようにもう一つのボールの方にも罅が入り、ボールが砕けて中からヌメルゴンが飛び出して来た。

 

「ヌメェェェェンンンン!!!」

 

 ヌメルゴンもそのジト目に大粒の涙を浮かべながら俺を押し潰すように抱き抱えた。目の前のマスカーニャの顔が尋常じゃないことになってるけどまあいいでしょう。今は2体の復活が嬉しい。

 

 あと、そろそろカトレアちゃんの目が厳しくなって来た。流石に待たせ過ぎたな。

 

「ごめんな、もっと早くにボールの故障に気付いておけばこんなことにならなかったのに……。早速で悪いけど一緒に戦ってくれないか?」

 

「ニャア!」

 

「ヌメェ!」

 

 2体とも俺の言葉に頷くとマスカーニャはバトルコートに入り、ヌメルゴンは俺の真後ろに回って体を寄せて来た。それを見たマスカーニャがまたしても修羅の形相になっていたが気にしたら負けな気がして来た。

 

「アナタずいぶんとそのポケモンと仲が良いのね……。徹底的に潰してあげるわ」

 

「発言が全くエレガントじゃない!」

 

 エルレイドとマスカーニャが対峙して睨み合う。

 ちなみにカトレアちゃんのエルレイドは俺のサーナイトの兄にあたるらしい。

 

 交代してもどのみち弱点なのでこのままマスカーニャで行こう。

 

 ポケモンバトルにおいて公式戦で使用できる技は4つだ。

 別にポケモンは4つしか技を覚えられないという訳ではないが、公式ルールで4つまでしか使用してはならないと記載されている。それ以上使ったら失格になってしまう。なのでポケモンバトルでは覚えている技の中から、4つまでどの技を使うのかバトル中に決めなくてはならないのだ。

 

 ちなみにこの戦いは公式戦ではないが公式ルールに則って行われるので互いに使える技は4つとなる。

 

「エルレイド! せいなるつるぎ!」

 

「エルッ!」

 

 エルレイドは自身の手から生えたブレードにエネルギーを貯めると、走ってマスカーニャとの距離を詰めて勢いよく切り掛かる。

 エルレイドは特性きれあじによって切断技である『せいなるつるぎ』の威力が増すのだ。

 

 そして格闘タイプの『せいなるつるぎ』は悪タイプのマスカーニャに効果抜群。直撃したら一撃でやられるだろう。

 

 エネルギーを溜めて切り掛かるエルレイド。だがまだ指示を出さない。目の前に迫って来ても尚、マスカーニャは俺を信じて待機していてくれる。

 

 もう少し、もう少し引きつける必要がある。

 

「今だ! マスカーニャ! シャドークロー!」

 

 エルレイドは格闘・エスパータイプ。ゴーストタイプのシャドークローは効果抜群だ。

 ギリギリまで引き付けたことでこのシャドークローは回避出来ない。だがそれはこちらも同じ。エルレイドのせいなるつるぎの直撃は避けられない。

 

 だがマスカーニャのシャドークローはエルレイドの細い胴体に突き刺さり、エルレイドの攻撃はまるで実体のない幽霊を攻撃したかのように通り抜けてしまった。

 

 特性『へんげんじざい』

 自分が使った技に自身のタイプを変更するという圧倒的強特性だ。ゲッコウガが猛威を奮っていた時期では何度でもタイプ変更が可能であったが、さすがにナーフされて今では一回限りの変化になった。自在とは? 

 

 俺のマスカーニャの『へんげんじざい』もナーフ後の特性で変化は一回のみ。だが、厄介な格闘タイプを封じたのはデカい。それに今のはかなり良いダメージが入ったはずだ。

 

「エルレイド、つじきり」

 

「エルッ!」

 

「ニャアアア!!」

 

 せいなるつるぎが透かされてシャドークローが直撃したというのにエルレイドは意にも解さず、一瞬の隙もなく抜群技のつじぎりで攻め立てる。

 にしても威力が異様にデカい。防御にそれほど秀でていないマスカーニャが一撃で追い込まれるのはともかく、こちらの攻撃があまり通らないのはさすがに強すぎる。

 

「言ったでしょう? アナタの手持ちくらいアタクシが知っていると。当然、その特性も知っていたわ」

 

 既にアタクシのエルレイドはビルドアップを済ませています、とカトレアちゃんは堂々と宣言した。最初に出た時にビルドアップを発動していたのか。恐ろしい早業。

 

『とんぼがえり』を使ってマスカーニャを引かせる? でもヌメルゴンを出したところで状況は好転しないし、最悪なんか色々と積まれてマスカーニャもやられる可能性が高い。

 だが、ここでエスパーを無効にできるマスカーニャを失うわけにもいかない。

 

「マスカーニャ、頑張れる?」

 

「ニャアア!!」

 

 マスカーニャのやる気は十分。……このまま行こう。

 

「マスカーニャ! かげぶんしん!」

 

「「「「ニャニャニャニャニャ!!」」」」

 

 マスカーニャが実体のない10体の分身体を用意してエルレイドを囲み込む。

 

「トリックフラワー!」

 

「「「「ニャアッ!」」」」

 

 分身体それぞれが花束の爆弾をエルレイドに投げ入れる。分身体に実態はないため威力が10倍になるとかそういうのはないが、撹乱としてなら十分機能する。

 

「エルレイド、サイコカッターで切り裂きなさい」

 

「レイッッ!!」

 

 カトレアちゃんの命令に合わせてエルレイドが被弾覚悟で自身の剣にサイコエネルギーを込めて回転する。サイコエネルギーによって増大した大きさと切れ味によって、四方八方を囲んでいた全てのマスカーニャは切り裂かれてしまった。

 

 だがそこには既に本物はいない。

 

 派手に展開したかげぶんしんは囮。大量展開されたかげぶんしんに気を取られた隙に本物のマスカーニャは既にその身軽な身体を活かして飛び上がっている。

 

「今度こそトリックフラワー!」

 

 マスカーニャが上から落とした花束爆弾が今度こそエルレイドにクリーンヒット。トリックフラワーの効果で確定して急所に当たる。故にビルドアップしてようがこの一撃はかなり痛い。これで決まりだ。

 

「まだよ! エルレイド! つじぎ──「ふいうち」──り!」

 

 気力で耐えきり、それでも尚立ち向かおうとするエルレイドを死角から蹴飛ばしてマスカーニャが勝利した。

 

 マスカーニャはまだ行けるとアピールしているが、これ以上の戦いは無理だろう。むしろ最初のつじぎりで倒れててもおかしくなかったのに、悲しませまいと持ち堪えた上に気力で戦い切ったのだからよく頑張ってくれたと思う。もう休んでくれ。

 

 まだ戦いは前半戦を終えたばかり。本当の勝負はこれからだ。油断せずに行こう。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。