きんいろモザイク ~plus α Road Days~ 作:T93
アニメ5話の話の構成の考えとかちょっと色々ありまして、いつも以上に投稿に時間が掛かってしまいました。
とある日の日曜日。俺は今、自転車を漕いで帰り道を走っていた。
「ん?おーい!」
「え?あ、峻ー!」
目の前の方に陽子と綾とカレンの3人が見えたので呼びかけた。
俺は3人の近くに来ると自転車から降りた。
「峻、何処かに行ってたの?」
「ああ。ちょっとアイス買いに最寄りのコンビニまでな」
「アイス!食べたいデース!」
「私もー!」
「待て待て待て!これはしのん家の分だ!」
「「えーっ!?」」 ヽ( `Д´)ノ ヽ( `Д´)ノ ブーブー!!
「……後でまた買ってきてやっから」
「「わーいっ!!」」٩(ˊᗜˋ*)و ٩(ˊᗜˋ*)و
「勉強終わったらな」
「「え〜〜〜〜〜っ!?」」Σ(・᷄ Д ・᷅〣) Σ(・᷄ Д ・᷅〣)
「忙しないわねえ」
今日は皆でしのの家に集まって、勉強会をすることになったのである。
何故急にそんな事になったのかと言うと、それは一昨日、こんな事があったからである。
~一昨日~
しのの風邪の件から1週間経ち、期末テストが実施されて、その数日後に数Ⅰのテストが返却された時のこと。
「綾ちゃん、勉強教えてくださいー」
俺が綾と点数の見せ合いをしていた所に、しのがやってきた。
「いいけど…」
「……まさかお前、テスト補習かー?」
「えへへ、お恥ずかしながら…」
「しの、いったい何点だったの?」
「それが、あんまり良くなくて…」
遠慮がちにそう言ってしのが見せてきた点数は…。
「「!!?」」
しのの見せた点数に俺と綾は驚愕した。
これは……。
「……………丸点?」
「もう、何言ってるんですか峻君。これは
「(笑)じゃねぇよ!なんでそんな、他人事みてぇにのん気構えてんだよ!!お前の事だろうが!!」
危機感をほとんど持ってなかった様子のしのに俺はそう叫んだ。
「0点……。あんまり良くないって…。これより下の点数はないわよ。この点数は信じられなす…」
綾は動揺のあまり、語尾の所を噛んだ。
「ナス?」
「なんでもないわ。ほら、そこ座って」
綾はそう言って、自分の机にしのを向かい合わせに座らせた。
「私の言ったところを覚えれば、追試は大丈夫よ。がんばりましょう!」
「はいナス」
という訳で綾の即席勉強指導が始まった。俺とアリスと陽子はそれを見学する。遊びに来ていたカレンは別の男子生徒の机に勝手に座り、そして寝た。
「ここはx=5でしょ」
「はいナス」
「まずこの計算をして」
「はいナス。あ!解けてましたナス」
「~~~っ!もうっ!ちょっと噛んじゃっただけなのに!」
さっきから綾への受け答えに対してナスナス言っているしのに、綾は顔を赤くして怒った。
「そんな何回も峻みたいな事、言わなくてもっ!」
「え!?テストに出るんだと思って」
「余計なこと覚えなくていいから!」
今日もしのの天然ボケっぷりは相変わらずである。
「ねえ!私にも教えて!」
突如アリスが、綾にそう言った。
「え?いいけど…」
「アリス、お前は別に追試じゃないだろ?」
「そうだけど、今回のテストちょっと難しくて解けなかったところあったから…。だから教えてほしいなと思って」
「わかったわ。良いわよ」
「あ、私もー」
「私もお願いシマース!」
アリスに便乗するように、陽子といつの間にか起きてたカレンが綾にそうお願いをする。
「お前らは追試だったのか?」
「うんにゃ。今回は私、ギリギリで赤点は回避した。なんとなく仲間に入りたくって」
「ド○クエのモンスターか」
「私もヨーコと同じデス。まあ私は平均の近くまで行きマシタが。私が本気を出せばこんなモノデース…!ドヤァ」
「アリス。カレンの世話、ご苦労だったな。よしよし」
「えへへ、それほどでも」
「アリスに教わった事がバレてるデス!?」
「じゃあ、せっかくだし皆で勉強会しましょうか」
「おー!」
「わー!」
綾の提案に俺以外の皆が賛同していた。
「シュンも参加する?」
アリスが俺にそう訊いてきた。
「え?いや、俺は71点だったし別に…」
「えー?峻も一緒に行こーぜー?」(*˘・∀・˘)σツンツン
「行こーゼー?」(*˘¬∀¬˘)σツンツン
「わ、わかった!行くから変な絡み方やめろっ!」
アホ2人にせがまれ、俺も勉強会に参加する事になった。
「それじゃあ今度の日曜日、10時にしのの家に集合ね?」
「「「「はーい!」」」」
綾の掛け声に俺以外のその場の4人が返事をした。
ったく…。俺はこういう事にはあんまり高みを求めない主義なんだが。
「あ、そうだ。ところで綾」
「なに?」
「さっきしのとの会話で "俺みたいな事" っつってたけど、それっていったいどういう意味ナス?(笑)」
「そういう事だって言ってるのよ!このオタンコナス!!」
~そして現在~
といった様なやり取りがあり、今に至る訳である。
俺達はしのの家の前まで着き、俺は家に自転車を置き、アイスを持って戻ってきた。
「何だか緊張するわ」
すると綾がなにか緊張している様子だった。
「お前、しのん家には来た事あるだろう?高校の受験勉強の時とか」
「いや、今日はしののお姉さんの勇さんも居るんでしょう?」
「綾は
「あれ?そうだったっけか?」
……そういえば綾が直接勇さんと会った所、記憶にねえや。
受験勉強の時も勇さんずっと仕事とかで留守だったし、2年前にしのがイギリスに行く時も、その日は平日で学校があったから近所の俺は当日に家の前で車に乗るしのを見送れたが、陽子と綾は前日にしのに挨拶するだけだった。
帰って来た時も、綾はその日家族で出かける用事があったから勇さんには会えてなかった。詳しくは第0話を読み直してみて下さい。
「雑誌では何度も見たことある…」
「そうなのか」
「私、ファッション誌とか読まないからなー」
「だろうな」
「だろうなってなんだー!」
陽子と取っ組み合っていると、カレンがしのの家を見つめてる事に気づいた。
「ん?どうしたんだカレン」
「カレンも、勇さんに会うのに緊張してるの?」
「イエス!!女子高生カラ絶大な人気を誇るファッションモデル!イサミに憧れる女の子は多いデス!」
俺達が話しかけるとカレンはハキハキと熱弁をしだした。
「サインは何枚までOKデスかね!?」
「カレンが日本に来たのって最近だよね?」
来日1ヶ月とちょっとでこれとは。侮りがたし、女子高生の情報収集力。
「もう、いい加減入るぞー?アイス溶ける」
俺はそう言ってチャイムを鳴らす。
「はーい?」
すると中から勇さんの声が聞こえてきたので俺は返事をする。
「勇さーん、友達も一緒に来ましたー」
「あら峻君。どうぞー?」
勇さんの返事を聞いた俺は、玄関を開けた。
「「「「おじゃましますー」」」」
「いらっしゃいー。今日は何の集まり?」
「やっほー勇姉、久しぶりー。今日は勉強会をしに来たんだよー」
陽子が勇さんに挨拶をした後、俺は綾を勇さんの前へと促した。
「勇さん、紹介するよ。こいつが、俺達が中学の時に知り合った綾だ」
「ああ、あなたが綾ちゃんね。はじめましてだったわね?忍からも聞いてるわ」
「こ、小路綾です。これ、皆さんで食べてください」
そう言って綾は、持ってたお菓子入りの紙袋を勇さんに手渡した。
「あらあら。ご丁寧にどうも」
「おお…、歴史的
「そんな大袈裟な」
いやだって、この2人奇跡的に今まで遭遇できてなかったんだからそう言いたくもなる。
おっと、もう1人も紹介しなくちゃ。
と思っていると、カレンが勇さんの前まで出てきた。
「あら?この子は…。ああ、あなたの事も忍達がよく話してたわ。金髪ロングで…」
「九条カレンと申します。イサミさんのことは、雑誌でお見かけしてすぐファンになりました。よろしければ、サインを頂きたいと…」
「………日本語がカタコトの女の子って聞いたんだけど、人違いだったかしら?」
「カレンの日本語が流暢になってる…!」
「何で!?」
もじもじしながら何の違和感も無い日本語を喋るカレンに、俺達はもの凄い違和感を抱いた。
前日に今の挨拶をめちゃくちゃ練習したのか、それとも今まではキャラ作りの為にわざとああ喋っていたのか。
前者であると願いたい。
その後俺達は家に上がり、俺は大宮家の冷凍庫にアイスを入れ、そしてしのの部屋へと向かった。
しのの部屋に入るとアリスと、またゴテゴテした服を着たしのが居た。どうやら、外出時や家で誰かを出迎える時はこういう格好になるらしい。
今回はどっちかっつーと、メイド服寄りの格好であった。
「シュン、シュン」
「なんだカレン」
「シュンもやっぱりメイド服、好きだったりするんデスかー?」
いつもの喋り方に戻ったカレンがこう訊いてきた。
「………まあ俺も男だから、メイド服は嫌いじゃないが、……………しのが着てるのはなんかちょっと違うと思う」
「なんとなくわかる気もするけど、何が違うのよ」
話を聞いていた綾が問いかけてきた。
「なんつーのかな。しののはちょっとゴチャゴチャしてて清楚さが薄れてるっつーか…。メイドさんってのはもっとこう、質素に佇む姿に惹かれる所がメイドさんの魅力を掻き立てるわけであって…、それは中身だけでなく見た目というか服装にも現れるわけで……」
「………峻」
「なに?」
「キモいわ」
「喋ってる途中で自分でもそう思ったが、直接口に出して言わないでくれ」
「………………」=͟͟͞͞( ㆆ▿ㆆ)
「ごめん、やっぱ口にして。カレン、何も言わないで白けた目で見てくるのやめてくれ。1番傷つくから」
俺の精神にダメージが入った状態で勉強会はスタートした。
※ ※ ※ ※ ※
「峻君、ここわかりますか?」
「え?俺?」
暫く勉強をしてると、しのが俺に勉強の問いを聞いてきた。
「ええ。綾ちゃんは今、忙しいようなので」
確かに今、綾は陽子やアリスに勉強を教えている真っ最中だった。
因みにカレンは飽きたのか、しののベッドで寝っ転がりながら雑誌を読んでいた。
「えーと、どこだ?」
「ここです」
俺は問題集のしのが指を指す所を見る。
……げっ。よりによって、俺が解けなかった所かよ…!
「………すまん、わからねえ…」
「そうですか…。では、お姉ちゃんに聞いてきます!」
しのはそう言って立ち上がり、部屋を出てリビングに居る勇さんの所へと向かっていった。
なんだか割り切れないなぁ…。
そう考えていると何やら視線を感じたので、俺はそっちの方を向いた。
「ほーら、やっぱり勉強する必要あったじゃない」
「うぐぐぐ……」
そんなやり取りをしていると部屋のドアが開いて、しのが戻ってきた。
やけに早いな?と思っていると、しのがクローゼットを開けて何かを探し始めた。
「おいしの、どうした?」
「いえ、お姉ちゃんが勉強を教えてほしかったら何かを献上するようにと言われまして」
勇さん…。
「あっ。ありました!私の宝物の1つ、ベネチアの仮面です!」
そう言ってしのは、西洋の仮面舞踏会とかで着ける様な仮面を取り出すと、また部屋を出て行った。
なんかもうコイツらの持ち物にたいして、いったい何処で手に入れたんだというツッコミはもう入れない方がいいのかもしれない。
「どう思う?」
「何がだ陽子」
「あの仮面、勇姉は気に入ると思うか?」
「どーだろーな」
と、陽子の問いに俺はそう答えるが、結果はだいたい予想出来ていた。
するとさっきよりも早く、廊下から足音が聞こえ扉が勢いよく開くと、しのが涙目で突っ立っていた。
「お姉ちゃんが私の宝物をいらないと言った上に "そんなの" 呼ばわりしました!!」
うわーん!!と泣いてショックを受けているしのを見て、俺は「やはりか」と思った。
「仲が良いのね。うらやましい」
「そうかな…」
綾の発言に陽子は呆れ返した。
するとしのが、俺の近くに座ってきた。
「峻君!峻君ならこの仮面の良さがわかりますよね!?」
「また俺かよっ!?」
アリスといい、なんでこういう事は毎回俺に聞いてくるんだ、こいつらは。
「まあまあ、落ち着きなさいって。…そうだわ!峻、1回その仮面付けてみたらどうかしら?」
「はい?」
「そうですね。せっかくですし。では峻君、どうぞ付けてみてください」
「You、付けちゃいなYoデース」
「話の進む速さが尋常じゃないんだけど」
なんで俺今何にも悪い事してないのに罰ゲームみたいな事させられてんの?
そんなこんなで俺は変な……ベネチアの仮面を付ける。
「わあっ!峻君とっても似合ってますよ!」
しのが拍手して称賛するが、あんまり嬉しくない。
「しのはこう言ってるが、お前らはどう思う?」
「なんかの悪役みたい」
「ちょっとコワイかも…」
「変態みたい」
「泣いていい?」
陽子、アリス、綾に評価を言われた俺はまたしても精神に深いダメージを受けた。
その一方でまだ評価を言っていないカレンが何か考えこんでいた。
「う〜ん、誰かに似てる気がするのデスが……。あ!わかりまシタ!タ○シード仮面デス!」
「タキ○ード仮面に申し訳なさ過ぎる」
※ ※ ※ ※ ※
それから勉強会が再開し、ふと時計を見ると時刻は11時40分になっていた。
「そろそろお昼だけど…」
綾が皆にそう言った次の瞬間、
ぐ━━━━━っ
…という、わりかし大きな腹の虫の音が部屋に響いた。
音の主はおそらく綾であろう。綾の方から聞こえてきたし。その証拠に今ので綾が顔を真っ赤にさせていた。
「綾、今お腹鳴った?」
陽子が綾に訊く。
「私じゃないわ。陽子でしょ」
「えー、違うよー」
綾のやつ、しらばっくれるつもりでいやがる。
「わかった!じゃあ峻ね!」
「やっぱりこっちに振ってきやがったな。明らかにお前ら側の方から音しただろうが」
俺達が今座っている席順は俺から時計回りにアリス、綾、陽子、しの、そして俺である。(カレンは寝てる)
「〜〜っ!だっ、だったらアリスね。そうでしょ!!」
「えっ!?」
この意地っ張りツインテール。今度はアリスになすりつけやがった。
「わ…わたしじゃないよ…」 :(˘•̥ㅁ•̥˘ ):
「あ、泣かした」
「わーっ!ごめんなさい嘘です、私のお腹が鳴りました!!」
冤罪をかけられて、涙目になり震えるアリスの様子を見た綾は、羞恥心よりも罪悪感の方が勝ったようで、光の速さで自白した。
その様子を見ていた俺と陽子は、顔を合わせて「やれやれ」のポーズを取ったのであった。
※ ※ ※ ※ ※
そんなわけでお昼になり、綾が腹を空かせたので、
「私が食いしん坊みたいな説明やめて!?」
俺達は一旦勉強会を中断し、勇さんも交えてリビングで昼食をとる事にした。
で、ご飯はどうするのかと言うと。
「綾ちゃんが、お弁当を作ってきてくれました!」
「わー、スゴーイ!!」
綾が俺達に、弁当を用意して持ってきてくれたのだった。
三段重ねになっている重箱には、色々な料理が色鮮やかに盛り付けされていた。
「自分で作ったの?お料理上手ねぇ」
「え…」
勇さんに自分の料理を称賛され、綾は頬を少々赤くして照れていた。
「綾はいいお嫁さんになれるなー」
陽子からも立て続けに褒められ、綾は更に照れる。
あ、そろそろ綾のキャパが限界に達して、
俺はそう思い、綾の様子を見ていると、
「そんな。そっ、そんなことないわよ、バカァッ!」
案の定、綾が照れ隠しのセリフを発した。……が。
「めっちゃいい笑顔!!」
「何て笑顔なんだ!!」
台詞は強がっていたが、声色と表情はこれ以上ないくらい嬉しそうにしていた。まるで某海賊漫画のトナカイみたいだったわ。
どうやら今回は、恥ずかしい感情よりも嬉しい感情の方が
というやり取りを繰り広げ、皆で綾の弁当を食べる。
「「「「「「「いただきまーす」」」」」」」
食前の挨拶を交わし、皆それぞれが綾の料理を箸でつまみ口に運んだ。
俺も弁当からタコさんウインナーを選び、口に入れる。
……………ん?
俺はウインナーを口に入れ、数回
「(………なぁ、陽子)」
ウインナーを飲み込むと俺は、その疑問を持ったまま隣に座っていた陽子に小声で話しかけた。
「(料理どうだったよ?)」
「(どうって……、その、なんつーか、見た目は完璧なんだけど、味はあんまり…。不味いとかじゃないんだけど…、味がしない…)」
綾の料理は味付けがめちゃくちゃ薄かった。
「(どうする。正直に言うか?)」
「(いやしかし、この笑顔…)」
陽子とお互いに小声で喋り綾の方を見ると、先程よりは落ち着いているが、未だににこにこの笑顔でいた。
「(珍しく、素直に喜んでいるからなぁ…)」
「(傷つけるようなことは言えないよな)」
少なくとも今日の所は満場一致で(2人だが)本当のことは黙っている事に決定した。
「えっと、おいし…」
「「これ味薄いよー(デース)」」
「アリスううっ!!カレンんんんっ!!」
「お前らっ!そこは思いやりをだな」
英国正直コンビが、隠す気一切無しに本音をずばんっと言い放ちやがった。
「ごめんなさいみんな。勇さんも…」
2人の正直な感想を受けて綾は、ご機嫌だった先程とは打って変わって落ち込んでしまい、申し訳なさそうに俺達に謝罪した。
「まあまあ。誰だって失敗はするし、作ってきてくれて嬉しかったからさ!次の機会にがんばろうぜ!な?」
陽子が綾をフォローする。
…よし、俺も何か元気づける一言を…。
「あ、そうだっ。俺、昨日からあげ作ったんだけど、綾のとは反対に味付け濃くなり過ぎちゃったんだよな。お前のと合わせて食えば丁度良くなるんじゃねー?みたいなー…」
「………峻、それはちょっと…」
「せっかく綾ちゃんが作ってくれた料理を…」
「それはちょっと良くないんじゃないかな…?」
「酷いデス」
「もっ回泣いていい!?」
俺が冗談交じりに言ってみた発言に、皆は軽くドン引きしていた。
「峻…」
「……………綾、すまん。ちょっと失言だった。いくら何でも言っていい冗談と悪い冗談ってものがあるよな…」
「塩分はあまり多く摂らない方がいいわよ」
「摂らな過ぎるのもどうかと思うが」
綾が立ち直ったんならもうなんでもいいが。
[おまけショートこぼれ話]
ある日俺はカレンにこんな事を訊いた。
「なあカレン、お前香水でも付ける趣味あったりするのか?」
「ないデスけど、どうしてデス?」
「いや、近くにいる時お前から微かに良い香りがしてくるんだよな」
「どれどれ?……あらほんと。なんだかいい香りがするわ」
俺の発言を聞いた綾がカレンから漂う香りを嗅いだ。
「OH〜!それはきっとシャンプーデス!」
「へーっ、どれどれ?くんくん…。私らが使ってるのとはひと味違いそうだ!」
「イギリスの香り…♡」
陽子の言う通り心なしか高級そうな、そこらのデパートの化粧品売り場とかで手に入るシャンプーとは比べ物にならない香りだった。デパートのシャンプーには悪いが。
しのの言う "イギリスの香り" というのはわからん。
「さすがはカレン!私からはとても、かもし出す事のできないいい香りを放っています!」
「そんな事ないよ!シノもいいにおいするよ!」
カレンを称賛するしのに、アリスもしのを賛美しようとする。
「えっと日本っぽいにおい…。そう!お線香のにおい!!」
よりによってそれをチョイスするのか…。
アリスの発言にしのが目を真っ白にさせてショックを受けていた。そらそうだ。
「あとタンスのにおいもするよ!」
んー…、タンスならまだ線香よりはいいか?木とかの良い匂いしたりするし。
「しないです!しないですよね!?」
「えっと…」
どうやらダメらしい。まあどちらもお年寄りの家の匂いっぽさあるしな。誕生日の時の事もあるし、しの的には嫌だろう。
「峻君!私ってどんな匂いしますかね!?ちょっと嗅いでみてください!」
「だから俺に聞くなっつーの!俺が嗅いだらセクハラになるだろうが!!」
「カレンのは嗅いだじゃないですか!」
「傍から聞くと誤解を招きそうな事を言うな!!近くにいる時に香りが自然に鼻に入ってくるだけだよ!自主的に嗅ぐのとは違う!!………ん?」
「どうした峻?」
「なんか向こうから良い匂いが…。これは、カレーの匂い?」
俺はそう言って匂いのする方を見ると、男子生徒の1人がカレーパンを頬張っているのが見えた。
「しまった!今日は購買で特製カレーパンが販売される日だった!!」
「なにぃっ!?早く行かないと売り切れるじゃん!!私もう朝に弁当全部食べちゃったからなんとしても買わないと!急げ!!」
「カレーパン、私も食べたいデース!」
俺と陽子とカレンは購買へと向かった。
「………えっと……」
「あの3人はシャンプーよりもカレーの匂いの方が好きって事ね…」
「すんすん…。変なにおいなんて私してませんよね…?」
去り際に後方からそんな会話が聞こえた気がした。
~See you, next time!~
勉強会は次回に続きます。
アニメだと冒頭に陽子の話が来るのですが、ちょっと後回しにします。
というか、先に言いますと勉強会の話の後は5話の陽子の話自体を後回しにして夏休み(orオリジナル)の話をやります。
理由はモチベーションを上げるため夏休みの話を先にやるのと、原作だともっと後の話でアニメだと勇の話で纏める必要があったけど別にアニメにそこまで合わせる必要は無いなと思ったからです。なので陽子の話はかなり先になるかと思います。陽子ファンの皆さんすみません。
※作者は陽子の事もちゃんと好きですので誤解のないようにお願いします