『三好inポケモン』 作:零戦
「ありがとうございました~」
レジで客の商品の会計をしたマサカズ、笑顔は客商売に必要でありマサカズもそれは会得している。
「マサカズ君、そろそろ閉めようか」
「了解です店長」
店内は既に客もおらずBGMは『蛍の光』が流れていた。マサカズはレジを閉めて店長に精算を任せて入口を閉めたり品物にカバーをしたりして奥に引っ込む。
「店長、閉店準備終わりました~」
「あいよ。今日はもう上がっていいよ」
「了解です。お疲れ様でした~」
「あいよ」
マサカズは私服に着替えて仕事場であるスーパーの横に止めている自転車に乗って自宅に帰るのである。
「よぅマサカズ、早く帰れよ」
「帰りますよ帰りますよ」
途中、警官のマモルにそう言われつつも自宅に帰り自転車を脇に止めてカギを開けて入るのである。
「ただいまー」
「お帰りマサカズ。風呂にでも入りなさい」
「あいよ」
「ピッカ」
「お、ピカも入るか?」
「チャー」
マサカズが帰ってきた事にピカチュウ(名前はピカにしている)がマサカズの頭に乗って頷くのであった。そしてマサカズはピカチュウと風呂に入り風呂上がり後にビールと一緒に母トモコが用意してくれた晩飯を食べるのである。
「さーて寝るか。明日は休みやしアカネをシバキに行かないとなぁ」
「ピカぁ……」
マサカズの言葉にピカチュウは眠そうに答え、マサカズのベッドに入り込むのである。マサカズも部屋の電気を消してからベッドに入るのであった。
そして翌日、マサカズはピカチュウ達を連れてコガネジムに行く。
「あらマサカズちゃんじゃない」
「やっほ、アカネのおばちゃん」
「アカネなら今日はラジオに行ってるわよ」
「ありゃ、今日はその日だったか……」
「もうすぐ始まるからついでに見学してきたらどうかしら?」
「追い出されそうな気もするけど……まぁいいか、じゃあラジオ塔行きますよ」
「はーい」
マサカズはアカネのおばちゃんに礼を言ってコガネのラジオ塔に自転車で向かうのである。
「と~ちゃっくと」
マサカズはラジオ塔に到着する。なお、ラジオ塔の看板のところには全身黒い服の男が屯していたが何処を見てもあれは……。
(どう見てもロケット団だよなあれ……)
男はラジオ塔を見ていたが周辺にいる人達は男を気にするも触らぬ神に祟りなしなのかあえて触れずに行き来している。
(不審者として通報しろよ誰か……)
なお、マサカズは善良なコガネ市民なのでラジオ塔に入ったら速攻に公衆電話でコガネ警察に通報するのである。それはさておき、マサカズは受付に行くと受付嬢は笑顔で対応する。
「あら、マサカズさんですね。アカネちゃんならクルミちゃんとの収録中ですよ」
「あー、大丈夫です。そこら辺で待ってますから」
マサカズはそう言って近くにあったソファに腰掛けようとしたら声をかけられた。
「おや、マサカズ君じゃないか」
「ありゃ、プロデューサーじゃないですか。今、本番じゃ……」
「なに、休憩だよ……そうだ、君も来たまえ」
「……まさか」
「そのまさかだよ」
多少ひきつるマサカズにプロデューサーは笑みを浮かべるのである。
「そんでな~ってありゃ、誰かゲスト……?」
「そんなのありました?」
収録していたアカネとクルミはカンペに首を傾げるが入ってきたマサカズを見て驚く。
「マ、マサカズ!?」
「あら、お久しぶりです」
「お久しぶりですクルミさん。悪い、プロデューサーに捕まってな。はいカンペ」
「えぇ何々……前回、好評だったマサカズさんによるジョウトジムリーダー対策の第二弾をしてもらいたいとの事ですね」
「前回と言っても……」
「ほぼウチの悪口やん!?」
「失礼な、悪口やなくて事実を言ったまでやな」
「ミルタンク対策をペラペラ言うんが事実って言うんかいな!!」
「お前、全国のミルタンク被害者の皆にそれ言える?」
「……まーた喧嘩が始まりましたけど、やっぱり二人の喧嘩は人気ですねぇ」
二人で口喧嘩するのを他所にクルミはアハハハと苦笑しながらラジオ進行するのである。
「それで今日のジムリーダー対策第二弾ですけど……」
「キキョウシティのハヤトでもする?」
「飛行タイプのジムリーダーですね」
「飛行タイプのジムリーダーなのに【どろかけ】をめちゃくちゃ使ってくるけどな」
「そういうばそうですね」
「まぁ対策をするのであればズバットやイシツブテを『くらやみのほらあな』で捕まえてある程度育てたら突破は出来るかな」
「そうなんですか?」
「ズバットの【あやしいひかり】で混乱させてその間にノーマルタイプで体当たりしまくるのも手やしね。他にもバタフリーの【ねむりごな】か【どくのこな】で眠らせるか毒らせて弱らせるとかかもな」
「成る程。そんな戦法もあるんですねぇ」
「ただ、ピジョンは素早さが高いから速攻でやられるかもしれないからまぁ運だろうな」
「……アカン、マサカズが真面目にしてるからウチの番組乗っ取られるかもやん!?」
「誰がお前の番組乗っ取るかいな、此方は仕事してんのに」
「あ、ホンマに? なら助かるわぁ」
「……殴りたいこの笑顔」
「うわぁ暴力反対やでマサカズ………っていひゃいッ!? いひゃいいひゃいいひゃいいひゃいいひゃいいひゃいッ!?」
「しょーもない事言うこの口はつねった方がええわな」
「いひゃいってェェェェェェェェッ!?」
「あ、そろそろお時間ですね。マサカズさん、急遽ありがとうございました」
「良いですよ。クルミちゃんが良ければまた出ますし」
「ウチにはないんかい!!」
「お前はいつもの事やろがい!!」
「アハハハ、それではまた来週~」
「全く、偉い目におうたでホンマに」
「それは此方の台詞やぞ……」
ラジオ塔からの帰り道、マサカズとアカネは自転車を押して歩いていた。なお、プロデューサーは「反響良かったからまた頼むよ」と笑顔で言われたりする。
「もう夕方やしなぁ、今日は帰るか……ん?」
そこへポケギアが鳴り出した。マサカズに電話が来たのだ、通話ボタンを押すと出たのは仕事先のスーパーの店長だった。
『た、大変だよマサカズ君!?』
「どうしたんすか店長?」
『泥棒だよ!! 店に泥棒が入ったんだよ!!』
「えぇぇッ!? 直ぐに店に行きます!!」
通話ボタンを切るとマサカズは自転車に乗る。
「店に行くわ!! アカネは戻っとけ!!」
「アホぬかすなや!! ウチも行くでマサカズ!!」
二人は慌ててスーパーに向かう。数分でスーパーに到着すると、入口はガラスを破られていた。
「店長!?」
「おぉマサカズ君、休みなのに申し訳ないね。俺も今、コガネ警察から電話が来たからスーパーに来たんだよ……こりゃ酷いよ……」
マサカズの言葉に店長は溜め息を吐く。店は予想以上の荒らされ具合だった。
「それに、この落書きを見てくれ」
「これは……」
壁には『R』とスプレーで落書きされていた。
「まさか『ロケット団』が……?」
「警告……のつもりかもしれんな……」
「どういう事なん店長?」
「……コガネ警察には証言しているんだが……実はロケット団の団員から接触があってな。ヤドンのしっぽを販売しないかって持ちかけられたんだ」
「ヤドンのしっぽを?(まさかの此処でそこに繋がるかぁ……)」
店長の言葉にマサカズは頭を抱える。確かに原作ではヤドンのしっぽが切られてチョウジタウンで販売されていたりする。(1個9800円)ちなみに作者はワタルと『いかりの湖』で会う前に必ず入手していた。
「恐らくはその情報をコガネ警察に流していたから警告のつもりで荒らしたんだろうな……」
「店長……」
「悪いなマサカズ。店は暫く休業する、ほとぼりが冷めてからまた営業を再開するよ」
「分かりました。ちなみに今月の給料は……」
「勿論、振り込んでおく」
「助かります………」
「………マサカズ……?」
マサカズの様子にアカネは少し不審がるのであった。
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