いやー今回のイベントどうです?サリアさん強すぎません?流石俺たちの主任。なんか漫画でも掘り下げられてるので見てない方はそちらも是非。公式Twitterから見れますよ。
私たちの戦いはいつだって死との隣り合わせだ。だからこそ、死者に対してどうしても鈍感になっていく。特に私は、過去の在り方から死者に対してなんの感慨も持たなくなっていた。他のオペレーターたちも、大なり小なりその傾向にあったと思う。
あいつを除いて、の話だが。
その日の死者は敵である暴徒の1人だった。彼は最後の最後に懐の爆弾を起爆し、自らをも焼きながら壮絶な最後を遂げた。あまりにも痛ましいその最期は、悲惨なことに我々になんの被害も与えず、そして私たちにとってありふれた死の形でしかなかった。そのためか、作戦に参加していたオペレーターたちは各々の事後処理にあたったのだ。
そんな中、ふと彼を探すと、彼だけはその遺体の前にいた。遺体の前に屈んでいた彼は、両手を合わせてただじっと目を瞑っていた。どんな流儀の元の儀式なのかはわからなかったが、あれは確かに死者への弔いだった。…それを見て初めて、私はあいつとの明確な違いを認識したんだと思う。
自分の手がもう取り返しがつかないほどに、あまりにも紅く染まっていることに初めて気がついたのは、その日のことだった。
「…エリモスは、まだ帰ってこないのか。」
ロドスの一室で、マドロックは1人呟いた。彼女の手にはエリモスから託された小さなジョウロがあり、それを使って梅に水をやっていたのだ。マドロックは律儀に毎日世話をしているのだが、そんなものは数分で終わる。空になったジョウロをコトリと置くと、彼女はベッドへと倒れこんだ。
「…………。」
そう言えば、エリモスとここまで顔を合わせなかったことは無かったんじゃないだろうか。自分しかいない静かな自室で、マドロックはそんな考えに至った。今になって思えば、自分とエリモスが長期の別行動をしたのはそれこそ湿地帯での長期任務の時くらい、それも1週間程度の話である。それ以外はだいたい何かしらで毎日顔を合わせていたのだ。
「……もうすぐ、帰って来るはずなんだがな。」
確か予定ではそろそろ帰ってくると言っていたはずだ。そもそもエリートオペレーターでないエリモスは、その任務の難易度が彼らのそれとは大きく異なる。とは言えエリモスやサリア、ニアール、ユーネクテス、そして自分のような者たちはエリートオペレーター相当に数えられるためあまり当てにはならないのだが…それでも、そろそろ帰ってきてもおかしくない頃合いなのだ。
「…………。」
そこまで考えて、マドロックは首から下げた鍵を手に取った。エリモスから預かったそれは、かなりアンティークなデザインのもの。聞いた話では例の棚は昔打ち捨てられていた家具を修理したものらしい。いい拾い物をしたぜ、とドヤ顔で自慢してきたのをよく覚えている。
「…会いたい、な。」
鍵をぎゅっと握りしめて、マドロックは小さくそう呟いた。
そして、エリモスがヴィクトリアへの駐留を続けることになったとマドロックが聞いたのは、その日の夜のことだった。
「自救軍の拠点はこの辺りなのよね?」
「地下ですがね。まあ、この辺りって分かってれば入り口も分かってはくるんですが。」
ハイディとの接触を終えて、ロンディニウム市街の人気のない裏道を2人は歩いていた。全身に装備を満載した今、下手に表を歩けばそれだけでサルカズ傭兵たちに怪しまれてしまう。だからこそ2人はエリモスの主導で人の目を避けながら、少しずつ自救軍の本拠へと近づいているのだ。
「…私はロンディニウムにはずっと住んでたのに、貴方には頼りっぱなしね。」
「逆に俺は中心部は何もわかりませんからおあいこですよ。そもそも貴族には貴族の、スラムにはスラムの生き方というのがあります。それが交わった今回が異常なんです。」
疲労からか、ホルンの口かららしくもない愚痴がこぼれた。
「スラム、ね。貴方の態度はスラムの住人らしくはないけど、そう言えばそうだったわね。」
「…俺みたいなのは極少数派です。勘違いなさらないように。」
少しだけ吐き捨てるかのようにエリモスは言った。彼の過去はあまりにも特異で、そして幸運にも周りに恵まれたということを彼は自覚しているのだ。
「…さて、ここですね。ここを潜れば自救軍の元へい…!?」
行けるはずです。ある扉の前でエリモスがそう言おうとした時、突然に周囲が爆音に包まれた。爆音に遅れること数瞬、衝撃波と砂埃が襲いかかる。
「何事!?」
「爆発かしら。こんな街中で起こるなんて…戦闘かしら?」
路地裏にまで住民や警邏にあたっていたサルカズ傭兵たちの声が届くなか、ホルンは極めて冷静に事態を把握しようと努めた。その姿は、流石は歴戦のヴィクトリア軍人である。それに追従するかのように、エリモスも絞っていた耳を激しく動かして、周りの観察を始め、すぐに答えを出した。
「場所が場所ですし、あり得なくはありません。…どうしますか?」
「行くわよ。状況によっては加勢するから、準備を済ませて。」
「必要ありません。いつでも行けますよ。」
鋭い眼光と共に出されたホルンの号令に、エリモスは盾を軽く叩くことで応えた。それと同時に剣と盾に僅かな光が集まっていく。その光は、アーツを撃てる準備が整った証だ。
それを見て、ホルンも自分の持つクロスボウに矢を番えた。腰の矢筒の中身を確認し、爆音と煙の中心へとその視線を向ける。
「そう。なら行くわよ。」
「了解です。」
濁流の如く押し寄せる人混みにかち合わないように注意しながら、それとは逆の方向へと彼らは走り出した。
サルカズの部隊に捕まった自救軍のメンバーを助ける。それが彼ら、フェイストの率いる部隊の目的だった。
基地に忍び込み、仲間を助け出す。彼らの任務は言葉で言うのは簡単だが、実行するのはあまりにも難しかった。現に今、潜入前に見つかった彼らは小規模ではあるが警備部隊に追われ、苦戦を強いられているのだから。
「ロックロック!そっちはどうだ!?」
彼らを率いる青年、フェイストは戦いながらも遠くでドローンを操る黒髪のフェリーンに大声で尋ねた。
「みんなまだ大怪我はしてない!だけど、このままじゃ…!」
「くそっ…!」
ロックロックの悲痛な叫び声を聞いて、フェイストはその顔を歪めた。彼らは元はただの一般市民。戦闘訓練なんて受けたこともないし、装備だって貧弱だ。今傭兵部隊と戦えているのが奇跡と言ってもいい。
「何をしている!早く捕えろ!」
「「「はっ!」」」
そんな彼に、更なる絶望が襲いかかる。今まで様子見に徹していたサルカズたちが本格的に自救軍を始末するために動き始めたのだ。圧倒的な戦力を有する傭兵たちは、自救軍の決死の反抗も意に介さず、どうにか空けていた両者の距離をみるみる縮めていく。
「そんな…ドローンが!」
そんな彼らに更なる悲劇が襲いかかった。重要な戦力であるロックロックのドローンが急に制御不能に陥ったのだ。もはや顔色が悪いを通り越して青白くなったロックロックを嘲笑いながらサルカズたちは武器を構えてその距離を縮めていき─
「…通信が、途絶えた?」
急に耳の通信機を押さえてその足を止めて立ち止まった。そんな彼らの唇に、突然にヒビが入り、そこから一筋の赤い血が流れ落ちる。その血を拭った指を見て、その顔を驚愕に染めながら彼らは口を開いた。
「…なんだ?アーツか?」
「だが、こいつらの中にそんなことができる奴がいるのか…?」
二度起こった異常。いや、それだけではない。気がつけば周りの中空には、無数の砂が漂っている。明らかに普通ではありえないそれによって、彼らは自救軍の面々からついに意識を外した。外してしまった。
それこそがその犯人たちの狙いなのだとも知らずに。
傭兵たちは足を止めた。自救軍の面々が走って逃げる隙を与えた。彼らとの距離を空けてしまった。
「誰だ…!」
未だに姿を見せない犯人に対して傭兵の1人が吠える中、その返答は凄まじい速さで放たれた矢だけであった。視界がどんどんと悪くなる中、次々と放たれるそれは恐ろしいほどの精密さをもって傭兵たちを撃ち抜いていく。
「ぐっ…!?」
「おい、しっかりしろ!」
まさかの奇襲。それの対応に追われる中、ついに漂っていた砂は激しく躍動を始め、砂嵐へと変貌した。傭兵たちの付けているゴーグルは砂にひっきりなしに叩かれ、視界が奪われる。耳につけたヘッドホンだってそうだ。今やなんの通信も拾わなくなったそれは、砂に打たれて雑音を発するだけのものとなっている。
霧の街、ロンディニウム。本来砂嵐とは無縁のその街は、今やあり得ないほどの砂塵で埋め尽くされようとしていた。
ライン生命だけじゃなくてマドロックも公式は掘り下げてくださいお願いします。元敵幹部で、鎧の下が美女とか言う超美味しい役どころですよ?
ところで、ミントってオペレーターいるじゃないですか。僕あの子中学生か高校生の16、17歳くらいかなって思ってたんですよ。見た目的に。
大学生らしいですあの子。マジで?うちのエリモスより下手すりゃ年上なの君?