トチ狂った日本国召喚   作:北限の猿

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前回頂いた感想で、日本以外の国なんて誰も求めてない、と頂いたのですが、本当ですか?
私としては原作には出ない在日米軍や、本作の史実とは違った道を歩んだ日本の外交状況を描写する為に在日の地球国家人を色々と描写する予定なのですが、読者の皆様がそう思われるのであれば本作の存在意義は無くなるので、作品を消去するより他ありません。
日本以外の〜、という感想を下さった方はどうやら読者様方の代表者であられるようですが、皆様は如何ですか?
日本以外の国が出る事はご不満でしょうか?


ピザパーティーは狩りの後で

「この辺りは随分と暖かいですね」

 

「はい、おそらくは南からの暖流のお陰でしょう。冬でも気温は氷点下を下回らないという事は、春になれば20度を超えるでしょうね」

 

「やはり魔物が蔓延る大陸だから手付かずだっただけで、人が住める場所は探せばあるものなんだな」

 

グラメウス大陸の東海岸、山脈により南北西を囲まれた平地は極寒だと思われていた大陸には似つかわしくない気候であり、荒れてはいるが開拓すれば人々が住まうのに支障は無いだろう。

 

「マクゲイル大佐!」

 

「ん?君は確か…」

 

「はい、航空自衛隊宇宙戦隊の月出 正信(つきで まさのぶ)一尉です」

 

マクゲイルに声をかけてきたのは、今回の作戦で米海兵隊の支援を行っている自衛隊の数ある部隊の一つ、宇宙空間における衛星運用を行う宇宙戦隊に所属する月出一尉であった。

 

「そうだったそうだった。確か日本の軍事偵察衛星を運用しているんだったかな?」

 

「はい、先程我が国の複合軍事偵察衛星『しんがん(心眼)』にて大陸北部に広域スキャンを行いました。こちらが埋蔵資源の推定値です」

 

そう言って月出はマクゲイルへ紙に印刷した資料を手渡した。

 

「鉄鉱石や銅鉱石、その他金属資源に…おっ、石油に天然ガスまで!近代国家に必要な物が一通り揃ってるじゃないか」

 

「とは言っても地中探査レーダーによるものなので細かい事は分かりません。ですが、少なくとも元々のアメリカに匹敵するような国家を作り、数百年に渡って運営出来るだけの埋蔵量がある事は間違いないでしょう」

 

今回の作戦にあたって日本はロシアからヘッドハンティングしたロケット技術者から得られた技術を用いて開発したペイロード130トン級の衛星打ち上げロケット『H-4B』を用いてグラメウス大陸上空の静止衛星軌道上に複合軍事偵察衛星『しんがん』3基を投入していた。

この『しんがん』は地上に置いた新聞を読める程の分解能を持ち、合成開口レーダー、赤外線探知機はもちろん、レーザー照射により振動を検知して音を探知したり誘導兵器を誘導したり、挙句の果てには複数の周波数の電波を間断なく切り替えて照射する事で地下の様子も探知出来る世界最高峰の性能を持つ衛星なのだ。

因みにオマケのように通信中継やGPS機能も搭載されている為、遠く離れたグラメウス大陸でも日本との交信や精密なマッピングが可能となっている。

 

「流石は日本の衛星だ。しかもこの作戦が終わったらそのまま我々(アメリカ)に譲渡するとは…感謝してもしきれん」

 

「いえいえ、アメリカは開国した時から我が国の友人…先の大戦(太平洋戦争)では不幸な行き違いで敵味方に分かれる事となりましたが、戦後は社会主義者達(東側諸国)による分割統治を事前に阻止し、日本の国体を守ってくれた恩があります。政府としても、その恩を返す時が来たと認識しているのでしょう」

 

「だが我々は君達の頭上に爆弾を落としたぞ?」

 

「無差別爆撃ではなく、軍事施設や軍需工場に限った爆撃だったではありませんか。核…原爆投下にしても、結果論ですが瀬戸内海と有明海に落ちて人的被害は殆どありませんでしたし」

 

「…日本人は本音と建前の使い分けが上手いな。だが、支援してくれるのならありがたく頂こう。しかし…これはやりすぎじゃないか?」

 

月出との歴史談義を切り上げたマクゲイルは、海岸線に次々と到着するUS-5戦略輸送飛行艇(超大型飛行艇)LCAC(ホバークラフト揚陸艇)から降ろされる各種戦闘車両や建築重機をある種の呆れを滲ませながら告げた。

 

「ウクライナ戦争以後、政府は旧式装備でも在庫(・・)として保有しておく事を重視し始めましたからね。流石に74式戦車は古すぎますが、90式戦車に89式歩兵戦闘車、その他トラックや施設科の重機類…少なくともこの入植可能地域を防衛しながらインフラ整備を行う事が出来るでしょう」

 

我々(海兵隊)は戦車をあまり持たないからな。古くても日本製戦車なら喜んで使うさ。ところで…あれは?」

 

感謝を述べつつマクゲイルが指差したのは、海上輸送コンテナやレーダー、戦車の砲塔等を搭載したトラックの一団であった。

 

「あれは『先進対砲迫迎撃システム』と言いまして、部隊内では『和製アイアンドーム』や『マイクロイージス』と呼ばれています」

 

「マイクロイージス!噂には聞いていたが、あれも譲ってくれるのか!?」

 

「政府としてはアメリカへの協力を惜しまない、という意思の表れでしょう」

 

『先進対砲迫迎撃システム』、これはPKO(平和維持活動)等で紛争地帯に展開する部隊・難民居住区を守る為に開発されたものであり、武装勢力からの砲撃及びドローン攻撃を早期に探知・迎撃・反撃する事が出来る。

自衛隊で広く用いられている『73式大型トラック』及び『19式装輪自走155mmりゅう弾砲』の車体である『18式汎用装輪車』をベースに、AIによる指揮補助機能を搭載した指揮車、フェーズドアレイレーダーを搭載したレーダー車、小型モジュール炉を搭載した電源車、40mmレールガンを搭載した迎撃車、155mm榴弾砲あるいは対地ミサイルを搭載した反撃車で構成されており、飛来する砲弾、ロケット弾、ドローン…場合によっては戦闘機やミサイルすら迎撃可能な性能を持つ対空システムなのだ。

それを日本政府は在日米軍に対し4セット供与し、うち1セットを今回の作戦に派遣したのである。

 

「これがあれば空の守りは完璧だな。まあ、魔物が大砲を使うとは思えんが」

 

「トーパ王国からの情報によりますと、数は少ないものの魔物の中にも飛行能力を持つ者がいるそうです。常に252(キューバ空軍)を上空に展開する訳にもいきませんし、何より電源車の余剰電力で機器の充電も出来ますよ」

 

「それはありがたい。電気オーブンを動かしてピザを焼きたかったんだ」

 

「アメリカ人ってやっぱりピザが…ん?」

 

「Mr.月出、どうした?」

 

「マクゲイル大佐、こちらを」

 

深刻な表情を浮かべ、タブレット端末をマクゲイルに見せる月出。

端末の画面には『しんがん』から撮影された地上の様子が映し出されていたのだが…

 

「この地より西側の内陸部に多数の熱源反応があります。数は…凡そ5万。おそらくは魔物の群れです」

 

「なるほど…縄張りに入り込んだ我々を排除するつもりか…よしっ、ピザは一先ずお預けだ。諸君、人喰い(魔物)共を殲滅するぞ!」

 

「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」」」」

 

海兵達の雄叫びが地を揺らし、一気に動きが慌ただしくなる。

北の地で、魔物と異世界人による"戦争"が始まろうとしていた。




感想、評価お待ちしてます

魔王編の後、何を書くか(期限一週間)

  • 対パ皇戦編
  • 日本と接触した各国の変化編
  • 幻の中央歴1640年先進11ヵ国会議編
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