ソードアート・オンライン〜白鷺の剣聖と剛腕の戦鬼〜 作:yoru07#青薔薇
あの塔を飛び立ってからだいぶ時間がかかった。コウキたちは翅を休めるギリギリまで飛び、森の中に降りる
「まだまだ長いな....」
キリトはそう言いながら身体を伸ばす
「でもここからは徒歩ね」
「え、どうして?」
するとリーファは目の前にある巨大な山を指差す
「あれをみて、あの山を超えるのは無理なの。飛行の最高高度よりも山が高くて、今目の前にある洞窟に入らないとなの。だからここでロテーアウトしましょ」
「ローテアウト?」
3人は聞き慣れない言葉に首をかしげ聞き返す
「ここは中立地帯なの。だから即落ちできない。だから交代交代でログアウト休憩するってこと」
「なるほどね。なら俺とキリトが残るよ。2人は先に休憩しちゃって」
「わかったわ」
「了解!」
そう言いリーファとミトはログアウトする
コウキは2人のログアウトを確認するとキリトに話しかける
「なあ、キリト。ん、これ」
そう言いコウキはスイルベーンの雑貨屋で買った茎パイプを手渡す
「お、何だこれ」
「スイルベーン特産のやつみたい。咥えてみようぜ」
「ああ」
2人は茎パイプを口に入れる
「これ割と美味いな」
「それな!」
そう言いながら2人は遠くにある山を見る
「なあコウキ。今は発作大丈夫なのか?」
「なんだよ急に」
「なんとなく聞いてみたくなった」
「そうだな。大丈夫って言ったら嘘になるな。俺は人を6人も殺してるんだぜ?SAOも含めて」
「そんなこと....」
「そんな事ある。でも俺は向き合うことを決めたから」
コウキは空を見上げながら言葉を吐き出す
「俺はミトに。ヒロキに。そしてキリトにきっかけをもらった。だから今もまだ俺は過去の自分と向き合うべき時間だと思ってる。だから気にすんな。俺はもうあのときの俺じゃない。みんなの守って、導く剣になりたいと思ってる」
「そうか...これは余計な心配だったな」
「いいや。お前の言葉聞いてぐっと心が締まったよ。でも心配事はあるな」
「心配事?」
「そう、俺と同じ、いやそれよりも重い症状をもつ女の子が知り合いにいるんだけどなSAOに入る前から会えてないんだ。連絡先も交換できなくて」
「その子が今どうなってるかが心配なのか」
「そう、今度もう一度病院に行ってみようかな」
「いいと思うぜ」
するとリーファとミトがほぼ同時にログインしてくる
「おかえり〜」
「随分と早かったね」
コウキとキリトは立ち上がり2人に近づく
「ええ、まあ。それよりコウキそれ何咥えてるの?」
「ん?あーこれか。なんでもスイルベーン特産の《茎パイプ》ってやつみたい。割と美味しいぞ」
そう言いコウキはミトに自分の咥えていた茎パイプを渡す
「ありがと」
そのままミトは茎パイプを咥える
「え....」
コウキとミトの行動に戸惑うリーファ。コウキが咥えていたものを恥ずかしがらずに咥えるミト。
「リーファもちろん君の分もあるよ」
そう言いキリトは茎パイプを投げ渡す
「あ、ああありがと」
2人は《茎パイプ》を渡すとそのままログアウトしてしまう
「これ割といいわね。今度スイルベーンで買おうかしら」
それを見てリーファは思い切ってミトに話しかける
「あの。ミトさん」
「ん?どうしたの?」
「突然こんなことをきくのは変かもしれないんですが、コウキくんとお付き合いされてるんですか?」
ミトはその質問に少し驚いたような顔をする
「突然ごめんなさい。出会ったときのやり取りとか、さっきの間接キスだって気にしてなかったから」
リーファは恥ずかしそうにすこしもじもじしている
「キリトもコウキも話してないのね。コウキは私の彼氏であってるわよ」
「そうなんですね。びっくりしちゃって。でも納得です、コウキさん優しいですもんね」
「ふふっ。コウキはああ見えて怒るとかなり怖いわよ〜」
「え。意外です!」
「いつも優しくて、いつだって私を最優先に考えてくれるの。でも弱いところもある。それも含めて私は彼のことが大好きで一番信頼してる」
「素敵な関係ですね」
ミトは立ち上がる
「いつか見せてあげるわ。信頼してるからこそ出来る私とコウキの連携スキル。驚くわよ〜ほぼシステム外スキルみたいなものだから」
「そんなに...是非見てみたいです」
その後数分経つと2人が帰ってきて洞窟にはいる
「おっとー暗いな。リーファ松明とかないの?」
「え、コウキ暗い?私には明るく見えるんだけど...」
「それは、ミトさんがインプだからよ。インプは暗視や暗中飛行に適正が高いの」
「なるほど。だから明るく見えるのね」
「そうね...キリトくん魔法スキル上げてる?スプリガンには暗視効果を付与できる魔法があるから使ってほしい」
「わかった....」
そう言ってキリトは構える。だが
「んでどうやって魔法使うんだ?」
「おいキリトしっかり〜」
するとポケットからユイが出てきてキリトに呪文を教える
するとコウキたちの視界が明るくなる
「それじゃあ行きましょう...」
洞窟に入り少しすると
「メッセージが」
送り主を見るとレコンからだった
『やっぱり思った通りだった!気を付けて!』
「どうした?」
「あ、レコンから変なメールが」
すると突然ユイが後ろを向く
「パパ、接近する反応があります。数は12。この数おそらくプレイヤーです!」
するとリーファが近くの壁に3人を引き連れて、魔法を使うとなにか壁のようなものを張った
「そろそろ視界に入ります」
ユイの言葉に全員が構える。
「なあ、あれなんだ?」
「キリトまだ何も見えてないぞ」
「違う、プレイヤーじゃなくてあの小さな赤いコウモリみたいな」
その瞬間リーファが通路に飛び出し魔法でコウモリを倒す
「これは高位魔法のトレーシング・サーチャー。もう倒した時点でバレてる。あれは火属性の使い魔。おそらくサラマンダー!3人共走るよ!」
3人は走り続け湖で囲われた中立の鉱山都市へつながる長い橋を渡る
「後少し」
そうミトが言った瞬間魔法のようなものが扉の前に落ち巨大な壁を作る
「っ!これは物理攻撃じゃ壊せない!」
「なら全力で魔法を撃てば」
「でもそんな時間くれなそうだけどな」
後ろから武具がこすれガチャガチャ音がする
「リーファここから飛び込むのは?」
「無理よ。ここには超高レベルの水竜型モンスターがいるの。いくらコウキくんがウンディーネだからって初期魔法だと全員が耐えきれない」
「ええ、でも、これだけ高レベルの土魔法を火妖精族サラマンダーが使えるってことは、よっぽど手練れのメイジが混ざってるわ」
全員武器を構えると、サラマンダーの姿が見えた。最初の3人が分厚い鎧で固めた重戦士、残りは全員ローブを着たメイジだった。
「3人共、ここは俺のサポートに回ってもらえるか?俺の後ろで回復役に徹してもらいたい。その方が俺も思いっきり戦える」
「何言ってんだバカ」
そんなキリトに、コウキが蹴りを入れる
「え....」
「そんな突進型スタイルであのガチガチパーティーに勝てるわけないでしょ」
「コウキも俺と似たスタイルだろ?」
「それはそうだけど」
「コウキ来るよ!!」
ミトがそう声をかけた瞬間相手のメイジが炎魔法を放つ
「っ!マルチウォータボール!」
コウキがそう唱えると沢山の水の玉が現れ放たれる
と同時に大爆発を起こす
「これまずい。覚えたて過ぎてうまく使えん!作戦誰か頼む!」
それから数多くの魔法が放たれコウキとキリトに直撃する
「キリトくんここは一旦諦めてリスポーンし直そう!」
「いやだ、それだけはできない。俺が生きているうちはパーティーメンバーを殺させやしない!」
その言葉にコウキとミトは笑う
「そうだったな(サラマンダーが土魔法を使うのは難しいけど。俺が氷使うのはいけるはず!)」
コウキは地面に手をおき、唱える。すると巨大な氷の壁が現れる
「(っ....魔力めっちゃ使うな.....あと1回分しか撃てない)
「リーファ質問なんだが俺の魔法で1人だけを守った場合水竜を防げるか?」
「それならいけると思う」
3人は近づいてくる
「かなり無謀な作戦だけど、いいか?」
「ああ」
「まず。キリトだけどお前と俺は囮役、リーファは1撃でいい全魔力使って俺らを守れることは出来るか?」
「大丈夫」
「そしてミト。俺らがサラマンダーの気を引くから後ろから不意打ちをしてほしい。ミトはインプだから暗中飛行ができる。それで後ろに回るんだ」
「でも、ヘルマニビスだと大きさと重さがあるから不意打ちが....」
コウキはミトの顔を見つめる
「そうね、わかった。リーファ私とコウキの連携見せてあげる」
「連携....はい!」
コウキは氷の壁に相手の炎魔法が直撃した瞬間魔法を解除する
「行くぞっ!!」
同時にコウキとキリトは飛び出す
「隊長!ウンディーネとスプリガンが走ってきます!」
「やはりバーサクヒーラーだったか、全員防御!」
そう言うと壁隊の3人は前に出て構える
「メイジ隊ギリギリまで引き付けて炸裂魔法を放つ!」
「いまだ!発射!」
メイジ隊から放たれた炸裂魔法は一直線に2人に向かって飛ぶ
「来るぞコウキ!」
「リーファ頼む!」
その瞬間リーファは防御魔法を使う。
防御魔法は、完全に防ぐことはできなかったが、軽減はできた
爆裂魔法が終わり、辺りが炎と黒煙で満たされる。
「防御魔法か....だが流石に完全には防げなかったようだな。それに魔力は残ってないだろう。これで.....(いや待てインプはどこに....)」
「少し気づくのが遅かったわね」
その瞬間ミトはすでに隊長の後ろに回り込んでいた
「(だが、この距離、そして奴は鎌使い!)」
流石は高レベルプレイヤーとだけあり、ミトの不意打ちにも反応し攻撃を返してきた
だが、ミトは隊長よりも早く振り抜き首を飛ばす
「ええ、誰が見ても鎌って思うわよね。けど残念」
ミトが手に持っていたのは《ヘルマニビス》ではなくコウキの持つ刀だった
「はあっ!」
そのままミトは流れるように2人を斬り消滅させる
その頃前方でも混乱が波紋していた
「よそ見するなよ。神里流・雷引き」
コウキはヘルマニビスでタンク隊の首を飛ばす。
「くそっ!!」
「(...ミト!)」
「(ええわかるわ...このタイミング!)」
ミトとコウキの持つ武器が入れ替わる
「神里流・雷突雷斬」
コウキの刀は雷を纏い一人には3回の突きを、それとほぼ同時にもう一人の首を斬る
「(コウキの見様見真似だけど...「紫獄!」)」
ミトはコウキが鎌を使ったように振り、8連撃を繰り出す。その鎌は紫色の炎を纏いメイジ隊を斬り刻む
「「ここっ!」」
またもや同時に2人の武器が切り替わる
「こいつら武器が...」
「防げないっ!!」
サラマンダー隊は対処ができずどんどんとやられていきついには1人を残し消滅する
それを見たリーファは目を丸くする。2人が見せた高度な連携に驚きが止まらない。
「すごい...」
コウキとミトは残りの一人に近づく
「くそっ...やるなら早くやりやがれ!」
その空気の中キリトが笑いながら近づく
「よう!いやー危なかった。オレ一人なら負けてたなこれは!」
キリトのよくわからない行動にその場の全員が口を開く
「ちょキリト?」
「ここは任せろって。それでな....もし俺たちの質問に答えてくれたらなんだが、今俺らがゲットしたアイテムやらユルドを全部渡そうかなーって」
「ま...まじ?」
「もちろん」
メイジが語った内容は
キリト達を集団で上の命令でキルすること。その理由は「作戦」の邪魔になるから。
2つ目は大人数の軍隊の<サラマンダー>が北へとんでいったこと、前回の世界樹攻略に苦戦し、いまだに古代武具(エイシェントウェポン)級の武器集めでノルマが大変だということだった。
それ意外は知らないということだったのでキリトはトレードを終えてそのメイジは去っていった
4人は鉱山都市「ルグルー」に入り、アイテムを買うため雑貨屋にはいる、その間コウキはあることに気づく
「そう言えば全く気にしてなかったけど、レコンからメッセージきてなかったっけ」
「あ、忘れてた」
そういいリーファはウィンドウを開く
「んー今はログアウト状態ね。しかもあれから何も連絡きてないわ。でも少し気になるしリアルで連絡取ってみる」
「いいのか?」
「ええ、ミトさん。私の身体見張っててください」
「わかったわ」
リーファはそういい近くのベンチに座りログアウトする
ログアウトすると時刻はすでに深夜0時近く、外は雨が振り出していた。
「通知、たくさんきてる...」
着信があると知らせているスマートフォンをみると長田慎一から12件もの不在着信がきていてまさにその13件目の着信が来て応答した。
「あ!やっとでた!」
「ごめん、コウキがレコンからのメッセージが気になるって言うから」
「そう!その話をしたくて!シグルドがシルフを裏切ったんだ!!」
長田曰く、シグルド達が領主のサクヤも売ったという。詳しく聞くと、昨晩の狩りのとき、シグルドはサラマンダー3人を連れて2つに別れて逃げた。独善的な彼なら他の人にやらせることだったのにおかしいと。
レコンはリーファと離れた後、透明化の術でシグルドを追跡、路地に入るとさらに透明マントを被って地下水道に行き、そこにはサラマンダーがいて会話を聞いたと言う。
「リーファにトレーサーをつけた、さらに今日、領主サクヤは<ケット・シー>の領主と極秘で同盟の調印式を行うため中立域にでている、シグルドはその調印式をサラマンダーの大部隊に襲わせる」
直葉は早く知らせなさいというも、地下水道で思わずこけちゃって毒矢を喰らってサラマンダーに捕まり、そのため現実にログアウト、連絡してきたと言った。
「今すぐ場所を教えて!」
「場所は蝶の谷あたり」
「わかったわ。必ず阻止して見せる」
直葉は電話をきると、ベッドにねて、再びログインする
帰るやいなや、リーファはすぐに頭を下げる
「ごめん。キリトくん行かなきゃいけないところができたの」
「どういうこと?」
4人は急いでルグルーを出るとリーファは走りながらレコンに説明されたことを話した
「サクヤたちが危険で...」
「ケットシー?それなら助けに行かないと」
「え、でも、それだとかなり遠回りになっちゃう。それならサラマンダーについて一緒に行動したほうがいい。なんなら今ここで斬っても構わない」
その言葉にキリトは少し怒ったように言う
「いいや、ダメだ。俺たちだけの利益のために友達を斬るようなことは絶対にしない。俺はリーファにつく」
「もちろん俺も相棒に従うよ」
「なら全力で行きましょ」
それと同時にキリトはリーファを持ち上げる。3人は今まで手加減していた、本気のダッシュを開放する
今回はミトとコウキの連携を書きました。
スキルは武器の交換のみなのでタイミングは完全にお互いのタイミング。完全にシステム外スキルと、3年パートナーだった2人だからそこできる技ですね。
次回もお楽しみに。