蛮族クズエルフ(ハーフ)   作:おもちぴん様

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第2話 女を抱くまで死ねない

「おらあ!かかってこいやあ!」

「「「ギイイイイ!」」」

 

 私のスキル"挑発"でモンスター達を惹きつける。

剣を振ればモンスターに当たる。

殺せ殺せ殺せ!領地を守れ!

ウオオオオ!と私が吠える。スキル"ウォークライ"だ。

味方には勇気を、敵には恐怖を与える。

弱気なモンスターは私の叫びを聞いただけで死んでしまう。

私が大暴れしている理由は、モンスターから奇襲を受けたからだ。

今回のスウォームの主は知恵者みたいだ。

祝福は恐らく策略系だろう。

 

◆

 予定通りの日時に兵を集めて、兄上の指揮の元、私達はスウォームに向かった。

集落が出来ているという話だったので、そこに奇襲を掛ける手筈だった。

だったのだが、集落はもぬけの殻、逆に包囲される形となった私達は死地にいる。

 

 スキル無しでぶっ殺すのが私の信条だったんだが、この状況ではそうも言っていられない。

1人でも多く家に返すために、私は、私に敵を集中させた。

 

「ボス!この辺は大体片付きました!」

「よし!ここは任せた!私はビヨルン様を助けに行く!」

「「「はっ!ご無事で!」」」

「お前達も死ぬなよ!死んだら殺す!」

「「「イエス!ボス!」」」

 

 この場を離れ、兄上の部隊の元に進む。

雑魚は撫で切りだ。走りながら切り捨てる。

兄上には死んでもらっては困る。私が楽できないから。

 

 ガキンと剣が折れる音がした。チッ、剣が逝ったか。

半ばで折れた剣を投げ捨て、拳でモンスターの顔を潰す。

幸い武器はそこら中に落ちている。

ファルシオンだかシミターだかを拾い、更に進む。

魔法は使えるが乱戦だと微妙だ。味方に当たってしまう。

 

 モンスターを蹴散らしながら進んでいると兄上の姿が見えた。

モンスターが集っているな。

ここが踏ん張りどころだぞ。

 

「臆したか皆のもの!我の声を聞け!我は剛勇のアイラ!」

 

 戦場に私の声が響き渡る。

兵士の顔に生気が戻る。もうひと押しだ。

 

「雑魚共!私が怖いか!大将首はここだぞ!」

「「「グイアアアアア!」」」

 

 よし、私に注意が向いた。

モンスターが大将首を理解しているかは分からない。

恐らくスウォームの長は理解しているだろうが、末端は祝福を持たない能無しだ。

目立つ奴を優先的に襲っているだけだろう。

 

 寄ってくるモンスターをひたすらに切り裂く。

味方は周りにはいない。魔法を使うなら今だな。

 

「焼け死ね!クソ共!」

「「「ギヤアアアアア!」」」

 

 私を中心に火が迸る。火(Eldr)の魔法は強力無比。全てを焼き尽くす。

私に群がっていたモンスターは火達磨となった。

火傷を負ったモンスターなんぞ雑魚だ。

トドメは近くにいる兄上の兵士に任せよう。

 

「ビヨルン様!ご無事ですか?」

「いつまでも慣れんな……ああ、無事だ。助かった。」

「長の位置は掴めましたか?」

「何とかな。おい、探索魔術師、アイラに教えてやれ。」

「はっ!」

 

◆ ◆

 スウォームの長は焦っていた。

馬鹿な人間共を罠にはめて殺すだけの筈だった。

なぜ、祝福を持ったヒューマンがいるのだ。

神は私を嵌めたのかと。そして彼の終わりがやって来た。

 

「やーっと見つけたぞ、クソ野郎の中の親玉ぁ。」

「ナゼココガワカッタ?」

「何で人様の言葉喋ってんだよ、てめえ?」

「グルルルル!ヒトゴトキガ、ワレニカテルモノカ!」

「でけえ体があれば勝てると思ってんの!?」

 

 オーガ如きが図に乗るな。

お前にはスキルも魔法も使ってやらない。

スペックの違いと言うものを見せてやるよ。

 

・・・

 

 剣が、拳が、長の体に突き刺さる。

その細い体から生じたとは考えられない程の威力だ。

スキルと魔法を使った形跡はない。

単純な腕力だけで長は叩き潰されていた。

 

「ガアアア!ナゼダ!ヒトゴトキニナゼ!」

「ピーピーうるせえなカスが!」

「てめえをぶっ殺して、さっさと女抱きに帰ってやらあ!」

 

 アイラの袈裟斬りが長の右肩に入る。

ズルリと斜めになった長の上半身が滑り落ちた。決着だ。

勝ったのはヒューマン、負けたのはモンスター。

こうして長を失ったモンスター達は統率を失い、各個撃破されることになる。

 

◆ ◆ ◆

「おーい!長をぶっ殺して来てやったぞお!」

「「「うおおお!流石は剛勇!」」」

 

 "ドサリ"とその辺に長の首を投げる。

何人死んで、何人生き残ったか。

私でも助けられる命には限界がある。

実力が無いもの、運がなかったものは優先して死んでいく。

それはしょうがない事だが、とても悲しい。

 

 しんみりしていると兄上の先触れが来た。

ボロカスにやられたのに、いちいちそんなもの使うなよと思う。

だから実力あるのに舐められるんだよ。

今度お説教だな。兄上の嫁さんと寝ながら。

まっ、可哀想だし、一応、お出迎えの準備をしてやるか。

 

・・・

 

「皆のもの、此度はご苦労であった。」

「「「ははっ!」」」

「お前たちの尽力でスウォームによる領地への被害は未然に防がれた。」

「町に戻り次第、宴を行うゆえ、そこで各々死者への手向けを行え。以上だ!」

「「「ははっ!ヴィーキン領万歳!」」」

 

 さーて帰って美女でも抱くかね。

死んだ部下の数だけ女を抱くのが私のポリシーだ。

女は子供を産む。

転生して戻って来れるように、抱いて寝るのさ。

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