きんいろモザイク ~plus α Road Days~ 作:T93
この話のショッピングモールは完全に私の想像で店とか考えて書いてますので、存在するモデルのモールにその店が無くてもどうか苦情とか送らないでください(笑)
「えーと、ロッカーロッカー…。あ、あったあった」
俺はモール内でコインロッカーを見つけ、お菓子を数個取り出して、俺とアリスが買った荷物をそこに入れた。
「ふー。さて、あと30分で昼か。よしアリス、飯にしようぜ」
「うん!」
「あ。そういえば、カレンは午後から合流って話らしいが、飯はどうするんだ?別々か?」
「え?うーん、そこはちゃんと聞いてなかったかも」
「そうか。じゃ俺ちょっとカレンに電話して聞いてみるわ」
「シュン、番号知ってるの?」
「こないだ教えてもらった。というか教えられた」
カレンはちょっと無防備すぎる気がする。
そう思いながら俺はカレンの携帯に電話を発信した。
プルルルルル…プルルルルル…プルルガチャッ!
『ハーイ!シュンー?』
コールが3回くらい鳴った後、カレンの元気な声が携帯から聞こえてきた。
『どうしたデスカー?』
「ああ、俺今モールにアリスと一緒にいるんだけどさ」
『オ?シュン、シノというものがありながら、アリスとデートとはチャラいデスネ〜?』
「違うわっ!アリス…と、お前のしのへのプレゼントの買い物の付き添いで来たんだよ!」
『それで、なんのご用デスカー?』
「…。お前、そっちの用事はまだ済んでなかったりするか?」
『イエ、丁度ついさっき終わりまシター』
「そうか。じゃあ、昼飯どうする?一緒にするならお前がこっち来るまで待つぞ?」
『oh~。それも良いデスが、ゴメンナサイ。今日のお昼はもう決めていたんデス。ソーリーデス』
「そっか、気にすんな。じゃあ、終わったら連絡してくれ」
『わかったデス!それデハ後ほどー!バーイ!』
カレンのその一言で会話は終わり、通話も切れた。
「というわけだからアリス、俺達だけで昼飯食いに行くぞ」
「わかった。それじゃあ、どこにしようか?」
「アリスはどんな気分だ?あっさりか、がっつりか」
「特になんでもいいよ。あ、辛いのは嫌かな…」
「じゃあ、韓国料理とかはやめとくか」
「シュン、好きなの?」
「いや、別に」
「そう。…じゃ、シュンの好きな物は何?」
「俺?うーん、何が好きかって言われると…。逆に苦手なのなら甘酸っぱい系かな。苺とかなら大丈夫なんだが、酢豚とかだとちょっと無理」
「へー」
……さっきからどうもお互いに気を遣いすぎてて、ハッキリとした意見が決まらねえ。
アリスは和食がいいんだろうが、おそらく俺を付き合わせている手前だから、自分勝手に言えないのだろう。
「……もう決まんねえから、和食屋にでもするか」
「!い、いいの!」
俺の提案に遠慮がちながらも、アリスは目を輝かせていた。
「ああ。昼近くになってから本当に気温高くなって汗もかいてきたから、ざるっつーかつけ麺食いたくなった。種類豊富で美味くて安いとこあっから、そこにしよう」
「わーい!」(˶>ᗜ<˵)/
アリスはぴょんぴょん跳ねて喜んだ。ああ、微笑ましくてこっちの心もぴょんぴょんするんじゃぁ^~。
※ ※ ※ ※ ※
俺達は和食屋に着くと、席に着いてメニュー、もといお品書きを見て料理を選んでいた。
「そばか、うどんか……。よし、(ざる)うどんにしよう」
「じゃあわたしは(ざる)そばにしようっと!」
「麺の量、"小盛"、"並盛"、"大盛"とあっけどどうする?」
「"並盛"って多かったりする?」
「いや?平均的な量だったと思うけど」
「じゃあ、"並盛"で!」
注文が決まったので、店員を呼ぶボタンを押して店員を招き、注文をする。
「ざるうどんの"並"1つと、ざるそばの"並"1つ、お願いします」
「かしこまりました。お冷はあちらにございますので。少々お待ちください」
店員は向こうの台の上に置いてあった水差しとコップの事を俺達に伝えると厨房の方へと去っていった。
お茶もあって、俺達が席に着いたすぐ後に店員さんが持ってきてくれていた。頼めばおかわりを注いでくれるそうだ。
俺は注文をした後持ってきた水を飲みながら携帯をいじっていた。
一方のアリスはというと。
「……」ソワソワ((・ω・ = ・ω・))キョロキョロ
店内をわくわくしながら眺めていた。
昭和の日本の家を思わせるザラザラした壁に、足がぐにゃぐにゃしている座卓、畳に座布団のテーブル席。
どれもアリスの興味をひく要素が店内にあった。
「わ〜っ…!」
「……アリスってこういうとこ来んの初めてなのか?」
「うん!日本に来たらこういう店に来るの憧れてたんだ〜」
「しのん家で外食とかしないのか?」
「えっと…、するんだけど、いずれもファミレス、英国風の飲食店にばかりで…。あ、和食もメニューにあるからいいんだけどね?」
「つまり、あえて名前は言わんが特定の誰かが洋食ばかり食べたがるから和食オンリーの店に行けないと」
「うっ。…イ、イエス…」
アリスはまごまごしながら頷いた。
「しのん家で世話になっている手前、わがままが言えない気持ちもわかるが、少しは主張したっていいんじゃねえか?しののお母さんに言ったら聞いてくれるって」
「でも、シノに悪いし…」
…ったく、こいつは…。
「わーかったよ。なら今、思う存分堪能しとけ。と言っても後は飯食うだけなんだがな」
「うん!」
アリスが今度は嬉しそうに頷いた。
とりあえず、あの外国バカには後できちんと釘をさしておく事にしよう。
「お待たせしました。ざるうどん"並"と、ざるそば"並"、お持ちしました」
注文してから約15分程で俺のうどんとアリスのそばが来た。
「わーっ。おいしそう!」
「さーて、じゃ食うか」
俺とアリスは手を合わせて、
「「いただきます」」
と言って俺は箸を持ってうどんをすくい……ん?
アリスはまだ箸を手に取らず、そばをじっと見つめていた。
「アリス。食わないのか?」
「ちっちっち。シュン、まずはそばの香りを嗅いで、風味を楽しむんだよっ!次にそばの頂から、お箸を斜めに入れてそばをすくい取る。そして、まず最初は麺つゆにつけず素材の味をそのままいただくのがざるそばの作法だよっ」
アリスは「フンスッ」と若干興奮しながら得意気にそう言った。
さっき人の事オタクっつってたけどアリスも充分日本オタクだわ。わかってたけど。
香りを嗅ぎ終わらせたアリスはさっき言った作法の通りにそばをすくい、そのまま口に入れた。
「ず……ちゅる…ちゅる……ずっ……んむっ……ちゅる…ちゅる…あむ……ずっ…ずるっ……むぐむぐ…」
……アリスはそばを食べるのに手こずっていた。
「……アリス。お前ってもしかして、麺すするの苦手だったりする?」
「ギクッ!」Σ(=ω=;)
ギクッって口で言う人初めて見たわ。
いや待て。そういや昔しのが言って…まてよ、綾も隠し事する時に言うような……いや、陽子もよく言って……。すまん、結構聞いてたわ。
「うぅっ……。カレンとかは慣れてるみたいなんだけど…」
「まあ気にすんな。これから出来るようになっていけばいいさ」
カレンは昔から色んな国に旅行してたらしいから何処かでそういう料理に出会って慣れたのかもしれないが、アリスはパスタ等の麺類をフォークで回して食べる生活をずっとおくっていたんだろうからな。
いくら箸の使い方が上手くてもこれはしょうがない事なのだ。パスタで練習するにしても、具やソースが飛んでしまうだろうし。
「よしアリス。俺がすするとこ見てお手本にしてみ?」
「えっ。う、うん」
「よーし、日本人のすすりっぷり、よーく見とけよ?」
そう言って俺はうどんを一摘み持ち、麺つゆにつけて口に入れた。
「ずるっ!ずるるるるっ…!う"っ!ぶえっへ!!えっへ!!へっ!!」
俺は盛大にむせた。
喉を落ち着かせるため、俺は水を飲んだ。
「んぐっんぐっ……!ぷはぁっ!……へ、変なとこにつゆ入った……!はぁっ…!………あ」
「…………」
アリスが目をぱちくりしながら無言でこちらを見ていた。
やべぇ、しまった。アリスのやつ、引いてるのか?呆れてるのか?いや、これどっちにしても俺が○ぬ事に変わりねえな。つーか、汁とんだりしてねえよな?
「………ぷっ!ふふふ…!」
「ア、アリス…?」
「あはははははっ!シュンったら…、おかしいっ!あんなに自信満々に言ってて!あははははっ!」
アリスは眼にうっすら涙を溜めながら、思いっきり笑い声をあげた。
「………コンニャロ!笑いすぎだ、コンチクショウ!」
俺は冗談ぽく笑いながらアリスに文句を言った。
「あはははっ…!ご、ごめん!だって、おかしくって…!あはははははっ!」
よっぽどツボにハマったのか、アリスは笑い続けた。
ま、たまにはこういうのもいいかもな。
「あ、しのに電話しとくか」
うどんを半分近く食べた所で、俺はしのに昼食を食べてる報告もかねて、定期連絡をする事にした。
さっき(前回)の電話の時に、1時間に1回はしの(の家)にアリスがちゃんといるという報告をする事になったのである。
「あれ?」
携帯を取り出すとメールが1件来ていた。
件名を見ると、カレンからだった。
メールを開くとそこには、今日のカレンの昼食と思われるラーメンを、箸ですくい上げるカレンの自撮り写真と一緒に、
『私、大人の階段を登りました!
九条カレン』
……という文章が書かれたメッセージがあった。
「なんだこれ」
俺はメールをしまい、しのん家に電話をかける事にして考えを放棄した。
因みに余談だが、カレンはメール等の文章だと語尾とかカタコトではなく普通の日本語でうつ。だからあれは決してミスや誤字な訳ではありませんので。あしからず。
※ ※ ※ ※ ※
昼食を食べ、和食屋を後にした俺達はモールの中の中央出入口の近くでカレンを待っていた。
「うーん、カレン遅いなぁ」
現在、待ち合わせ時間の1時を10分程過ぎていた。
「カレンって時間守る方なのか?」
「んー…、ビミョーかも」
…ま、それでも心配になるのは当たり前か。
そう考えていると、
「アリース!シュンー!」
右側の方からカレンが元気よく俺達を呼びながら走ってきた。
「カレン!もーっ、遅いよ!」
「アハハッ、ゴメンデス!」
「よっ、カレン」
「あ、シュン!オハヨウゴジャイマース!」
「昼なんだけど」
「ノンノン。会社に出勤する時、サラリーマンはナンドキだろうとオハヨウと言うのデスヨ?」
「お前はサラリーマンじゃねぇだろ」
アリスといい、ほんとそういうの何処で覚えてくんのこの外国人達。
「それじゃあ、カレンのプレゼントを探しに行こう!」
アリスが高らかに宣言した。
「あー、それなんデスが」
「どうした?」
「ここに来る途中で良いのを見つけたノデ、私そこでもうプレゼント買ってきちゃいまシタ!」(≧ڡ≦)テヘー
「えーっ!?」Σ(꒪Д꒪〣)
あんまり悪びれずにそう打ち明けたカレンにアリスは呆れ混じりに驚愕した。
「もう!カレンはいつも自由気ままなんだからーっ!!」
「まあまあアリス落ち着け。どうせカレンが自分で渡すプレゼントなんだから」
「そうだけど…!!」
宥めてみたが、アリスは釈然としていない様子だった。まあ気持ちはわかるが。
「で、何買ったんだ?」
「それは当日までのお楽しみデース」
「なんでだよ」
「シノが確実に喜ぶモノとだけ言っておきまショウ」
「!わ、わたしのプレゼントだってシノ、喜んでくれるもん!」
「何張り合ってんだアリス。それじゃあ、どうする?今日はもう解散すっか?」
「イエ、せっかく来たノデ、ショッピングをエンジョイして行きまショー!!」
ま、来たばっかですぐ帰んのもあれだしな。
「で、何見んだ?」
「アリスが来た時は何見たデスカ?」
「うーんと、まずはゲームセンターに寄って…」
「ゲームセンター!そこ行きたいデス!シュン、UFOキャッチャーでぬいぐるみ取ってくだサイ!」
「OKまかせろ。こないだのリベンジ果たしてやる」
「やめてっ!?ていうかシュン、さっきわたしにくれた扇子がリベンジって言ってなかった!?」
「それはお前へのプレゼントの話で、UFOキャッチャーの話とは別だ。心配すんな、今の俺はバイトの収入があるから弾の数がこの前とは比べ物にならないくらいあって、戦艦並みの戦闘力がある!」
「弾切れ起こして轟沈されるだけだと思うよっ!だって今思うとシュン、UFOキャッチャーものすごく下手だったもん!!もう見てられなくなってそれで止めに入ったんだから!!」
「アリスー」
「なに?カレン」
「シュンがUFOキャッチャーする前に沈んだデス」
「えっ。ああっ!?シュンが床に手と膝をついて、落ち込んでる!!ごめん、シュン!!」
イギリス式戦艦アリスの波動砲を食らった日本式戦艦俺が復活して帰ってくるのに10分ほど要した。
※ ※ ※ ※ ※
それから俺達3人は、ゲーセンに寄って色々なゲームを遊んだり(UFOキャッチャーはしませんでした)、文房具売場に寄ってせっかくだからノート等を数点買ったり、ペットショップで色んな動物を見たりした。あとそこでカブトムシが売り出され始めてたりしてた。
とまあ、そんな具合でこの前寄った所を大体回ってきた。
そして俺は今現在、男子トイレに居た。
さすがに長時間そこに向かわず、ずーっとアリス達と一緒にいるというのは無理があった。と言うより膀胱がもう限界だった。
俺はなるべく早く済ませ、アリスとカレンの所へと向かった。あ、手はちゃんと洗ったからな?
しのじゃあないが、アリスとカレン2人だけを残すというのは俺でも多少心配になる。そう思い俺は速足で2人の所へと歩いていた。
2人と別れた場所へと近づくと、何やら少々騒がしかった。
まさか、アリスとカレンが暴漢にでも襲われてたんじゃ…!
俺は急いで2人の元へと向かって行くと、アリスとカレンの叫び声が聞こえてきた。やっぱり声の主はあの2人だった。
くそっ!俺が付いていながら!
「おーい!アリス!カレン!」
俺は2人が見える所まで来ると2人に呼びかけた。
「いったい、何があっ──!」
「お姉ちゃん!」
「妹デス!」
「お姉ちゃん!」
「妹ー!」
…………どういう状況これ?
まあ、なんかに巻き込まれたとかじゃなくて良かったけどさ。
「はーいはい、お前らー」
「あっ、シュン!聞いてくだサイ、アリスがー」
「違うよーっ!カレンがー!」
「2人とも。話聞く前に、周りを気にしようか」
「え?……あっ!」
2人の騒ぎで周りに人集りがざわざわと出来ていた。
「オー!私たち、注目されてマース!」
「お…!お騒がせ致しましたー!!」(//>ᯅ<//)՞ ՞
カレンはあっけらかんと気にしてなく、アリスはこの状況に恥ずかしくなっていた。
俺はカレンの手を引っ張り、アリスと一緒にその場から離れた。
そして、さっきとは別の場所の適当なベンチに俺達3人は座り、休憩をしていた。
「………で?さっきは2人で何言い争ってたんだ?」
「あ!そうそう!聞いてよシュン!カレンが酷いんだよーっ!」
俺が質問をすると、恥ずかしさにまみれてたアリスがさっきの調子を取り戻した。
2人の話を聞くとつまりこういう事だった。
日本だとアリスとカレンは、2人でいると通りすがりの人達によく姉妹だと間違われるとのこと。その事にカレンが「きっとアリスがちっちゃいから」と言い、その発言にアリスが「お姉ちゃんはわたし」と物申し、それで言い争いになりあんな状況になったとのことだった。
「絶対わたしの方がお姉ちゃん!」
「イエ、アリスは妹デス!」
あ、やべ。この後の展開が読めた。
これ、この後どっちかが「じゃあシュンにどっちがお姉ちゃんか決めて貰おう」とか言って、俺が問いかけられて困るパターンだ。
俺だって学習はする。さて、そんな質問をどうやってされない様にして切り抜け──
「じゃあシュンにどっちがお姉ちゃんか決めて貰おうよ!」
「望むところデス!」
読めても考える時間無けりゃ意味ねぇじゃんんん!!
アニメみたいに、『この間、0.2秒』みたいにいかねーんだよ!!そんな頭してる奴、現実にいる訳ねーだろ!!
「「シュン、どっち(デスカ)!?」」
アリスとカレン、2人同時に問いかけられた。どうしよう。
「………えーと……。た、誕生日だとアリスが1番お姉さんなんじゃねぇのか?」
「はっ!そうだよ!わたしは4月5日でカレンの誕生日は、12月1日!だからやっぱりわたしがお姉ちゃんだね!」
ほう、カレンの誕生日は12月なのか。
「生まれた順番なんて関係ないデス!年度的には同い歳なんデスから!それよりも、どれだけ成長してるかの方が大事デス!それは見た目はモチロン、中身もデス!」
「中身ならカレンは子供の時からずーっと変わってなくて子供じゃん!」
「ノンノン。私はアリスの知らない所で日々、成長してるのデスヨ。ついさっきも、大人の階段を登ったばかりデス!」
「あ。そういえばさっき飯食ってた時にお前から変なメール貰ったんだが、ありゃなんだ?」
「変なメールって?」
「えーと…、これ」
俺は携帯を取り出し、アリスにカレンからのメールを見せた。
「………なにこれ?」
うん、そうなるわな。
「フッフッフ。聞いて驚いて下サイ。私はなんと…、1人でラーメン屋へと入って行って注文もしたのデスヨ!!」
それだけかよ。
「ガーン!!」Σ(꒪□꒪〣)‼
あれ?アリス、結構効いてる!?
「そ、そんな……。カレンがいつの間にか、そんな大人な事を…」
1人でラーメン屋って大人なのか?
「フフフ。やはり私の方が大人のようデスネ」
「うぐぐぐ…!」
何これ。場の情緒がカオスなんだけど。俺どうしたらいいの。
「こうなったら最終決断をシュンに下して貰おう!それでハッキリさせよう!」
「望むところデス!」
「さあシュン、どっちが───!!」
「あ━━っ!あんな所にガチャガチャが!欲しいのあるかもなー!!」
俺はそう叫んでガチャポンコーナーへと走って行った。
「え━━っ!?ちょ、ちょっと待ってよシュンーッ!」
「Wow!ガチャガチャ、私もやりたいデース!」
すまん。俺にはもう限界でした。
それから、俺達はガチャガチャを楽しんだ。アリスとカレンも白熱してたのか、どっちが姉かの話はもう忘却の彼方へと行っていたようだった。
…因みにガチャガチャの結果はと言うと…。
「………シュンって、運もイマイチなんデスネ」
「全5種のを7回やって全部同じのが出るって、ある意味凄いよ…」
「うるせえやいっ!!」(╥Д╥)
その後に近くにいた店員さんがそんな俺を見て、哀れに思ったのか「いくつか交換しましょうか?」と訊ねてきた。
プライドが許さないので俺は断ろうと思ったが、アリスとカレンが「あ、じゃあお願いします」と勝手に交換してしまっていた。
それで全種揃って2人に「よかったね」と言われたが、嬉しさよりも申し訳なさと惨めさが勝った。
余った2つは午前に買ったお菓子と一緒に、アリスとカレンにやった。
※ ※ ※ ※ ※
時刻は午後4時に差しかかろうとしていた。
俺達はそろそろ自宅に帰ろうという事にし、モールの外へ出た。
電車に乗って駅を降りしばらく3人で歩き、途中の十字路でカレンと別れる。
「今更だが、帰り大丈夫かー?」
俺はカレンに訊ねた。
「大丈夫デース!もう道は覚えてマース!それにもし道に迷っても、シュンに教わった携帯のマップ機能も覚えてマスし、充電器も持って抜かりナシデス!」
「なら良し。そんじゃなー」
「カレン、また明日ー!」
「アリスとシュンも、また明日デース!」
カレンは手を振りながらそう言って、家に帰って行った。
そしてしのの家の前に着き、そこでアリスに別れの挨拶を言う。
「じゃアリス、また明日」
「うん!………あのー、シュン…」
「ん?」
「今日は……ありがとう!」
アリスは笑顔で俺にそう言った。
「………ああ。明日しの、喜ぶといいな」
例のプレゼントは、明日学校でカレンと一緒に渡すとの事。
「うん!それじゃあ、また明日!」
「おう」
アリスが別れの挨拶を言ってしのの家に入って行き、俺も近くの自宅へと向かって行った。
俺が自宅の門を開き家に入ろうとした時、しのの家から「ア"リ"ズううううぅぅぅううっ!!」という悲痛の叫び声が聞こえてきたが、俺はそれを気にせず「ただいまー」と言いながら家に入るのであった。
~アリスSide~
「あぁっ、しまった!」
夜中にわたしが布団を敷いて明日に備えて荷物を整理していると、とある事を思い出した。
「シュンに誕生日聞くの、すっかり忘れてたよ〜っ」
シュンに日頃の感謝へと何かプレゼントする為に前もって誕生日を聞いとことうと思ってたのに!
どうしよう。しのに聞くにしても、しのはもう寝ちゃっているし、イサミやシノの家族も仕事疲れでもう休んでるし、ヨーコかアヤ、シュンに電話するにしても、それだけで連絡する時間帯じゃないし…。
ん〜っ…。よし!明日シュンに聞こう!
明日の朝に会う時に思い切って聞いてみようっと!
わたしはそう思い、今日はもう寝る事にした。
※ ※ ※ ※ ※
翌朝。
わたしとシノが揃って家を出ると、門の前でシュンが待っててくれていた。
「シュン、おはよう!」
「おはようアリス。今日は上手くいくといいな」
「うん!」
「アリス、いったい何の話ですか?」
「ふふふ!シノ、学校で楽しみにしててね!」
「?」
ウフフフ、シノ喜んでくれるといいな〜。
わたしはシノへのプレゼントの事で頭がいっぱいだった。
~アリスSide、OFF~
[おまけショートこぼれ話]
俺が自販機でジュースを買ってクラスに戻ってくると、カレンがいつもの如くこっちのクラスに来ていて、綾と陽子と話していると何やら2人が驚いている様子だった。
「おーい、なに話してんだ?」
「あ!峻!カレンたらね、こないだ1人でラーメン屋に行ったらしいのよ!」
「あー、その話ね。カレンの奴もう言いふらして…」
「1人でラーメン屋に行くなんて、大人だわっ!」
「私なんて行けてもファーストフードだよ!!」
あっっるぇええ!?
女子高生の感覚がわからん!
それとも俺がおかしいのか?
「それで、どんな感じだったんだカレン!」
陽子が興奮した様子でカレンに訊ねた。
「フッフッフ。そんなに気になるのナラ、仕方ありませんね。教えてあげまショウ!」
カレンがドヤ顔で話し始めた。
~回想~
わたしはラーメン屋ののれんをくぐり、心をドキドキさせながら、
『ヘイタイショー、ラーメンひとつ。ホットでお願いしマス!!』
とスマートに頼み、わたしはタイショーが持ってきたラーメンをおもむろにすすった……デスッ!
~回想終わり。~
「ある意味すごい!」
「恐れを知らない!!」
「………まあ、『冷やしラーメン』っつーのもあるし…」
「『冷やしラーメン』?何それ?」
「冷やし中華と違うの?」
「え?ああ、普通にラーメンのどんぶりで出す冷えたラーメンの事だよ」
「冷やしラーメン!私も食べて見たいデス!今度あの店でやってみマス!」
「待て待て待て!冷やしラーメンはラーメン屋全部にある訳じゃねえよ!!ある場所は限定されてるんだ!」
「ならシュン、今度私をそこに連れて行って下サイ!冷やしラーメン食べたいデス!」
「え」
「あ!私も食べたい!なぁ峻、私も連れてって!」
「私も興味あるわね。今度シュンの奢りで行きましょう」
「なんでいつの間にそんな話になった!?あと勝手に奢りにすんな!!」
ちょっと言ってみただけだったのに、ここまで興味持たれるとは思わんかった!
後日、ついでにしのとアリスも加わって、カレン達を冷やしラーメンがある店まで連れて行ってご馳走する事になってしまったのであった。
なんでこうなった。みんな美味しいと言ってくれたのは良かったが。
~See you, next time!~
アリス、カレンとのお出かけ編でした。
原作話のちょっと補完的な話で前編後編に分けるほど長くなるとは思ってなかった…。
なんかキャラにこれさせようあれ言わせようと考えてたらこんな事に(笑)
あ。タンポポ雲さん、遅れましたが推薦ありがとうございました!
それではまた!