きんいろモザイク ~plus α Road Days~ 作:T93
黒髪で所々少々髪がはねている。
目はツリ目でもタレ目でもない。
性格は、根は真面目、たまに悪ノリする、
変な所で意地っ張りなところ有り
成績は中くらい。英語は綾よりいいらしい。
体力はそれなりにある。
小学校の頃、陽子に振り回されたせい(笑)
身長は陽子より2センチ高い程。
とりあえずこんな感じです。
アリスが来てもう、数週間経った週末の日曜日、5人でショッピングに出掛ける事になった。
女子4人に男1人なんて居心地悪いから一回断ったのだが、女子だけなのも危ないんで、護衛もかねて参加する事になった。
決してしのに「私達と一緒は嫌ですか?」と、悲しそうな顔で言われたから折れた訳では無い。
待ち合わせ時間10時の15分前。俺はいつもの登校の時と同じ待ち合わせ場所に来るとそこには綾がいた。
「よっ、綾」
「あ、峻。女の子を待たせるなんて男としてまだまだね」
「うっせ。これでも早めに来たつもりだったんだぞ。お前いつここに来たんだよ」
「9時だけど?」
「何、当然ですが?みたいに言ってんだ!早すぎるわ!!先に来れる訳ねーだろ!!ラーメン屋にでも並んでんのかお前は!!」
「しのとアリスは?」
「無視か!!…しのが準備に手間取るそうで、だから先に行ってていいって言われた」
「そう」
俺と綾は、しのとアリス、そして陽子の3人を待つ事にした。
そして10時を過ぎても、3人はまだ来ない。
「……来ないわねぇ」
「アリスは兎も角、あの二人が予定通りに動く事の方が珍しいけどな」
しのと陽子は時間にルーズ過ぎる。
すると流石に退屈になったのか、綾が話を振ってきた。
「ねぇ」
「うん?」
「しのとは最近どうなのよ」
「は?」
「もう高校入って、ひと月近く経つでしょ?何かないわけ?」
「あのな、高校入ったからって、そんなんで付き合えるんなら誰も苦労しないわ。確かに高校生は最も青春色が強い時期だが、それだけで人間簡単に変われるもんじゃねぇんだよ。そんな上手くいかないの」
「そうやって自分に言い訳して正当化してヘタレてるって訳ね」
「お前そろそろ本気で泣かすぞコラ!!つーか、それはお前にも言われたくねぇぞ!!高校入ったにもかかわらず、未だに陽子と相変わらずじゃねえか!!」
「は、はあーっ!?なに、訳わかんない事言ってるのよあんたは!!陽子は関係ないでしょ!?」٩(//̀Д/́/)۶
綾は陽子の事が好きなのである。
一応レズ的なアレではなく友達としてらしいのだが、もう綾はほぼそっちの方向に片足突っ込んでいる状態だと俺は思う。
「わわわ、私と陽子は健全なお友達であって、決してそんな歪んだ関係なんかじゃなく…!!」
「私がなにー?」
「うひゃあ!?」
「お、陽子」
綾と口喧嘩に近い応酬を繰り広げていると陽子がやってきた。
「ごめーん☆遅れちゃった~。てか、今なんか私の話してなかった?」
「し!してないわよバカ!!」
「そ、そう?」(・・;)
「ていうか遅い!!今何時だと思ってるの!?」
現在、10時10分である。
「えーっ、10分だけじゃん」
「だけ!?だけって何よ!私なんて一時間も前からここにいるのに!」
「こいつ9時からここにいたらしい」
「真面目だなー」(`-д-;)
泣きながら訴える綾に俺と陽子は呆れた。
「しのとアリスもまだ来てないじゃん」
「あの二人というかしのは準備に時間かかるってさ。でも遅いなぁ」
「心配だわ。どこかで事故にでも遭っていたら…」
「この差はなんだ」
「ごめんなさい、遅れました~~」
陽子が扱いが違うひでぇみたいな顔をしてると、遠くからしのの声が聞こえてきた。
その声に綾はホッとし、俺達は声がする方向に顔を向けると、しのとアリスがこっちに向かってきたのが見えた。…………のだが……。
「「……なんだあれ!!?」」
しのの格好を見て、俺と陽子は叫んだ。綾も驚いた様子だった。
なんというか、しのは…メイド?というか、ゴスロリ?みたいな、ふりふりひらひらした世間的には痛い格好をしていた。
「お待たせしました~~っ」
「しの…それは私服か?」
「はい」
恐る恐る聞く陽子にしのは自信満々で答えた。
「シノは何かのモノマネをしてるんだよー」
「あー、なるほど、コスプレか」
「えっと…メイド?」
「ゴスロリとか…?」
「鬼?」
「なんで鬼!?」
「いや、アニメのキャラでそんなやつが」
俺達はそれぞれ答えたが、どれも違う様だった。
「ブブー!正解は外国人でした~」
「「「ざっくり!!」」」
まさかの答えに俺達は揃ってツッコんだ。
いつの時代の外国人だよ。
「どうですか?似合いますか?」
服の感想を聞いてくるしの。
「え、えーと…まあ、良いんじゃない?多分」
「き、着たい服を着るのが一番だものね」
しのの質問に困惑しながら陽子と綾が答えた。
「んじゃまぁ、もう大分時間過ぎてるし、そろそろショッピングモールに…」
俺はもう出発しようと提案したが。
「峻君はどうですか?」
チクショウ、逃げられなかった。
「いや、あの…俺そういうファッションとかよくわかんないから…」
「いえ、そういうのは気にしなくていいです。峻君から見て私の格好がいいかどうか仰ってください。男の人の意見も聞きたいんです」
どうしよう。
ハッキリ言って、似合ってるかっつーとあんまりそーでもない気がする。でも、似合ってないって言うと、しのが不貞腐れるかもしれない。でも嘘はつきたくない。
綾と陽子に助けを求め顔を向けたが、二人共に顔を逸らされた。くそぅ。
俺は意を決して回答することにした。
「…………に、……にあ…」
「にあ?」
「に………………似合うわん!!」
「似合うわん!!?」
「犬か!!」
俺の不可思議な日本語にしの達は困惑した。
切羽詰まりすぎて「似合う」と「似合わん」がごっちゃになってしまった。
※ ※ ※ ※ ※
そんなこんなあったが、俺達5人はようやくショッピングモールに着いた。
ゲームセンターに着くと、UFOキャッチャーで熊の顔のぬいぐるみを男性が取っているのを、アリスがじっと見ていた。
「アリス、あれ欲しいのか?」
「え!いや、べ、別に…」
「意地張んなって。よーし、アリスの留学記念もかねて、ここはいっちょ俺が人肌脱いでやるとすっか!」
そう言って俺はクレーンゲームに100円を投入した。
アームの位置を調整し、ぬいぐるみを掴む。が、上に持ち上げる途中でぬいぐるみが落っこちた。
俺は再び100円を入れて再チャレンジ。が、失敗。更に100円を入れたがまた失敗。500円で6回できるコースにチャレンジ。…するも6回全て失敗。
小銭が無くなったので千円札を両替し、それで6回コースを2回し、2回とも失敗。更に千円札を二枚両替して6回コースを4回やり、4回とも失敗。更に俺は…。
「もういい!シュン!もういいよ!!気持ちは嬉しかったから!!」
「止めるなアリス!!ここで取れなきゃ男が廃る!つーか、ここでやめたらなんか負けた感じがする!!」
「もう3800円も擦っちゃってる時点であんたの負けよ!やめなさい!!」
「大丈夫だ!残りの1000円で取れる気がするんだ!」
「それ、完全にダメなやつ!!」
「峻君!お金は大事にして下さーい!!」
俺は半自暴自棄になって全財産突っ込もうとしたが、アリス達全員に止められた。
その様子をさっきぬいぐるみを取った男性が見てて、自分のぬいぐるみをアリスに譲ってくれた。クレーンゲームをするのが好きなだけで、景品は別にいいとのことだった。
綾は譲ってくれた男性に申し訳なさそうに何度もお辞儀をしていた。
俺はというと、白熱しすぎたせいか目から汗を沢山流してしまっていた。
「…シュン、泣いてる?」
「違う」(T^T)
※ ※ ※ ※ ※
ゲームセンターを後にした俺達は、その後は文房具屋に寄ったり、洋服の生地売り場でしのが色々な種類の生地に興味津々だったり、ペットショップで子犬とかを見たりした。
お昼になって、その辺のファミレスで昼食を食べていた時の事。
「あっ!」
陽子が突然叫んだ。
「どうしたの?」
「財布に200円しか入ってなかった~。どーしよー」
「食べた後に!」
「しょうがねぇなあ、ここは俺が」
「貴方今、人に貸せるお金ないでしょ」
「…………」
「無言で泣かないでちょうだい」
「だから違うって、これは汗だ」(T_T)
「では、私貸しましょうか?」
俺が心の汗を拭っていると、しのが申し出た。
「ありがとー。明日絶対返すから」
手を合わせて陽子がしのに感謝する。
「はい、どうぞ」
しのは陽子にお
……明らかに日本円じゃないものを。
「って!どこの国のお金だよ!?」
「せっかく外国人の格好をしていますので、持ち物も外国の物で固めてみました!」
陽子の困惑したツッコミに得意気に話すしの。
「ちょっと待って!まさかしの、今そんなお金しか持ってないとかじゃないわよね!?」
綾が顔を青くして頭を抱えて叫んだ。
結局、綾とアリスが陽子としのの分も払う事になった。
…俺、この組唯一の男なのに肝心な時に役に立ってねえな…。おっと、心の汗が…。
※ ※ ※ ※ ※
昼食を済ませて、俺達は適当にブラブラしていた。
「あら、外国の方がいるわ」
「旅行かな?」
綾とアリスの言う方向を見ると、男女の二人組の外国人がいた。
「何か困ってるみたい…」
しのの言う通り、ガイドブックの様なものを持って困惑している様子だった。恐らく何処かの場所がわからないのだろう。
「私、行ってきます!」
「え」
「え?ちょっとしの!」
しのが脇目も振らず外国人二人の所へ向かって行った。
「大丈夫かしら、しの…」
「正直不安だが、イギリスのホームステイをほぼ、「ハロー」で乗り切った奴だから、案外どうにかなるかも…」
そう言って俺達はしのの様子を見ていたが…。
「アリス~~!」
「やっぱ駄目か」
ものの数秒でアリスに助けを求めた。
「何で行ったんだ、あいつ…」
とりあえずアリスのお陰で、外国人二人を助ける事は出来た。もしドイツ人とかだったら詰んでたぞ。
と、そんなこんながありはしたが、俺達のショッピングの一日は何事もなく無事に終わった。精々、俺の所持金が殆ど消えたぐらい。
※ ※ ※ ※ ※
しの達と出掛けた次の日の月曜日。学校の教室で俺と綾と陽子で話していた時のこと。
「昨日のことについてなんだけど」
「どうした陽子。薮からぼた餅に」
「何その間抜けな光景が浮かぶミックス慣用句。『藪から棒』ね。あと、『棚からぼた餅』」
「おー、今日は綾ペディア、調子良いな」
「調子悪い時あって悪かったわね!!ていうか、綾ペディアってなによ!!」
「話、戻していい?」
流石にもう話が進まなくなるので、悪ふざけはこの辺にして陽子の話を聞く事にした。
「で、昨日の何がどうしたんだ」
「しのの外国好きがマニアの域に達している。あれは本物だ!」
「あー、確かに以前より悪化…いや、レベルアップしてるな」
「昔からホームステイする位、好きだったものね」
「アリスが来てから更にって感じだな」
「アリスに影響されたのよ、きっと」
「いや、それはちょっと怪しいぞ」
俺は陽子と綾の発言に待ったをかけた。
「どうしてよ?」
「アリスの奴、あんまり外国人っぽい事案外してねえぞ。寧ろ、日本人より日本人っぽい事しているまである。前にちょっとしのの家にお邪魔してあいつの生活見てみたんだが、半纏着て新聞取りに行くわ、朝食は納豆に味噌汁の定食食うわ、挙句の果てに…、ちょっとこの写真見てくれ」
俺は先週の土曜、親が仕事で夜中まで帰ってこない日に大宮家のご厚意でその日は晩飯までお世話になった時の日に撮った、しのとアリスが一緒のしのの部屋の写真を二人に見せた。
そこには一つの部屋に、半分は洋風の家具で固め、洋風のベッドの上に座っているしのと、もう半分は桐ダンスやら家具が和風で固め、布団を敷いてその上に正座しているアリスが写っていた。
「えーと、これは逆じゃなくて?」
「俺もそう言ったのだが、本人達は至って真面目に「これでいい!」って言ってた」
「そ、そう…。あら?もう一枚のこの写真は?」
「あー、それは朝食の時」
「……ねぇ、峻。アリスが定食食べてるのに対して、この…しのが食べてるのって…」
「トーストにジャムだな」
「あいつら本当は仲悪いのか!?」
綾は困惑し、陽子は我慢できんとばかりに叫んだ。
俺だって最初はそんな感想抱いた。でも不思議な事に仲は良いっぽい。
「でもまあ、これだけしのが外国に徹底してると、そのうち英語も喋れるようになるかもなー」
陽子のその一言で、俺達はしのの方を見た。今あいつは自分の机で新聞を読んでいる様子だった。
ん?ちょっと待て。あいつの持ってる新聞、どこかおかしい様な…。
「って、英字新聞!?」
「何処で買った、そんなもん!!」
しのはその英字新聞を「ふんふん」と頷きながら見ていた。ぼーーっとした顔で。
「でも、あの顔は絶対理解していない!!」
「シノはヨーロッパが好きなの?」
しのの隣の席にいたアリスがしのに話しかけた。
「ヨーロッパ?…外国なら結構どこでもスキですけどー♡…でも強いて言うなら、イギリスとかフランスとか…」
「だからヨーロッパでしょ?」
「え?」
アリスの問いにしのは答え、そのしのの答えに指摘する綾。その指摘で頭に?マークを浮かべ、しのは困惑している。
「あのなぁしの。ヨーロッパってのは、イギリスやフランスなんかの国がある大陸を総じてヨーロッパと言って…って、おーいしの!?」
「???」
俺は丁寧に説明したつもりだったのだが、しのは目を回して、頭から煙を吹き出していた。
マジでこいつこの先大丈夫か。
数秒ほどで、しのはなんとか意識を取り戻した。
「うぅっ。何かよく分からなくなってきました…。ちょっと紙に書いてみます!」
そう言ってしのは、ノートとペンを取り出し、そこに大きく丸を書いた。
「私達の住む星は地球!」
「そこから!?」
宇宙とか言い出さなかっただけマシと俺は思った。
※ ※ ※ ※ ※
放課後、大体の生徒が帰宅したか部活に行ったかぐらいの時間帯。
「ん?何してんだ。帰んねえの?」
トイレから教室に戻って来た俺はしの達が何かをしてる事に気づいた。
「あ、峻君。綾ちゃんと一緒に、アリスの髪をといてたんですよ」
「ほう」
そのアリスは椅子に座りながら寝てた。夕日に照らされた金髪はキラキラしていて、しのじゃないが思わず見惚れてしまった。
「私、卒業したら、髪染めようかなって思ってるんですー」
突然しのがそう発言した。
卒業後な理由は、校則違反になるからだろう。因みに、陽子の髪は赤毛だが地毛である。何回か学校側に疑いをかけられた事もあった。本人は全く気にしてなかったが。
「へー。どんな色?」
しのの黒髪好きだから、ちょっともったいない気がするがなぁ。茶色だろうか。それとも濃いめの寒色系?
「金色です!」
……………………………………。
「……紺色?」
「"金"色です!!」Σ(・口・:)
聞き間違いじゃなかった。
綾と陽子も困惑していた。
「えっと…、金はちょっと」
「金っていうか、金に近い茶です」
しのの言い分に俺と陽子は「変わらねーよ!」と心の中でツッコんだ。
「でも、案外似合うかも!」(゚▽゚;)
綾がめっちゃ泳いだ目でとんでもない事を言った。
「(綾!!絶対思ってないだろ!)」
「(何してんだてめえ!気遣いだけがやさしさじゃあねえぞ!時には本音も必要なんだよ!)」
「(そう思うんならあんたが言いなさいよ!!)」
「(できるわけねーだろ!)」
俺達3人はしのに聞こえないように離れて少し小声で喋った。
俺達が返答に困っていると、アリスが起きた。
「う、う〜ん…。シノ、金髪にするの?」
どうやら途中から意識が少し戻っていて、会話を聞いていたらしい。
「はい!アリスとおそろいですねっ」
嬉しげに話すしのにアリスは、
「似合わないよー!!」
なんの抵抗も無くばっさり否定した。
「言った!!」
「はっきり!!」
「さすが外国人!!」
目の前の人間には遠慮がちになってしまう日本人には出来ないことをやってのける!
「!!」Σ( ºΔº〣)
アリスのはっきりした意見にしのはあからさまにガッカリした。そして窓に寄りかかり黄昏始めた。
「…やっぱり金髪は変なんですね…」(_ _〣)
「シ、シノ!ごめんね。私はシノは黒い髪の方がいいって思っただけで、そんなつもりじゃ…」
はっきり『似合わない』っつってたがな。
「でも、私が金色にすると、似合わなすぎてモザイクがかかっちゃうかも」
「えっ?」
「ちょっと待て。確かにアレどういう意味だかさっぱり分からんかったが、そんなしょーもない意味合いで出来てたのか!?」
「何の話!?」
俺としのの少々危ういラインの話にアリスは困惑していた。
「まあまあ。似合う似合わないは人それぞれよ」
綾が何かを誤魔化s…ゲフンゲフン、話を戻して場を宥めた。
「そ、そうだよっ!シノ、昨日の服はすっごい似合ってたよー!」
「(えっ…)」
「(そうか…?)」
アリスの言葉に綾と陽子は言葉が詰まった。
「シュンだって、犬語で似合うって言ってたし!」
「ソウデスネ」
俺は目を明後日の方向に向け、そういう事にした。
「わーっ。ほっ、ほんとですか〜?」
「うん!あんなに可愛く着こなせるのは、シノ以外いないよ!!」
アリスはうっとりしながらそう言った。そのアリスの言葉にしのの機嫌が少し治った。
「あの服には金髪が似合うと思うんですよ〜。だから金髪に…」
「NO金髪」( ͡ ᗜ ͡ )
しのの提案をアリスは腕でバッテンを作り、有無を言わせないスピードで切り捨てた。
あの格好はいいのに、金髪はどうしても駄目なのか。アリスの基準がわからん。
しのの金髪化計画をなんとか阻止した俺達は下校する事にした。
「それにしてもやっぱあれだな。外国の人ってはっきりしてるってよく聞くが、あれホントなんだな」
「確かによくそう言われるけど、私だっていつもはっきり言えるわけじゃないよ?」
「そうなのか?」
「うん。現に今だって、私シュンに言えない事あるもん」
「ん?なんだよ、言ってみろよ。もう一ヶ月近く一緒の仲だ。無理にとは言わんが」
「……実はね…」
あのアリスが言い淀むとは、よっぽど言いづらい事なのだろうか…。
「シュンがトイレから戻ってきた時から、…ズボンのチャックが開いてる」
「あ、私もさっきからそれが気になってたんだけどなかなか言い出せなくて。ありがとうアリス」
「そういう事はこっそりでもいいから早く言ってくれ!!綾!お前も気づいてたんなら言えや!!」
俺は慌ててチャックを上げ閉めた。
[おまけショートこぼれ話]
「アリス、もえー!」
「えぇー」
「もしもし警察ですか。変態がいます」
「誰が変態だ!!」
「いや、いきなり幼女に抱きつく光景が見えたもんで」
「私は幼女じゃないよ!!…それより、もえーって何?」
「さあ。なんだろう」
「おい」
「可愛すぎて燃えるって意味だと思ってた」
「バカねぇ、字が違うわよ」
綾は陽子の間違いを指摘し、『萌』の字を黒板に書こうとした。
「あれっ、何か違う」
綾は『
改めて『萌』の字を書こうとした。
しかし、今度は『サ』に『非』。また次に、『サ』に『朋』と書いてしまう。
「見れば見るほど分からなくなる!」
このままだとゲシュタルト崩壊を起こしてしまうので、俺が書く事にした。
俺はきちんと『萌』の字を書く事ができた。
「こうだ」
「やっぱり男子だから、こういう字はスラスラと書けるのね」
「誤解を招くことを言うな!!」
綾に理不尽な偏見を持たれていると、しのが『萌』の字の前に立った。
「これは当て字なんですよー」
「そうなの?」Σ(・Д・)
「元は『ピューン』みたいな効果音が起源です」
「って言ってるがどうなんだ?綾」
「いや、あからさまに嘘でしょ」
しのは
「可愛いものを見た時の効果音『もへ〜っ』がこれです」
「なるほどー。もへ〜が変化してもえになったのか」
陽子は完全に信じちまっている。
「誰が考えたんだ?」
「私ですー」
「まじで!?しのスゲー!」
「その時点でウソだと気づけ阿呆」
「なんだと峻!誰がアホウだ!!」
「因みに、『阿呆』も頭の悪い奴が理解できない文章を聞いた時の『あ、ほう。』と思わず言ったのが起源だ」
「そうだったのか!!」
※ウソです。
「信じちゃダメよアリス」
「はぁ…」
~See You, next time!~
原作沿いの二次小説は、原作の話にただオリジナルキャラがいるだけって事にならないように、オリ主の「いる意味」をちゃんと持たせるように心がけるようにしています。まあそうすると原作キャラのキャラ崩壊が多少激しくなりますが(特に綾)