SAO ~血塗れ戦女神(ブラッディヴァルキリー)~ 作:見知らぬ誰か
『私の名前は茅場(かやば) 晶彦(あきひこ)。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』
ディーは弱小ゲーム開発会社『アーガス』を最大手に呼ばれるまでに成長させる原動力となった若き天才ゲームデザイナーにして量子物理学者で、且つこのSAO開発ディレクターであり……ナーヴギア自体の基礎設計者と名乗ったそれ(・・・・・・)の話しを黙って聞いた。
『プレイヤー諸君は、既にメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気付いて居るだろう。しかしこれはゲームの不具合ではない。繰り返すこれはゲームの不具合ではなく、《ソードアート・オンライン》本来の仕様である』
「(…………ログアウト不可……なら……抜け出せない……?目当ては……身の代金要求……じゃあ、なさそうだから……だとしたら……まさか?)」
ディーがある結末に達した瞬間、滑らかな低音アナウンスが続いた。
『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的にログアウトすることは出来ない』
「(この城……確かこのゲームの舞台名は『巨大浮遊城《アインクラッド》』だから……やはり、グランドクエスト攻略で終了……
汐耶が言うには1ヶ月で9層までしか攻略出来なかったって言ったっけ……それも、死んで戻るを繰り返せる世界で30日/9層だからおおよそ1層あたりの攻略は3.33日……死んで戻っての反復練習が出来ない分慎重になるから1層あたり約1ヶ月はかかりそうだなぁ……)」
茅場は死んだら復活出来ないとは言っていないが、ディーはもう既に『死んだら終わり』と言う結論にたどり着いていた。なぜなら、茅場のある言葉があったから……
――これは、ゲームであっても遊びではない――
この言葉を覚えていてこの話を聞けば自ずとディーの結論には辿り着いた。
そんな思考をしている間に、茅場から言葉が紡がれる。
『……また、外部の人間の手によるナーヴギアの停止あるいは解除も有り得ない。もしそれが試みられた場合――――ナーヴギアの信号素子が発するマイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し生命活動を停止させる』
「(マイクロウェーブ……電子レンジに使われてるやつだから……脳内を電子レンジでチン♪するわけか…………笑うところだけど笑えないね。発想は良いかもだけど)」
何気に頭の中で楽しんでいるディーだった。まさか茅場も自分の発言によって誰かの頭の中でブラックユーモラスな考えが出て来るとは思わなかっただろう。
『より具体的には、10分間の外部電源切断、2時間のネットワーク回線切断、ナーヴギア本体のロック解除または分解の試み――以上のいずれかの条件によって脳破壊シークエンスが実行される。この条件は、既に外部世界では当局及びマスコミを通して告知されている。ちなみに現時点で家族友人等が警告を無視してナーヴギアの強制除装を試みた例が少なからずあり、その結果……残念ながら既に213名のプレイヤーがアインクラッド及び現実世界からも永久退場している』
「(こりゃ、汐耶が罪悪感に任せて変な事に走らないのを祈るしか無いね……
まったく、ボクがあんなこと言わなければこんな事にはならなかったのになぁ……ホント、汐耶には悪いことしたなぁ……)」
ディーは213人が死んでいるという事実を『そういうことだ』と認識し、その認識を意識から切り離した。忘れることはこの先一切出来ないディー/沙耶の命が無くなるまで呪いのように付きまとうありとあらゆる記憶となるのだ、寧ろこの先『見知らぬ人が死んだ』ではなく『自分の知っている人間が死んだ』という事態に直面しかねないのだからその程度で絶望する訳にはいかなかった。
『諸君が向こうに置いてきた肉体の心配をする必要は無い。現在、あらゆる情報伝達手段によってこの状況を、多数の死者が出ている事を含め、繰り返し報道している。諸君のナーヴギアが強引に除装される危険は既に低くなっていると言ってよかろう。今後、諸君の体はナーヴギアを装着したまま2時間の回線切断猶予時間のうちに病院その他の施設へと搬送され、厳重な介護態勢のもとに置かれるはずだ。諸君には、安心して……ゲーム攻略に励んでほしい』
この後はゲーム内でのあらゆる蘇生手段が機能せず、ヒットポイントが0になった瞬間に脳がチン♪される(SAOと現実からの永久退場♪)ことや、この世界(SAO)既にただのゲームではなくもう一つの現実であること、アインクラッド100層をクリアすれば生き残ったプレイヤー全員がログアウトされることを保証するなどのことを説明された後……
『それでは、最後に諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに私からのプレゼントを用意してある。確認してくれ給え』
ディーはメインメニューを開き、アイテム欄を見ると一番上にそれはあった。
――手鏡――
ディーは即座にそれをアイテム化させ、自分の顔を映す。
そこに映るのはディーが望んだ凛々しい顔付きの沙耶にはない黒髪黒眼の少女アバターだ。
そんな凛々しい顔付きは要らないが、沙耶は黒髪黒眼が良かったと現実で何度も思った容姿。
そう確認した瞬間、ディーは白い光に呑み込まれ、視界がホワイトアウトした。
それから回復して、元の風景が見え……無かった。
周囲にいた人達は美男美女の群れから現実のゲームショウから集めたようなリアルな若者が集まっていた。
ディーは即座に周囲の光景から右手に持っている手鏡へ視線を移した。
するとそこにはやはり、現実のディー、沙耶の白髪紅眼の少女がそこに居た。
「…………チッ!!」
ディーは右手に持っていた手鏡が地面に落ちるのも気にせず、右手でメインメニューを開いて装備メニューを呼び出し店売りの真っ白フード付きのロングコートを装備にセットして目深にフードを被った。
ディーは茅場が何かを言っているのも聞かず、中央広場の外縁部にまで移動した。
『……以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。
プレイヤー諸君の――健闘を祈る』
そう茅場が言った瞬間、赤いローブはスゥッと消え、空の赤い表示も消えた。
ディーはその直後、街の路地に入った。
「ん……?」
気付けば何人か路地に入っているのがディーには見えた。
「「βテスターのスタートダッシュか……」」
ディーは誰かと声が被ったのに気付き、右を見た。
「あ……」
そこには少し長い髪を持つ黒眼の少年と同じく黒髪セミロング黒眼のほんわかした雰囲気の少女が居た。
「どうも」
「どうもです~」
ディーはここであることを思いついた。
「ねぇ、ボクとパーティーを組んでこの先に進まない?」
「え……?」
「複数人で居た方が生存率は上がるしさ」
「えっと……俺は良いんだけど……リリィは?」
少年は快く了解して、あとは少女の反応をディーは待つ。
「……ま、良いんじゃない~?」
「てな訳で……頼むよ」
「よろしく……まずは、自己紹介からだね。
ボクはディー。使う武器は両手斧」
ディーは目深に被ったフードを取りながら自己紹介した。
「ホリィだ。使う武器は曲刀」
「リリィだよ~。武器は短剣類だね~」
ホリィとリリィの自己紹介後、ディーは言った。
「ボクはβテスターでは無いけど幼馴染からβテスト時のありとあらゆる情報を教えて貰った。キミたちはニュービーって事で良いんだよね?」
「私は初めてだね~」
「俺は……βテスターだよ」
「……なら、リリィにはここでの基本は教えたという認識で良いんだよね?」
「ああ、デスゲームになる前に一通り教えたから問題ない」
「なら……さっさと移動しよう。始まりの街周辺じゃ、あっと言う間にリソースは枯渇するから」
「分かった」
「了解~」
「じゃ、そっちはもう既にパーティーを組んでるだろうし、ボクが入るよ」
ディーがそう言った瞬間、ホリィが言った。
「いや、パーティーリーダーはそっちにやって欲しい」
ディーは不思議に思いながら聞く。
「何で経験の無いボクがリーダーを?」
「ディーの方がリーダーの素質があると思ったから」
「……良いの?僕は他のMMOで『死神』と畏れられたプレイヤーだよ?」
「それでも、そっちにお願いしたい」
「……分かった。その推薦受けるよ」
ディーは前に居るホリィとリリィをパーティーに誘い、2人はそれを承認、視界の左上の自分のHPバーの下にホリィとリリィのHPバーが表示される。
「準備完了。行くよ」
「あいよ」
「りょ~か~い」
3人は街の外へ出た。
※─※─※
「うっへぇ~……最悪~」
ディー達は『ホルンカの村』に着いた後、この先進んでいく為の準備をそこでする事にした。
ディーはそこまでコルが残って居なかったが、移動中に狩りまくった青イノシシ(フレンジーボア)と自走捕食植物『リトルペネント』を狩ってコルを稼ぎ、ポーション類とデスゲームになる前に買った武器の手入れをするためのスキルレスでも使える『武器手入れセット(上級者向け)』を購入し、まだ少し明るい間に次の村に移動しようと思ったのだが……
「何でボクらはラージペネントの大群に包囲されてるのかな……」
ディー、ホリィ、リリィはリトルペネントの上位種ラージペネントの大群に包囲されていた。
「これはあれだ、どっかの誰かが両手剣用のラージペネント殲滅クエストを受けて、ちまちま倒すのが嫌になったからリトルペネントと同じく実付きの実を攻撃してラージペネント集めたは良いけど倒し切れなくてジ・エンドの残り香」
「要らない細かい説明有難う。てか、数が半端無いんだけど~」
「ま、仕方ない……ホリィ、リリィ、殲滅戦用意。
終了はラージペネント殲滅を確認したときだからね。
条件は単独時ソードスキルの使用禁止。この状態でフォローも無しに使ったら死ぬからね」
「分かってる」
「了解」
全員が己の得物を抜いて構える。
「リリィ」
「何?ホリィ」
「一緒に行くぞ」
「了解♪」
「じゃ、ボクは進路側、そっちはホルンカ側を頼むよ」
「「了解」」
「ゴー!!」
ディーは両手で持ったオールド・ブラッドをペネント類のウィークポイントであるウツボと茎の間に水平に振るい、纏めて2、3体のラージペネントを倒す。
そこに腐蝕液発射の予備動作をした3体のラージペネントをオールド・ブラッドを地面に当て、そこを基点にオールド・ブラッドの慣性をそのまま自分の移動に使い、腐蝕液を避けるとオールド・ブラッドの真上に居る状態でオールド・ブラッドを持ち上げラージペネント1体に空中からの振り下ろしで葬る。
残るラージペネントは数知れ無いが、ディーはラージペネントの群れに突っ込んだ。
※─※─※
右と左に持ったダガーをラージペネントのウィークポイントに突き刺し、グリッと捻り抉りとる様にして手元に戻し、ポリゴン片になるのを確認せずに次のラージペネントに襲い掛かる。
高々2撃でラージペネントのHPが空になる。もし、倒し損じたとしても、右は毒、左は麻痺で放って置いても直ぐに死ぬ。
リリィこと野宮(のみや) 凛々香(りりか)の戦い方は幼馴染であるホリィこと霜月(しもつき) 柊(ひいらぎ)の想像を遥かに超えていた。
突き刺し、捻り、抉る、突き刺し、捻り、抉る……
その繰り返し……しかも、両手に1本ずつのダガー。リリィは端からソードスキルを使う気が無いように見え、更にはホリィのフォローは必要に見えなかった。
ホリィはそこそこにリリィを気に掛けつつ、右手に持った曲刀でラージペネント1体1体を確実に倒していった。
作「連投、連投♪」
デ「オリキャラ登場したね……この先どうなるのかな?」
作「どうなるんだろ?作るときとかプロットレスでやるからはっきり言って行き当たりばったりなんだよね」
デ「それで良く友人(現実)にss執筆してますとか言えるね」
作「ははは~……」
デ「もっと良い文書きたいならプロット作れば良いのに」
作「プロットさ、登場人物のは作るんだけどストーリー関係を作ろうとすると泡沫みたいに消えるんだよね……」
デ「……小説書けないタイプの人間?」
作「趣味だからって最早開き直ったよ」
デ「ふぅん……ま、とにかく……」
作・デ「次回もよろしく!!」