トチ狂った日本国召喚   作:北限の猿

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本作の日本、めちゃくちゃ強いですが、アメリカはもっと強いです


華麗なるマーリンコップ

かくして始まった在日米軍による新生アメリカ合衆国建国の為のグラメウス大陸調査・開拓作戦『オペレーション・フロンティアスピリット』は当たり前だが、米軍の快進撃が続いていた。

特に第31海兵遠征部隊の『装甲化歩兵(パワードスーツ兵)』による活躍は目覚ましく、極寒の荒野に潜む魔物をものともせずに前進を続けている。

 

《3時方向、ゴブリンが10体!援護しろ!》

 

《サーイエッサー!カールグスタフでぶっ飛ばしてやります!》

 

ドンッ!という轟音と共に砲弾とバックブラストが砲身から飛び出し、HEAT-MP(多目的対戦車榴弾)が小規模なゴブリンの群れの中心に着弾し、炸裂して撒き散らされた破片やワイヤーがゴブリン達をズタズタに引き裂いて物言わぬ肉片とした。

 

《うぉっ!?》

 

《軍曹!無事ですか!?》

 

《なんのこれしき!なんだオーク風情が!そんな打ち込み、ジジイのファックの方が気合い入っとるわ!》

 

岩場の影から飛び出して来たオークが棍棒を海兵の一人に打ち下ろすが、M1パワードスーツに装備されたバリスティックシールド(耐弾防楯)でいなされ、バランスを崩した所で無防備な背中に7.62mm弾を撃ち込まれ、濁った豚のような断末魔をあげて絶命した。

 

《伍長、今夜はポークビーンズだぞ!》

 

《お言葉ですが、軍曹のポークビーンズを食うならママのミートローフの方がまだマシですぜ!》

 

軽口を叩きつつも伍長はSCAR-Hを発砲し、仲間があっさりと屠られた事に動揺するオークを打ち倒した。

彼ら海兵隊パワードスーツ兵が装備するSCAR-Hは通常の物よりも機関部を強化してあり、肉厚の長銃身を装備し、使用弾薬は従来の『7.62×51mm NATO弾』よりも高いエネルギーと貫通力を持つ『7.62×72mm APマグナム弾』を使用している為、軽装甲車両程度ならば貫通出来る威力がある。

そんな対軽装甲目標(車両・パワードスーツ)用に開発された弾丸を防ぐ術なぞ、魔物には無い。

刃を物ともしない分厚い筋肉も、矢を跳ね除ける剛毛も意味を成さず、バタバタと薙ぎ倒されてゆく。

 

《海兵、こちら252・エア・セキュリティー。こちらのIRST(赤外線捜索追尾システム)にて前方30km程の地点で魔物らしき生命体の大規模な集団が確認された。数は…3000以上》

 

《キューバ空軍のPMCか。流石に3000は厳しい。そちらで対応出来るか?》

 

《もちろんだ。日本から新しい機材を買ったばかりでな、慣熟訓練にちょうどいい》

 

陣頭指揮を執るマクゲイルが空を見上げると、上空には1機の旅客機らしき機影が望遠カメラで確認出来た。

転移によって祖国へ帰還できなくなり、日本にてPMCとして活動しているキューバ空軍だ。

彼らは航空自衛隊に仮想敵役(アグレッサー)として雇われているが、その報酬で装備を徐々に更新しており、米海兵隊支援のために上空に展開している機影もその更新された装備の一つだ。

『E-3J』と名付けられたそれは用廃機となった『P-3C』の機体に『E-2C』のレーダーシステム、ロシア系の赤外線センサーを装備した物であり、対空・対地目標の早期発見・追尾・迎撃管制を目的とした簡易AWACS(早期警戒管制機)である。

因みに簡易的とは言ってもこの世界においては別格(チート)な性能をしていながらも日本からして見れば大した性能ではない為、こうしてPMCに売却したり、他国への輸出も考えられている。

 

《来たぞ!キューバの戦闘機だ!》

 

海兵の一人が南方を指差して歓声を上げる。

飛来したのは日本で徹底的に改修されたMig-21、通称『サムライミグ』と航空自衛隊にてT-5練習機として採用されているYak-130の輸出型『FAT-5』だ。

T-5をベースに単座化、主翼の大型化、エンジン強化、アビオニクス更新、背面コンフォーマルタンク装備、20mmリボルバーカノン装備、空母への離着艦能力付与といった手直しを施された本機は練習機らしい素直な操縦特性を持ちながらも対空・対地・対艦各種兵装を最大で4.5トンを搭載可能な亜音速戦闘攻撃機として生まれ変わったのである。

なお本機は既にクワ・トイネ公国とクイラ王国に輸出されており、最近では海上交通の要所であるフィルアデス大陸南部の『アルタラス王国』や、主要貿易国になるであろうムーへの輸出が検討されている。

 

《滑空爆弾、投下!》

 

FAT-5が主翼下に懸下された滑空爆弾を投下する。

滑空爆弾は翼を展開するとサムライミグが照射するレーザーによって誘導され、30km先で蠢く魔物の群れへ一直線に飛んで行った。

 

《……命中!魔物の群れは90%以上が破壊された模様!》

 

当然ならがら迎撃される事もなく魔物の群れの上空まで到達した滑空爆弾は炸裂し、数千個のタングステン弾を撒き散らして魔物達を文字通り蜂の巣にした。

その中には"伝説の魔物"と呼ばれる『ブルーオーガ』が居たのだが、重金属の豪雨に晒されて生き残れる筈もなく、なす術もなく物言わぬ死骸と成り果てたのである。

 

《海兵、排除完了だ。空は我々が見張るから、諸君らは気兼ねなく突き進んでくれ》

 

《252、感謝する!よーし、野郎共!日本が教えてくれた入植可能な地域までもう少しだ!今日中には辿り着き、明日には調査を始められるようにするぞ!》

 

新たなアメリカを作る。

それを合言葉に、海兵隊は突き進む。

 


 

「ブルーオーガがやられた…?」

 

「はっ、魔王ノスグーラ様」

 

グラメウス大陸の内陸部、魔物の巣となっている洞窟が幾つもある岩山の頂上に座する『魔王ノスグーラ』が側近である『マラストラス』からの報告を受け、片眉をピクリと動かした。

 

「人間共が世界の扉を越えた事に対する懲罰だったのだが…ブルーオーガがやられるとは予想外だ」

 

「ブルーオーガは3000のオークを率いて居ましたが、人間共の攻撃により瞬く間に殲滅されたようです。もしや、あの時の…『太陽神の使い』が再び現れたやもしれませぬ」

 

「太陽神の使い…忌まわしき連中が現れたのなら、ブルーオーガの部隊がやられたのも理解出来る。ならば我が出るのが良いだろう。一万数千年…連中を葬り去るためにあらゆる手段を模索した。同じ轍は踏まぬ」

 

「御出陣なさるのですね?」

 

「そうだ。マラストラスよ、来い。愚かにも我が領域に踏み込んだ猿共(人間)を喰らい尽くしてやるわ」

 

立ち上がり、雄叫びを上げる魔王。

それに呼応するように洞窟から次々と魔物が姿を現し、南へ歩みを進める魔王の後を追う。

その数、5万…空前絶後の魔物の軍勢が人間世界への進軍を開始した。




感想、評価お待ちしてます

魔王編の後、何を書くか(期限一週間)

  • 対パ皇戦編
  • 日本と接触した各国の変化編
  • 幻の中央歴1640年先進11ヵ国会議編
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