誰が噛ませ犬だって?   作:名も亡き一般市民

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頼んだぞ。ワンダバ大監督。

 

「まず改めて自己紹介しようか。僕はフェイ・ルーン。サッカーを守るために、200年後の未来から来たんだ。」

「僕はガンマ。フェイ同様200年後から来た。目的はエルドラドからサッカーを守ること。宜しく松風天馬。」

 

プロトコルオメガvsテンマーズの試合後、俺は改めて二人から話を聞いていた。二人が何者で、なぜサッカーが消えてしまったのか。

 

「フェイから今聞いたように、エルドラドの目的は優秀なサッカー遺伝子から誕生したセカンドステージチルドレンを産み出さないこと。僕はそれが嫌で、彼らと敵対することにしたのさ。」

「ガンマ、やっぱり君は…」

「君の推察通りだフェイ。僕は元々エルドラドのエージェントとして所属していた。」

「けど、どうしてガンマは俺のところに来てくれたんだ?」

「君の存在は大きい。革命を成し遂げた雷門中のように、この戦いには欠かせない。そして君は、僕の友人によく似ているからさ。」

「友人?」

「あぁ。だが、それは後でいい。今僕達がすべきことは…」

「雷門中サッカー部を取り戻すこと、だね!」

「けど一体どうすればいいんだろう…」

「そこからはワタシが説明しよ~う!!」

「頼んだぞ。ワンダバ大監督。」

「おう!任せとけぇ!!」

 

 

 

 

~クラーク・ワンダバット説明&過去へタイムワープ中~

 

 

 

 

***

 

 

「到着~!タイムジャンプ成功だ!」

「ここが、10年前の雷門中…」

「歴史が正しければ円堂守は今日サッカー部を始動させるはずだ。邪魔が入らなければ。」

「大丈夫。邪魔させないために僕達がいるんだ!」

 

日中、円堂守と木野秋によるサッカー部設立を見届け、時刻は夕方。

 

「ここまでは特に何もないね…」

「油断するなよ松風天馬。サッカー部設立間もなく部員が2名入っている。エルドラドからすればサッカー部自体なかったことにしたいはずだから、早めに仕掛けてくる。」

「うん、警戒は怠らないようにしないとね。」

 

と話をしている時、円堂守に話しかける人影が見えた。

「あれは、アルファ!」

「エルドラドがきたね!」と言っている間に青い光に包まれ3人が消えてしまう。

 

「しまった!連れて行かれた!」

「ムム!マズイぞ!」

「早く追いかけないと!」

「全員落ち着け。問題ない、すぐに追い付く。僕の近くによってくれ。」

ガンマはブレスレットを操作すると、白い光が辺りを包む。

 

『追尾式ムーブモード』

 

 

***

 

 

 

光が消え、目を開けるとそこはサッカー場。

10年後にはホーリーロードスタジアムと呼ばれるサッカー場はフットボールフロンティアスタジアム。

そこには天馬たち3人+1匹の他に円堂守、そしてアルファ達プロトコルオメガが来ていた。

突然現れた天馬たち相手に最初は訝しんでいた円堂守だったが、天馬のサッカーを守りたいという思いを信じ、共にプロトコルオメガと戦うことになった。

 

「ガンマ、何故ここにいる?」

「さっきぶりだねアルファ。さっさとおじさん達から情報を受けとるといい。」

「…なるほど。既に別のパラレルワールドで我々と戦ったか。お前は敵という訳だな。」

「そういうことになるね。さっきはまるで歯ごたえがなかったから、今度は楽しませてくれると嬉しいよ。」

ガンマは挑発的な笑顔でそう言った。

 

 

 

 

 

「フォーメーションはGKに円堂さんを入れて、あとはそのままでいこう。天馬、ガンマ。それでいい?」

「うん、さっきも上手くいったしいいと思う!」

「問題ない。ただ恐らく僕のマークはより厳しくなると思う。その分他が空くはずだから、空いたスペースを利用して攻めるといい。天馬、フェイ。頼む。」

「「OK!」」

 

 

 

各々ポジションにつき、試合が始まる。

「さぁみんな!サッカーやろうぜ!!」

 

テンマーズのGK円堂守が大きな声でチームを鼓舞する。この時間軸ではまだキャプテンどころか、サッカー部すら出来たばかりだというのにこの存在感。流石は伝説のGKであると口元が緩む。

「あれ、ガンマ。さっきより楽しそうじゃん?」とフェイ。

「…あぁ、円堂さんとプレー出来ると思うとね。少し高揚する。マスターDと同じクラスの偉人だからね。フェイ、君もそうだろう?」

「へへ、まぁね!あの円堂守だもん。ワクワクするよ!」

「…この試合勝つには円堂さんは勿論、松風天馬の更なる成長が必要になる。可能な限りフォローしたい。フェイには負担かけるかもしれないが…」

「かったいなぁガンマは。大丈夫!僕は何の問題もないし、何よりガンマも手伝ってくれるんでしょ?なら何の問題もないよ!何故だか君とは初めて会った気がしないし、僕らならやれるさ。」

「…」

「…あれ?また照れ「照れてない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロトコルオメガとの二度目の試合が始まった。

初戦同様、いやより厳しくガンマをマークした上でデュプリを痛め付ける作戦を取るプロトコルオメガ。

フェイの指示中心に何とか凌いでいるが、ラフプレーによるファールも辞さない攻めに、徐々に疲弊されていく。

ボールを奪ったプロトコルオメガが預けたのはキャプテンのアルファ。そのまま円堂守との一対一へと運ぶ。

 

「これより円堂守のインタラプト修正に入る。」

「待てよ…!サッカーは、サッカーはそんなんじゃないぞ!!」

「そうだ!サッカーが泣いてるよ!」「お!お前いいこと言うなぁ!!」

 

アルファがシュート体勢に入る。体を回転させながら宙へ飛び上がり、その勢いをボールに込め放つ。

「シュートコマンド01」

必殺シュートが円堂守を襲った。その威力は10年後の主流の力である化身よりも上をいく代物。化身どころか必殺技すら会得出来ていない今の円堂守では当然止めることなど不可能。…のはずだった。

 

「ゴッドハンド!!」

力強く輝く黄金の手が出現した。それはこの時間軸は勿論10年後でも200年後でも幻の必殺技、ゴッドハンドであった。

「ゴ、ゴッドハンド?!」「まさか、ここで…?!」「パラレルワールドの共鳴現象!!」

僅かに拮抗したものの、ボールはそのまま円堂守の手に収まった。

「や、やったぁ!遂に出来たぞぉぉぉ!!」

「凄いです!円堂さん!!」

「よぉし、行け!天馬!!」「はい!!」

円堂の手から放られたボールが天馬へ。激しいプレスをものともせずドリブルで運び、フェイの手を借りつつゴール前へ。

「マッハウィンド!!」

スピードを生かし青い光を纏ったシュートはプロトコルオメガのゴールへ突き刺さった。

「やった、俺が、出来た!!」

「凄いじゃん天馬!ナイスシュート!!」

 

プロトコルオメガボールで試合再開。

ガンマを徹底マークしつつ発動された必殺タクティクスAX3によって再びアルファがゴール前へ。

今回は手加減せず化身アームドした上で全力のシュートを放った。

「シュートコマンド01!」

しかし、「今度も、止める…!!」という声と共に発動された円堂守の化身『魔神グレイト』によって再び完璧に止められたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

アルファは喜ぶ3人の内の1人、円堂守へと視線を向ける。

パラレルワールドの共鳴現象。タイムワープによって発生した複数の未来が重なることで複数の円堂守が生まれ、力が増幅された。

滅多に起こらない現象とはいえ、知識として頭に入っている。その上この現象は体感したこともある。

だが、その時の自分はここまで強化されただろうか。答えは否。いくら共鳴現象によって強化されるとはいえ、そもそもゴッドハンドに自身のシュートを止める程の威力はない。傲慢ではなく歴とした事実。さらに今発現させたばかりの化身に、化身アームドしたシュートが止められるはずもない。

そう考えていた時、ふと視線を感じたためその方向へ顔を向ける。

そこにはガンマが意味ありげな笑みを浮かべていた。

(まさか、ガンマ。お前が…?)

しかしその思考は、更なるイレギュラーによって中断されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この試合、俺も入れてもらっていいかな?」

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