誰が噛ませ犬だって?   作:名も亡き一般市民

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あ~難産だった。サッカー描写むっず。


ほんっとうに、気に食わないですねぇっ…!

 

風が強く吹いている。

草木も生えぬ広大な大地。風に伴う激しい雷雨。

 

ここはとある時間軸とある荒野。この地では数年程前まで戦争が行われていた。戦争に勝利した国は当然この地を自国の領土としようとする。しかし突如として強風に雷雨が吹き荒れ、待てど暮らせど止むことがなかったがため、領土を放棄して撤退を余儀なくされていた。

それ以降程度の差はあれど常時激しい雷雨が吹き荒れることから、神の大地や呪われた土地と呼ばれている。

 

 

 

 

 

 

 

鈍い衝突音が絶えず響く。

大地が割れ、隆起が起こる。

そして天は赤黒く染まり、今にも天変地異が起きそうな異様な光景である。

 

「何も気にせず力を振るえる最高の空間を用意するとは!随分気が利いてるぜ!!」

 

その地をかける2つの光。その内の1つ、ザナークは高々と吼えた。

 

ディザスターブレイク!!G3!!

紅い稲妻のようなオーラを纏う、ザナークの必殺シュート。

並みの選手では何人いようとも止められぬ程の威力を誇る。

 

グランドスイーパー!!

右の掌を左の拳で叩くことで、光の粒子が発生。そのまま飛び上がり、回転しつつ手を振るうことで粒子が爆発。

その爆発させた粒子をボールへぶつけることで弾き飛ばした。

 

「はっはぁ!俺のシュートを何度も止める奴はお前ぐらいだぜガンマ!だからやめられねぇ!!」

「世界が狭いねザナーク・アバロニク。僕なんて大した者じゃない。僕を越える実力者はゴロゴロいるよ。」

「それならそれで構わねぇ!俺はまだまだ強くなれるってことだからなぁ!!」

ガンマが弾いたボールをキープして、再び強烈なシュートをお見舞いしてくるザナーク。

ガンマはそのボールを蹴り返すか、足元へ収めるか。このやり取りが少なくとも1日は続いている。

また直接打撃を加えてくることもあるため、ガンマの体は既にボロボロになっていた。

 

(必殺シュートがG3か…そろそろザナークを抑えるのもキツくなってきたな…)

ザナーク・アバロニクの強さは原作知識では勿論のこと、この世界に来てからも充分に知っていた。

知っていた、が。ここまでの成長は正直想定外と言わざるを得ない。

(この短期間でG3までの進化。無印3期のリトルギガント戦のように、ピンチになるほど進化するのはこの世界の本領発揮と言えるか。あとはこの場所(・・)も影響してる可能性はある。)

 

 

まぁそもそもそれを目的としてわざわざこの地を選んだのだから、目論見通りと言える。

が、今ここにくるつもりはなかった。RTAで急遽ルートを変えたようなもの。このタイミングでのザナークは完全に予想外であった。

 

「おらぁっ!もうバテたか!?俺はまだまだいけるぜぇ!!」

 

もう少し相手したいが、そろそろ限界だ。体力的にもそうだが、恐らく日米親善試合がもう始まる時間。原作通りならここでプロトコルオメガが2.0にバージョンアップするが、さてどうなるか。

アルファはまだ良かったが、今回のザナークのように原作とズレた人物はまだ存在する。2.0になっている場合、それが厄介になるだろう。雷門のことは誰よりも信じているが、僕がいないと原作以上の被害が予想される。だから僕が行かないわけにはいかない。

 

「悪いねザナーク。急用だ。」

「あぁん?!」

 

ブレスレットを操作し、ガンマが白い光に包まれる。

 

「てめぇ逃げる気か!?待ちやがれ!!」

「一時休戦だザナーク。」

ガンマは漆黒のボールを足元へ置き、構えた。

「そして、これは詫びの置き土産だ。───シュートコマンド2…!!

 

 

 

ガンマの声は轟音にかき消され、最後までザナークの耳には届かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

「…」

 

ザナークは1人佇む。ガンマは既に消えていた。

ガンマがムゲン牢獄にいない間も、トレーニングを欠かしたことはなかった。実際さっきまでの勝負は、途中まで完全に押していたと思っていた。

 

「…」

 

ザナークは足元へ目をやった。そこには、底が見えぬほどに抉れた大地があった。その抉れは、地平線の彼方まで伸びている。どこまで続いているのか全く分からなかった。

兵器でも使ったかのような破壊の跡。たったシュート一つでここまで破壊、少なくとも今の自分よりも威力のあるシュートであった。

 

「…くっくっ、くはははは!!!」

 

その跡を前に臆するどころか喜色の混じった顔で笑う。強さを求めるザナークにとっては更なる壁が現れ、嬉しさが込み上げた。

 

「やはりお前は最高だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンマの力の前に、普段の自分よりも力が発揮されていたことに気付かないザナークであった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

プロトコルオメガとの試合に勝利し、優一さんと別れた俺達を待っていたのは雷門中サッカー部の皆であった。

剣城も部におり、安心したのも束の間、部室に飛び込んできた校長先生から伝えられたのは日本でサッカー禁止令が出たという驚愕の事実。その原因となったのは、約1ヶ月前に行われた日米親善試合だという。しかし、俺と信助、それに神童先輩の3人が見た試合内容とは全く異なっていた。

 

「確か俺達が見た試合は、3-2で日本の勝ちだった。勉強になる好ゲームだったからよく覚えてます。」

「何いってるんだド神童。前半だけで20-0で日本代表が圧倒、けど後半からは暴力行為で没収試合となってしまったド。実際にこの目で見たから間違いないド。」

「に、20-0!?いったいどうなってるんだ…?」

 

「フォッフォッフォッ!それは時空の時間軸の影響じゃな!そのことを多重時間理論と言う!」

 

(((えっ、誰?)))

「アルノ博士。」

「えっ、フェイの知り合い?!」

「僕がこの時代にくるための手助けをしてくれてる人なんだ。」

 

その突如現れたアルノ博士がいうには、俺達3人がプロトコルオメガと戦う別の時間軸にいたため、本来の時代の記憶が残ったままなのだという。つまり20-0という試合は言うまでもなく仕組まれたもの。プロトコルオメガが再び動いた可能性が高い。

 

「分かったようで分からんが、結局どうすればいいんぜよ?」という錦先輩。

「要は1ヶ月前にタイムジャンプして、プロトコルオメガと戦って勝てばよいということさ。アメリカ代表としてね。」とフェイ。

 

監督は円堂監督にお願いし、アーティファクトも用意した。あとは行くだけ、なのだが。

 

改めて部室にいるメンバーを見渡し、探している人がいないことに息を吐く。

 

「ガンマはいないのか…」

「呼んだかい?天馬。」

「うわぁっ!!」

突然背後から声が聞こえたので飛び上がりながら振り向く。背後には涼しい顔をしたガンマがいた。

「ガンマ!!良かった無事だったんだね!!」

「あぁ。突然いなくなってすまなかった。この様子だと剣城京介の件は上手くいったようだね。」

 

ガンマは剣城と円堂監督、音無先生の方へ視線を向けた。

「雷門中ではお三方がはじめましてだね。僕の名前はガンマ。フェイ同様にサッカーを守るため、未来からきた。宜しく。」

「お前もか…」「あぁ!宜しく頼む!」「は、はぁ…」

 

三者三様の返事を聞いた後、俺の方へ。

「天馬。何が起きているのかは分かっている。恐らく親善試合はもう始まっている。急いで向かった方がいい。」

「うん、ガンマもきたしすぐ行こう!皆もキャラバンに乗りましょう!」

 

応!と皆が声をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

キャラバンに乗り込み、雷門中の面々が初めて見るタイムワープに感嘆している中、静かにガンマへ声をかける者がいた。

 

「ねぇ。」

「どうしたフェイ。」

「服で誤魔化してたけどさ、君何でそんなに怪我してるの?」

じっ、と鋭い視線がガンマへ刺さる。

「…魔獣の相手をしていたからね。むしろこれぐらいで済んで良かったよ。」

「魔獣?何それ。誤魔化すにしても下手じゃない?僕に言えないことなの?」

「疚しいことがあるわけじゃないさ。ただ今はこれから試合がある。天馬の耳に入ると面倒だ。無理に出なくていい、とかね。大丈夫さ、チームの迷惑にはならないようにする。」

「……」

 

そんなことが言いたいんじゃない、と思ったが言葉を飲み込んだ。

自分の感情が分からなくて、心に渦巻くものがあったが、それも飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャラバンがワームホールと抜けると、そこは1ヶ月前の親善試合が行われたスタジアム。

マネージャーの3人が囮になっているうちにグラウンドへ入ると、そこにはアメリカ代表の選手たちがピッチに倒れ伏している悲惨な光景が広がっていた。

得点を示す電光掲示板は5-0。

 

「ようやく来ちゃいましたねぇ。」

 

猫なで声で雷門イレブンを迎えたのは、水色の髪に赤紫色の瞳。おっとりとした外見とは裏腹に、荒々しいオーラを纏った少女。

 

「全く、全然来ないから試合ぶち壊しちゃうところでしたよぉ。」

 

一見にこにこと笑顔を見せているが、額には青筋をたて、明らかにイライラしているのが見てとれる。

その少女は待ちきれないとばかりに素早く目を動かす。そして、目当ての人物を見つけると「あっは♡やっぱりいましたぁ♡♡」と歪んだ笑顔へ変えた。

その唐突な変化に雷門中の面々が怯える中、ガンマが前へ出た。

 

「久しぶりだねベータ。半年ぶりぐらいかな?」

「166日と10時間ぶりですよガンマ♡エルドラドから急にいなくなって、とーっても心配したんですからぁ♡♡」

「…色々あってね。それは悪いことをしたね。」

「ええ、本当に♡けど真面目な話、なんでいなくなっちゃったんですか?エルドラドの目的、知ってますよね?」

「僕にも目的があるからね。そのためにはエルドラドに居られなかったのさ。」

「へーえ、そうですか。まぁ私にとってどうでもいいですねそんなことは。もう2度と私から離れられないように、体に教え込んであげちゃいますっ。」

 

ベータはスフィアデバイスを素早く操作し、新しくマインドコントロール波を発生させた。

 

「今すぐ交代しても何の違和感も持たないよう、スタジアムにいる人達みーんな洗脳しちゃいました。さっさとポジションについて下さいねガンマ、跡形もなく叩き潰しちゃいますから♡」

 

そう言うとベータはくるりと背を向け、楽しげに戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「いいか皆!5点差あるが焦る必要ないぞ!試合時間はまだまだある、1点ずつ返していくんだ!!」

「「「はい!!」」」

円堂監督からの檄が飛び、雷門中のメンバーがポジションにつく。

 

ガンマはCFのポジションにつき、ベータと相対した。

「あらあら、素直にお仕置き受けにきたんですか?殊勝な心がけでかわいいですけど、手加減はしてあげられませんよぉ?」

「逃げる気は全くないという意志表示さ。僕のことをそう簡単に潰せるとは思わないことだ。」

 

2人の視線がバチバチとぶつかる中、試合が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「CF?」「そうだ。」

試合開始直前、ガンマは雷門中メンバーへ告げた。

「剣城京介倉間典人の2人には悪いが、僕はそのポジションにつかせてもらう。」

確定していると言わんばかりの発言に、雷門のFWを勤める2人から声があがる。

「いくら未来から来て実力あるからって、勝手に決めんなよ!」

「…俺じゃ通用しないということか?」

 

2人の声に狼狽することなく、平静を保ったままガンマは続ける。

「決してそういうことではない。が、今回は別だ。相手のCFは恐らくベータになる。だからそれに合わせようというだけ。他意はないよ。」

 

「ベータって、さっきのなんか怖い奴のことだよな?」

「そのはずです。」

 

「僕のポジションをどこにしても突っかかってくることは間違いない。すぐにでも点差を詰めないといけないのに、ポジション無視で動かれてフィールドを荒らされると面倒だ。そうだろう神童拓人?」

「…確かに一理ある。でもこのチームのキャプテンは俺じゃない。どうする天馬。」

全員が一斉に天馬の方へ視線を向ける。

「…俺はガンマを信じます。ガンマCFを頼む!」

「あぁ。過去の尻拭いは自分でするとしよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合再開の笛が吹かれると同時にボールを持ったガンマへとベータが迫る。

「さぁ踊りましょうガンマ。私に恥かかせたら潰しちゃいます♡」

「それはこっちのセリフさベータ。」

ボールの所持を巡り早速激しい近距離戦闘(インファイト)を繰り広げる。

意表をつくような様々な足技で突破しようとするガンマに対し、ベータは持ち前の加速力で紙一重で付いていく。

「あはっ♡前よりレベルアップしてますねぇ♡私でもギリギリですよぉ♡」

「お褒めに預かりどうも、ってやつかな。その割に余裕で付いてきてるじゃないか。」

 

「ガンマ!」

「!」

その声に素早く反応しボールを送る。パスを受けたのは天馬。

ドリムが天馬を吹き飛ばそうとタックルを仕掛けてくるが、アグレッシブビートで突破した。初めて見る必殺技にマネージャー陣から声援が飛ぶ。

 

「あっさりパス出しちゃうんですね。あなた1人で攻めた方がまだ勝機があると思いますけど?」

「それはどうだろうね。やってみないと分からないさ。」

 

ガンマはそのまま前線へと駆ける。その後ろ姿を、ベータはじっと見ていた。

「あらあら、エルドラドにいたころとは随分表情が違いますねぇ。…ほんっとうに気に食わない。」

 

 

 

 

 

 

 

天馬→神童→フェイ→錦へとダイレクトでボールを繋ぎ、錦がシュート体勢に入る。

「戦国武神ムサシ!武神連斬!!」

ホーリーロード全国大会にて猛威を振るった化身シュートを放つ。が、キーパーのザノウは必殺技を使うこともなく胸であっさりと受け止めた。

雷門側に動揺が走り、不敵な笑みを浮かべるザノウ。

そのザノウから放られたボールを受けたのは桃色の髪に褐色の肌がよく似合うオルカ。

当然雷門DF陣がチェックに入るが、洗脳によってラフプレーがほぼ容認された為、鋭い蹴りを放つオルカ相手に思うようなディフェンスができず、パスを回されてしまう。

鮮やかなパス回しで雷門ゴールに迫るプロトコル・オメガ2.0。ボールはゴール前に詰めていたベータに渡る。

 

「君には撃たせないよ。」

その前に立ちふさがるのはガンマ。アルファはまだ良かったが、ベータには僅かでもシュートの隙を与えてしまうと失点のリスクが跳ね上がることは知っていた。よって絶対に撃たせないよう距離を詰める。

「そんなに密着しちゃって、随分と積極的ですねぇ。私にとってはただ嬉しいだけですけど♡」

「いくらでも詰めるさ、君が相手だからね…ッ!」

ズキリと痛みが走り、チャージに僅かな隙ができた。

 

「あはっ嬉しいですっ、それじゃあ是非ともこれを喰らって下さいねっ」

 

ボールを左踵で天へ高く蹴りあげ、そのボールに追い付いたベータが桃色のオーラを込めながら放った。

シュートコマンド08っ♡

ラブアローという機械的な言葉に続けて、ハート型のオーラから発射された矢がガンマへ迫る。

「ッ…フッ!!」

一瞬反応が遅れたガンマだったが、迫り来るボールに右足をぶつける。拮抗するが、想像以上の威力に抑え切れず、ボールはゴールへ向かった。

「はぁっ!無頼…ハンドォッ!!」

GKの三国は自身の両手に紅い手を作り迎撃するが、ベータのシュートの前には蟷螂の斧。あっさりとゴールを許してしまう。

これでスコアは6-0。プロトコルオメガ2.0に追加点が加わった。

「あら~ごめんなさいっ点入っちゃいましたっ」

「く…」

「けど、あなたなら余裕で受け止めるかと思ってました。どこか調子でも悪いんですか??まぁ、それならそれで好都合ですけど♡」

「…」

 

 

試合は続く。更に点差がついたため、積極的に攻撃を仕掛ける雷門だが、プロトコルオメガが審判を洗脳していることで合法となったラフプレーによって思うように責められないどころか、負傷交代するメンバーが続出する始末。

それに加えガンマには常にベータがつき、フェイにもマークが厳しい。化身使いである神童、剣城、錦がゴールへ迫るが得点を奪えない。天馬は化身アームドで対抗しようとするが、まだ力の足りていない天馬では発動できず、完全に攻め手がなくなっていた。

 

 

ボールをキープするのはガンマ。ベータが素早く立ちふさがるが、額に汗をかき、肩で息をするガンマを見て少しだけ表情を柔らかくした。

「もうそろそろ諦めませんか?いくらあなたがいても回りがこれだけ弱くてはどうしようもないでしょう?」

ベータは軽口で話す。

「ッ…」

「ほらぁ、もうそんなに息あがっちゃって。本調子からは程遠いみたいですねぇ。」

ガンマは鼻から息を吸い、大きく口から吐き出した。

「随分、余裕だね。僕さえ潰せば何とかなると思ってるのは、おじさんたちらしい。」

「事実そうでしょう?あなたの役に立てず録な戦力にならないんですから。」

 

ガンマは一呼吸おき、フッと鼻を鳴らした。

「本来なら、僕がいなくても、なんとかなるのさ。今回は勝てないまでも、必ず勝ってサッカーを取り戻す。それが彼ら、イナズマイレブンだからね…」

「…へーぇ、凄い信じ様ですね。信頼ってやつですか?あのギラついてた頃と比べて、随分と生ぬるくなりましたねぇ。」

「僕は何も変わってないさ。勝手な期待を押し付けないでほしいね。」

「…ほんっとうに、気に食わないですねぇっ…!雷門!!」

 

ベータが再び猛チャージを仕掛けてくる。ボールを後ろに回しながらハンドワークで距離をとってキープしようとするが、お構い無しとばかりに突っ込んでくる。

 

ガンマはもう一度大きく息を吸った。

(ザナークとやり合ったせいで、想像以上に限界が近い。まだ相手が軽口をたたく程油断があるうちに、点を取る!)

 

 

ボールを両足で挟み込み回転させる。それによって起こった磁力によって超加速した。

「オフェンスコマンド02!」

「!」

一瞬置いていかれたベータを強引ながらも突破。

 

しかし素早くオルカがヘルプに入ってくる。

「ちょっとガンマ!あんたと仲良くなってから、うちのリーダーがおかしくなっちゃったんだから、責任取りなさいよ!」

「それは申し訳ない、ねっ!」

 

軽口を叩きながら、突破に合わせゴール前へパスを送った。

 

「「天馬!」」「おおっ!」

 

天馬は返事とほぼ同時に化身を繰り出す。

「魔神…ペガサスアークっ!」

そのままボールを天高く蹴りあげ、シュートモーションへ。

(ガンマが作ってくれたチャンス!絶対に決めてみせるっ!!)

「ジャスティス、ウィング!!」

天馬の渾身の力を込めた化身シュート。勢いそのままにゴールへ突き刺さる、かに思われた。

 

「だぁめですよぉ。あれぐらいで抜けたと思われるのは心外ですっ。」

オルカがガンマの足止めを一瞬している間に、ベータがシュートブロックに動いていた。宙へ飛び上がり軽く受け止めようとする。

 

「今だフェイ!頼む!」

「あぁ!本命は僕だっ!」

そのベータより速くそして高く到達したフェイが、シュートチェインの形で掠め取った。

「なっ!?」

「バウンサー…ラビット!!」

天馬のシュートの威力を上乗せしたフェイのシュート。GKのザノウも必殺技の構えをとるが、素の必殺シュートすら止められなかったザノウでは言うべくもない。ゴールへ突き刺さった。

 

『ゴーォォルッ!!アメリカ代表1点を返した~!松風の化身シュートに見事合わせたフェイ!素晴らしい連携だぁ~!!』

実況から大きな声が響き、スタジアムは歓声に包まれる。

天馬が駆け寄って、フェイとハイタッチを交わした。

 

 

 

 

 

 

 

歯が折れそうなほどの勢いで歯ぎしりするベータ。プロトコルオメガのメンバーも明らかな怒気に包まれているベータに近づけず。

「…ね、ねぇベータ?大丈夫…?」

唯一近づいて声をかけたオルカであったが、「あ゛?」と凄みのある声を出され涙目になる始末。

その上突然「あっ、いけないいけない~♡嫌われちゃう♡」と言って笑顔になるのだから、全員ドン引きを通り越していた。

 

その時ベータの機器から連絡が入る。

「ベータよ、まもなく前半が終わる。後半からはより激しく雷門を潰せ。そしてガンマだが、先程入った情報によると奴は既に限界が近い。ガンマも潰して回収せよ、やり方は任せる。」

「イエスっ、マスター♡後半が楽しみですっ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前半が終わって6-1。5点ビハインドの劣勢ではあるが、介入しなかった歴史では前半だけで20-0。それと比べると格段にましになっている。その上前半ラストで点を決めたことにより士気は高い。

「天馬とフェイ連携スゴいね!」

「これならいける、いけますよ!」

「よっしゃ野郎共、後半も気張っていけよ!!」

 

選手ならびにマネージャー陣も盛り上がる中、神童はタオルで大量の汗を拭うガンマの元へ。

 

「大丈夫かガンマ。」

「あぁ、現状は問題はない。」

「あのベータの動きを見る限り、ついていけそうなのはお前ぐらいだ。負担は大きいと思うが後半も頼む。」

「分かっている。」

 

プロトコルオメガ1.0の試合時いなかったため、正直まだまだ疑いの目で見ているが、いざプレーしてみれば勝利のために貢献しようとする献身的なプレーが多い。

信じてもいいかもしれない、と思い始めた神童であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『両チームポジションにつき、さぁまもなく後半開始ですッ!5点リードの日本代表このまま逃げ切れるか!それともアメリカ代表がプライドをみせるのか!』

 

「ここからは蹂躙ですからね~ガンマ?」

「前半ほどの余裕がないね。天馬とフェイに点を取られたのが余程堪えたのかな。」

堪えていたが図星をつかれ、ベータのこめかみの辺りからブチリという音がはっきり聞こえた。

「ぶっ潰すッ!!」

 

キックオフと同時にベータが大きく、GKザノウの所までボールを戻す。

「いくぜぇ!ゴーストミキシマックス!!

そう叫ぶとベータから黒いオーラが発生、プロトコルオメガの選手へと移っていく。

「もう使うのか、それ…」

ガンマは呟き、大きく息を吐いた。

 

 

 

 

『日本代表ドリム悪質なタックルで一発レッド…なんとぉ~!日本代表審判を無視しプレーを続けている!?あぁ~っと、更にアメリカ代表をいたぶるようなプレー!大変です、大変なことになりましたッ!!』

 

 

 

 

「はぁ~…少しはスッキリしましたかねぇ…」

得点板は10-1と示している。

「ハァハァ…前より化身アームドを使いこなしているね、流石、ベータだよ…」

「ふふ、でしょう?ちゃんと練習しましたから♡」

 

その時、審判団が出てくる。

『あぁ~っと、ここで審判団から試合中止の申告が!ここで試合終了、日本代表の勝利です!しかし、これをサッカーと呼んでいいのでしょうか…』

 

「あ、終わりみたいですね。」

「……あぁ。ベータ、僕の負けだ。」

「……」

「勝ったのに、浮かない顔だね。」

「…ふんっ。」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

試合後、エルドラドの本部ではベータとオルカの2人が並んで歩いていた。

 

「…ねぇ、リーダー。」

「どうしました、オルカ。」

「円堂守の封印は成功したけど、さ。ガンマは良かったの?」

「…円堂守さんの処遇をこちらが握っている以上、また闘うことになるでしょうし。ガンマとフェイさんの回収はその時でいいです。」

「…そう。」

「まぁ、本調子じゃないあの人を潰しても仕方ないですしねぇ。次こそ叩き潰しますよ。それじゃ、報告に向かいます。」

 

ベータは1人、議長の元へと歩いていった。

 

 

 

(ガンマ、あんた何でいなくなったんだ。ベータは寂しそうだよ…)

 

リーダーと呼ばねばならぬ親友の背を見て、オルカは思いに更けるのだった。





ガンマ必殺技スロット

オフェンスコマンド02 リニアドライブ
????
グランドスイーパー
????
????
????

化身
????
????


なんか後半は書くほどじゃなかったので。
ベータちゃんゴーストミキシマックスして、アームドしてボッコボコにしました。原作とそんなに変わってないです。

ベータとガンマの過去編書きたい

次の話はどれがいい?

  • 原作準拠(ゴッドエデン)
  • 過去編(プロトコルオメガ)
  • 転生者視点
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