蛮族クズエルフ(ハーフ)   作:おもちぴん様

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第6話 不意打ち上等

 こっちに来て1年、もう気分はエングランド王妃だ。

いてっ!アルフィスさん、生言ってすみません!

アルフィスちゃんは良いよなあ、赤ちゃん出来て。

私はまだだ。これも全部ビヨールとシグルドが悪い。

時間を掛けて領内を慰撫したアルフレッド君の隙きをついて、

シグルドはゲエルの西側の城を落として、勢いに乗っている。

 

 さっさとぶち殺して子作りしたい。あれからお預け状態だ。

身重で戦えんのか?と言う意見にぐぬぬとしか言えなかった。

暇だからエングランド軍の兵士を借りて訓練したり、モンスター狩ったりしてるけど限界だ。

ブリソン島は海で大陸と隔絶されてるからモンスターが弱い。ディナビア人基準だけど。

……よしっ!私がいなくても戦える様に訓練してやる!

返事はイエスだけだ!

 

・・・

 

 アイラさんが来て約1年、我が軍は鍛えに鍛えられている。

能力抜きにいて欲しいが、繋ぎ止めるものが自分しかいないからな。

あの人はハーフエルフで長生きだ。

自分が死んだ後はどうなるか分からない。

幸いアルフィスとの仲は良好だ。時々見る目が怪しいけど。

酷い話だけど、僕似の子が出来たら宛がうしかないか。

未来のことを考えるのはやめよう。

今は目先のことだ。

シグルドを倒し、どさくさ紛れでゲエルを奪う。

これでブリソン島を統一、その後は大陸……西フロンクに矛先を向けるんだ。

アイラさんにはブリソン島統一までは働いてもらおう。

後は相談だ。

 

 父上が来た。なんで?

めっちゃアルフレッド君に頭を下げてる。地面に叩きつける勢いだ。

アルフレッドに頭を下げるアルフリッド、ややこしいわ!

えっ?やっと嫁の貰い手が見つかった?

聞いたかアルフィスちゃん、嫁だって。

は?重婚は認めない?じゃあ愛人で良いよ。

あっさり諦めるなって?やっぱり優しいよねアルフィスちゃん。抱いて良い?

 

「そう言えば父上、何の用ですか?」

「ああん?援軍を連れてきたんだ。お前の部下達を。」

「てことは、もう野心を隠す必要がないってこと?」

「ああ、ノレグは既にヴィーキンの手にある。スウェードとデルマークもシグルドとビヨールを殺ればこちらのものだ。」

「流石は父上、極悪非道。」

「そんなことよりだ。お前、絶対アルフレッド君を逃すなよ。こんな良い人ディナビアにはいないぞ。アルフレッド君と結婚出来ればシグルドとビヨールなんかどうでも良いわ!」

「アルフリッドさん、どうでも良くは……」

「アルフレッド君、お義父さんと呼んでくれて良いぞ!」

 

 最後はカオスな感じになったけど、ヴィーキン領から私の兵隊が到着した。

しかし、1年でノレグ統一するって父上も傑物だな。

我が父ながら末恐ろしい!

大分、エングランドのひよっこ達も鍛えてやったから攻勢に出るなら今だけど、

アルフレッド君はどうするかな?

 

◆ ◆

 

 動くべき時に動ける、名将の条件だね。

祝福があっても指揮官として無能だったらここまで来れないから、流石と言いたい。

 

 父上が連れてきた援軍を見てからのアルフレッド君の動きは早かった。

ゲエルの国境付近に軍を進め、今はシグルド軍と対峙している。

私達は先鋒を任された。こっちで私の部下になった奴も含めて総勢500人の大所帯だ。

指揮官の祝福も掛かるから相手にとっては悪夢だろう。

 

・・・

 

 シグルド軍との戦争は何の山も谷もなく終わりました。

"悪夢だろう"(キリッ)とかやって恥ずかしい。

シグルドもビヨールもぶち殺してやった。

今はどさくさ紛れでゲエル王国を攻めている。場所が悪かったね。

そもそも自分の家の庭(ゲエル王国)で戦争されてんのに何もちょっかい掛けて来ないのが悪い。

出来るだけ長引かせて、両軍が疲弊したところで攻めるくらいの気概を見せないと

大変な事になるよ。

今がその大変な事なんだけどね。

 

「ゲエル人て美人多いかな?」

「分かりません!ボス!」

「ボス!ご結婚されるのでは?」

「それはそれ、これはこれだよ。覚えておいて。」

「参考になります!」

 

 ゲエルは山がちの国だ。お城も山城が多い。

えっちらおっちら山を登って城攻めだ。

ディナビアも北側は山がちな所が多いけど、それ以上だな。山しかない。

攻城兵器持ってくるのも大変だ。

あまり時間を掛け過ぎると北から援軍がくるしなあ。

……仕方ない、あれで行くか。

 

「梯子を掛けろ!私が先頭を行く!合図したら着いて来い!」

「「「イエス!ボス!」」」

 

 鉄製の丈夫な梯子を城壁に掛け、私はそれの上を登るのではなく走る。

弓矢で射られてるが関係ない、全部防いで強行突破だ。

 

「とうちゃーくっと。悪いねえ急にお邪魔しちゃって。」

「な、なんだお前は?!」

「ヴァルハラで自慢しな!アイラ様に殺られたってな!」

 

 流石に数が多いので城壁の上で火の魔法を使い兵士を掃除。

これが合図なんだけど気付いてくれるかな?

気付かなかったら罰走だな。

反対側の城壁にも行かないといけないし、早く制圧に来い。

……あっ来たわ、罰走は無しで、じゃあ反対側行くからヨロシク!

 

 反対側の兵士は逃げた様だ。誰もいない。

いや1人いるな。手練かな?

 

「貴様、ここがゲエル王国の王城と知っての狼藉か?」

「うん、そうだと思うよ。私は駒だから詳しくは知らないけど。」

「見たところ手練は貴様1人!貴様を倒して反撃の狼煙を……。」

「長いんだよ。阿呆。」

 

 長々と喋る阿呆な奴に近づき首を刎ねる。

自分に酔いすぎだ、敵から目を離したら駄目だよ。

他に手練はいなさそうだから、これで落城かな。

 

 ─幻想歴869年、エングランドのアルフレッド大王によってブリソン島は統一された。

これ以降、エングランドの矛先は西フロンク王国のナルモンデイとブレターヌ王国に

向けられる事になる。

 

 

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