トチ狂った日本国召喚 作:北限の猿
それとも批判されるのが怖いから、他人の作品を改変させようとしているのですか?
正直、可哀想です
《グハハハハハハ!無駄無駄無駄ァ!貴様ら下種の攻撃なぞ痛くも痒くもないわ!》
海兵隊キャンプに向かってゆっくりと、しかしながら巨大な歩幅によって急速に向かってくるカイザーゴーレムに向かって放たれる数多の砲弾であるが、どれも効いていない。
正確にはカイザーゴーレムを構成する土砂や岩石はバラバラと崩れ落ちてはいるが、崩れたそばから周囲の土壌を吸い上げて再生している。
《砲兵、離れろ!何をしてくるか分からんぞ!》
《りょ、りょうか…うわっ!》
予想外の事態に動揺しながらも、マクゲイルは砲兵隊に撤退を命じる。
しかしそれは一歩間に合わず、『M777 155mm榴弾砲』の陣地に野球ボール程の岩石が無数に降り注いだ。
《ほう…なにやら妙な鎧を着けているな。生意気な》
幸いにも砲兵はパワードスーツを着用していたため死者は出ていない。
しかし、それでも人力よりも遥かに強い力で…それこそ岩石が割れる程の力で衝突したのだから、痛みに悶えるか衝撃で失神しているかである。
《戦車隊!頼んだぞ!》
《初戦が怪獣退治とは!怪獣退治は自衛隊の仕事でしょうに!》
砲塔正面に星条旗を描いた10式戦車が前進し、カイザーゴーレムの足元へ多目的榴弾を叩き込む。
だが、それでもびくともしない。
それどころかカイザーゴーレムが脚を振り上げ、力強く地面を踏み抜いた衝撃によって50トン近い10式戦車がまるで普通車のように横転してしまった。
《くっ…マイクロイージス…電源車を下がらせろ!いくら安全とは言え、万が一がある!》
マイクロイージスの電源車は以前に述べた通り、小型の原子炉を搭載している。
この原子炉は被弾する事も考慮して頑丈な装甲に包まれており、なおかつ万が一破損しても安全に核分裂反応を停止出来るような構造となってはいるが、それでも圧倒的な質量で踏み潰される事は想定していない。
それを危惧したマクゲイルは電源車を下がらせる事を命じた。
「マクゲイル大佐!あの巨大人型物体ですが、胸部に熱源があります!おそらくはあそこが弱点です!」
《ありがとう、Mr.月出!しかし、ここは危険だ!電源車に便乗して撤退してくれ!》
「分かりました。大佐、ご武運を!」
敬礼し、電源車に向かって走ってゆく月出を見送ったマクゲイルは、カイザーゴーレムの胸部を睨みつけると、生き残った戦車隊へと指示を飛ばした。
《戦車隊、奴の胸を狙え!心臓を潰してやるんだ!》
その指示を受けた10式戦車が最大仰角にて主砲を発射する。
次は心臓部を貫く為のAPFSDSだ。
現代主力戦車を正面から貫通可能な貫徹力ならば、土砂や岩石の装甲なぞ無意味なのだが…
《グハハハハハハ!狙いは良いが、このカイザーゴーレムの
なんとノスグーラはカイザーゴーレムを作り上げた時、周囲に散乱・埋没していたタングステン弾を胸部に集中させていたのだ。
これにより図らずも複合装甲に似た構造が出来上がり、APFSDSの弾体は侵徹の途中でタングステン弾によって様々な方向から応力を加えられ、コアに到達する前に破断されてしまったのだ。
《まさかタングステン弾を利用したのか…!?》
パワードスーツのマスクの下で驚愕に染まるマクゲイルの顔…いや、カイザーゴーレムに立ち向かう者全員が魔王の恐ろしさを目の当たりにして呆然とした。
《グハハハハハハ!所詮『太陽神の使い』共もこの程度!偉大なる魔帝様の最高傑作たる我の足元にも及ばぬわ!》
脚を振り上げ、勢いよく振り下ろして地を揺らすカイザーゴーレム。
その度に凄まじい地震と風圧、衝撃波が発生し、海兵隊キャンプに設営されていたテントや物資集積所、各種車両がなぎ倒されて行く。
《くっ…まさかこんな怪獣が居るとは…!総員、撤退だ!装備は放棄!命を最優先としろ!》
このままでは全滅してしまう。
一瞬、キューバ空軍や米海軍の戦闘機からバンカーバスターを落としてもらう事も考えたが、彼我の位置が近すぎるため巻き添えを食らう可能性がある。
こうなっては、一旦撤退して体勢を整えるより他無い。
《た、大佐…》
《その声は…この戦車か!?》
撤退の陣頭指揮を執るべく海岸へ向かおうとしたマクゲイルであったが、横倒しとなった10式戦車から通信が入った。
《大佐…申し訳ありません…。ひっくり返った弾みで車体が歪んだのか、どのハッチも開かないんです…》
《なんだと!?ふっ…ぬぅぅぅぅぅぅ!》
最も開けやすい砲塔上面のハッチを開こうとするが、びくともしない。
何か工具でもあれば良いが、あいにくこの混乱では見つけるのもやっとだろう。
《グハハハハハハ!『鉄の地竜』もひっくり返っては手も足も出まい。どれ、せめてもの慈悲だ…一思いに踏み潰してやろうぞ!》
カイザーゴーレムの巨大な足がゆっくりと上がり、マクゲイルと戦車へと下ろされて行く。
一思いにとは言ったが、その緩慢な動きは明らかに最期の瞬間まで彼らへ恐怖を与えようとしているものである。
《大佐、逃げて下さい…!》
《馬鹿な事を言うな!海兵隊はっ!仲間をっ!見捨てないっ!》
ハッチを何度も蹴り、どうにかこじ開けようとするマクゲイル。
しかし、無情にもカイザーゴーレムの足は迫り…
《むっ?》
踏み潰される寸前、カイザーゴーレムの動きが止まった。
《こ…この音は…!?》
カイザーゴーレムを操るノスグーラが恐怖の感情が混ざった驚愕の声を上げる。
ノスグーラが、その場に居た全員が聴いたのは夜明けの空に高らかに鳴り響く
《あ、あれは…!!》
カイザーゴーレムの目が海の方を向く。
マクゲイルもそれにつられて海の方に目を向けた瞬間だった。
《待たせたね、マクゲイル坊や。私も
しゃがれた女性の声が通信機から聴こえると同時に、"それ"は登り始めた朝日を背に現れた。
《来てくれたのか…》
高く聳えた艦橋に、無数の副砲と機銃。
ミサイルによる遠距離攻撃と対レーダーステルスを重視した現代艦とは似ても似つかない、巨大な砲とゴテゴテとしたスタイルの巨艦…それは100年近く前に大海を支配した
《ケイト少将…『
幼き頃にハワイで見た雄々しい姿を再び、しかも頼もしい援軍として見る事が出来たマクゲイルは、涙を流しながらもその光景を網膜に焼き付けていた。
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魔王編の後、何を書くか(期限一週間)
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対パ皇戦編
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日本と接触した各国の変化編
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幻の中央歴1640年先進11ヵ国会議編