『三好inポケモン』   作:零戦

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取り敢えず、二人目のヒロインなんですよ。
エリカハスハス


第十七話

 

 

 

 

 

 

 取り敢えず、吐いた場所は汚いので監視カメラの死角に隠れて大休止とした。バクフーンの他にもピカとバタフリーを出してエリカに何時でも技を繰り出せるようにしつつカセットコンロを出してお湯を沸かす。

 

「あんたはお茶のが良いだろ? まぁインスタントのお茶しか無いから我慢してくれ」

「……ありがとうございます」

 

 マサカズは紙コップとインスタントのお茶をエリカに渡してエリカが礼を言う。そして数分後に沸騰したお湯をエリカに渡した紙コップに注ぐのである。

 

「……インスタントでも美味しいですわ」

「そりゃどうも」

 

 互いにお茶を啜り一息をつく。幾分かの時が流れた時にエリカがポソッと口を開いた。

 

「聞かないんですか……?」

「……聞いてアンタは救われるんか?」

「ッ」

 

 マサカズの言葉にエリカは顔を強張る。

 

「それに……過去に地下アジトがあったのにアンタにお咎め無しだったろ? そりゃ繋がりはあったという推測は自ずと出来る」

「………………………」

 

 ズズッとお茶を啜るマサカズにエリカは顔を伏せる。その眼からは涙が流れていた。

 

「……昔からタマムシはロケット団と癒着していました……」

 

 ポツリとエリカが呟く。

 

「タマムシ大学はポケモンの研究で有名です。それに目を付けたのがロケット団でした。ロケット団がタマムシ大学に資金を提供し、その研究データをロケット団に譲り渡していました。我が家もロケット団からの資金で代々ジムリーダーを続けられたのもそうです」

「……………………」

「だからこそ……3年前、ロケット団が解散した時は私も今度こそ『タマムシシティ』を建て直す事が出来る……そう思っていました。ですが、残党の半分はタマムシに逃げ込んできました。最初は拒否をしていましたが、彼等は私達との癒着を新聞社に売り込むと脅迫し……」

「だから奴等の言いなりってか」

「ッ貴方に、貴方に何が分かるというんですの!?」

「分かるわけねーだろ」

「ッ」

「俺は当時、此処にはいないしジョウトで仕事してんだ。アンタの苦しみは分かるわけねーだろ」

「…………………………」

 

 マサカズの言葉にエリカは再度目を伏せてしまう。確かにマサカズの言葉は正論だったのだ。

 

「だがよ、これだけは言えるぞ」

「??」

「……過去はどうする事も出来ない。変えられるのは……未来だけだ」

「変えられるのは未来………」

 

 マサカズの言葉をエリカはブツブツと呟く。それを尻目に温くなったお茶を飲み干した。

 

「さて……どうする、タマムシジムリーダーのエリカさん?」

「…………………………」

 

 そうマサカズが声を掛ける。そして顔を伏せていたエリカが顔を上げた時、その顔は覚悟を決めていた表情であった。

 

「……決まりだな」

 

 覚悟を決めたエリカを見てマサカズはニヤリと笑みを浮かべるのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り敢えずこの回転マスは辛くない……?」

「……また吐きそうですわ……オェッ」

 

 エレベーターに着いたが回転マスでまた酔って吐く二人であった。それはさておき、エレベーターに乗り地下4階に下がる。チーンという音と共に扉が開くと目の前には奥の扉を守るしたっぱ達がいた。

 

「貴様は……」

「おい、エリカ!? 何で侵入者と共にいるんだ!? 貴様、裏切ったのか!!」

「ッ」

 

 したっぱ達の口撃にエリカは怯みそうになったが、マサカズが肩をポンと叩いた。

 

「ッ」

「……大丈夫だ」

「……はいッ」

 

 マサカズの言葉にエリカは頷き、したっぱ達と対峙する。

 

「裏切りだ、エリカが裏切ったぞ!!」

「裏切ったのは酷いな……表返っただけだろ」

 

 叫ぶしたっぱにマサカズはそう言ってバクフーンを出す。したっぱ達もそれぞれポケモンを出す。

 

「バクフーン、【火炎ぐるま】!!」

「バクッ!!」

 

 バクフーンは【火炎ぐるま】で出してきたコイルに叩きつけてコイルは戦闘不能になる。もう片方はエリカがキレイハナを出していた。

 

「キレイハナ、【はなびらのまい】!!」

 

 キレイハナが【はなびらのまい】を出してコラッタを戦闘不能にする。

 

「ち、畜生ッ」

「オラァ!! さっさと扉を開けろや!! こちとらコガネから来とんやぞ!!」

「あの、私カギを持っていますわ」

「あ、そうなん?」

 

 マサカズがしたっぱを捕まえ胸ぐらを掴んでブンブン引っ張ったりするがエリカがカギを持っていたのでカギを開ける事にする。

 ピンポーンという解除らしき音と共に扉が開く。中にはロケット団幹部のアポロが優雅にお茶をしていた。

 

「おやおや、此処まで来ましたか。それにエリカさん、裏切るはそういう事で宜しいので?」

「……タマムシはロケット団から手を引かせて頂きますわ!!」

「それは結構。我々もゲームコーナーで復活の資金は十分に稼がせてもらったのでタマムシがどうなろうがどうでも宜しい」

 

 幹部のアポロはフフッと笑みを浮かべる。

 

「まぁ取り敢えずはお縄についてもらおうか。そろそろタマムシのポリも来る頃だしな」

「フフ、残念だがタマムシの警察と我々は繋がっているのでね。来はしないでしょう」

(うわぁ……大阪の某所かよ……)

 

 思わずそう思うマサカズであった。しかし、実査はアカネがジムリーダーの権力を行使してタマムシ警察のケツを叩いておりゲームコーナーの周辺を包囲していたりする。

 

「さて、ではお開きとしましょうか」

「逃がすと思うか?」

「逃がすのではありません。お開きなのですよ」

 

 そう言ってアポロはケーシィを出す。ケーシィを出した事にマサカズは直ぐに理解した。

 

「てめぇッ!?」

「ではまた何処かでお会いしましょう」

 

 アポロはそう言って【テレポート】をして逃げたのであった。

 

「チッ、逃げたか……」

「……恐らくは『ヤマブキシティ』に行ったのかもしれません」

「ヤマブキ……? チッ、となると危ないのはシルフカンパニーか」

「はい。彼処の社長をまた人質に取ると思われます。シルフカンパニーの社員も裏切り者がいると前にアポロはそう言っていました」

「……となるとマスターボールの量産、若しくは保有……あ~、嫌な点と線が繋がりそうだ……」

 

 マサカズは一つの過程を見出だして頭を抱えるのであった。その後、タマムシ警察が突入してくる前に『いいキズぐすり』と『ブロムヘキシン』を回収するのである。

 

「大丈夫かマサカズ!?」

「取り敢えず回転マスでの移動は暫くはいいわ……」

「同感ですわね……」

 

 マサカズとエリカはあの時の事を思い出し気分が少し下がるのである。

 

「あの、この後はどうするのですか?」

「ん? あぁ、此処まで足を踏み込んだんだ。最後までやるしかないだろ」

「それでしたら、私もお手伝いをさせて下さいッ」

「アンタ、ジムはどうするんだ?」

「この状況です。暫くは休むしかありませんわ。それに今までの事をポケモン協会に伝えるつもりです」

「それは……最悪、ジムリーダーをクビになるぞ?」

「構いません。泥は私で啜ります」

 

 笑みを浮かべるエリカにマサカズは覚悟を見たと思った。

 

「アカネ、予定変更だ。ロケット団の残党を優先的に叩くぞ」

「それしか無いわなぁ」

「えっ……」

「協力だエリカ。先にロケット団を叩こうや」

「……はいッ」

「オイオイ、また泣くのかよ」

「ッ。これは嬉し涙ですわ。それとまだ御名前を御伺いしておりませんでしたわ」

「そうだっけ? そりゃ済まん、俺はマサカズだ」

「……マサカズさん、これから宜しくお願いしますわッ」

「あぁ」

(……なーんか怪しいなぁ……)

 

 笑みを浮かべるエリカにアカネは怪しむのである。それから数日間、マサカズとアカネは『タマムシシティ』に留まる。理由はロケット団残党の動向であり、マサカズが『ヤマブキシティ』に偵察に行けば、残党らしきしたっぱが『ヤマブキシティ』をウロウロしていたのである。

 

「ヤマブキに残党が流れているのは確定だな」

「やな」

「問題はいつ乗り込むか……ですわ」

 

 この数日間、『タマムシシティ』ではロケット団と癒着していたタマムシ警察、タマムシ大学、タマムシジムをエリカが公表しており公式に謝罪していた。また、ポケモン協会にジムリーダーの進退届を提出していた。

 しかし、ポケモン協会は自ら公表した事、情報提供等を考慮し1年間の給料を半分にする事と反省文提出というエリカへの処分を出した。

 エリカが先に身を被った事で無関係だったジムのトレーナー達は安堵しエリカに協力する事にした。また、タマムシ大学、タマムシ警察ではロケット団の残党と癒着していた事により大規模なメスが入れられていた。これにより風通しがかなり楽になったのである。

 

 

「エリカ、タマムシは守らなくても大丈夫なのか?」

「タマムシはジムトレーナーを中心にした自警団の皆様がいるので大丈夫ですわ。それに『ヤマブキシティ』はかなりの堅固でしょう。一人でも味方が多くいれば良い……そうではありませんか?」

「……フッ、ビビってまた泣くなよ?」

「な、泣きませんわ!!」

(アカン!? ライバル増えたやんけ!?)

 

 笑うマサカズとエリカに頭を抱えるアカネである。

 

「そ、それとマサカズさん? よ、宜しければ今度お茶でも……」

「今日の会議終わり!! ほな帰るでマサカズ!!」

「あ、おい!?」

「あッ……」

 

 アカネはそう言ってマサカズの手を引っ張りジムを出るのであった。

 

「……………………」

「大丈夫ですよエリカ様。チャンスはありますよ」

「そうですよエリカ様」

「ッ!? チャンスだなんて……」

 

 励ます大人のお姉さんとピクニックガールの言葉にエリカは顔を真っ赤にするのであった。

 

 

 

 

 

 




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