『三好inポケモン』   作:零戦

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第十八話

 

 

 

 

 

 

「何? タマムシのエリカが裏切っただと?」

『えぇ。まぁタマムシはもう用は無いので構いませんがね』

「……アポロ、アジトが強襲された時にエリカの他に誰かいたのか?」

『はい。話を聞く限りではジョウト出身の男ですが……?』

「…………………ククッ………」

 

 アポロと通信回線を開いていたカーツは思わず笑みを浮かべる。どうやら事態はロケット団に有利になっていると……。

 

『カーツ……?』

「いや、問題ない。それでアポロ、シルフカンパニーはどうだ?」

『社長は相変わらず非協力的だったので押し込めています。今は協力的な技術者達を巻き込んでマスターボールの量産を急がせています。ヤマブキジムは多少時間が掛かりましたが制圧しています。ナツメは格闘場の地下に幽閉しています』

「分かった。一先ず、マスターボールは9個あれば良い」

『分かりました。また報せます』

 

 そう言って通信回線を切るカーツ。

 

「……後もう少し……後もう少しですよサカキ様……」

 

 カーツはサカキの巨大な肖像画を見ながらそう呟くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「は? ポケモン協会が動かない?」

「はい……ロケット団の残党の動きが見えないから動けないと……」

「偵察してヤマブキの街中を彷徨く写真とか取って報告してるのにか?」

「……協会もジョウトで残党の動きを確認していますが『チョウジタウン』での動き以降は動いていないのでその時にダメージを負って戦力回復中なのではないか……と」

「……………………」

 

 エリカの言葉にマサカズは天を仰いだ。どう見てもポケモン協会は状況を理解していなかった。

 

「なので無闇に動かないようと……」

「アホかあの理事長は!? そう言った結果が3年前にカントーでやらかしてんのやろ!!」

 

 遂にアカネもキレたがエリカにキレては仕方ない。

 

「落ち着けアカネ。エリカにキレても仕方ない」

「せ、せやけどマサカズ……」

「所詮、しがらみがあるモノは動けない。ならトレーナーは?」

「ッ!? マサカズ……」

「アホは動かん、なら俺達でやるしかねぇよ」

「………仕方ないなぁ」

 

 マサカズの言葉にアカネは笑みを浮かべる。

 

「マサカズはウチがおらんとアカンからな。やったるわ」

「いや、別におっても変わらんけど」

「何やて!?」

 

 そうやって漫才をする二人にエリカはクスクスと笑うのである。そして作戦は決行される。作戦と言うが特に作戦らしい作戦は無い、ただ真正面から当たるのみであった。

 2000、マサカズら三人は『タマムシシティ』を出て『7ばんどうろ』に向かい『ヤマブキシティ』に入る東側のゲートから入ったのである。

 

「取り敢えずヤマブキを一週しようか」

「ええで」

「分かりましたわ」

 

 三人は自転車で『ヤマブキシティ』を一週しポケセンに来ていた。

 

「リニア駅は特に封鎖はされていなかったな。まぁ動かんリニアだから放っておいてるのかもな」

「シルフカンパニーは相変わらず封鎖されてますわ」

「そこはカチコミすっから問題無いわな」

「ヤマブキジムは封鎖されてたな。でもヤマブキジムのナツメって実力があるジムリーダーなんやろ?」

「……恐らくは弱味を握られているのかもしれません」

「要はタマムシと同じ……か。まぁ有り得る事ではあるな」

 

 初代でもヤマブキジム等は封鎖されており外に出られない状態だった。ヤマブキの市民を人質にされナツメも素直にジムで軟禁されているならまだ説明はつくのである。

 

「どないするマサカズ?」

「………味方となる手札を手に入れよう」

 

 アカネの言葉にマサカズはニヤリと笑い、その意図を察したアカネとエリカも笑みを浮かべるのである。そしてフレンドリィショップで回復系の準備を整えるとーーヤマブキジムに突撃したのである。

 

「ドリャアアアァァァァァァァァァァァ!!」

「ウワアアアアアァァァァァァァァァァァ!?」

 

 マサカズはヤマブキジムの入口にいたロケット団団員に向けてチャリを突撃して団員は驚いて慌てて横に飛び引かれる事はなかった。

 

「て、テメェ!? 殺す気かーー」

「ピカ、【電気ショック】」

「ピイィィッカチュウゥゥゥゥゥッ!!」

「アババババババババババッ!?」

 

 したっぱは【電気ショック】を浴びて気絶するのである。なお、所持品検査でジムのカギがあったのでカギで扉を解除する。

 

「貴女はタマムシジムの……」

「ナツメさんはどちらに?」

「分からぬ、ナツメ殿は我々を助けるために格闘道場に出向いたきりじゃ……もしかしたら格闘道場にいるやもしれぬ」

 

 祈祷師はそう言う。

 

「格闘場か……」

「確か格闘道場は封鎖していなかったけど……」

「格闘道場は師範のカラテだいおうがジョウトで修行しているので閉めているんです。だからロケット団が封鎖していなかったんです」

「灯台もと暗しかもしれませんわね。封鎖しているところにいると思わせていたのかもしれません」

「なら格闘道場は……」

「ナツメがいる可能性は大だな」

 

 そして隣の格闘道場にマサカズらは殴り込みに行ったのである。なお、格闘道場にいたのはロケット団のしたっぱ達であった。格闘道場のトレーナー達もカラテだいおうが道場を閉めたので全国に散らばっていたのだ。

 

「侵入者だ!?」

「待て、こいつ……確かタマムシのゲームコーナーのアジトを破壊した奴等じゃ……」

「お、分かってるなら話が早い……テメェら現行犯だ」

「やっちまえ!!」

 

 マサカズが言うや否やしたっぱ達はポケモンを出して応戦するがあっという間にマサカズらに片付けられた。(ミルタンクの【ころがる】で一発)

 

「オラァ!! ヤマブキジムジムリーダーのナツメは何処に隠したんや!! サッサと場所を吐かんかい!!」

「アババババババババババッ!?」

 

 いつものように胸ぐらを掴んでしたっぱを揺さぶるマサカズである。なお、供述にナツメは道場の地下に幽閉されていたので直ぐに救出したのであった。

 

「ナツメ様!?」

「御無事で……」

「……皆……」

 

 縄で縛られていたナツメは幾分かの脱水症状はあったが命に別状は無さそうだった。

 

「まぁ無事そうで良かったわな」

「……貴方は……」

「ジョウトのマサカズ」

「ウチはコガネジムリーダーのアカネちゃんやで」

「良かったですわナツメさん」

「エリカ……そう、貴女は訣別出来たのね……。私は……」

「なら今から訣別しにいこうや」

 

 ニヒッと笑うマサカズである。そのマサカズにナツメはポカンとしていたがやがては苦笑する。

 

「フフッ確かにそれも良いわね」

「だろ? 『シルフカンパニー』に殴り込みをするけどやれるか?」

「勿論。伊達にジムリーダーを勤めていないもの」

「上等ッ」

 

 ナツメの言葉にマサカズはニヤリと笑う。二人の談笑を見てアカネは頭を抱える。

 

「アカン……また増えた……」

「この流れって……」

「……アンタと同じやでエリカ……」

 

 アカネはライバルが増えた事に溜め息を吐きながらも頭をかくのであった。それはさておき、ナツメを救出し戦力も増えた事でマサカズは翌日の突撃を決断する。

 

「明日に備えて寝ろよ」

 

 ポケセンでピカ達の体力を回復させた後、ポケセンの宿で泊まるマサカズ達。深夜、トイレで眼を覚ましたマサカズだが、部屋に誰かいた。マサカズは咄嗟にモンスターボールを持つ。

 

「ッ」

「私よ」

 

 スッと現れたのはナツメだった。ナツメだったので持っていたモンスターボールを置くとベッドから降りる。

 

「深夜にどうした?」

「改めての御礼をとね」

 

 ナツメはふよふよと超能力で浮きながらマサカズのベッドに腰掛ける。

 

「ジムを救ってくれありがとう……転生者さん?」

「ッ」

「……貴方が来るのを待っていたわ。貴方がこの世界に転生した時からね……」

「……そうか、超能力か……」

「えぇ……でも超能力を以てしてもロケット団には勝てなかったわ」

「なら明日、勝てば良い」

「え?」

「だろ?」

「………そうね……」

 

 マサカズの言葉にクスリと笑うナツメである。そして立ち上がり、マサカズの前に対峙する。

 

「これは……御礼よ」

 

 ナツメはスッとマサカズの唇に自身の唇を合わせる。合わせるだけのキスだったが離れると顔は真っ赤であった。

 

「……貴方の御礼はこういうので良いでしょ?」

 

 ナツメはそう言ってテレポートをするのである。なお、キスをされたマサカズはあっと思う。

 

「そっか……ならナツメは俺の事情は知っているのか……」

 

 思わず納得するマサカズである。そして翌日、準備を済ませた4人は『シルフカンパニー』の前に赴く。

 

「さて……突っ込むか」

「やな」

「はい」

「いつでも行けるわ」

 

 三人の言葉に頷いたマサカズは『シルフカンパニー』の入口を封鎖しているしたっぱに近づいた。

 

「ッ!? テメェは!?」

「はいはい、寝とけよ」

 

 したっぱがポケモンを出す前にマサカズは殴り倒す。所持品検査をすると『シルフカンパニー』の入口のカギと小型無線機を持っていた。

 

「成る程成る程……」

 

 マサカズは気絶したしたっぱをビルの横に置いてバタフリーの【いとをはく】で縛り会社の入口から中に入るのであった。

 

 

 

 

 

 

 




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