毎日戦隊エブリンガー ~最強ヒーローの力で異世界を守ります~ 作:ケ・セラ・セラ
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名前の通り、動物のように動く木の総称だ。
モンスターの一種ではあるが、特に人間のような顔を持つものは知性を持ち穏やかであることも多い。
「それでお前さんがた、どこから現れなすったね?」
先ほどと同じ質問を"
その顔立ちと形状を見て、ここが精神世界ではなく現実世界だと確信する。
「そうですね、ここではない世界から、と言うところですか」
「ほう、そりゃあすごいなあ」
「僕たちはこの場にぱっと現れたのですか?」
「ああ、わしがぼうっとしていたら、目の前にいきなりな。いや、そう言えば目を覚ましたときにちょっとだけいて、ぱっと消えたのがお前さん達だったかな?」
「うーん」
少し話してみたが、やはり木の話は要領を得なかった。
知性を持っているとはいっても、その形は人間や人間を元にした妖精達とは随分違う。
時間感覚や外界の認識の仕方も恐らく根本的に異なる存在とコミュニケーションをとるのは簡単ではない。
「うーん・・・ありがとうございました。それではこれで」
「おうよ。良かったらまた話し相手になってくれな」
一礼してその場を辞する。
ふよふよと飛び去るね△どろいどヒョウエの後を四人が追った。
「感染何とかだったか。あいつの事、まだ感じるのか?」
「感染魔術ですね。いえ。存在自体は感じますけど、何かぼやけていると言うか・・・先ほどまでみたいに場所が何となくわかるような感覚がなくなっています」
「何者かによって繋がりが断たれた・・・いや、妨害されているのか?」
「だと思います」
セーナの言葉にヒョウエが頷く。
リアスが眉をひそめる。
「それでは・・・手掛かりをなくしてしまったということで?」
「いえ、ミトリカの最後の言葉があります」
「? なんだっけか」
「木の顔。大きな木の顔と言っていました。今その言葉で思い当たるのは――」
四人が一斉にげんなりした顔になる。
「・・・あの王宮の顔かよ・・・」
「暑苦しいんですのよね・・・」
「正直あんまり見たくないです」
「言うな。私はあそこに住んでいるんだぞ・・・」
士気をダダ下がりさせたまま、一行は王宮への道を戻っていった。
大樹の王宮がそびえ立つ広大な空間。
その入り口に立って一行は王宮を見上げていた。
「・・・しかし」
「うーん・・・」
「その、やはり・・・」
「余りまじまじと見たくないですね・・・」
「・・・」
ヒョウエですら顔をしかめる謎の顔面X。
暑苦しい笑顔を浮かべたハゲ頭の男性の丸い顔。しかもその周囲をヒマワリのようなオレンジ色の花弁が取り囲んでいる。
見ているだけで正気度が削れそうなそれは、間違っても直視したい代物ではない。
「まあ取りあえずは報告ですね。族長にお伝えしませんと」
「お爺様も頭が痛いだろうな・・・」
トゥラーナは自室でサーワと話している最中だった。
ざっとこれまでの話をすると、部屋にしばし沈黙が降りる。
「・・・」
「うーん・・・」
サーワが苦笑する。
一方でトゥラーナは仏頂面だった。
後で「
「あれがか・・・」
「あれがです」
「正直見たくも触れたくもないのじゃがなあ・・・」
「同感です」
部屋の中にいる全員が揃って溜息をついた。
「まあ見てみぬふりというわけにも行くまい。頼めるか、ヒョウエ」
「元よりそのつもりです。それでは」
「あ、ちょっとお待ち願えますか」
一礼して出ていこうとするヒョウエたちをサーワが呼び止めた。
「なんでしょう?」
「いえ、大した事ではないのですが・・・彼女の跡を追えないのでしたら術を解除しないのですか?」
にっこりと、微笑む。
「・・・」
その目に異常な光を見て、ヒョウエが思わず一歩(飛んでるが)下がった。
「あら、何でしょう?」
にっこり。
「いえその、場合によってはまた状況が変わるかもしれないので、まだ術は残しておきたいと思うのですが」
「そうですか。では・・・」
「急ぎますので失礼します。では」
早口でまくしたてるとヒョウエが身を翻す。
意外そうな表情や苦笑を向けて、少女達もそれに続いた。
垂れ幕を抜けて彼らが姿を消すと、トゥラーナが視線をサーワに向ける。
「のう、サーワよ・・・」
「なにか?」
にっこり。
「・・・いや、何でもない」
パンダと化したエルフの族長は、先ほどよりも更に重いため息をついた。
「そうですか。それでは続きをしましょうか、族長?」
「はい・・・」
パンダが諦めたようにがっくりと首を落とした。
そんな事はつゆ知らず、王宮の廊下をそそくさと逃走するヒョウエ一行。
「あの姉ちゃんはまともに見えたんだがなあ・・・」
「それ、あなたが言う資格はありませんからね、モリィ? リアスとカスミとセーナもです」
昨晩、ね△どろいどになった後に代わる代わる抱き上げられて愛でられた恨みつらみが言葉に籠もっている。
振り返るヒョウエのジト目に、四人がそれぞれ目をそらした。
そんなこんなで表に出る。しばらく王宮から離れた後、五人は振り向いて上を見上げた。
やはり変わらない、見ているだけでやる気が失せてくるような暑苦しい笑顔。
溜息一つついて、ヒョウエは仲間の方を振り向いた。
「それじゃ取りあえず近くによって調べてみます。みんなはここで待機していて下さい」
「わかりましたわヒョウエ様」
頷くとヒョウエは上空に向けて飛び立った。