ここの人たちは皆自然分娩でこれだけの推敲を、やはり天才……。
「離せ!今の戦いを見てただろう!げ!お前たちは!」
無事時間稼ぎに成功し倒れた自分と代表に人が集まり、
その中で一際目立つ二人組が割り込むと敵味方関係無く道が開ける。
「社員証も下げてない時点で関係者ではないのに何故確認を怠り戦うのか理解に苦しむ、
大方我々が留守の隙を突く腹積もりでしたでしょうが、実に浅墓な考えですね。」
二人組の片方、土をつけた自分を助け起こすのは以前カードを質草にしてくれた宝石商店主の石戸さん、
なぜか執事みたいな格好していた。そして隣のお嬢様然とした美少女、ロングの髪は
内側が玉虫色で外側はは白銀に光り、これ絶対アニメの世界だ!
と100%確信が持ててすごいとおもった。(語彙力喪失)
「あら、また来たのね。この嫌がらせは誰の差し金か家の者がじっくり聞きます、ごめん遊ばせ。」
冷たく言い放つ多分石戸さんの御主人様、生意気だぞ遠巻きに皆で叩こうと環境団体員が
デュエルディスクを構えるが、前回の二の舞だ過去返り討ちにあっただろうと他の団体員が止めに入る。
「お嬢様、こんな無法者にこれ以上直接関わり合う必要はございません
後は我々が!ほら!キビキビ歩け!」
冷たい視線と対応でデュエルの勝者があしらわれる。そして警察もデュエルディスクを構えて
やっと到着、自分を第一発見してくれたお巡りさんこと奥田さんも含めた複数人で
パトカーに団体員達を入れたりして手慣れた感じだ。やっと工事現場の緊張の糸が解かれ
現場作業員の方たちもほっとした様子でガヤガヤと話している。
「コレで懲りたか、でもな~今配信確認したけど、動画の勢いやばいっすね、
多分厳重注意後に配信業で稼いでまたここに戻るのか?」
「アイツラも法律の穴を付くの嫌らしいよな。デュエル条例で年齢関わらず補導止まりは軽すぎないか?」
「デュエルで決めるからアンティルール以外の実害が見えなくなるから、
政府は万々歳だろうなこれだから与党は〜」
政府がことなかれ主義はこの世界でもそうなのか、デュエル脳ばかり目立つけど法律まで作って
実際に浸透するのは国の事情もあるのね、世の中どう転ぶかわからないなぁ。
気が付くとお嬢様が自分の方に近づいて優雅に会釈して話しかけてきた。
「現場二次請けの黄木から話は聞いています。今日は見学の中で咄嗟に立ち上がり、
相手側が逃げるタイミングを無くした事、誠にありますがとうございます。
つきましては個人的に色々と話がしたくて、お時間を下さるかしら?」
女性に、しかもこんなアニメの世界にしか存在しない超存在に声をかけられて
自分負けてこんなに汚れてますよ!と遠慮するのをすかさず石戸さんが間に入り。
「いやいや、宝石商で御贔屓様ですしお茶だけでもぜひ!」
下賤なお前がお嬢様の頼みを断るなオーラバリバリ執事モードの宝石商の店主さんの押しに負けて、
土足で入るのも躊躇われる綺麗さの長大なリムジン車に乗せられてしまった。
発進した胴長の対面で座れる車の中で、無関係な人を巻き込んだことを改めて詫びて貰ったが、
これから就活する先の会社の元請けの方なのは明白、だけど実際どういう距離感で
接したほうがいいかなんてわからないよ!
「改めまして、ごきげんよう。お目にかかれてうれしうございますわ
あたくしはこの学園建設を取り仕切る理事長、宝神雪子でございます。
今回の騒動はあたくしの監督不行き届きが招いた結果でございます。お詫び申し上げます。」
「あっ自分水野時男です!いやそんな大したことはしてないです。無様に負けてしまいましたし。」
そんな謙遜なさらないでとにこやかに声をかける宝神お嬢様、だがすぐに真剣な顔になって。
「でしょうね、ですが単刀直入に申し上げます。先程のデュエル、手加減してますよね?」
自分の今までの態度の半分は臆病風でそのもう半分の手加減という図星を突いてきた。
正直な話、デュエルで決まる世界に何の特殊能力も無い人間が中途半端にカードで無双しても、
悪の組織にカードを取り上げられて打ち捨てられる未来しか想像できない、
そんな自分可愛さで逃げているのもある。
「そんなことしたら、昨日の段階でデッキ取られてましたよ!」
だけどなぜか語気が強くなってしまうのは、もう気軽に使えるカード達ではないし、元居た世界の
デュエルやアクエリアンエイジはもう出来そうにない、悪目立ちすれば即
カード資産と命が狙われる社会に、気軽に楽しめない保守的な自分の気持ちが拒絶反応を起こして
いるのだろうか?答えは今は、出ない。
「普通なら警察を待つだけ、でございますわ。何より、先日貴方があたくしが所有する
直営店に来店してますでしょう?そしてこのカードを持ってきた。」
これがそうでしょう?とノースリーブで夏将軍"関羽"を取り出す、結局展示場所も話さなかったから
何処に保管しても構わないけど、理事長直々に持ってるとか展示予定は実質未来永劫未定扱いなのか?
キョトンとする自分に少し不躾でしたか、と前置きして。
「先程見せたカードの価値と今までのデュエルの腕前、今日のデュエルでは少なくともさらなる
大型モンスターで圧倒出来た筈です。それなのに恐る恐る小出しにエクストラデッキから
特殊召喚し、デュエルそのものを割れ物に見立てた手加減を感じます。違いますのかしら?」
参った。確かに自分のカードが丸ごと異質なのだ。もし下手に強く出て目立ったら
前出の悪の組織は勿論、有るのかわからない原作世界のストーリーも
滅茶苦茶にする可能性がこのカード達にはある。
「そりゃあ悪目立ちしないように……戦わないように。」
言っていて自信が無くなる、そこへお嬢様は優しく語りかける。
「悪目立ちせず生活を立てたい点に対して貴方のカード達はあまりにも個性豊か過ぎます。
逆に個性のぶつかり合いのプロになる方が平穏な程でございますわね。」
目からウロコだが、それこそドロー・マッスルや頭から落下したり顔面紅葉おろしになっても
すぐ立ち上がる強さ(遊戯王アニメ基準)の耐久性が前提すぎる!
「確かに宝神さんの意見は一理ありますね。気を隠すなら森、数あるプロデュエリストに埋もれる。
でも外部への露出が増え過ぎればやっぱり狙われ易いじゃないですか?」
及び腰なこちらに対してお嬢様はグイグイ幅を詰めて。
「プロになるなら、当然こちらでバックアップは可能でございます。
これでも実力を出し惜しまないで戦うことは出来ないのでしょうか?」
なんだか自分が強い前提で話が進んでいるが、今までのマインドブレイカーと
デュエリストの立ち位置ブレブレのガバプレイでここまで買われるのかわからない、
だから逆にこちらから質問に質問で返答する。
「出来る出来ない以前に一つ聞きたいです、今の世界をカードのチカラで変えるとか考えてます?」
言ってて直球過ぎたかと後悔した、でもカードで世界を変えるとか悪の陣営のお約束
入るなら正義側に立って主人公に倒されない様な場所に行きたいよ!
いきなり話が大きくなりめをみひらく雪子お嬢様、だが不思議と疑問や否定をせず
「それは深い質問ですわね、少しお時間を下さいな。」
と真剣に数分、もしかしたら十分以上考えてお嬢様理事長は慎重に答える。
「世界の変革ですが、カードやその交易で世界を変革し繁栄した歴史は、
古代エジプトやローマ等4大文明が有名でしょうね。」
全てのカードはローマに通ず、この世界の格言を言う宝神お嬢様は持論を続ける。
「今も一財産であるカードの恐喝や盗難など負の側面を問題視する声はありますが
デュエルで決まる世界、仮に今のお互いの物質的な被害がほぼない形式で個々人が争う
現代社会から、直接価値を毀損し奪い戦う世界へと逆行すれば、環境問題や資源問題が
きっと浮き彫りになるでしょう。そうなれば得するのは私のような富裕層ではなく
例えば、国から許可を取り付けた工事を、環境問題と絡めて止めに入る上辺だけ
環境を憂いて富を集める方々でしょうね。」
ロマンチストな意見だが、自分可愛さに消極的だったりそのくせ気が大きくなると
今回のように足元をすくわれるおじさんとのあまりの格差に愕然とする。と同時に。
「その言葉を聞いて安心した、カードは渡すから適当にしてくれないか?」
自分の超速理解とカードリリースに対応できないお嬢様が疑問が当然出てくる。
「え?どういうことでしょうか?」
自分は今日心底疲れたから少し自暴自棄気味かもしれない、でも話を続ける。
「良からぬ陰謀に巻き込まれる前に、一旦この高すぎるレアカード達とは無関係になりたい、
自分はカードゲームを遊ぶなら安心して遊びたい、今日改めて戦ってみて思う、
争う形でカードを使うのはやっぱり辛い。」
記憶喪失という話でしょう、戻った後に揉めるので受け取れませんとハッキリ断られる。
「あまりカード達を邪険にしては、デッキは答えてくれませんよ。」
そうその考え、自分はデュエリストではない、アクエリアンエイジというコンテンツが
終わったのでマインドブレイカーでさえ怪しい、半端なリアリスト
という立ち位置にはそのカードを信じる無邪気さはあまりにも眩しく映る。
「正直、本当に記憶していないんですよ、もっと違う形のカードだった記憶さえあって。」
迂闊にも意味深な表現を使ってしまい、少々怪訝な表情で確認される。
「本当に?今までは演技かしら?」
そのまま心情を勢いから吐露してしまう。
「演技も何も、正直に話しても統合失調症としか思えない内容でして、
自分の今置かれている状況がね。だから素直に話せない、ここまでが話せる精一杯。」
「自分の正気を疑っている?記憶喪失だと言うのは本当で、複合的な要因だと?」
なんだか自分の対戦相手にむけた冷ややかな眼差しに対して優しく真摯な態度についつい
色々話してしまった。適度にグイグイきても何だが認められてるみたいで悔しいが絆されてしまう。
電車通勤で隣に女学生が座るとまだ世間を歩いても良いんだと感じてしまう
情けないおじさんにはアニメのヒロインクラスの美少女は刺激が強すぎやしませんかね。
「今日は有意義な話を聞けました。ありますがとうございます。」
色々な話をしたが、後半からは記憶が朧気になってしまった。低スペックな自分には
会話を覚えて続ける力が貧弱過ぎて、これが精いっぱいだ。
「いえこちらこそ!」
「あと一つ、私の個人的な我儘があるんです。少し変なこと、頼んでいいですか?」
可愛く手を合わせて頼みをする、これだけで自分含めた世の男がコロっという事を聞きかねない
強制力にあてられ、ついつい聞いてしまう。
「はい?自分の出来そうな範囲なら、」
「勿論ですよ、デュエルディスクと配信無しのテーブルデュエルで、本気でぶつかってくれませんか?」
結局強さとプロの件は有耶無耶にしたつもりだったが、デュエリストとして答えは
デュエルの中で探す姿勢を真摯に向けられ、こちらも条件付きで承諾することにした。
「……配信も公開もしない、それの条件なら大丈夫です。この車内の机の広さなら
デュエルに支障はないと思いますが、社内の防音対策は?」
「防音も防弾も完璧なんですよ、御父様が過保護で勝手に用意した特注品ですのよ。」
「ならば普通に、やりましょうか。サイドデッキから弄るので少しお待ちを……」
「どうぞ、本気の貴方のデュエルの本気、そのブレイクモンスターの可能性と共に見せて下さいな。」
「一戦だけですからね、さて準備が出来ました。」
「お嬢様、後部にプレイマットとトークン等ございますので駐車して用意いたします。少々お待ちを。」
石戸さんも車を停めて、プレイマットや小物を用意した。ビニール等で保護しない上質な絨毯みたいな
プレイマットは、毛が抜けて汚れる事が無いような特殊加工も施されていて細部から
庶民の財布では選択肢にまず入らない価格帯を感じさせる。
「デュエルディスク無しなんて、幼等部以来です。ふふ、これからデュエルなのに
片腕が勝手に持ち上がる違和感、面白いですね。」
自分にはわからない感覚だ、停止したエスカレーターを階段として登る様な
違和感を全身に感じているのだろうか?
「確かに子供からデュエルディスクを付けた生活だとそうなりますよね。それでは!」
「「デュエル!」(ですわ。)」
窮乏で急望!!お嬢様言葉変換機下さい!!!繰り返す!お嬢様言葉変換機下さい!!
推敲も足りないけど習作な以上投稿を続けるのが大切だと思いだしました。