ソードアート・オンライン〜白鷺の剣聖と剛腕の戦鬼〜 作:yoru07#青薔薇
「終わったな...」
「疲れたー!」
俺とヒロキはその場に倒れる
「2人ともお疲れ様」
「ありがとね!」
俺は不意に時間を見る
「あ!5層攻略に行かなきゃ!まだ間に合う」
「俺はパスしたいーー」
ヒロキは寝っ転がりながら言う
「まあ、俺らの疲労もあるからな...すこしは回復したい。ミト!」
「何?」
「ミトだけでも先に行かないか?」
「それがいいよ!私達はあとから追いかけるから、アスナさんのところに行ってあげてください!」
「でも...」
俺は戸惑うミトの手を掴む
「アスナを助けるんだろ?行ってこいよ!」
ミトを見つめる
「わかったわ...気をつけてきてね」
「ミトもな」
ミトは近くのワープポイントに入った
「行ったか...俺らは休憩しながら、クエストの報酬を受け取ろう」
「そうしたらすぐに迷宮区タワーに向かいましょう」
「おけ!でもまた剛腕使うのかー慣れるまで疲れんだよね」
「慣れるししかないな」
ミトは走っていた。街を抜け、フィールドのモンスターを横切りながら迷宮区に向かった。
「ここね...」
中心には石でできた迷宮区タワー、その周りには朽ちた遺跡が囲むように立っていた
「アスナ...待ってて」
ミトはすぐに迷宮区に入る
どんどん奥に進む
「はあっ!」
ミトは前に出現した石のゴーレムの胴体と肩、首にSSを当てる
そのままミトは再度SSとを放ち下から上に斬り上げる
ゴーレムのHPは0になり崩れ落ちる
「アスナ!」
ミトは最深部に行き着く
「はあはあ、何ここ...ベータと違う...」
ベータならここに扉があった
ミトは奥に進むと階段を見つけ、そのまま登る
「暗いわね...この先は行き止まり?」
階段の先は真っ暗で、出口は見えない
それでも進んだ、置くまで行き上を見ると少し隙間があり、そこから足が出ていた
「足?」
その瞬間、何かが砕き散る音がした
「アスナ!」
キリトがその名前を叫んだのが聞こえた
ミトは考えよりも先に体が動いていた
その場から飛び上がりその隙間に体をねじ込む
「くっ..」
そして、這い上がり体を上に出す
「ミト....!」
「アスナ...」
「ミト!」
キリトはミトの登場に驚く
「キー坊!速く弱点を見つけないとアーちゃんが持たないヨ!」
アルゴがキリトに言う
「みんな!ラインを踏んでくれ!どこかに弱点のマークがあるはずだ!」
それを聞き一斉に全員が下で青く光るラインを踏む
すると上から足が2本、下から腕が2本出てくる
だがそのどこにも紋章がない
「だめだ!どこにもねえ!」
エギルは焦りながらも必死に探す
「探せ!どこかに必ずあるはずだ!」
キリト達はうまく攻撃を躱しながら紋章を探す
「アスナ...私ね、ずっと後悔していたのあの時見捨ててしまったことに...」
ミトはアスナの方を向き言う
「だから、今度こそ私はアスナを守る!絶対に死なせない!」
その瞬間リーテンが叫ぶ
「キリトさん!あそこ!」
ディアベル率いる攻略組の一員で、メイス使いの女性だ
リーテンが指を指した先には赤く光る紋章のようなものがあった
だが、気づくのが遅くなったのか紋章のある足は上に戻り始めていた
「クソ!」
キリトは足に向かって走り出しSSを放とうとするが距離が明らかに足りない
その時
後ろからアルゴが走ってくる
「キー坊肩借りるヨ!」
アルゴはキリトの肩を使い高く飛び上がる
「とどけえぇぇぇ!」SS1
アルゴの放ったSSが足にある紋章を切り裂く
それと同時にミトとアスナを挟み込んでいた口が開き地面へと消えていく
地面に足をつける2人
アスナは壊れた防具を新しいものに付け替え、ポーションを飲む
ミトもポーションを飲みHPを回復させる
「アスナ...まだ戦えるでしょ?」
ミトはそう言いヘルマニビスを前に出す
アスナは気づいたようにヘルマニビスにレイピアを軽く当てる
「ええ」
ミトはキリトの方を見る
「キリト!ボスの情報は?」
「お、おう!まず下の青く光るラインを踏むと、上から足、下から腕が2本ずつランダムで出てくる。足は地面に着くと衝撃波を放って触れるとスタン状態になる。腕は捕まると強く締め付けられて、徐々に装備の耐久を減らされれる。外側からある程度ダメージを与えるとゆるくなる。弱点はベータと同じ赤い紋章、でも今回は体中を動く、適時連絡を頼む」
キリトがミトに情報を詳しく話す
「了解!」
「よし!行くぞ!」
「了解!」
全員が動く、他の人との距離や状況を見ながら線を踏み弱点を探す
「あった!」
アスナは上に上がり始める足を指差す
「私が行くわ!」
ミトは走り出す
エギル「だめだ!間に合わない!」
すでに足は半分以上、上がっていた
「はあっ!」
ミトはヘルマニビスを左右に引っ張り鎖を出す。そのままミトは鎌の後ろを投げる
ミトの鎖はまっすぐ紋章に近づく、だが紋章が移動を始めた
「外れる!」
だが、鎖は移動する紋章を追うように動き直撃させる
エギル「自動追尾だと!」
ミトは鎖を引っ張り掴む
「みんな!弱点を見つけて、私が…叩く!」
ミトは全員に聞こえるように言う
「わかった!」
全員がミト主体で動き始めた
弱点を見つけたらミトに報告し、ミトが弱点を攻撃する
だが、ボス攻略はそう簡単に行かないものである
「アルゴ!」
キリトがアルゴに向かい叫ぶ
アルゴはボスの足の攻撃によりスタンをくらってしまう。
そして、スタンをしたアルゴの指に青いラインが近づき触れる
「くっ!」
天井から足が出現し落ちてくる
「しまっ!」
ミトが走ろうにも間に合わない。アルゴはステータスを速度に全振りしている、防御力はこの中で一番低い、くらえばひとたまりもない
誰一人としてアルゴの近くに居ない最悪な状況での出来事
アスナ「ダメ!」
アスナが叫ぶがどうしようもない
「神里流・神速」
直後、ボスの足がアルゴを踏む
「くううっ!あっぶねえ!」
なんとかアルゴを抱え俺は転がりながら体勢を整える
その足に後ろから来た弘輝とユキが攻撃を仕掛ける
「竜華」SS2
「はあっ!」SS2
ヒロキは上から大剣を振り、再度下から振り上げる
ユキはバツ印に斬る
「コウキ!ヒロキ!」
「ユキちゃん!」
だが、体勢を立て直した時、俺の足に青いラインが触れる
「なんだ....?」
その時ミトが叫ぶ
「コウキ!避けて!」
「くっ!」
俺はアルゴを抱えたまま後ろに飛ぶ
するとさっき居たところに手が出てきて掴みの攻撃をした
「ミト、サンキュ」
そう言いながらアルゴを下ろす
「アルゴ、大丈夫か?」
「ああ、ありがとネ、助かったヨ」
「おう!」
「来てくれたのか3人共!」
キリトとアスナが近づいてくる
「なんとかな...間に合ってよかった」
「ナイスタイミングね。じゃあ、早速ボスの説明をするね」
ミトはキリトに伝えられたことを俺たちに話す
「なるほどな」
「じゃあ、紋章を探して、ミトに教えればいいのね」
ユキはそう言い武器を構える
「そう」
「じゃあ、行きましょうか!」
「神里流・流水」
流れるような攻撃が4回ボスの足に当たる
反対側では
「鷹の爪・竜華」SS2+4
ヒロキは2回手に攻撃し同時に4回の斬撃が走る
「なに?あの斬撃」
「コウキもなんかすごくなってるな」
キリトもコウキの動きに興味を示す
3人の登場に士気が一気に上る
「このまま押し切るわよ!」
「おう!」
ボスのHPがレッドゾーンに入る
「なにか、確実に来るぞ!」
キリトの促しにより全員が警戒状態になる
その瞬間天井の中心から顔が出てくる
「あれはベータ時...」
だんだん顔から下が現れていく
首、肩、腕、どんどん体が出てくる
その時キリトが叫ぶ
「落ちてくるぞ!回避!」
「まじか!」
全員はキリトの声を聞き中心から離れる
と、同時にボスは上空から落ちてくる
地面につくと巨大な地響きとともに周りが揺れる
「くっ!」
「来るぞ!左のパンチ!アルゴ確認頼む!」
「わかった!」
アルゴは素早く右に走り、上り坂になっているボス部屋の壁を走って登る
巨大なゴーレムは大きく振りかぶりパンチを放つ
「エギルさん!きますよ!」
「おう!」
2人はSSをボスの腕に放ち軌道をずらす
それと同時にアルゴは飛び上がりボスの額にある紋章を攻撃しようとする
「ここだあ!」
だが、ボスの眼が赤く光る
「(まずい!)」
この攻撃をベータテストで見たことがあった。レーザービームみたいなやつが出てくる
「神里流・雷突」
俺は飛び上がりボスの胸のど真ん中に刀を突き刺す
「くっ!」
この攻撃によりビームの軌道がずれ、アルゴの横を通過する
「はあっ!!」
アルゴのSSが紋章を斬る、そしてそのまま頭に乗り再度飛び上がると地面に降りる
「ナイスだ、アルゴ!」
俺は空中にいる途中でアルゴに声をかける
「コウキ!前!」
俺はヒロキの声を聞き前を見る
そのこにはもうすでに右腕を引き、構えるボスがいた
普通なら攻撃したプレイヤーを攻撃するのが普通だ、だがボスは明確に俺のことを見ていた
ボスの攻撃が俺を直撃し後ろに吹き飛ばす
「がっ!」
俺は勢いよく飛ばされ壁に激突する
「コウキ!」
ミトはコウキの方を見る
「ミト、昂樹は大丈夫だ!次来るぞ!」
「さっきので確認できたヨ、もう紋章は動かなかった」
「そうか。わかった」
「かはっ...」
壁に激突した瞬間、身につけている〈コート・オブ・スノウブリザード〉が砕け散る
「(くそ...綾華との戦いで耐久値が減ってたか...今までありがとな)」
俺は立ち上がりウィンドウを開くと黒い予備のコートを取り出す
すると、リーテンたちがガード下と同時にヒロキが飛び出すのを見て俺も飛び出す
「攻めるぞ!ラストアタック!」
その頃キリト達はラストアタックを決めようとしていた
キリトの声にミトとアスナが続く
「了解!」
3人はボスの周りを動き確実に決められるときを待つ
その動きにボスが左腕を引き攻撃を繰り出す
「防ぎます!」
「おう!」
2人がキリトの前に出る
「はああああっ!」
2人の盾にボスの殴りがぶつかる
凄まじい音と火花が散る
「右が来るぞ!」
エギルが叫ぶ
リーテンとシヴァタはガードのため動けない
「クソッ....俺らで防ぐしかない!」
キリトが前に出ようとする
「いいえ、まだよ!」
それをミトが止める
その瞬間、俺とヒロキが前に出る
「はあっ!」重化
大剣を地面に刺す
「氷岩!」
俺も刀を前に出し防ぐ
「かああああ!」
押される俺たちだがなんとか抑えきる
「行け!」
「頼むぞ!」
俺とヒロキは3人に意思を託す
「任せて!」
3人は俺たちが防いだ腕を登る
だが、途中で腕が動き出しミトが腕から落ちる
「ミト!」
「平気よ!」
ミトはヘルマニビスの鎖を出し大鎌の方を反対の腕に刺し、腕に乗る
「先に私が攻撃する、2人はラスト頼むわよ!」
「わかった!」
ミトは飛び上がり鎖を投げる
その鎖はボスの紋章に吸い込まれるように飛び、激突する
ボスが体勢を崩す
「アスナ行くぞ!」
「うん!」
2人が飛び上がる
「はああああっ!」
ほぼ同時にSSが紋章を切り裂く
ボスのHPが0になり、ボスの姿が消滅する
その瞬間ボス部屋の色が変わり入り口に戻る
「っしゃあ!」
俺の声と同時に目の前にドロップアイテムが出てくる
「ナイス!!」
ヒロキはキリトとハイタッチをする
「おう...で、誰かギルドフラッグを手に入れた人はいるか?」
キリトは皆を見る。だが、全員が首を振る
「そうか...」
「落ちなかったのかしら」
「ギルドフラッグってこれのことかしら」
ミトが手を前に出すと白い旗が出てくる
「ミトが持ってたのか!」
ミトは前に出てキリトにギルドフラッグを渡す
「私達にはいらないから...渡しておくわ」
「感謝するよ」
キリトはミトからギルドフラッグを受け取る
「気にしないで」
その時、たくさんの足音が近づいてくる
「きたか」
そこには攻略組リーダーのディアベル、副リーダ、キバオウ、リンドの姿があった
「間に合わなかったか...すまない任せっきりになってしまって」
ディアベルは力になれなかったことを悔しそうに言う
「いいや、ディアベルたちには年越しパーティーの方に力を入れたほうが良かったからな。気にしないでくれ」
キリトはディアベルにギルドフラッグを受け渡す
「これを使って攻略をより進めていこう」
「ああ、ありがとう!」
ディアベル達は準備を済ませるため帰っていく
「コウキたちもきていたんかいな、すまんな厄介事に巻き込んでしまって」
「いいさいいさ」
「お礼と言ってはだが、今回の年越しパーティーの特等席を用意させてもらうで!もちろん今回の攻略に携わった人全員や」
「俺らももらえるのか?」
「もちろんや!」
そしてキバオウに続きその場の全員が迷宮区をあとにする
コウキ達は年越しパーティーが開催される街に来ていた
しかも特等席で
「この肉美味しいな!」
俺は近くにおいてある肉を取る
「いや、こっちも美味しい!」
2人は肉にがっついていた
「ほんとに...男子は」
それをミトは呆れながらも、微笑みながら見ていた。ミトの腕には白色のコートがかかっていた
「ねえミト?」
すると後ろからユキが話しかけてくる
「どうしたの?」
「そのコートあげないの?」
ユキはコートを見ながらミトにそう問いかける
「今は楽しそうだし後で良いかな...」
ミトは少し寂しそうに言った
それをみたユキはコウキに声をかける
「コウキ!ミトが呼んでるよ!」
「ちょっと...ユキ!」
ミトは小さくユキに言うがもうすでにコウキはこっちに向かってきていた
「ごめん、興奮しすぎて聞こえなかった」
「いいわ。それでなんだけど...これ着てみて」
ミトはコウキに手に持っていた白いコートを渡す
「これって...ミトが作ったのか?」
「うん。初めてだから変かもしれないけど、どうかな?」
「いや、最高だよ!名前は」
俺はウィンドウを操作し名前を確認する
「えっと〈pale rose〉意味は、蒼白の薔薇?カッコよ!」
俺は黒いコートを外し、ミトから受け取ったコートを着る
「おーーやっぱコウキは白と蒼だよなー」
「5層のあの時の昂樹をイメージして作ってみたの」
「あのときか...たしかに。ミト、ありがと!」
俺はミトの手を優しく握り微笑む
「いいの...気にしないで。ほら、料理が冷めちゃうわよ!」
「そうだった!行くぞヒロキ」
2人はまた料理の置いてある机に行った
「ミト?もしかして彼のこと好きなの?」
その疑問にミトは激しく動揺する
「っ!それは。わ、わからないわよ。どうして分かるの?」
ミトは顔を赤くしながらもユキに疑問を返す
「だって....あのコートの名前をつけたのはミトでしょ?」
「うん...」
「どうやって名前を自由に変えたのかはわからないけど、蒼白の薔薇、花言葉はないけど、分けて考えると意味は...」
その言葉をミトは遮る
「ストップ!これ以上はダメ!」
「ふふっ、でも好きってことは否定はしないんですね」
ユキはニコニコしながらミトを見る
「ユ〜キ〜、あんまり人をからかわないの!」
ミトはユキを捕まえようとする
「あーミトが怒ったーー!」
それを近くで見るキリトとアスナ
「ミト、元気そうで良かった」
アスナは安心したように言う
「行かなくて良いのか?」
「うん...ミトにはもう大切な人が居るみたいだから」
その瞬間時刻は0時ジャスト、1月1日になった
近くで花火が上がる
「綺麗...」
花火を見るミトの目には色鮮やかな花火が花が咲いていた
これにて5層攻略は終わりです。本来は13層の予定でしたが、ついに書く時間がなくなりかけているので、75層クライマックスから再開します。申し訳ない!