みんなの性癖がコメント欄で見れて僕満足。
ムリおじ引きました?私は今回も引きました。出るまで。ペナンス貯金消えました。助けて。
俺の同僚の顔が良すぎる 6
ヴィクトリアからロドス本艦へと戻る車内にて、1人の金髪の男が眠っていた。目を瞑り、身体に幾つもの機器を繋がれながら深い眠りに落ちている彼の周りには今、多くの医療オペレーターたちが入れ替わりで待機している。
そんな医療オペレーターの1人、シャイニングがチラリと外を見ると遠くに荒野を行く光が見えた。それはロドス本艦が放つ光だった。
「起きれますか、エリモスさん。ロドスに着きましたよ。」
彼女がそう言ってエリモスを軽く揺すると、彼は少しみじろぎをした後にうっすらと目を開けた。そのまま右手で顔を軽く擦ると、徐々に目をしっかりと開けていく。
「…ロドス、ですか?」
「ええ、ロドスです。私たちはようやく辿り着きました。」
「…本当にようやく、ですね。」
彼がそう言って小さく笑うと、車が岩を踏んだのか小さく跳ねた。
同時刻、ロドス本艦、発着口。そこには今、艦内に待機していたオペレーターたちが集まってヴィクトリア行動班の帰りを今か今かと待ち続けていた。
その中には白髪のサルカズ、マドロックの姿もある。彼女は今、かつてエリモスが自分にそうしてくれたように、彼の帰りを待っていた。なお、マドロックは知るよしもないが、彼女のそんな姿は周りのオペレーターたちから微笑ましく見守られている。
彼らがしばらくそうやっていると、突然に発着口にブザーが鳴り響き、幾つものランプが点滅を始めた。ハッチが開く合図だ。そのことにざわめきが大きくなる中、腹の底に響くような音と共にハッチが開き、タラップが降りていく。その後に、隊列を組んだ装甲車の一団が続々と艦内へと入ってきた。
人でごった返す発着口に、大歓声が響き渡った。
1人、また1人と車からオペレーターが降りてくる。降りてきた彼らは見知った顔を見かけると、そちらの方へ駆け寄ったり、大きく手を振ったりととにかく多種多様なやり方で再会を喜び合った。そんな中、エリモスもまた
(ああ、帰ってきたんだな。)
発着口の雰囲気にのまれながらも、彼は安堵しつつそう思った。ロドスを発って以来数ヶ月、ようやく彼はロドスへと帰ってこれたのだ。そんな彼の元に、1人の白髪の人影が走り寄ってきた。
「エリモス!」
走ってきた彼女はエリモスの名前を呼んで、立ち止まった。それに合わせて、彼女の長い髪がふわりとたなびいた。
…ああ、随分と久しぶりにこいつの顔を見た。
「よう、ただいま、マドロック。」
色々と言いたいことがある。それを一先ずぐっと堪えてエリモスはマドロックに笑いかけた。何よりも、今は再会を喜びたかったのだ。
そしてマドロックはエリモスの左腕と、そして首筋から覗く源石結晶を見て、大きく目を見開いた。そのまま少しの間彼女の口は何かを紡ぎ出そうとしていたがそれも束の間、それを止めると右腕をとって、ぎゅっと握りしめながら口を開いた。
「お帰り、エリモス。」
周りの視線を集めながら、2人はようやくの再会を果たした。
「感動的な再会のところ申し訳ないけどね、2人とも。」
そんな再会を喜び合う2人の間に、ドクターが割って入った。その暴挙に彼の後ろではアーミヤが目を見開いてドクター!?と声をあげ、周りのオペレーターたちからも少し冷ややかな視線がぶつけられている。だがドクターには、それを無視してでもしなければならないことがあった。
「と言うかエリモス。検査に行くよ。今すぐ。」
ドクターのその言葉にはヴィクトリアに行っていた全員が納得した。彼の感染状況はかなり異質なため、早急な精密検査が必要だと全員がわかっていたのである。
「…明日じゃダメです?」
「いいわけないだろう?君、自分の状況分かってるかい?」
そう言われてエリモスは肩をすくめた。かなりの無茶をした自覚は彼にもあるのだ。彼は渋々、といった様子でゆっくりマドロックの手を離させると、心配そうな顔をする彼女に苦笑した。
「…そんな顔しなくても大丈夫だ。ただの検査だし、明日にはまた会えるさ。」
「…そうじゃない。エリモスの、症状は重いのか?」
「それを調べるんだが…まあ多分大丈夫だろ。」
ヘラヘラといつも通りに笑って、彼は先を行くドクターの後を追った。
「また明日な、マドロック。」
最後にそう言い残して、彼はマドロックから離れていく。彼女は寂しげな顔を浮かべたが、そんな彼を見送ることしかできなかった。
「…ああ、また明日。」
バランスを取るためか普段よりも大きく振られている彼の尻尾を見ながら、マドロックは目を伏せた。
「…お前まで、こっちにくることはなかったのにな。」
エリモスの姿が見えなくなってから、周りにも聞こえないほど小さな声で、彼女は本当に小さく呟いた。
やっぱ白衣っていいよね。すごく。長い長い検査の後、エリモスは全くもって働かない頭でそんなことを考えていた。
なんて言うのかな、白衣ってそれだけですごい雰囲気が締まるのだ。例え下にアロハシャツを着ていようが、白衣を着るだけで医者とか研究者とか、そんな感じの雰囲気になるのである。
「お前何考えてんだ?」
エリモスの前に座る緑髪を携えたアダクリスの女医、ガヴィルは本当に信じられないモノを見る目でエリモスを見ながら言った。
「何も?」
ノータイムで答えた。嘘である。割と阿呆なことを考えている。
…にしてもこいつスカート短くない?これで女医やるか?こいつ。黒い戦闘着に白衣とかさ、メニアックにも程があるんじゃないかお前。いやそう言うのは好きか嫌いで言うなら大好物だから別にいいけど。むしろ大歓迎。黒は女を美しく見せるが、それは白衣によってさらに強調される。『黒と白が交わり最強に見える』、やはりこれは世界を越えた真理であったのだ。
そしてこのガヴィル、たまに艦内をスパッツで彷徨いていたりする。
ついでに言えばこれはガヴィルに限った話では無いが、みんな肩出し長手袋好きだよねほんと。長袖着ればいいんじゃ無い?ダメなの?いやこっちからすればその手の格好はありがたく五体投地させていただくんだが、それでいいのかお前。あ、いいんだ。そう…。ありがとう、それしか言う言葉が見つからない…。
…にしてもよく考えるとこいつほんと子供の性癖狂わせそうだよな。前提として言わせてもらうとこのガヴィルという女、基本的に思考回路が戦士寄りなので治療も優しいとかそんな事はないのである。実際こいつはこの間は医療部に席を置いたまま前衛オペレーターとして強襲作戦に当たったとかなんとか。びっくりするくらい馬鹿みたいに強かった、とはそれを見た一般オペレーターたちの証言である。
それはさておき、やはりガヴィルは治療もそこまで優しくない。別に雑とかそういうのではなく、むしろ仕事はめちゃくちゃキッチリやるのだが、歯に衣着せないというか…優しい治療は自分の仕事じゃない、とまで公言する女である。そんな彼女だが、子供に対してはちょっと甘く、頑張って注射を泣かずに我慢した子供には優しく褒めていたりするのだ。
普段ガサツな美人なお姉さんが、辛いのを頑張って我慢したら褒めてくれるのである。
歪むわ、こんなの。性癖が。(倒置法)
いやだってさあ…ほんとに、こんな美人でスタイルもいい普段はちょっと怖いお姉さんが、「よく頑張ったな!」とか笑顔で言ってくれるのよ?…グレート。グレートですよこいつぁ…。俺にもして欲しい。切実に。
「いや今の話じゃねえ。そうじゃなくて、アタシはなんでこんなものを作ったのか、って聞いてんだ。」
ため息をついて、ガヴィルはモニターに映し出された【釘】のデータに目を向けた。その情報は、エリモスがそれを使ったと判明したために急遽ケルシーから共有されたものである。…それにしても流石は顔が良すぎる女が揃うロドス、このガヴィルも例外では無いため、恐ろしいほどにその仕草が様になっている。
「…さあな。覚えてねえよ。」
そう言ってうんうんと頷くエリモスだったが、ガヴィルはそんな彼を見て舌打ちをした。怖いよ、ほんとに。舌打ちめちゃめちゃやり慣れてるもん、こいつ。
「…白々しいな。ったく、とにかく、検査結果だけは渡しとくぞ。ただ治療方針とかは後で会議の後決めるから決まるまでまだしばらくかかるからな。」
「分かった。てか終わったならもう帰っていいのか?」
「いいぞ。…あ、やっぱりちょっと待て。その前に一つ。」
嬉々として帰ろうとしたエリモスにプリントした結果を渡すと、ガヴィルは真剣な顔をして言った。
「お前、今日から禁酒な。」
「うっそだろおい!?」
それはあまりにも残酷な宣告であった。どれほど衝撃的だったのだろうか、エリモスは膝から崩れ落ち、滂沱の涙を流している。そんな彼に呆れながら、ガヴィルは本当に不思議そうな声をあげた。
「いやむしろなんでお前普通に酒飲めると思ってんだ?」
この後、エリモスがあまりにも泣き止まないためにガヴィル式の麻酔が火を吹いたとかなんとか。ただ一つ言えるのはガヴィルはケルシーから説教を受けたということだけである。
ガヴィル
僕は頭トミミです。
【健康診断】
造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、同じく鉱石病の兆候が認められる。以上の結果から、鉱石病感染者と判定。
【源石融合率】23%
体表に源石結晶を多数確認。病巣は左上半身を中心に分布しており、また、病状の進行速度から厳重な注意が必要である。
【血液中源石密度】0.61u/L
循環器系における結晶密度は急速に増加しており、早急に医療チームを編成しての治療にあたる必要がある。
『…生きていたことが何よりの幸運だ。少なくとも私たちにとってはな。』─サリア