ある戦車兵の運命   作:ジュネープ

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主人公と戦ったザクパイロット視点も簡単ながら書いてみます。
ザクの情報が誤っている可能性があるので、その場合はコメントお願いします!


おまけ

MS-06 ザクII

 

ジオン公国が初めて量産に成功した傑作兵器。これが俺の乗る機体だ。

 

後に一週間戦争と呼ばれるようになった戦いの後、公国の若者達はこぞって徴兵事務所に殺到した。

 

スペースノイド独立のために志願した者もいれば、アースノイド憎しで志願した者もいる。

 

俺はそのどちらにも当てはまらない。ただ周りの流れに流されて入隊した大馬鹿者だ。

訓練所では宇宙での戦闘を主に学習し、1カ月という少ない訓練期間でパイロットになった。

 

俗に言うインスタント兵士ってやつだ。そんな奴らはどうなるか?・・・大体の想像がつく。実戦で生き残れれば御の字って所か・・・

 

俺には伍長の階級が与えられ、北米侵攻部隊に属する戦車混合小隊の切り札として重宝された。

 

シミュレーターでは主に宇宙空間で戦闘機や艦船相手に戦ってきた俺がいきなり地上で戦車や生身の人間と対峙しろってんだ、ふざけてやがる。

 

【おい、2号機パイロット!足取りが覚束ないぞ!!味方を踏み殺す気か!!】

 

「すいません少尉。重力に慣れてないもんで・・」

 

【少尉殿。2号機パイロットはこれが初の実戦なんですから。しょーがないでしょ】

 

【・・ふん、それもそうか。せいぜい公国のため、お役に立てる様に生き残ることだな。まだザクIIが量産化されたとはいえ、すべての要員にあてがわれている訳ではない事を肝に銘じる事だ】

 

 

「了解しました・・・・なんだよ、偉そうに」

 

 

 

マゼラアタックと歩兵、そしてザクIIの混成部隊はニューヤークに向けて歩を進めた。

 

【全員移動しながら聞いてくれ。ニューヤークに進む進路上に小さな町があるが、我々はそこで1時間ばかしの休息をとる。連邦の奴らがいないかしっかりと探すんだぞ】

【いいねぇ。地球の酒に興味があったんだ。俺の舌に合うといいな】

【作戦行動中だという事を忘れるなよ?我らスペースノイドは理想実現のために連邦と戦っているんだ!そんなことしようものなら営倉にぶち込んでやるからな!・・・まぁ、作戦行動中に飲まないと約束するのなら分捕っていいがな】

 

 

その瞬間、無線越しでも伝わるぐらいの歓喜が俺の耳に響き渡った。

 

「中尉殿は人を使う能力が高いようで・・・」

 

 

 

 

【よし、最初に歩兵、次にマゼラアタック、ザクIIの順番で町に入るぞ!いいか?気を抜くんじゃないぞ!】

 

それから一時間後、道中の町に到着した俺たちは慎重な足取りで一歩一歩進んでいった。町の中心部に差し掛かった瞬間俺は何かに気づいた。

 

「なんだあれ・・・・トランプと・・・酒瓶?」

 

丁寧に清掃された町中には似つかわしくない、木箱の上にトランプと中途半端に空いた酒瓶が置かれていた。

 

「・・・・もしかして、待ち伏せか?・・・そうなのか?・・・っ?!なんだ!!」

 

 

疑問に思っていた俺の前方を進んでいたマゼラアタックが突如として炎上、爆発した。

 

【敵襲!!連邦軍共が待ち伏せてやがった!!歩兵は散開して、敵を掃討!生き残りのマゼラアタックとザクIIは敵がいそうな建物に攻撃しろ!】

 

 

混乱していた俺に対して、爆発していないほうのマゼラアタックに搭乗していた中尉殿から指示が下る。

 

 

「どこだ・・・何処にいやがる・・・」

 

【2号機!!右だ!!】

 

「っ?!」

 

 

1号機からの無線でその方向を見るとロケットランチャーを構えた兵士が俺に向けて引き金を引いた。

 

一直線に飛んでくるロケットを確認した俺は、無我夢中で回避行動をとった。

 

「来るんじゃねぇぇぇ!!」

 

ロケットランチャーを避けた俺は周りを確認せず、あたりにマシンガンを連射した。

 

 

【2号機パイロット!!こっちに来るんじゃねぇ!!やめろ、うわぁぁ!・・・・】

 

【ニューピーが発狂しやがった!!お前ら!!敵がいようが関係ない!!手ごろな建物に避難しろ!!!急げ!!1】

 

 

半狂乱になりながら、マシンガンを乱射していた俺の足元は地獄の様相を呈していた。

 

踏みつぶされて即死したものはまだ運がいいほうで、体の一部の部位のみ踏みつぶされた兵士はその場で泣き叫んでいる。そんな惨状が広がっていた。

 

それ気づかない俺は、敵がいそうな建物を徹底的に攻撃した。

 

【2号機!!・・・クソが!・・おい、ニューピーしっかりしろ!!】

 

「?!・・・あぁ・・すまん。取り乱してしまった」

 

【取り乱してしまっただぁ?!周りを見ろ!連邦のクソ野郎は全員片付いたが、味方は俺らを除いて全滅だ!!てめぇが殺したんだぞ!!】

 

「ごめっ・・・すまない・・・あぁ、俺はどうすれば!」

 

【クソ!!・・この任務は途中で撤退ができないんだ・・ニューヤークで味方部隊と合流したら然るべき処分を受けてもらう。これで死んだら一生恨むからな!】

 

 

暴走していた俺に捨て身のタックルで正気に戻してくれたパイロットからの無線を聞いた俺は生きた心地がしなかった。

 

このまま生き残っても待っているのは懲役刑か銃殺刑・・脛に傷を持ったスペースノイドがどうなるのかを見てきた俺は、頭が真っ白になりながら町から出た。

 

 

【お前がやった事は許されない事だ。だけどな、戦場では良くあることだ。軍事裁判にかけられたら俺はお前を最大限弁護してやるから安心しろ】

 

「・・・っ、ありがとうございます。」

 

【どこか不貞腐れたような態度をとる人間だろうお前は。そのまま気をしっかりと持って作戦を遂行するんだ。ジオン公国の為n】

 

 

1号機のパイロットは言葉を最後までいうことが出来なかった。何処からともなく飛んできた砲弾が彼のコックピットを貫いたからだ。

 

「?!・・・敵だと?・・どこにいるんだ?!」

 

敵を発見できずあたりを探索していると、5キロ先で煙幕が上がっているのが見えた。

 

「煙幕だと?こちとらサーマルスコープが搭載されているんだ。逃げられると思うな!」

 

 

急ぎサーマルスコープをアクティブ化したザクIIのモニターには、塹壕に隠れている連邦軍の戦車がこちらに砲塔を向けていることを確認した。

 

「死ね!連邦の屑ども!!」

 

 

ザクIIのマシンガンが火を吹き、敵戦車付近に着弾するが命中弾は一発もなかった。

 

煙幕が効かないと悟ったらしい戦車が、俺の方向に蛇行運転で近づいてくる。それに対して俺はマシンガンをひたすら撃ち続けた。

お返しとばかりに敵戦車が砲撃を行うが、ザクIIの機動性により弾は全弾避ける事が出来た。

 

 

「この戦車・・・もしかしてザクの視界外から攻撃をしようとしているのか?・・だったら!!」

 

 

ザクIIのランドセルからブースターを点火して20メートル近くもある巨人が空を飛ぶ。敵戦車を下に捉えた俺はマシンガンのトリガーを引こうとしたその瞬間。

俺を見失ったらしい搭乗員が戦車のハッチが開いて、目が合った・・・・・

 

その瞬間俺は人間を殺すことに恐怖し、攻撃することが出来なかった。俺と目が合った兵士はその隙にハッチを閉じて姿を隠した。

 

 

地面に降り立ったザクIIに搭乗する俺は今更になって、敵の兵士を殺すことに葛藤を覚えた。

 

「・・・・・クソ!、クソォォォォ!!!」

 

マシンガンを発射することが出来ない代わりに戦車に対して蹴りを入れた。

 

20メートル近くの巨体から繰り出される蹴りは戦車を容易に吹っ飛ばす程のものだった。

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・敵は!?」

 

敵戦車が沈黙した事で俺は冷静さを取り戻し、先程まで戦っていた陸の王者に近づいて行った。

 

ザクIIのモニターから見える戦車は胴体部分が大きくひしゃげ、中に入っていた人間はきっと死んでしまったのだろう推測することができる惨状となっていた。

 

「あれは・・・俺と目が合った兵士・・なのか?」

 

戦車の隙間から、うつ伏せで倒れている兵士が見えた。その瞬間強烈な吐き気に襲われた俺はコックピット内に吐瀉物をまき散らしてしまった。

 

 

「こんなはずじゃなかったのに・・・何で・・・なんだ。」

 

 

 

 

 

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ジオン公国

地球方面軍

第一MS機械化混成部隊

 

ロイド・ハンス:銃殺刑

 

 

詳細:味方及び上官の殺害容疑により、ソロモンにて銃殺刑を執行。

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さて、興が乗って敵味方双方の物語を書いてしまいましたが、この短編小説はこれで終わりです。

後は、誤字の修正、添削だけだな。
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