きんいろモザイク ~plus α Road Days~ 作:T93
性懲りも無く今回またオリジナルです。
いや、あの話に繋ぐ話をと思いましてね?ちょっとそれを少しでも違和感無く繋ぐ様にと投稿しないで数話チェックしながら貯めていたんです。
※始めに言っておきますと、今回の話は原作の体育と野球の回とは別の話です。若干のネタの流用はありますが。
6月も中旬に入り、夏も近くなってきたとある日の平日。
「イエーイ!体育だーっ!!」
体操着に着替えた陽子が元気よく騒いでいた。
俺達のクラスの次の授業は体育で、今日は校庭や体育館を使って各自で自習をする事になった。
今は校庭に出る為、5人で廊下を歩いていた所だ。
「ヨーコ、なんだかいつもより元気だね」
アリスが聞いてきた。
「学校の授業だと、あいつが1番生き生きする科目だからなあ」
「そうなんだ。……でも、それとは逆に…」
そう言ってアリスは綾の方を見た。
「………………」(〣-_-)ズーン
「アヤの元気がなくなっちゃってるよ?」
「あいつ、勉強は出来るけど運動はからっきし苦手だからなぁ」
中学の頃はあいつよくズル休みという名の見学をよくしてて、危うく体育の単位が足りなくなりかけた事があったんだよなぁ。
「もう!学生に必要なのは社会で生きるための知識を身に付ける事なんだから、運動なんてする必要ないじゃないのよ!」
突然綾が叫び出した。
「運動で将来食っていく人もいるだろうが」
「じゃあ将来、そうやって食べてく人だけ体育すればいいじゃないのよ!!」
「アヤ、前にヨーコが歴史や数学とかのテストが帰ってきた時と似たような事言ってるよ」
「それで陽子に「学校で学ぶ事に必要ないものなんてないんだから、きちんと勉強しなさい」…って言ったのお前だろうが」
「体育だけは例外よ」
「おい」
自分に都合が悪いと我儘な子どもみたいに屁理屈とか言い出すなコイツ。
「さっきから黙って聞いてればちょっと!」
前を歩いていた陽子が話に入ってきた。
「私は運動神経いいってキャラだから、体育は絶対必要あるの!中学の頃、通知表で体育だけ唯一の5だったんだからな!」
「え!?」
「体育だけ高評価って、ガキ大将の通知表かよ」
「悪かったなコンニャロー!」
「……って綾、どうした?」
何やら陽子の運動神経いいキャラ発言を聞いた後、綾は驚愕の顔をしていた。
「陽子にそんな取り柄があったなんて!知らなかったわ」
「中学も一緒だったのにお前…」
「さてはお前、今まで見学も真面目にしてなかっただろ」
「……なぁ峻、今日は綾に徹底的に運動させてやらないか?」
「そりゃいい。また中学の時みたいに単位足りなくなったりしたら困るしな。つー訳で綾、覚悟しな?」
「え。ちょっ!い~~や~~~~~っ!!」ヽ(;□;)ノ
逃げようとする綾を俺と陽子で取り押さえた。
さーて何をやらせようか、フフフ…。
「二人共、凄く悪い顔してるよ…」
「そういえばアリスは運動、得意なんですか?」
しのがアリスに質問をした。
「うーん…、かけっこも遅いし、そんなに得意じゃあないんだけど…。でも、体を動かすのは好きだよ!」
「そうなんですねっ」
「おー、苦手科目でも前向きに励んでて、アリスは偉いなー。綾、お前もアリスを見習え」
「峻、綾に何やらせようか?千本ノックとか?」
「ウサギ跳びで校庭を…、何十周させてやろうかな?」
「見習うから、それはやめてーっ!!」
授業の始まる数分前の廊下で、綾の悲痛の叫びがこだました。
※ ※ ※ ※ ※
校庭に付き、授業が始まった。
「さー!やるぞーっ!」
やる気満々な陽子。だがしかし。
「待て陽子。何をやるにしてもまず、準備運動をしないと」
「おっと、そうだった。つい気持ちが、はやっちゃって。あははっ」
「ったく…。あ、そうだ。せっかくだし携帯でRadio体操を流してやろうぜ」
「なんで『ラジオ』の発音が無駄に良いのよ」
綾のツッコミを受けつつ、俺はそう提案をしながら携帯を取り出した。
「わたし日本のラジオ体操、初めてやるな~」
「ああ、そうか。アリスは
勝手にもう高校生なら、誰でももう曲聴けば踊れるもんだと思っちまってた。
「体操って世界共通じゃないんですねー」
「どうする?やっぱ普通の柔軟体操にするか?」
「ううん、せっかくだしやってみたい!シノの真似して覚えるよ」
「ふふっ、わかりました!では、よく見ててくださいね」
「じゃあ、始めるぞー」
俺はその場の4人に確認し、携帯で音楽を鳴らした。
すると例の音楽と声が聴こえてきて、俺達は背伸びの運動をする。アリスも、しのの真似をして運動をしている。
※ラジオ体操の楽曲コードがよくわからなかったので念の為歌詞(?)は載せませんでした。ご了承ください。
次に足を屈伸しながら、両腕を横に広げて胸の前に突き出すを繰り返す。アリスも、しのの真似をしながら……、ん?
「え、えーと、こうやってですね…」
「こ、こう?」
「おいお前ら。なんで盆踊りやってんだ」
しのとしのの動きを真似てたアリスの動きは、盆踊りの振り付けにある阿波踊りみたいになっていた。
確かに腕は動かす運動ではあるが全然違うだろう。つか、足はどうした。
次の運動に移り、両腕を大きくグルりと回す。
この項目にしのとアリスはと言うと、
「フンッ、フンッ、フンッ、フンッ、フンッ!」
「フゥッ、フゥッ、フゥッ、フゥッ、フゥッ!」
横にではなく前に向かって交互に回していた。
「大きい相手に立ち向かっていく子供かお前らは」
その様子はさながら、強そうな相手に頭を押さえつけられ止められて、その場で腕をぐるぐる回す人の様だった。
次に足を横に出して、胸の運動が始まる。
「え?え?えっ?足を…、横に…?胸を…???」
「シノ!?これなんだか上手くバランスが、あああああっ!?」
「はい、ストーップ!一旦中止、やめーっ!」
俺はそう言い、ラジオ体操の音楽を止めた。
よろけるしのとアリスを俺と陽子が支え、そして俺はしのに向かい合った。
「しの」
「は、はい」
「お前さては覚えていないだろ」
「……………そんな事もあるかもしれません」
「目を背けるな。何の意地はってんだ」
「ううう、すみませんアリス。お役に立てず…」
「ううん、気にしなくていいよシノ!」
「そんじゃまぁ、アリス……と、しのは俺か陽子の動きを真似して…」
「そうです!アリスはアリスの知っている体操をして下さい!」
「え?」
「は?」
「二つの国の体操を融合させるのです。名付けて、異文化ラジオ体操!」
「え~~っ」
何言ってんの、このおかっぱ娘は。
「それでは峻君、もう一度最初から音楽を鳴らして下さい!」
「………まあ、やるだけやってみ?」
もうなんかメンドくせぇからいいや。
そう思いながら、俺は音楽を再び鳴らした。
それから、俺、陽子、綾の3人はラジオ体操通りに体を動かした。
アリスは音に合わせつつ、独自の動きをしていた。あれがイギリス式の体操なのだろうか。
そしてしのは俺達3人の動きに合わせようとしてはいるが、どこかしの独自の独特な動きになってしまっている。
「……なぁ、今日の授業って創作ダンスだったっけ?」
「自習だから、ある意味では間違ってはいないかもね」
ありゃ、"自習"っつーより"自由"だよ。
※ ※ ※ ※ ※
「はーい、後4回~」
「ひぃぃぃいぃぃぃ、もう無理いぃぃ……!」
体操を終わらせた後は、俺と陽子で足を支えて綾に腹筋をさせていた。まだ6回しかやっていないというのに、綾はもう震えて虫の息になっていた。
「アリスー、ふぁいとーですー」
「ふんんんんんっ……!」
アリスも真似して腹筋運動をしていた。綾と同じく震えていたが、綾よりはやる気があるようだ。しのはアリスの足を支えていた。
「じゅ~~うっ!はい、お疲れー」
「だっっ!はぁっ!はぁっ…!もう……、ダメ……っ!!」
「これぐらいで情けないなー」
「人間のっ…!やる…!運動じゃ…!ないわっ……!!はぁ、はぁっ!」
「おおげさだなー。そんなんじゃ甲子園に行くなんて夢のまた夢だぞ?」
「行かなくていいし、そんなの目指した覚えないんだけどっ!?はぁっ、はぁっ…!」
虫の息でもツッコミはきちんとする綾。
「はぁっ!はぁっ…!」
お。アリスの方も終わったみたいだ。
「アリス、お疲れ様です」
「はぁっはぁっ…!こ、こんなの何十回もできる人が凄いよ…!」
「そうですねー。まるであの…、えーと、なんでしたっけ?音楽の授業で使う、棒が左右に動いてリズムを測るあの…」
「メトロノームか?」
「そうそれです!テレビでスポーツ選手の人が腹筋をすると、動きがそれみたいなんですよ!」
メトロノームにか?
うーん、まあ似てるっちゃあ似てるか?
「わたし達だと、重りが棒の1番上の動きみたいになっちゃうかもね」
お前ら多分それよりも遅かったと思うが、まあ言わんでおこう。
「そうですねぇ。あ!陽子ちゃんならどうでしょうか?」
「私?う~ん、わたしでもそんな速くは出来ないぞ?メトロノームで言うと、せいぜい棒の1番上よりちょっと下ぐらいかなー」
となると、頭を起き上がらせて1番上までくるのに大体、1.2秒くらいか?つまり、後ろに倒れるまでを含めて1回とカウントすると、単純計算で1回2秒近くかかるわけだな。
「いえ!陽子ちゃんなら鍛えればきっと、メトロノームの1番下の動きも夢じゃありませんよ!」
しののその言葉を聞くと俺達は、メトロノームの1番下の様に腹筋運動をする陽子を想像した。
因みに1番下だとメトロノームは1秒間に大体3.46回音が鳴るらしいです。
「人間の動きじゃねえっ!!」
陽子は激しく叫んでツッコミを入れた。
俺もそう思う。
「おーい、陽子ー!」
「ん?」
声がする方を見ると、同じクラスの他の男子達が陽子を呼んでいた。
「なんか用かー?」
「今から野球やんだけど、人数がちょっと足りないんだ。参加しないか?」
陽子の男子達とのやり取りを見たアリスが陽子に関心をした。
「わー!ヨーコって意外と男子に人気あるの?」
「ああ。頼りになる助っ人的な意味"だけ"でな」
「おいそこ、聞こえてるぞ。…う〜ん、どうしようかな。今日は綾の体力強化のつもりだったんだけど…」
「陽子っ!せっかくの誘いを断ったら悪いわよ!私はもう充分運動したから、気にしないで遠慮なく参加しなさい?」
「そう?…じゃあお言葉に甘えて、やるかー!」
綾の奴、上手いこと陽子に言って逃げやがったな。
「そうだわっ。峻も行ってきたらどうかしら?」
こいつ、あわよくば俺まで追っ払って本当に休む気だな。だが、そうは問屋が…。
「峻かー。別に居ても居なくてもいいんだけど、まぁ人数必要だし別に来てもいいぞー?」
「ありがとよコンチクショウッ!オメーのチームどっちだ!ボッコボコに叩きのめしてやんよゴラァッ!!」
クラスメイトの男子の言葉で俺は俄然、殺る気…おっと、やる気が出て参加を決意した。
後ろで綾が小さくガッツポーズの手をしていたが、俺は気にしなかった。
※ ※ ※ ※ ※
というわけで、俺と陽子はクラスの男子達と草野球をする事になった。校庭のベンチでアリス達も応援してくれていた。
陽子はさすがと言うべきか、ヒットやらホームランやらをよく打ち、こっちのチームに大変貢献をしていた。俺はと言うと、まぁたまにヒット打つぐらいの、そこそこの活躍はしたと思う。
そんなこんなで数十分ほど野球をし、あと1点取れば俺達のチームがサヨナラで勝利する事になると言う時に、俺達は今──保健室に居た。
「もう!何やってるのよ陽子!」
保健室にて綾の叫び声が響いた。
「いやぁ。でも、ああでもしないと間に合いそうになかったんだよー」
陽子がヒットを打ち、次の選手もヒットを打って陽子が二塁、三塁とまわり、そしてホームベースへと戻って来て点を取ろうしたその時、相手の誰かがボールをホームに居るキャッチャーへと投げてきて、ボールが向かってきた。
それを見た陽子は一塁へとスライディングをして滑り込んだ。そのかいもあってか間に合って点は取れたのだが、その時に陽子が足を捻らせてしまったのだ。
「たいしたひねり方じゃあないから、安静にしてれば1日2日で治るって先生は言ってたけど…」
陽子の足には湿布が貼られ、テーピングがしてあった。
「よわったな、これじゃ試合に復帰出来ない…」
「あたりまえよ!もうっ!」
「くっ…!峻、こうなったら後はお前に託す!必ず私達のチームを勝利へと導いてくれ!」
「陽子…!わかった!お前の想い、しっかり受け取ったぜ!」
俺と陽子はお互いに力強く手を握り握手を交わした。
その様子を見ていたしのとアリスは感涙に浸っていた。
「うぅっ、お2人の友情に私、涙が溢れ出ちゃいます…!」
「これが"青春"ってやつなんだねっ!ぐすっ!」
「…………熱苦しいわ……」
インドア系女子1人はこの空気に嫌気がさしていた。
※ ※ ※ ※ ※
俺はホームへと向かい、バッターボックスに立った。
散った陽子の想いに報いるためにも(※散ってない)必ずヒット、いやホームランを打ってやる!
「シュンー!頑張れー!」
ベンチからアリスの応援が聞こえてきた。綾もその隣に座っていて、しのも、…………あれ?しのはどこ行ったんだ?
辺りを見渡してみると、しのは校庭のちょっと遠くにある水飲み場で水を飲んでいた。……別に構わないがどんな時でもマイペースだなあいつは。
気を取り直し俺は相手ピッチャーと向かい合い、バッティングの構えをとった。
暫く睨み合うと、ピッチャーがキャッチャーめがけてボールを投げた。
「もらったぁっ!!」
陽子から受け取った想いもバットにのせて、俺は向かってきたボールを……………打つ!!
カキーン!
俺の打ったボールは高く打ち上がった。………左ちょい後ろに向かって。
思いっきりファールだった。想いも乗せてとかもらったとか、言ってて恥ずかしい。
打ち上がったボールはだんだんと高度を下げていって、もうそろそろ着地し………ん?って!!あそこは!!
「ふんふふんふふ〜ん♪」
なんとボールの着地予想地点は、しのがいる水飲み場だった!本人は呑気に手を洗っていて、ボールに気づいてねぇ!!
「おぉーいっ!しのぉっ!!」
俺はしのに大声で呼びかけた。
「?峻君?どうしました?あ、試合勝ちましたかー?」
「避けろーっ!!上からボールが降ってくるぅっ!!」
「へ?ボール?…………。っ!はわわわっ!!」
俺の呼びかけで上を向いたしのはもうすぐ落ちてくるボールに気がついた。
「シノーッ!あぶなーい!!」
「早く離れてーっ!!」
アリスと綾もしのに慌てて呼びかける。
ボールはとうとう、しのの所まで近づいて行って当たろうとした所で…!
しのは間一髪のタイミングでボールをかわした。
ボールはゴンッという音を鳴らして、しのにではなく水飲み場の蛇口の1つに当たったのだった。
………ギ、ギリギリセーフ………。
「ふぅ、危なかったです」
と、俺やしのやその場に居た全員が安堵した次の瞬間。
ブシィッ!
「…へ?」
蛇口の根元から水が少々、溢れて出た。………この展開はまさか……!!
「しのーっ!!水飲み場から離れろーっ!!」
そう叫んだ俺の思いも虚しく。
バキィッ!ブシャァ━━━━ッ!!
蛇口が破裂し、しのに大量の水が襲いかかった。
「ひゃああああっ!?」
「「「しの(シノ)━━━━っ!!!」」」
俺とアリスと綾は大量に水を被ってしまったしのの元へと向かった。
「おいしのっ!大丈夫か!?」
「うぅ、全身ビショビショですぅ…」
「すまん……っ!」
「蛇口の破片とかは当たってない!?」
「あぁ、それは大丈夫です。怪我ひとつしてませんよ?ほら!」
綾の言葉に自分は無事だと訴えるように、しのは立ち上がって腕を広げた。………が。
「ぶっ!!?」
その瞬間、俺は盛大に吹き出し、顔を真っ赤にしてしのから顔を勢いよく背けた。隣に居た綾とアリスも顔を赤くして驚愕した。
「峻君?アリスも綾ちゃんもどうしました?」
「あああああっ!!しのっ!前っ!前、隠して!早く!!」
「前?」
綾の指摘にしのはハテナマークを浮かべながら自分の身体を見た。すると、
「………………………。っっ!!!!?」Σ(///△///)
水で体操着が透けて自分の下着やら色々丸見えになっていた事に気がついたしのは顔を真っ赤に染めた。
「キャァ━━━━━━━ッ!!?」
「あわわわっ!シノッ、見えてるよっ!!」
「峻!こっち見たらダメよっ!!」
「わ、わかってるよっ!!」
「おーい、大宮ー?大丈夫かー?」
「貴方たちもそれ以上来たらダメッ!!」
「来た奴は俺が片っ端からぶっ飛ばす!!」
「なんで!?」
向かってこようとした男子野球チームを俺が足止めしている間に、綾とアリスがしのにジャージを着せて校内へと連れていった。
その後は止まらない水を抑えつつ水道業者を呼んだり、先生に怒られたりで大変だった。
※ ※ ※ ※ ※
「この度は、誠に申し訳ありませんでした」
体育の授業が終わり、俺達5人は全員制服に着替えて教室に戻ると、俺はしのに土下座して謝罪の言葉を述べた。
「峻君、顔を上げて下さい!私は気にしてませんから!……まあちょっと恥ずかしかったですけど…」
普段、些細な事ではなかなか驚かないしのでも流石にあれには気が動じてしまうようだ。
「シノ、本当に大丈夫?」
「大丈夫ですよアリス。季節ももう夏に入ってますからむしろ冷たい水を被ってちょうど良いですよ!」
「…そう?」
しのはアリスに笑ってそう言った。
「しの、本当に悪かったら強がらないでちゃんと言えよ?」
「ありがとうございます峻君。でも、本当に大丈夫ですよ?」
「………そんならいいんだが」
一先ず、しのの言葉を信じることにした。
「なぁしの、ちょっといいか?」
「なんです陽子ちゃん?」
「全身ずぶ濡れになったって綾から聞いたんだけどさ、体操着はそのまま脱いで制服に着替えたんだろうけど…」
「はい」
「………替えの下着はどうしたんだ?」
「陽子っ!!」
「だからそういう話は男の俺が居ない時に聞けっての!!」
「……………」(///◻///)
陽子の発言に綾と俺は注意をし、その発言を聞いたしのはまた顔を赤らめていた。
因みに替えの下着は購買で安いやつが売ってたとか。こういう時の緊急用の為に置いてあるらしい。
※ ※ ※ ※ ※
翌朝。
「おはようシュン」
「おはよ、アリス」
「おはようございます〜」
「おう。じゃ、行くか」
そう言って通学路を暫く歩いていたのだが…。
「……おい、しの」
「……………ぽ〜っ」
「………しのっ!」
「え!?あ、はい!なんでしょうか?」
「お前なんか今日、いつも以上にボーッとしてねぇか?」
「え?そうですか?」
「シノ、やっぱり昨日水被ったから…」
「もう、峻君もアリスも心配し過ぎですよ?大丈夫ですって」
「「…………」」
※ ※ ※ ※ ※
陽子と綾と合流し、俺達は学校に着き教室に入った。
「………ねぇ、しの」
「………………」
「…………しーのっ!」
「……え?あ、はい。なんでしょうか綾ちゃん」
「なんでしょうかじゃないわよ。ボーッとしちゃって。それになんかフラついているし。調子悪いんじゃない?」
「確かに。大丈夫か?」
心配そうにしのを気にかける綾と陽子。
「もう、お二人まで心配性ですねぇ。大丈夫ですって。それよりも、陽子ちゃんは捻った足大丈夫なんですか?」
「私はもうほとんど痛みもないから、明日には普通に歩けるらしいけど」
「それは良かったです!」
「「「「……………」」」」
※ ※ ※ ※ ※
放課後。授業も終わりカレンもやって来て、一緒に帰ろうと昇降口を5人で出たのだが、しのがなかなか出てこない。
「シノ遅いデス?」
「なにやってるんだあいつ?」
まさか、倒れてたりしてないだろうな。
「ふぁー、お待たせしましたー…」
そう思っていると、しのが出てきた。
「下駄箱で何してたんだよ」
「あ……、いえ…。別に…」
「はあ」
なんだかしのの返事が曖昧と言うか、ふんわりしてると言うか。しのの様子も含めて。
「………シノー」
「ほけーっ…………」
「………シーノー?」
「ほーけー…………」
カレンがしのに話しかけるが、一向に反応を返さない。朝の俺や綾の時も1回では反応をしてなかったが、その時は2回目ぐらいで反応を返したが、今回はなかなか反応しない。というか気づいてない様子だった。
「…………おいっ」
俺はカレンの呼びかけに反応しないしのの肩を揺すった。
「ふえ?峻君どうしました?」
「どうしたじゃねぇよ。カレンが呼んでんだろうが」
「………あー、すみませんカレン。…なんでしょう?」
「イエ、シノさっきからボーッとしてて、何だか顔も赤いデスし、ダイジョウブデス?」
確かに今のしのは朝よりも頬が赤くなっていた。
「もー、カレンまで何を言ってるんですか。全然大丈夫ですよー?ちょっと気温の暑さで
「………ちょっとしの、おでこ貸せ」
さすがにもう、しのの様子を不審に思った俺は、そう言ってしのの額に手を当てた。
「熱っつ!!しの、お前思いっきり風邪ひいてんじゃねぇか!!」
「えええ!?シノ、大丈夫!?」
「何を言っているんですか。それは今日の高い気温と体温が合わさって熱くなってるだけです。私は風邪なんてひいてませんよ?まあちょっと体もだるいですし、鼻水も出ますし、喉も痛いですけど決して風邪ではゲホッゲホッ!」
「思いっきり風邪の症状コンプリートしてんじゃねーか!!」
「それを風邪と呼ばなかったら何を風邪と呼ぶのよ!!」
「俺、ちょっとしのをおぶって保健室に連れて行くわ!!」
「シノーッ!!」
空が夕焼け色に染まりかける放課後、高校生4人の叫び声がこだました。
~See you, next time!~
という訳で、この小説流の忍の風邪の話の前日談でした。
つーか未だにアニメの第4話をやってるってどういう事これ(笑)