バーが赤くなりました。
ありがとうありがとうありがとうございます!!!
親善試合後、僕達は特訓のためゴッドエデンにきていた。今はスタジアムへ向け移動中である。
試合に負けたのは少し残念だったが、原作通りになったと思い納得しよう。
ザナークと少々やりあったぐらいで尽きてしまう体力を鍛えるのにも丁度いい。
「ガンマ、君は無茶なトレーニング禁止だよ。」
「もう5回目だよそのセリフ。分かってるさ。」
「分かってなさそうだから言うんだよ、試合でも結局無茶してプレーしてさ。あの後君だけ暫くキャラバンで休んでいたじゃないか。」
「あれは無茶したうちに入らない。もう大丈夫さフェイ。」
「…ならいいけど。」
あの試合の後からフェイがやけに過保護になっている。ここまで僕に執着する理由は本人もよく分かっていないだろう。僕は大体分かっているのだが、今それを言う意味はない。
「…しかし、昨日の天馬のリアクションは面白かったな。」
「ガンマもう止めてよその話ッ!フェイ、本当にごめん!!」
「あはは…最初から言ってなかった僕が悪いしね。というか天馬謝るの何回目?もういいってば。」
「けど僕も気付かなかったよ~、フェイが女の子だってさぁ。剣城は気付いてた??」
「……俺に振るな。」
「儂も気付かんかったぜよ、まっこと驚いた!神童、おまんは気付いとったんじゃろ?」
「まぁ、分かってたな。髪型とか雰囲気とかで。」
「かーっ、やっぱりモテる奴は違うのぉ!」
「いやそれ関係ないだろ別に…」
「神サマ、プレイボーイ。素敵。」
「天馬そのうち責任取るとか言い出しそうだよな、ライバル出現だなぁ葵。」
「ライバルってなんですかライバルって!私そんなんじゃありませんから!!」
「おいおいアタシはライバルって言っただけだぜ?何の、とは言ってないぞ。一体何を想像したんだよ~?」
「っ~!!」
親善試合で破れたことにより円堂守を失って雷門メンバーの大半がいなくなった今、求められるのは一刻も早くプロトコルオメガを倒すこと。焦りや重圧を感じてもおかしくはないが、それはそれと全員が切り替えできているようである。
「随分と呑気なことだな。」
だが現実というのはどこからともなく降り注ぐものではなく、常にそばにあるもの。気持ちを切り替えても、消えるわけではない。
「お前たちは、プロトコルオメガ!!」
「エイナム!ザノウ!クオース!ガウラ!レイザ!我らはアルファの忠実な部下、その名もチー…」
「チームA5だね。わざわざ人数を減らしてそちらの利を無くすとは無謀もいいところだよ。」
「…何故知っている。」
「前にも言ったと思うけど、僕は君達の思う以上に色々知っているのさ。」
「…やはりあんたは気味が悪い。が、そんなあんたが本調子でない今は好都合。ここで全員洗脳させてもらう!」
チームA5との試合。この試合は原作通りフェイと僕を除いた5人でのゲーム。化身アームドをしようとするが上手く行かず、攻守共に圧倒される展開。天馬たちは苦しそうな顔をしているが、正直何の問題もない。この先の展開を知っているし、いざとなれば僕とフェイで助ければ済む。
そう思った傍から、巨大な斧を持った化身がエイナムのプラズマボールを受け止めた。
自分を除く全員が驚く中、強力な化身シュートがチームA5を飲み込んでいくのだった。
***
元エンシャントダークの森にて、一緒に気絶していたマネージャー陣を横にする。そもそも天馬たちは兎も角何故マネージャーまで気絶するのかという疑問はあるが、まぁそこにツッコんでも仕方ない。
そんなことより貴重な原作人気キャラとの会合、楽しまねば損である。
「まずお礼を言おうか。助けてくれて感謝する。」
「いいや。お礼を言われるほどじゃないさ。最も君がいれば助けは要らなかったかもしれないけどね。」
「ガンマだ。宜しく。」
「僕はシュウ。宜しくねガンマ。」
がっちりと握手を交わす。そのやり取りをフェイとも交わした後、視線が合わさる。
「君もフェイと同じ、未来から来たんだよね。サッカーを守るために。」
「あぁ。その通りだ。そして、サッカーを取り戻すためには天馬たちの成長が必須になる。また皆が起きてから頼まれるだろうが、力を貸してくれ。」
「勿論さ。天馬とは友達だし、雷門のみんなには恩がある。是非この森を使ってくれと言うよ。」
「助かる。」
***
その後まもなく天馬たちが起き、シュウとの再開を果たした。直ぐ様アームドの練習を始めようとしたが、マネージャーからの要請で今日一日は休んでから臨むことに。
皆が灯台跡とその裾野の洞窟で休憩を取る中、僕は一人森へ来ていた。鬱蒼とした森の中、月光のみを頼りに歩く。今見なければ次はないかもしれないと、稲妻町を見た時と同じ理由で見て回る。
「君は面白いね。」
と背後から声をかけられる。いることは分かっていたが、想像以上に気配が希薄で、流石に少しドキリとした。その気持ちを隠しつつ振り向く。
「シュウ。」
「顔には出てないけど、結構感情の起伏が激しいよね。フェイも似たところあるけど、君ほどじゃない。」
「そうかな?隠しているつもりはないんだけどね。」
「そうやって息を吐くように嘘をつく所も、ね。」
「嘘?僕が?」
「ハッキリとは分からないけど、君は何処か違う存在なんだね。それでいて、前の僕に似てる。」
「…何が言いたいのか抽象的すぎて分からないね。それに似ているところなんて髪の色ぐらいじゃないかな?」
「君は自分のことが嫌いなんだよね。分かるよ、僕も僕のことが嫌いだから。」
「……一体何の話をしてる?」
「戯言だと思ってもいいから聞いてよ。僕は僕のことを好きになることはなかったし、これからもない。けど、僕のことを認めてくれる友達のことは信じたいと思ってるんだ。だからこそ天馬たちの前にまた出てこれた。」
「………」
「ガンマ。君には僕のようになってほしくないんだ。もう君は天馬たちにとって必要な存在になってる。君には仲間がいるってことを、忘れないでほしい。」
「…………」
「天馬たちと旅を続ければ分かるはずさ。僕も助けられた、強いことだけが全てじゃないって教えてもらったから。」
一方的に言いたいこと言ってごめんね、と言ってシュウは森の奥へと戻っていった。
「……………余計なお世話だ、鬱陶しい。」
静かに呟かれた声は風が木々を揺らす音でかき消え、誰の耳にも届かなかった。
***
シュウの手解きによって化身アームドの手がかりを掴んだ5人は、早速グラウンドで練習をしていた。
ここはシュウ率いるエンシャントダークと初めて試合をした、思い出の場所である。試合中に子ヤギが入ってきたことも彼らにとって記憶に新しい。
そんな練習の最中、「そういえばガンマって化身使いなの?」という疑問をぶつける信介。
高い実力者のガンマの化身の有無、みんな気になっていたのか、全員がその会話へ耳を傾ける。
「勿論使えるさ。エージェントコードに任命されるには化身が必須だからね。」
「へー、それじゃあ化身アームドの練習とかってどうやってたの?何か特別な特訓方法があったりする?」
「いや、特別なことはない。化身を何度も使って練度をあげ、より自在に使いこなせるようにする。そこには特殊なことは何もないよ。」
「うーんそうなんだ。上手くいくかなぁ。」
「正直アームドが全てじゃないけどね。出来なくても強い人は強いよ。」
「それじゃあ結局今までと変わらないってことか~…」
未来の技術力で何か特別な練習方法があるのではないか、と考えていた信介はそれを聞き少し残念がる。
化身使い以外の面子が抜けた今、フェイのデュプリを除くとGKが自分しかいない状況。
早くアームドを会得し、GKとして力をつけねばならないというプレッシャーがかかっていた。
「だから、僕が特訓に付き合うよ。」
そこにいた全員が少し驚いたように目を向ける。
今まで試合には出ていても共に練習はしてこなかったガンマ自ら練習を申し出たのだから、驚くのも無理はない。
まして底の知れぬ未来人と警戒していた神童剣城は、より驚いている。
「仮にも元エージェント、悪くない練習になると思うよ。」
「そんなの悪くないどころか、是非ともお願いしたいけど…ガンマのシュートってどんなの?僕見てみたい!」
「あぁ勿論。けど、ひとまずその話は後だね。お客さんだ。」
風が強く吹きすさび、そこにサッカーボールが蹴りこまれる。
ガンマはそのボールを蹴り返す。それを受け止めたのは、やはり追っ手であるエイナムだった。気づいて引き返して来た天馬たちもその姿を認める。
「チームA5!」
「その特訓で化身アームドを習得しようというのか。無駄なことを。」
「無駄かどうかなんてやってみなくちゃ分からない!」
貶すようなエイナムの発言に、天馬が強く反論する。
興味ないとばかりにエイナムはシュウを見やる。
「昨日の化身はお前だな?今度こそ邪魔しないでもらおうか。」
「…天馬、戦うんだ。」
「分かってる、守りたいものがあるからね。」
今度こそ負けないという決意を新たに、戦いへ臨むのだった。
***
時間は僅かに遡る。
シュウは自らの恩人、天馬を助けた未来の不思議な少年について考えていた。
今回の強大な敵、その元幹部。高い実力を持ち天馬を助け、雷門の勝利に貢献。これだけ見れば頼もしい仲間であると思う。
ただ。どうも彼のことは
相手を見るとなんとなく相手の考えが分かる。それは既にこの世界にいないものだから、そんなことが出来るのかは分からない。
けどだからこそ天馬を信じたくなったし、だからこそサッカーが楽しいものなのだと気付くことが出来た。
彼にはそれがなかった。握手を交わし、話をしても変わらなかった。
サッカーが好きだということに嘘はないと分かる。
天馬たちを助けたいことにも。森へ入り楽しげにしていた所にも。
ただ、それ以外に何かを抱えていることは、やり取りをして分かった。そしてそれが自分には解決できないことであることも。
伝えたいことは伝えた。あとはあの時僕を救ってくれた天馬に託す。
そう思っても無力感が心を覆い続けた。
木枯らし荘にて
「フェイ~そろそろご飯だって!」ガチャ
「ああ、これ着たら行くよ。」
「!??! ご、ごめんっ!!!」バタンッ!
「どうした天馬。」
「ガ、がが、ガンマ…ふ、フェイってさ…?!」
「?…ああ(察し)、女だね。」
「知ってたの!!?なんで教えてくれなかったの??!!」
「いや聞かれてないからね……」
「ごめんお待たせ」ガチャ
「フェイ!!ごめんっっっ!!!」
「あぁいいよ全然。むしろ言ってなかったね、ごめんね。」
翌日
「…ねぇなんか天馬、フェイによそよそしくない?」
「確かに。何かあったのか?」
「あぁ、天馬がフェイの着替えを誤って見たみたいでね。」
「?それの何がダメなの?」
「中性的だから分かりにくいかもしれないが、フェイは女だからね。」
「「!?」」
という話があった模様。