トチ狂った日本国召喚   作:北限の猿

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Su-34のコックピットってかなり広々してますよね


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《ハシビロコウ、お前はワイバーンをやってくれ。こちらで船艇をやる》

 

「ウグイス、了解」

 

『F-2C』を駆る口数の少なさから『ハシビロコウ』のあだ名(TACネーム)を付けられたパイロットは、感情の読めない目で前方を見詰める。

僅かに上下する無数の黒点はクワ・トイネ公国との演習によって、ワイバーンであると機体に搭載されているコンピューターが認識してくれる。

 

「……」

 

HMDに投影されたロックオンカーソルが先行しているワイバーンの1騎と重なり、コックピット内にロックオンが完了した事を告げる電子音が響く。

 

「ハシビロコウ、フォックス5」

 

周辺の味方機へミサイル発射を伝える通信から一拍置き、操縦桿のボタンを押し込む。

すると、主翼下に懸下されたランチャーより2発のミサイルがロケットモーターの燃焼煙と共に発射された。

現代の空対空ミサイルと言えば近距離用の赤外線誘導ミサイル、中〜遠距離用のセミアクティブ・アクティブ誘導ミサイルが基本だが、発射したミサイルはどちらでもない。

これは西側諸国で幅広く運用されている航空搭載用ロケット弾『ハイドラ70』に誘導装置を取り付けた、超短距離空対空ミサイルというべき代物だ。

 

偵察・自爆ドローンが幅広く使われている2030年代、各国は安価な対ドローン兵器を求めており、本兵器はその需要に応えて開発された兵器であるのだ。

シーカーは赤外線イメージセンサーを用いる事で飛行中の発熱が少ないドローンでも捉える事が出来、弾体そのものも攻撃ヘリ向けに大量生産されていたハイドラ70ロケット弾にシーカーと軌道修正用の動翼ユニットを追加しただけなのでコストが低く、『FIM-92 スティンガー』よりも射程が長いという優れものである。

しかも発射に必要なランチャーは従来のハイドラ70用の各種ランチャーに若干の改造を施した物を用いる為、戦闘機や戦闘ヘリは勿論、武装汎用ヘリや練習機転用軽攻撃機、更には車両や艦艇にまで搭載出来る汎用性の高さを持つ。

 

そんな低コストミサイル(誘導ロケット弾)はフレア等の欺瞞に弱いという弱点こそあるが、大量のワイバーンを保有する異世界国家との武力衝突の際には有効に活躍出来ると判断され、陸海空自衛隊に追加配備されているのである。

 

「…ターゲットダウン(目標撃墜)、次の目標へ向かう」

 

近接信管によって目標の手前で炸裂した2発の誘導ロケットは無数の金属片を撒き散らし、ワイバーンを騎手ごとズタズタに引き裂いた。

それを一瞥し、ハシビロコウはHMDに表示された残弾数を確認する。

残り150…19連ポッドを8基搭載している為元々は152発だったが、先程2発発射した為だ。

しかし、それでも150発もある。

この誘導ロケットの利点は低コストの他に、この膨大な搭載量でもあるのだ。

150発もあれば、ハシビロコウ機だけでも敵ワイバーンを少なくとも半数を撃墜する事が出来るだろう。

 

「ハシビロコウ、フォックス5」

 

再び誘導ロケットを発射。

白煙の尾を引き、目標(ワイバーン)の目前で炸裂して撃墜する。

 

「ハシビロコウ、フォックス5 」

 

あとはそれの繰り返しだ。

ロウリア軍のワイバーンは火炎弾の射程外から、超音速で飛来する誘導ロケット弾になす術もなく、ハシビロコウ機を含めた12機のF-2Cによって瞬く間にその数を減らしていった。

 


 

「おーおー、スゴイ数だな。これが全部イージス艦だったら世界大戦でも勝てるだろうな」

 

「ははっ。でも実際は手漕ぎ船と帆船です。どう考えても、負けはしませんよ」

 

F-2C部隊が空対空戦闘を行なっている頃、18機のF/B-1は高度1000〜2000m付近を低速で飛行していた。

その内の1機に搭乗するカワウとカワゲラは眼下に広がる海に展開するロウリア艦隊を見下ろし、感嘆の声を零す。

4000もの艦隊は壮観であるが、全てが木造船となれば話は別だ。

 

「ロウリアの連中には悪いが、こっちもクワ・トイネやクイラが滅んだら困るんでな」

 

そう言って機長であるカワウが操縦桿のボタンに親指を乗せる。

 

「そうですねぇ…。転移直後はコーヒーの値段が爆上がりしましたし、転売ヤーまで湧いたんですよ。クワ・トイネ産コーヒーが無くなったら…ゾッとします」

 

カワゲラが自身の前に設置されたモニターを注視し、モニターの脇に生えたジョイスティックを軽く握る。

そうしてジョイスティックの天辺に付いているボタンを押してやれば、モニターに赤い光線と、光線を照射されるロウリア船が映し出された。

F/B-1に装備された目標指示ポッドによるものだ。

 

「目標指示完了。発射、いつでもどうぞ」

 

「よし、発射!」

 

F/B-1から2本の白煙が伸び、ロウリア船へと突き刺さると同時に炸裂する。

F/B-1にもF-2Cと同じ誘導ロケットが装備されているが、此方は対地・対水上モードに切り替えている為、目標指示ポッドを使用する事で精密攻撃が可能となっている。

 

「命中!目標轟沈…というより木っ端微塵になりましたね。2発同時発射はオーバーキルなのでは?」

 

「そうは思うが、交戦規定でそうなってるから仕方ないだろう」

 

自衛隊の交戦規定では誘導ロケットは2発発射し、命中率と打撃力を高める事となっているが、小さな木造船相手にはどう考えても威力過剰だ。

しかし、だからと言って現場判断で1発のみの発射にすると問題になる可能性がある為、今のところは交戦規定通りにするしかない。

だが、F/B-1は19連ポッドを18基も搭載しているため342発の誘導ロケットを発射可能だ。

それを踏まえれば正味171隻もの船艇を撃破可能であり、同様の装備をしたF/B-1があと19機も居るのだから十分な弾数である。

 

《カワウ機、前方に一回り大きな帆船が見えるか?》

 

「ウグイス、確認した」

 

《魔信傍受により、当該帆船が旗艦であると思われる。撃沈し、敵の指揮系統を破壊せよ》

 

「了解。…カワゲラ」

 

「目標指示完了。いつでもどうぞ」

 

高高度で戦場を俯瞰している指揮機のウグイス機からの指示を受け、カワゲラは先んじて一回り大きな帆船へ非視認性赤外線レーザーを照射する。

 

「流石、仕事が早い。ならば早速…発射ぁ!」

 

気の利く相棒の手際を見て満足そうに頷いたカワウは、早々に誘導ロケットを発射した。

白煙を引いて飛翔する誘導ロケットは寸分違わず一回り大きな帆船(ロウリア艦隊旗艦)の横っ腹に命中し、容易く海の藻屑へと変えてしまった。

 

その後、ワイバーン部隊の全滅と旗艦轟沈を受けてロウリア艦隊は敗走を始め、自衛隊は追撃する事なく漂流するロウリア兵の救助に着手した。




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魔王編の後、何を書くか(期限一週間)

  • 対パ皇戦編
  • 日本と接触した各国の変化編
  • 幻の中央歴1640年先進11ヵ国会議編
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