毎日戦隊エブリンガー ~最強ヒーローの力で異世界を守ります~ 作:ケ・セラ・セラ
地の果てまでも続く、荒涼たる大地と暗黒の星空。
月面の如き不毛の世界に「それ」は降臨した。
空を凝縮したかのような蒼穹の青。
燃える夕やけの色を一点に集めた紅蓮の赤。
太陽も月もなく、ただ瞬かない星々だけがあるこの世界を鮮やかな色彩が照らし出す。
「青い鎧・・・」
「青い鎧!」
「クロウ!」
自らの名を呼ばわる友たちに頷くと、青い鎧は紫色の魔術師を静かに見下ろす。
「・・・」
「・・・」
笑みを浮かべながらもクリスが冷や汗を流す。
その喉がゴクリと鳴った。
「!」
青い鎧の姿がかすんで消えた。
一筋の青い閃光。
次の瞬間、光の爆発が起こった。
「うおっ!?」
「くっ!」
ほとんどの人間の目がくらむ。下手をすれば失明していたかも知れないほどの光量。
《目の加護》を持つモリィと《光の加護》を持つカスミの目がかろうじて捉えたのは吹き飛ばされるクリス。
一瞬だったがその体には傷はついていないように見えた。
(そうか、ひょっとしてあれか?! ハゲ伯爵のパワードスーツについてた、殴られると光る奴!)
慣性中和。物理的なエネルギーを光に変換して放出・相殺する防御術式。
大地震を起こそうとしたウィナー伯爵の駆動装甲に装備されていた防御システムの原型。
莫大な光量は相殺した物理エネルギーの膨大さの証。
同時に術式が防ぎ止める許容量の巨大さでもある。
真なる魔法文明時代のアーティファクトを遥かに超える防御力は、目もくらむような使い手の技量の高さを示すものだ。
「くっ!」
宙を舞い、バウンドしてゴロゴロと転がる紫色の真なる魔術師。
「
またしても光の爆発。
転がりながらも詠唱をしようとしたところで再び距離を詰めた青い鎧が真上から拳を振り下ろしたのだ。
更に光の爆発の連続。
地面に背を付けているクリスは吹き飛ばされることもなく、マウントポジションを取った青い鎧の連打を耐え忍ぶ。
だが。
(・・・これでも抜けないかっ!)
古代兵器"
殴打した瞬間に起こる光の爆発、それでも抑えきれない衝撃を更に相殺しているのか、クリスの背中と地面の接点でも光の爆発が起きている。
それでもなお、クリスの顔と体にははっきりわかる傷はついていない。
ヒョウエですら一目では理解出来ないレベルの防御術式と、生成される莫大な魔力が、かろうじてではあるが青い鎧の拳撃を防ぎ止めているのだ。
一方的に攻めている形だが、神代の大魔術師の底知れない実力にヒョウエは戦慄せざるを得ない。
(この・・・なんて威力! このままじゃ魔力がすっからかんにされちゃう!)
もっとも、青い鎧が思うほどにはクリスの側にも余裕がない。
技量や知識はともかく、単純な出力と魔力量であれば規格外の《加護》を持つヒョウエの方が上回っているのだ。
「
「うおっ!?」
「きゃあっ!」
「っ!」
連続する光の爆発の中、大地が揺れた。
光が収まった先をこわごわ見ると、そこには地面から拳を引き抜いて立ち上がる青い鎧の姿。
足元にはクレーター。
紫色の魔術師の姿はない。
「そうか、瞬間転移!」
「野郎、どこへ――!?」
モリィが周囲に視線を走らせるのと、青い鎧が宙を見上げるのが同時。
そちらに視線を向けたモリィが宙に浮かぶクリスを視認すると同時に、青い鎧が地を蹴って飛んだ。
青い閃光が紫の魔術師に再び迫る。
またしても光の爆発が起きるかと思われた瞬間、空間に波紋が生じた。
「!?」
空中に起きた波、空間の揺らぎが青い閃光を弾き返す。
うっすらとした影が生まれ、あっという間に実体を備える。
「GWOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!」
現れたのは身長10mを超える、ゴムのような黒い表皮を持った二足歩行する狼のような怪物――先ほどの黒怪の上位の悪魔だろう。体躯のみならず放射される魔力の波動も、先ほどの同族達とは比較にならない。
頭は二つあり、獣のようだった黒怪と違ってその目には知性の光がある。
「utukiran-nos!」
熊が咳をしたような聞き取りにくいそれながら、明らかに意味を持った言葉を口にする。
「
「byagya!?」
クリスが真の言葉で何かを命じようとした瞬間、またしても青い閃光が走った。
双頭の巨怪のみぞおちに青い鎧の拳が突き刺さる。
「やったっ! ・・・なっ!?」
狼に似た二つの頭が悲鳴を上げた瞬間、その体がばしゃっ、と液体化した。
コールタールにも似た黒い粘性の高い液体は青い鎧を包み込み、球体となって固まる。
地面に落ちたそれは二、三回弾んで止まった。
「どう、中々居心地が・・・」
「だらっしゃあっ!」
宙に浮かぶクリスがニヤッと笑った瞬間、モリィの雷光銃が火を吹いた。
「あらま」
同士討ちも恐れず、ノータイムで仲間に攻撃するモリィに、さすがの奇人が目を丸くする。
更に黒い球体に駆け寄る白いサムライとメイド忍者、黄金の龍を見てその表情がまじめな物に戻る。
「まあそうそう貫けるとは思えないけど・・・アナタたちも放って置くわけにはいかないわね。ちょっと心が痛むけど、ごめんなさい?
再びの真の言葉による詠唱。
地響きが鳴り、大地が震えた。
「!」
「ドラゴン!?」
黒い球体とモリィ達を遮るような位置に降ってきたのは先ほどの巨大黒怪より更に巨大な、体高15mはあろうかという角の生えたティラノサウルス。表皮は翡翠色のごつごつした鉱物のようで、翼こそ生えてはいないが、ドラゴンの亜種にしか見えない。
対するこちらはアルテナが後ろ足で立ち上がっても5mほど。
まともに相手が出来る体格差ではない。
「行きなさい、ネフリティス!」
クリスの声に従い、緑色の龍が動き出す。
「ちっ!」
モリィが即座に目標を切り替えて雷光を放つ。
目、口の中、指の付け根、急所になりそうなところを的確に連射する。
「!?」
だが雷光は翡翠の暴君龍の表面に波紋を残して打ち消される。
つい先ほど思い起こした過去の記憶。
「そうかこいつ、
ゴブリン退治のついでに遭遇した、狂える精霊。
本来実体を持たない霊体が物質界に現れるに際して
「!? 手応えがありませんわ!」
『リアス達は下がれ。鋼の剣ではこやつは切れぬ』
黄金の龍が翡翠の龍に飛びかかった。真の龍であるアルテナは物質的な存在であると同時に極めて霊的な存在でもあるため、半霊質の悪魔龍を傷つけることが出来る。
モリィの雷光銃も魔力を収束して撃ちはなっているため、完全にではないがダメージを与えることは出来る。
しかしリアスの刀は術師によって魔力を付与されているとは言え、対霊術式は込められていない。
カスミの忍者刀も同様だ。
「くっ・・・」
「しょうがありません、お嬢様。ここは下がりましょう」
悔しさに顔を歪めてリアスが後退する。
平静を装ってはいるが、内心はカスミも同じだ。
唇を噛みながら前を見た。
アルテナと翡翠のティラノサウルス、上位悪魔ネフリティスとの戦いは既に始まっている。
モリィの援護はあるものの、やはり体格の差は圧倒的。
視線を上にやる。
紫の魔術師はいやらしい笑みを浮かべ、彼女らを見下ろしていた。
その口が動き、何らかの詠唱をしているのがわかる。
「・・・・・・」
リアスの目がすっと細まった。
ゴジラ-1.0面白かったですね!
東京の山の手ど真ん中を核兵器並みの爆発で吹っ飛ばしておいて(むしろ広島型の3倍の被害範囲)
死者三万人で済むって一体どういう事だ、答えてくれゼロ!
なおネフリティスはギリシャ語で「翡翠」の意味。