きんいろモザイク ~plus α Road Days~ 作:T93
(一応)今回からアニメ6話に突入です。
「山手線ゲーム!」
「どうした急に」
7月も半ばに入ろうとしてきた日、学校で授業が始まるまでのほほんと過ごしていると、突然アリスがそんなことを「わ〜っ」と、はしゃいで言ってきた。
「昨日テレビで山手線ゲームっていう遊びをやってたのを観て、わたしもやってみたいな〜と思って!」
「へー」
俺昨日はクイズ番組観てたから、多分アリスは俺とは違う番組観てたんだろう。
確か、リズムに合わせてお題の名前を言い合うゲームだっけか。
「それじゃあシノ、行くよ!お題は『かわいいものの名前』!」
そんな感じで、アリスはしのと山手線ゲームを始めた。
パンパン
「うさぎ!」
パンパンと手を叩くと、まずはアリスがお題の名前を言った。
パンパン
「金髪少女」
それに続いて次はしのがお題の名前を言う。
パンパン
「えーと、こねこ!」
今のアリスの回答、ちょっとリズムがズレてた気がするが、まあ初心者だしいいだろう。
パンパン
「こいぬさん」
パンパン
「えっと、えーっと…、シノ!」
ん?
パンパン
「アリス!」
パンパン
「シノ!」
パンパン
「アリス!」
パンパン
「シノ!」
パンパン
「アリス!」
パンパン
「シノ!」
パンパン
「アリス!」
「シノ!」
「アリス!」
「シノ!」
「アリス!」
「シノ!」
「アリス!」
「シノ〜!」ヽ(>ヮ<ヽ*)
「アリス〜!」(*/´▽`)/
「あ…暑苦しい!」
「綾、あおいでやろうか?」
途中からルールそっちのけで、きゃっきゃとイチャつき抱き合うしのとアリスを見て、綾は暑がり、俺はそんな綾を下敷であおいでやる。
※ ※ ※ ※ ※
「あちー…」
「だりー…」
「デスー…」
授業が2つ終わり、俺達は休み時間を過ごしていたのだが、日が登ってきたせいか、朝よりも気温が暑くなってきていた。そのせいで俺と陽子と遊びに来ていたカレンはダレていた。
「おーい峻ー…、なんか涼しくなる話、してくれー…」
「デスー…」
「えー…。……えーと…………、大量のベルを床に並べたら音が出ましたー…」
「………………なにそれ…」
「『鈴』『敷く』『鳴る』、話」
「くだらねー…」
「デスー…」
暑さで陽子のツッコミにもキレがない。そしてカレンもさっきから「デスー…」しか発してねえ。
「ただいま戻りましたー」
お手洗いに行っていたしのとアリスが戻ってきた。
「来週から夏休みです!みんなで遊びに行きたいですねー」
しのが俺達にそう話しかけてくるが、俺達今、話をする元気は…。
「はいはーい、海行こうよ海!」
「え〜っ、私は山がいいデス!」
元気あんじゃねえかお前ら。
そう思っていると、夏休み行きたい所に海と山で意見が分かれた陽子とカレンが睨み合っていた。
「山手線ゲーム、『夏に行きたい所』!」
「またか」
さてはこいつも昨日、アリスと同じ番組観てたな。
パンパン
「海」
「山!!」
「海!」
「山デス!」
「始発と終点しかないんだけど、この山手線」
どいつもこいつも、山手線ゲームを自身の意見を主張し合うゲームだと思ってないか。
とか考えていたら、カレンと陽子が互いの両手を掴んで取っ組みあっていた。
「や〜〜ま〜〜」ヽ((`Д´ヽ♯))
「ガンコか!」((; / ー̀Дー́))/
「二人共、ケンカはやめなさい!」
綾が2人をどうどうと宥める。
「因みに、両方行くという選択肢は?」
「皆の予定が必ず合うわけじゃないし、そんなに遊び回ってばかりいたらダメよ。宿題もあるし、それに旅費だって馬鹿にならないのよ?私達は峻みたいにバイトしてないもの」
それもそうか。
まあ俺は今度、ある物を買う予定だし、この夏の間は大宮家にアイスを提供しなきゃならないから、俺もそんなに余裕はないが。
「はっ」
綾が突然、何かを思いついたような反応を見せた。
「ここは間を取って、家ってことでどうかしら!」
「おー、そいつはナイスアイデアってなるかぁ!!」
「どことどこの間だよ!!」
すっとんきょうな事を言い出したインドア派少女に俺と陽子はツッコミを入れた。
「しのとアリスはどうだ?」
「私は涼しい所なら」
「皆と一緒なら、どこでも楽しいよ〜」
ふむ、陽子が海。カレンが山。綾が家で、しのとアリスはどこでもか。
となると残りは……。
「「峻(シュン)!!」」
「うひぃっ!?」
「海だよな!!」
「山デスよね!!」
「近い近い近い!!」
陽子とカレンが残った俺に顔を近づけて迫ってきた。
「夏はやっぱり海だろ!」
「山も夏の定番デスヨ!」
んな事言われても……、ん?
「あ、夏祭り行きたい」
「選択肢増えたぞ!?」
「いや夏祭りは夜中、近所でやるから比較的皆で集まりやすいからそれとは別枠で」
「日本のお祭り!わたし行きたい!」
アリスが嬉しそうに飛び跳ねた。和む。
「じゃあ私、アリスの為に浴衣を用意してますね!」
「ありがと〜!」
「いや、祭りも良いんだけどさ…、海に行こうぜ!?」
「イエ、山デス!」
「じゃあまずは、そこのひきこもり娘を行く気にさせろ。話はそれからだ」
「私はひきこもりじゃないわよ!!動き回るのが嫌なだけ!!」
「綾〜、海行こうよ海〜!」
「嫌よ、焼けるし」
綾は陽子の申し入れを断ると、自分の身体を見た後、陽子の身体を見た。
「陽子は水着が似合いそうでいいわね。胸があって」
「似合う似合わないじゃなくて、泳ぎたいんだけど。…言っとくけど、私普通だからね。平均だよ平均!」
不貞腐れてる綾に陽子がそう言うが、少なくとも俺の目測では陽子の胸はちょっと小さい丼ぶり器ぐらいの膨らみはある。充分大きい部類に入ると思う。
「それが普通なら、私は…」ゴゴ(((;⩌言⩌)))ゴゴ…
「そういう意味じゃなくて!めんどくさいなオイ!!」
「陽子、綾の胸はマイナスだ、なんてヒドいぞ」
「言ってねーよっ!?」
「アヤヤ、海がノーセンキューデシタラ、山はどうデース!?」
「山だって日焼けするわよ。虫だっているだろうし、第一登るのに疲れるから嫌よ」
「わがままなやつだな!」
「しょうがない。今年の夏は綾抜きで皆で出かけようぜ」
「誰も絶対に嫌とまでは言ってないでしょー!!」
「泣くぐらいなら不満や文句ばっか垂れるなよ」
綾は涙目で俺の胸ぐらを掴んで言ってきた。
よし、これで何処に行くにしても綾も参加決定だな。
この寂しがり屋め。
「山ー!アヤヤ、山に登りまショー!!」
「おいカレン。なんでそんなに山にこだわるんだ?別に陽子の味方するわけじゃないけど、海だって夏の風物詩だぞ?」
俺はカレンにそう尋ねてみた。
「海はもうこの前行ってきたデス!だからいいデス」
マジかよ。
「いいなー、自分ばっかりー!どこの海に行ってきたんだよー?」
「ハワイデス!」
「………
「ハワイデス!」
……………………。
「えーと、白良浜とかか?」
「シララハマ?イエ、ビーチの名前は"ホノルル"デシタヨ?」
日本のハワイとかではなかったか。
「いつ行ったんだって?」
「えっと、二日前?土日を利用して、ぴゅーんと行ってきマシタ!」
「ぴゅーんて…。じゃあ何か?お前、土曜にハワイ行って、日曜にこっち戻ってきたのか?」
「ハイ!」
「元気いいな…」
「日本に来た時の話といい、アクティブな家族だなぁ…」
カレンの話を聞いていた俺と陽子と綾は、揃って遠い目をしながら傍観してた。
「決まらないねー」(˶◜ᵕ◝˶)
「今、何の話でしたっけ?」(*´∀`*)
残りの二名は話に混ざらず、縁側でお茶を飲むかの如く、まったりしていた。
「ホント、一向に決まらんな」
「ならばこうしまショウ。トランプで勝負して、勝った人の言うコト聞くデス!」
「望むところ!」
~5分後。~
「山がいいデス…、山がいいんデス」〣(ㅠ◻︎ㅠ)〣
カレンは惨敗した。
「負けを認めろ!ていうか弱っ」(¯ᗩ¯;)՞ ՞
「なんだったんだよ、トランプ勝負仕掛けた時のあの自信満々な顔は」
それにしてもカレン、今回はいつにも増して強情だなあ。なんかだんだん可哀想に見えてきた。
「なぁ陽子、ちょっと─」
「もー、仕方ないなぁ。じゃあ山でいいよ!」
「!」
俺が相談する前に陽子は、旅行先を決める権利をカレンに譲った。
……ったく、このお人好しめ。
「い…、良いデスカ…!?」
「良いってよ。カレンにとっちゃ日本で初めて皆と遊びに出掛けるんだからな。日本の山を思う存分堪能してけ」
「…………!じゃあ……!」
俺が陽子に変わって発言し、泣きべそをかいていたカレンは歓喜の表情を浮かべ、
「フジヤマ〜!」
と言い放った。
「それはちょっと!」
「日本『一』の山とは俺言ってねえよ!!」
この後話し合った結果、比較的近所のハイキング初心者に人気の山に行く事に決まりました。
「さっきのカレンの話で思い出したのですが、今度お姉ちゃんもモデルの撮影でハワイに行くんですよ」
「勇さんが!?」
「おー!いよいよグラビアデビューか!」
「違いますよ〜」
「まだ言ってんのか」
どんだけ勇さんにグラビアさせたいんだ陽子は。
それはともかく、そういえば勇さんこの前、海外で撮影するって話してたなあ。
「あれ?ハワイじゃなくて、グアムじゃなかった?」
「え?グアム?ハワイ?」
「あー、んだっけか?」
アリスの指摘にしのと俺は困惑する。
「どっちも有名なリゾートね。勘違いする気持ち、ちょっとわかるわ。サイパンとか…」
「そうそう、タコスとかー」
「しの、タコスは食べ物よ!」
「出たな、妖怪知ったか娘。…どっちにしても、リゾート地って1回は行ってみたいよなあ」
しのと綾とで軽いコントを繰り広げ、俺がそんな事を呟くと、カレンが何かを取り出してきた。
「ハワイに行った時の写真あるデスよ。アルバム見マス?」
「おー、見して見して」
カレンから1ページに写真を上下に2枚並べるタイプの小さめのアルバムを受け取り、しの達と一緒に中身を見た。
「おー!いいなー!青い空、白い雲!」
「楽しそうですね〜」
そこには、ハワイの海などをバックに楽しそうにしているカレンやその一家が写っていた。
「背は私の方が高いのに…」
他の皆は写真を見て楽しそうにしてる中、ただ1人綾は、写真に写っている水着姿のカレンを見て気落ちしていた。
その写真の水着…、ビキニ姿になっているカレンの身体の
それに比べると綾は、服の上からではあるが、絶壁というか、なんの膨らみも見当たらなく、完全なる敗北をその身で表していて
「どこジロジロ見てるのよ、変態!」
「オメーがあんな事言うからだろうが!」
俺の脳天にチョップを入れてきた綾に俺は講義をする。
こちとら時として、読者の皆さんに登場人物がどんな状況になっているかを伝える為に、仕方なく、やむを得ず、やりたくなくてもやらなきゃなんない事しなきゃならない時あるんだからな?本当だからな?
「綾は胸の話、引きずりすぎだって!」
陽子も会話に入ってくる。
「なによー!どうせ私はつんつるてんよ!」
「!?」
「あれ…?ち…、ちんちくりん?すっとんとん…?」
「何かどれも違うような気がするんだけど…?」
「言葉がゲシュタルト崩壊を!」
綾って定期的に、IQ下がる事あるよな。
「日本語の勉強?」
「まあそんなとこだ」
聞いてきたアリスに俺はテキトーに答えた。
「なーんだ、そんなコト!パッドを入れれば万事OKデスヨ!」
綾の話を聞いてたカレンがそんな事を言ってきた。
「私、持ってきてマス」
「何で持ってきてんの!?」
「あと男の俺がいる前で平然と取り出そうとするな」
下着ほど見た目に色気こそ無いが、"女の子が肌身に付けていた物" という時点で、思春期男子は小っ恥ずかしくなってしまうんだぞ。
俺がそう思っている間に、カレンは鞄から取り出した。
…………マウスパッド(マウス付き)を。
「…………………」
なんだこの、安心したと同時に、弄ばれた様な感覚は。
まあカレン本人にそんな気はさらさら無かったみたいだが。
その証拠にカレンは今か今かと、わくわくしながら俺達の誰かがツッコミをしてくるのを待っていた。
「さあ、早くツッコむのデス!」
「いやそれよりも、何で持ってきてんの?」
陽子の天丼ツッコミが炸裂した。
※ ※ ※ ※ ※
~陽子Side~
昼休み。
「陽子、どうした?ボーッとして」
「え?ああ、峻」
私が自分の席で考え事をしていると峻が話しかけてきた。
「いや、さっきの綾の事で考えててさ」
「さっきのって、体型の話か?」
「そー。そういえば、昔から自分の体型気にしてたっけなーって思ってさ」
「あー。確かに、中学の頃にも足が短いから背が低いんだーとか言ってたりしてたな」
「お前と一緒にな」
「うるせ。今は伸びてら」
「そんでさー、綾にちゃんと、気にしなくていいって言ってあげた方がいいのかなって考えてさ」
「そうか。多分綾も喜ぶよ」
「ただいまデース!あ、私の場合はオジャマしマースデス!」
教室の出入口からいつもの様にカレンが元気よく入ってきた。
その後ろを見ると、トイレに行ってた綾も何故か微妙に縮こまって一緒にいた。
それを見て私はさっそく綾の元へと向かった。
「綾!」
「な…!なに?陽子…」
「さっきの話だけど、気にしなくて大丈夫だって!肝心なのは見た目より、中身なんだからさ!」
「ガーンッ」
あれ?綾のやつ、なんかショック受けてない?なんで?
………あっ。
そこで私は初めて気がついた。綾の胸元がいつもと違ってめちゃくちゃ膨らんでいる事を。
「…トイレで私のパッドを貸してあげたんデス」
「ごめん。今言う台詞じゃなかった」
なんとも間の悪いというか…。ていうかカレンのやつ、本当にパッド持ってきてたのか…。
「………陽子、カレン」
「ん?」
「なんデス?」
峻が私達になにか聞こうとしてきた。
峻は綾の前に立つと綾を指さして…。
「この人、誰?」
「どうせグラマーな私は私じゃないわよ、バカー!!」
「冗談の通じない奴だバボゲボホオッ!!」
峻の顎下に綾の泣きながらアッパーが直撃した。
今日も平和だな。
~陽子Side、OFF~
※ ※ ※ ※ ※
「お姉ちゃん、実は初海外なんですよー」
「そうなんだー」
「
俺は廊下で、しのとアリスとで勇さんの海外の事で話をしていた。
「いつもはクールに決めてますが、心の中では不安なのかも…」
「
「えへへ…。楽しみにしてたのは本当でしたが、やっぱり少しは不安でした…。でも着いた後は凄く楽しかったですよ!」
「シノ…!」
「今日帰ったら、飛行機で酔わない裏技をお姉ちゃんに教えてあげましょう」
「わあっ、わたしにも教えて!!」
「アリ
「ちょっとね…。えへへっ」
「
「手のひらに『金髪』って3回書くんですよ〜」
「何の意味があるのそれ?」(º∀º`;)
「それ
後はとある喫茶店の娘だけだ。
まあ、それは置いといて…。
「ところで
「「綾ちゃん(アヤの事)を怒らせたの(ん)でしょう?」」
「なんでわ
「綾ちゃんの怒った声と峻君の悲鳴が私達にも聞こえてきましたし」
「日本に来てまだ数ヶ月のわたしでもわかるくらい、いつもの事だし」
「あー
※ ※ ※ ※ ※
「じゃ、行ってきます」
「気をつけていってらっしゃい」
勇さんが海外、グアムに行く日。
大宮家の家の前で空港に行く為にしののお父さんが運転する車に乗ろうとする勇さんを、俺と、アリスを含めた大宮家総出でお見送りしていた。
「何だかお姉ちゃんが居ないと、家の灯が消えたみたいにさみしくなりますね」
「ちょっ、大ゲサ!」
アリスと一緒に涙目になっている様子のしのに、勇さんは困惑した。
「おみやげはヤシの実でいいですから」
「何に対しての遠慮だそれ。あ、勇さん、ヤシの実もう一つお願いしますね」
「シュンも欲しいんだ!?」
「……」
そんな俺達のやり取りを勇さんは黙って見ていた。
その表情は、微笑ましそうなのと同時に、なんとなく、どこか寂しそうな風に俺は感じた。
すると…。
「わっ、むぎゅ」
勇さんは突然しのの事を抱きしめた。
「外国人的挨拶よ。感謝しなさい」
「わ〜」(˶´∇`˶)
ああ言ってはいるが、やはりしのの言ってた通り、勇さんも1人で外国に行くのが心細かったのだろう。
「アリスもいらっしゃい」
「わーい、イサミ〜!」
アリスも勇さんの胸の中へと向かって、抱きついた。
「峻君も来る〜?」
「………………」
普段なら恥ずかしいから絶対に拒否なんだが…。
俺は無言で勇さんの所へと近づいた。
「あら。今日は素直ね」
「まあ、外国とかかなり遠くに行くんだろうし、今回は特別にです…」
「でも後ろ向きですよ」
「これが俺の精一杯なんだよ!」
「なるほど!『背に腹はかえられない』って言葉は、こういう事なんだね!」
なんか男子高校生の年頃的行動が、アリスの日本語の勉強に有効活用されたんだけど。
「ふふっ。ありがとう、峻君」
勇さんはそう言って、俺達3人を強く抱きしめた。
※ ※ ※ ※ ※
「………行っちゃいましたねぇ」
「うん…」
「そうだな」
勇さんを見送り、俺達は黄昏ていた。
「こんな調子ではアリスがイギリスに帰る時、私耐えられそうにないです」
「ええっ」
突然のしのの呟きにアリスは驚愕した。
………そうか。アリスの故郷なんだから、アリスもイギリスに帰る時があるよなあ。
………………。
そういや、アリスって日本とイギリス、最終的にはどっちに永住する気なんだろう…。
もしイギリスに行った時………、しのの奴はどうする気なんだろう…。
その時俺は……、どうするんだろう……。
「大丈夫だよシノ!わたしまだ帰らないからっ」
「アリス…!」
俺が考え事をしている間に、アリスとしのはそんな風に話し、ふふふあははと笑いあっていた。
………ったく、こいつらは…。
ま、今すぐどうこうって話じゃあねえもんな。
「お前ら見てると、真剣に考えてるのがアホらしくなってくるわ」
「え?何の事です?」
「なんでもねえ。……それに、勇さんも明日の夜には帰って来るんだしな」
「……………え?」
「ん?」
俺の発言を聞いたしのが何やら頭にクエスチョンマークを浮かべた顔をした。
「………明日?」
「えっ。一泊二日って言ってたんだから、明日だろ?」
「あれえっ!?」
「ちゃんと話聞いとけよ…」
翌日、勇さんは何事もなく無事に帰ってきました。
[おまけショートこぼれ話]
「清少納言が生きていたら、きっとシノみたいな声だったと思う」
「なんで清少納言?」
「日本の伝統的な女性の歌人だからねっ。しのみたいに雅でキレイな声だったと思うよ」
「えー、本当ですかぁ」(´∇ `៸៸ )
「シノ、ちょっと句を詠んでみて!」
「春はあけぼのー」
「古風!」
「そりゃ、昔の詩だからな」
「では、夏はボサノバー」
「スゴーイ!情景が目に浮かぶよー」
「ボサノバ(ヴァ)って音楽だぞ」
「どうでしたか峻君、納言さんぽかったですか?」
「納言さんて…。うーん、どっちかっつーと…、おじゃ○丸?」
「その評価は喜んで良いのかどうか分からないですよ!?」
やんごとなき雅なお子様の声だ。喜んでいいぞ。多分。
「アリスの声は高くて可愛くて小鳥みたいですね。聞いてると、とても癒されて安心できます」
「それに関しては同意。ホッコリする」
「そうかなぁ〜」(˶ᐢᗜᐢ˶)テレー
※ ※ ※ ※ ※
──シノ!シノ!聞いて、シノ!──
──その時忍は、薄い意識の中、小鳥のさえずりの様に囁いてくるアリスの声に、安らぎを感じていた。──
「変な語り文付けてないで、シュンもシノを起こして!!シノ起きて、次の問題当たっているよ!」
授業中、眠ってしまっているしのを起こそうと、アリスは必死に呼びかけていた。
「しのー、起きろー。いくらアリスの声が癒されるからって今は授業ちゅ…………ゴォー………………あ、起きろ」
「今、シュンもちょっと寝てなかった!?」
「ああ、すまんすまん。お前の声って、安らぎがあって癒されるよなぁ…」
「それ今言われても嬉しくないよ!!」
~See you, next time!~
夏休み何しようか編と、アニメではやらなかった勇さんのグアム行きの回でした。
(;⩌言⩌)
↑この顔文字、めっちゃ綾っぽいと思いません?(笑)