きんいろモザイク ~plus α Road Days~ 作:T93
趣味程度で始めたので、どれだけ持つかわかりません(笑)
でもなるべく長く、あわよくば締めまでやりたいです!
それでは、~The beginning of the story!~
「…何やってるんだろう、あの子」
ぼくの名前は
家族といっしょにこの街に引っこしてきて一日がすぎ、日曜の、まだ転校する学校に転入する前の休日に探検がてらお母さんといっしょにでかけていた。
そしてしばらく歩いていると、小高い丘のてっぺんの、この街が見下ろせるながめの良さそうな場所の手すりの近くで一人の女の子がいた。
としはぼくと同じくらいだろうか。黒髪で首のつけ根辺りぐらいまでの髪の長さの女の子だ。
この街の景色を眺めてるだけならなんらおかしい事ではないけど、こんな所に小さい女の子が一人でいるのはおかしいとぼくは思った。
「ねぇ、きみ」
ぼくは女の子に話しかけた。
「?はい。なんでしょうか」
女の子はぼくの声に気づき、ふり向いた。パッツンな前髪をした大人しそうな子だ。なんだか親せきのじいちゃんばあちゃんとかの家に置いてあった日本人形の"こけし"?ってのに似てるなこの子。ちょっと失礼か。
「え~と…、こんな所に一人で何してるの?お母さんとかは?」
「…ん~と……」
ぼくに質問された女の子は10秒ほど悩んだ素振りを見せ、そして…。
「ここは一体どこなのでしょうか?」
…………。
ぼくは数秒女の子を無言で見た後、お母さんの方を見た。
「お母さん、もしかしてこの子…」
「迷子ね」
「あ、やっぱり?」
ぼくは女の子に名前をきいてみた。
「きみ、名前は?」
「あ、すみません。知らない人にはうかつに個人情報は言ってはいけないとお姉ちゃんやお母さんに言われてまして…」
「あー、そっか」
意外としっかりしてる子なんだな。
「でも、今こうやって話し合っているんですから、私達もうお知り合いですよね!」
前言撤回。ダメだこの子。
「お母さん、ぼくこの子すごく心配」
「そうね…。
「私は
女の子もとい、忍は自分の名前を名乗った。
「ぼくは鹿ヶ谷峻。こっちはぼくのお母さん。昨日この街に引っ越して来たんだ」
「そうだったんですか!ようこそおいでくださいました!」
忍は手を広げ、嬉しそうな顔で笑った。
この子ちょっとズレてるなぁ…。
そう思っているとお母さんが忍に話しかけた。
「忍ちゃん、携帯電話とか持ってる?」
「んー、持ってないです」
「じゃあ、お家の電話番号は?それを記したメモとか持ってない?」
「あ!持ってます!お姉ちゃんに言われていつもポケットに入れてました!」
そう言って忍は自分のポケットを弄った。これでひとまず一安心、
「……あれ?おかしいですね。いつもはちゃんと入れていたはずなのですが…」
…できそうにないっぽい。
「あっ!!」
「…どうしたの?」
忍が突然叫んだのでぼくは尋ねてみた。
「そういえば昨日お風呂に入るときポケットから取り出すのを忘れていたような…」
「洗っちゃったか…」
「今ごろポケットの中が大変な事になっているかと…。どうしましょう…」
落ち込んでしまった忍にぼくは話しかけた。
「…じゃあ、一緒に探す?君のお家と家族」
「え…!いいんですか!?」
「君が良ければだけど…」
「ありがとうございます!本当に助かります!」
忍は深くお辞儀をした。
「礼儀正しい良い子ね~忍ちゃん!」
それを見てお母さんは感心する。
「じゃあ、探しに行こっか」
「はい!」
忍は元気よく返事をしてぼくの手を掴んだ。
ちょっとドキッとするからいきなりはやめて。
お母さんもニヤニヤすんな!
※ ※ ※ ※ ※
「忍っ!!」
「しのっ!!」
「あ、お姉ちゃん。
忍を連れて街中に降り、15分程歩き回っていると、向こうの道から忍より2つ3つぐらい年上の黒髪ロングのお姉さんと、忍やぼくと同じくらいと思われる赤みがかった茶髪の子がやってきた。3人のやり取りから、忍のお姉さんとお友達だろう。よかった。
「何処行ってたのよ!心配したんだから!!」
忍のお姉さん(と思われる人)は本当に心配そうな顔で忍に叱咤した。
「ごめんなさい…。蝶々さんを追いかけていたらいつの間にか知らない所にいて…」
忍はお姉さんに申し訳なさそうに謝った。
それにしても思った以上にふわっふわした理由だったんだなおい。
「しの〜っ!」
一緒にいた茶髪の子が忍に抱きついた。
「よかった〜っ!
「陽子ちゃん…。心配かけてごめんなさい!」
陽子と呼ぶ女の子に忍は、再び申し訳なさそうに謝った。
「しの、電話はできなかったの?」
「電話番号が書いてあったメモ、洗濯してしまいまして…」
それを聞いた勇姉と呼ばれてたお姉さんは。
「もう、迷子になったら防犯ブザーを鳴らして私を呼びなさいとも言っておいたでしょ!!」
「いや、だから使い方違うってば勇姉っ!!」
お姉さんのズレた発言に陽子はツッコんだ。
※ ※ ※ ※ ※
この後、忍の両親もやってきて忍は先程のように謝りまくった。
「本当にありがとうございました!なんとお礼を言っていいか…!」
忍のお母さんがぼくとうちのお母さんにお礼を言ってきた。その前に忍のお姉さん、お友達、お父さんにもお礼を言われたので正直お腹いっぱいだ。
「あら、じゃあ昨日近所に引っ越してきた人達って鹿ヶ谷さんだったんですねぇ!」
「まぁ!うちの左隣の隣の隣の向かい側じゃない!すみません、昨日は荷解きで挨拶に行けなくて…!」
その後母同士が話し合っていたところ、どうやら忍の家とぼくの家はご近所さん同士だったことが判明した。まぁ、流石に漫画みたいにすぐ隣ってわけではなかったけど十分近い。
「あの、峻くん」
「ん?何?」
お母さん達の話を聞いていると、忍がぼくに話しかけてきた。
「峻くんはどこの学校に通うんですか?」
「んえ?えーと……」
ぼくは新しく通う小学校の名前を言った。
すると忍が嬉しそうに笑った。
「わぁ!私と陽子ちゃんと同じじゃないですか!学校でも会うことができます!」
「あら、忍は峻君のこと気に入ったみたいね」
忍のお母さんや忍のお姉さんが微笑ましそうに見てくる。恥ずい。
そうしてると陽子も話しかけてきた。
「そっかー!じゃあ、学校でもよろしくな!あ、私の名前は
「あ、うん。じゃあぼくも陽子って呼んで良い?」
「うん、いいよ!」
陽子とはいい友達になれそうだ。
……ん?
「ムー」
忍がこっちを見て何やら頬を膨らませている。
「私を差し置いてお二人で仲良くなっててズルいです」
「ああっ!しの、ごめんごめんっ!」
陽子が忍に弁解する。
というか、さっきから気になってたが、陽子が忍のことを"しの"って呼んでいるが、あだ名なのかな?
「あのっ!!」
「は、はい!」
突然忍がぼくに面と向かって話しかけてきた。
「私の名前は大宮忍と申します!」
「うん、さっき聞いたから知ってるよ?」
「あだ名は"しの"です!」
あ、やっぱそれあだ名か。
「陽子ちゃんが考えてくれた仲良しの証なんです!」
「へぇ、そうなんだ」
横を見ると陽子が得意気になってドヤってた。
そこまでドヤることかな?
「それで、その……、私のこと"しの"って呼んでくれませんか?それと私も峻くんって呼んでいいでしょうか!」
さっき普通にぼくのことそう呼んでた気もするが…ま、細かい事はいっか。
「わかったよ。よろしく、"しの"」
「!〜♪」
僕がしのと呼ぶと満足したようにしのは微笑んだ。
「えへへ…。それじゃあ…」
若干照れくさそうにしたしのは、ぼくの右手を自分の両手で包むと…。
「これから、よろしくお願いしますね!峻くん!」
頬を薄い桃色に染めて、満面の笑みでそう言った。
その時、風がなびいて彼女の綺麗な黒髪がなびいて、その周りで桜の花びらが舞っているのが見えた。
それを見たぼくは数秒という短い時間だったが、凄く見惚れていた。
………………。
後にぼくは、男ってなんて単純な生き物なんだろうと思うのだった。
※ ※ ※ ※ ※
それから、しの達と過ごす日々が始まった。
三年生の始業式の日に、しのと陽子の学校に転入し、クラスも同じだった。
陽子とは、よく校庭で他の男子達と野球やらサッカーやらして遊んだ。陽子に半ば強引に参加させられた感じだったが、おかげで体力はそこそこついたと思う。
しのともよく遊んだ。ただ、よくボーッとしてる事が多い為、家が近所だから帰りまでしのの面倒を見る形になった。しののお母さんとお姉さんの
そんな日常が暫く経ったある日。しのが外国に興味を持ち始めるようになった。おれが日直の仕事で放課後しのと一緒に帰ることができなかった時になにかあったのだろうか?
でも、だからと言ってしのの英語の成績が良くなったというわけではなかった。というかしのは家庭科以外の成績が大変良くなかった。だからテスト前はいつもしのと陽子にも勉強を教える羽目になった。
ホントにこの先大丈夫なんだろうか。
それからおれ達は小学校を卒業し、中学生になった。しのと陽子も同じ学校だ。
そこで、おれと同じ様に別の街から転校してきた子に会った。名前は
なんというか、その子は滅茶苦茶人見知りだった。しのや他の子が話しかけたり遊びに誘おうとしても遠慮がちに断っていた。
でも、陽子が話しかけ、半ば強引な感じで綾を遊びに連れ出してから綾は陽子に懐くようになった。
それから陽子を通じて、しのとも話すようになったのだが、異性相手だと更に緊張するのか、おれがいると口数が少なくこわばった顔になる。
だがその後、幸か不幸かとあるきっかけでおれがしのに想いを寄せてることが綾にバレてしまい、そういう話が好きだった綾はそれがきっかけでおれと話すようになった。それから綾とは気のおけない友人となった。きっかけは兎も角。
※ ※ ※ ※ ※
中学も2年生になったある日、しのがなんとイギリスへ一週間ホームステイに行くと言い出した。しかも一人で。しのが行きたいと自分のお母さんに頼んだらしい。まさかしのの外国好きにここまで磨きがかかっていたとは…。
なんでも、しのがイギリスでお世話になる家は、昔しののお母さんが学生の頃イギリスに留学してた際に仲良くなった友人の家とのこと。その友人は日本語をわかるし喋れるので会話にも困らないそう。なので全く心配はいらないらしいのだが、おれは凄く心配だった。
確かに昔みたいに迷子になったり、あまりボンヤリしてる事は少なくなったが、あくまで比較的な話だ。誰か付き添いでついていかないのか聞いたが、しの自身が一人で行ってみたいと言ったそうなのだ。
おれだけでも付いていきたかったが、おれ自身も英語をそんなに喋れる訳ではないしお世話になるお宅にそんなに負担をかけさせたくない。それに、しののお母さんが忍が一人立できるいい機会じゃないかと言っていたので、おれはもう何も言うことはなかった。
その話に陽子は凄いと感心したが、綾はおれと同じく、しのを心配していた。無事に帰って来れるように毎日、水垢離(体に冷水を被って願掛けをすること)をしてお祈りすると言い出したので、おれも賛同して一緒にやろうと思ったのだが、陽子にもう11月だからやめとけと止められたので普通にお祈りすることにした。
そして二ヶ月後、しのはイギリスに渡って行った。
その間おれはしのが気がかりでならなかった。何処かで道に迷ってるんじゃないか、誰かに誘拐されてるんじゃないか、襲われたりしてるんじゃないか、心配事で頭がいっぱいだった。
しのがイギリスに出発した十数時間後、勇さんがしのから連絡がついたと伝えられた。
「忍、無事にイギリスに着いて、お母さんの友人の家に着いたって」
それを聞いたおれは一安心した。
「全く、峻君は心配性ねぇ。忍も、もう中学生なんだから、そこまで心配しなくても大丈夫よ。もっと忍を信じてあげなさい?」
「……勇さん、パーカーのポケットからはみ出してるそのしのの写真らしき物はなに」
「え!あ!!ち、違うの!ちょっと部屋の片付けの最中でうっかり持ってただけなの!!」
勇さんは普段しののことをからかったりしているが実はしのの事を大切に思っていて結構シスコンなのである。しののお母さんからこっそり聞いた話なのだが、今回のホームステイでもおれと同じかそれ以上に忍一人で行かせるのは心配だと食い下がっていたそうだ。
しのがイギリスに出発した翌日、昼過ぎにおれん家の電話が鳴り響いた。
おれは受話器を取った。
ガチャッ
「もしもし?」
『あ!峻君ですか?』
「!!しのか!?」
電話してきたのはしのだった。
『うふふ。まだ一日しか経ってないのに、随分久しぶりな気がしますね』
「……バーカ。なに言ってんだ。」
と言いつつも、おれもそんなカンジがしていた。旅行する場所が凄く遠いだけで変な感覚になる物だなと思った。
『あ、すみません。イギリスからの電話なのであまり長く話せないんですよね。ちょっと峻君に聞きたい事がありまして』
「おれに聞きたい事?」
『はい。
「あー、お土産に持っていったあれ?」
実は、しのが出発する数日前にイギリスでお世話になる人に日本のお土産を持って行こうという話になって、しのとおれと勇さんの3人で買い物に行ったのだ。
しかし、しのはと言うと日本ぽくない物というか英国風の物ばかりのイギリス人が微妙そうな反応しそうな物ばかりを選ぼうとしていた。本人は至って真面目なんだろうけど…。
なのでおれと勇さんでちゃんとした日本のお土産を選んだのであった。その中の一つがその簪だった。
『そうそう!実はお世話になってるお宅に私より少し背の低い綺麗な金髪の女の子がいたんです!それでその子にその簪をあげようと思いまして』
「ほうー、それで?」
『使ってあげようと首に刺したら怯えてしまって…』
「なんで首に刺すんだよ!!仕事人か、てめーは!!首じゃなくて髪に刺すもんなんだよソレ!!」
『あー、髪に刺すものなんですね!』
相っ変わらずしのは思考がズレてるし突拍子も無いことをする。ホームステイ先で迷惑かけんなよ…。
『ありがとうございます!これでアリスにちゃんとプレゼントできます!』
どうやらその金髪少女の名前は"アリス"と言うらしい。
「……そういえば、なんでおれに聞いた、というか掛けてきたんだ?お前のお姉さんでもよかったんじゃないか?」
おれより使い方知ってそうだし。
『えへへ…。実はその、峻君とお話がしたくて♪』
「………………!」
『やっぱり暫く会えないのは寂しいものでして…。声が聞きたかったんです♪』
「……そ、そうか……」
………………
おれをいつも困らせやがる…。
『それでは名残惜しいですが、そろそろ切りますね。陽子ちゃんと綾ちゃんに宜しく言っといてください!』
「あぁ。イギリス楽しんで来いよ、しの」
『はい!』
プツッ
そう言って電話が切れた。
それにしても外国でもしのはしのだったな。良くも悪くも。そのことにおれは安心して笑みを浮かべた。
……この笑みはおそらく、それだけが理由ではないと思う。
「……♪」
……………?
ふと、おれは何かの視線に気づいた。
視線の方を見てみると………、
……玄関から綾と陽子が顔をだしてニヤニヤしながらこっちを見ていた。
「……峻が寂しがっているんじゃないかと思って様子を見に来たんだけど…ニヤニヤ」
「必要なかったみたいね〜ニヤニヤ」
「おめーら、何時から居たァ!!!」
「「なんでおれに聞いた?」辺りからかしら(笑)」
おれと陽子と綾の3人の鬼ごっこが始まった。
※ ※ ※ ※ ※
しのがホームステイに出て一週間。つまり、しのが日本に帰ってくる日になった。
しのの迎えにおれとしのの家族と陽子も一緒に空港へ向かった。綾は家の用事とかで来れなかったが、しのが帰ってきたらメールで連絡するつもりだ。
「……しの、大丈夫かな。飛行機の中でハイジャックとかにあってないかなぁ…」
「もう、峻は本当に心配性だなぁ〜」
「そうね。そんなに心配してたら身がもたないわよ。」
「そういう勇姉も手汗凄いよ?手、めっちゃ濡れてる。」
「……冷たいジュース飲んだからよ」
「さっき飲んでたのホットココアじゃなかった?」
「じゃあ、それで汗かいたのよ」
「『じゃあ』って…」
おれと勇さんと陽子でそんなやり取りをしていると…。
「あ!来た!忍ー!」
「「「!!」」」
しののお母さんの声に皆で顔を向けると、
「お母さ〜ん!お姉ちゃ〜ん!お父さ〜ん!陽子ちゃ~ん!峻く〜ん!」
いつもと同じ、イギリスに出発する前と変わらない、呑気な顔と声のしのが大声で呼び手を振りながらこっちにやってきた。
「忍!」
「しの〜!」
しのの家族と陽子はやってきたしのを囲んで帰ってきたしのに喜んでいた。しののお母さんもああは言ってたけどやっぱり心配だったんだろうな。
ちょっとした後おれもしのの近くに来た。
「しの…」
「あ、峻君。ただいまです!」
「…しの…だよな?大丈夫だったか?なんともないか?」
「いや、目の前に普通にいるだろ」
おれの言葉に陽子が口を挟む。
「いや、もしかしたら幽霊かなんかじゃ……」
「どんだけネガティブに疑り深いんだよっ!!」
「…………。」
おれと陽子のやり取りに大人しくなったしのは何かを考え込むようにした後、おれの目の前に立つと…。
「えいっ」
いきなりおれに抱きついてきた。
………………………………。
「◎△✕#@※%β◇+≦±∀$⇒⊆∞¥☆!!!?」
おれは今一体何語を喋ったのだろう。
暫くするとしのは抱きつくのを止めた。
「ふふふ♪どうですか?私はちゃーんとここにいるってわかりましたか?」
「…………お、おう……」
まったく、こいつは………。
「あれ?峻君どうしました?急に顔が凄く赤くなってますよ?まさか熱でもあるんですか!?」
おめーのせいだっつーの!!
「あら〜♪」
「あらあら」
そこの母親共とお姉さん!ニヤニヤすんな!!
※しのの父親は複雑な顔と感情になっています。
「んで、陽子。お前は何をしている」
「何って、綾にしのが着いた連絡のメール送ってただけだけど?」
「余計な事書いてねぇだろうな?」
「余計な事?別に?」
「……なら良いけど」
~綾Side~
ヴーッ、ヴーッ
「ん?メール?」
家の用事で家族で出掛けてた私のもとに一件のメールが来た。
「あ、陽子からだわ」
私は陽子のメールを開いた。
『From 陽子
─────────────
Sab 綾へ
─────────────
しの無事に帰ってきたよー!』
「!よかった〜!」
しのの無事に安堵しつつ、私はメールの続きを読んだ。
『しののやつもやっぱりあたし達に会えなくて寂しかったんだろうな〜。峻になんか思いっきり抱きついてたりしたからさー!綾も明日しのに会うの楽しみに待ってろよー!』
「…………」
「綾、今の陽子ちゃん達からのメール?」
お母さんが何か言っているが私は今それどころではない。
「私も一緒に迎えに行けばよかった〜!!!!」
私は涙目で叫んだ。
「ふふふ、綾ったら。そんなにお友達が心配だったのね」
~綾Side、Off~
とまあ、そんな出来事もありながら、おれ達は中学校生活も送り、その中学を卒業し、俺達は遂に高校生になった。綾も含めた俺達4人は同じ高校に通う事になった。
そしてその高校の入学式から一週間程経った桜が咲く頃に、俺達のきんいろの日常が始まる事になるのだった。
~See you, next time!~
いかがだったでしょうか?
文章が変な所や至らない所もあったんじゃないかと思いますが、どうか長い目で見て、もしくは感想で指摘していただけると嬉しいです(笑)
それでは、また( ・∀・)ノシ