『三好inポケモン』   作:零戦

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第五話

 

 

 

 

 

「クッ!?」

 

 陥没した床に落ちる中、マサカズは咄嗟にアカネを抱き抱える。

 

「えッ!? マ、マサカズ!?」

「喋ると舌を噛むぞ!!」

 

 マサカズはアカネを抱き抱えながら下を見る。その時、キラリと地面が光りポチャンポチャンと音がした。

 

「……南無三!!」

 

 そして二人はドボンッと地面ではなく水の中に入ったのである。

 

「~ッ!? ~ッ!? ~ッ!?」

 

 下が地底湖だったのは予想していなかったアカネはバタバタと手足をバタつかせるがマサカズが抱き締める。そしてマサカズは腰のボールからシェルダーを出す。

 

「ッ!!」

 

 状況を理解したシェルダーは【なみのり】を使って二人を水面まで上げたのである。

 

「プハァッ!!」

「はぁ……はぁ……ありがとうシェルダー。助かったよ」

 

 バタ足で下を蹴りながら水面に頭を出す二人。シェルダーは助けた事にニコニコしていた。マサカズは予備の懐中電灯を出して辺りを照らす。

 

「マサカズ、彼処や!!」

「………大体10メートルくらいか。バタフリー」

「フリィィィッ」

 

 マサカズはバタフリーを出してアカネの背中にバタフリーを掴ませる。

 

「バタフリー、穴の上まで運んでくれ」

「フリィィィッ」

 

 バタフリーは最初にアカネを上に運び、そしてまた地底湖に舞い降りてマサカズの腕を掴んで上に運ぶ。そして漸く地上に出た二人は深い安堵の息を吐いた。なお、シェルダーはちゃんとボールに回収している。

 

「ハァ~……怪我はしてないかアカネ?」

「うん……見る限りは大丈夫やと思うわ……」

「……取り敢えず今日は帰るか」

「そやな……ッ」

「どうした?」

 

 立ち上がろうとしたアカネだがアハハハと苦笑する。

 

「ゴメン……腰抜けてもうたわ……」

「……ならッ」

「キャッ!? マ、マサカズ!?」

「入口までこれで送るよ」

 

 マサカズはアカネをお姫様抱っこをした。流石のアカネも顔を真っ赤にするがマサカズは気にせずピカを更に追加で出して辺りを警戒しつつ入口に向かうのである。

 

「今日は済まんなアカネ。お前を危険な目に合わせてしまった……」

「気にせんでええよマサカズ。彼処で床が崩れるなんて思ってなかったしな」

 

 『やけたとう』の入口に出たマサカズはお姫様抱っこをしたアカネを降ろして謝罪をする。

 

「それでもだよ。もっと警戒するべきだった」

「うーん、しゃーない事やけどなぁ……そうや、なら今度一緒にゴハン食べようや」

「それで良いのか?」

「当たり前や。アカネちゃんがええと言ったらええんや」

 

 ニカッと笑うアカネだが膝はプルプルと震えてまだ笑っていた。そんな強がりのアカネにマサカズもフッと笑みを浮かべる。

 

「馬鹿野郎。メシもそうだがデートするぞデート」

「デ、デ、デ、デートッ!?」

 

 デートという単語にアカネはボフッと湯気が出たように顔を更に真っ赤にさせる。

 

「おぅよ。何だ不満か?」

「ふ、ふ、ふ、不満なんて!! ……ありゃせんよ……」

 

 マサカズの言葉にアカネはそう反論するが顔は嬉しそうだった。取り敢えずはそういう事である。

 

(そういや……意外と胸あったよなぁ……)

 

 ガン見はしてないがチラ見はしているマサカズであった。それはさておき、びしょ濡れの二人はポケモンセンターに戻り一泊するのである。

 そして翌朝、洗濯した服に身を包んだ二人はポケモンセンターを後にして自転車を押して歩いていた。

 

「暫くはエンジュの街並みもお別れかな……」

「せやなぁ」

 

 そう思っていた二人だが不意にアカネのポケギアが鳴り出した。相手はラジオ塔で一緒に仕事をしていたクルミからだった。

 

「おりょ、クルミちゃんからや。モシモーシ? ………フンフン………はぁ? それホンマなん!? ……分かった、ちょっと待ってな。マサカズ?」

「どうした?」

「あのな……クルミちゃんのラジオでいつもオーキド博士いるやん?」

「いるな。それがどうした?」

「それが……オーキド博士がクルミちゃんを通じてマサカズの事を知ってマサカズの事を興味持ったから会いたい言うてるねん」

「……何でやねん……」

 

 アカネの言葉にマサカズは溜め息を吐いた。結局、マサカズとアカネは直ぐにエンジュシティを出発し『自然公園』を経由してコガネシティに帰ってきたのである。

 

「ホッホッホ。いやぁ済まない済まない。クルミ君から聞いていたのじゃがやはり会ってみたいと思ってのぅ」

「いえ……まさか自分もオーキド博士に会えるとは思ってなかったもので。良い体験かなと思っています」

 

 ラジオ塔の一階にある喫茶店でマサカズにアカネ、そしてオーキド博士の三人はコーヒーブレイクをしていた。

 

「して……自分に話とは……?」

「……君の眼を見て確信したよ。これは君に渡そう」

 

 マサカズは本題に入ったがオーキド博士はニコニコと笑みを浮かべて懐からポケモン図鑑を取り出した。

 

「これは……ッ」

「ポケモン図鑑じゃよ。と言ってもジョウト地方仕様の試作じゃがな」

「その図鑑をどうして自分に……?」

「君の眼じゃよ」

「眼……?」

「ワシもこれでも一応は元トレーナーの端くれ。直感ではあるがトレーナーの良し悪しは分かるつもりじゃ」

「………………」

「その直感が君なら……試作の図鑑を託しても良いと思ったのじゃよ」

 

 そう言ってニコリと笑うオーキド博士であった。対してマサカズは自分で良いのかと思いつつ、原作でも主人公とライバル以外はほぼ持っていないポケモン図鑑に顔には出していないが本物を手にして興奮していた。

 

「……分かりました。博士がそう仰るならこの図鑑は有り難く頂きます」

「ホッホッホ。何れ量産型の図鑑が出れば君にもあげよう。それと図鑑のデータもウツギ博士のところに送信されるようにしておるから博士とも会っておくが良い。ワシから話をしておこう」

「分かりました」

「マサカズ君、君の旅が良い旅になる事を祈るよ」

「……ありがとうございます博士」

 

 そしてオーキド博士との話は終わるのである。喫茶店を出た後、マサカズは頬をつねってみたが痛かったのでやはり現実である。

 

「夢みたいだな」

「ホンマやな……ウツギ博士に電話するん?」

「あぁ、するつもりやけど取り敢えずは母さんに現状を報告しとくわ」

「それもそうやな」

 

 マサカズは四日ぶりに家に帰り、家にいたトモコに事情を説明する。

 

「あらあら、まさかオーキド博士から図鑑を貰うとまでは予想していなかったわ」

「俺もそう思うわ」

「まぁ人生色々やイヨッシャーっと思っておきなさい」

「確かになぁ」

 

 そしてトモコとそう話してから再び家を出るのである。

 

「たまには連絡しなさいよ」

「一週間に一回は必ずするよ」

「はいはい。アカネちゃんもうちの息子を宜しくね」

「分かったでおばちゃん!! ほななおばちゃん!!」

 

 そしてそのままとんぼ返りでエンジュシティに向かいその日もエンジュシティで一泊するのである。なお、夕食後にマサカズはワカバタウンのウツギ博士のところにパソコンを繋いでテレビ電話をする。

 

『そうか、君がオーキド博士が言っていたマサカズ君だね』

「宜しくお願いしますウツギ博士」

『此方こそね。そう言えばマサカズ君はポケモンを持っているのかい?』

「一応四匹かは持ってますよ」

『フム……君さえ良ければウチで初心者に渡すポケモンがいるけど持っていくかい?』

「良いんですか?」

『うん。丁度1匹……ヒノアラシが残っちゃったんだ』

(マジで? うわマジだ)

 

 テレビ電話でヒノアラシを持つウツギ博士が映る。それならとマサカズも貰う事にした。

 

「ヒノアラシが良ければ俺が貰いましょう」

『はは、成る程ね。ヒノアラシもそれで良いかい?』

『ヒノッ』

 

 博士の言葉にヒノアラシが力強く頷いた。ならば決まりである。

 

『分かった。君たちは今エンジュシティだね? ならエンジュシティのポケモンセンターに転送するよう設定しておくよ』

「ありがとうございます」

 

 それから数分して1個のモンスターボールが転送されてきた。中を開ければヒノアラシが出てきた。

 

「ヒノッ、ヒノッ」

「あぁ。これから宜しくな」

『それじゃあ宜しくねマサカズ君』

「はい、分かりましたウツギ博士」

 

 そしてマサカズは新たにヒノアラシを手に入れたのである。なお、ウツギ博士とのテレビ電話後にピカ達を出して新しいポケモンを手に入れた事等々を言ってピカ達もヒノアラシを喜んで受け入れたのである。

 翌日、マサカズとアカネは漸く38ばんどうろに向かうのであった。

 

 

 

 

 




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