『三好inポケモン』   作:零戦

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第九話

 

 

 

 

 

 

 

「アカネ、『いかりの湖』に行くぞ」

「え、ジム行かんの?」

「それは後や。ちょっと気になる事があるからな」

 

 翌朝、ポケモンセンターの食堂で朝食をアカネとしているがマサカズの言葉にアカネは首を傾げる。

 

(珍しい事もあるもんやな……ハッ)

 

 アカネは不思議に思いマサカズの朝食を見てハッとした。

 

(今日のマサカズの朝食……ご飯と味噌汁の雑炊やん!? という事は……何かあるなこりゃ)

 

 普段は定食を頼むのに今日に限ってマサカズはご飯と味噌汁の雑炊だった。これは早く食べて目的地に行きたいとアカネを急かしていたのも意味していた。

 

「分かったでマサカズ」

 

 アカネはマサカズの行動に納得して急いで朝食を掻き込んで食べるのであった。そして朝食後に二人はポケモンセンターを出て『いかりの湖』に向かうのである。

 

「あ、そのゲートは使わない方がいいよ」

 

 『いかりの湖』に向かう途中の43ばんどうろ、ゲートの建物に入ろうとしたらマサカズとのポケモンバトルを終えたトレーナーがマサカズらに声をかける。

 

「え、何でなん?」

「そのゲート、お金取るんだよ1000円も」

「はぁ? ゲートでお金取るん?」

 

 ジョウト地方にあるゲートは基本的にタダである。だがトレーナーが言うには最近、お金を取るとの事だった。

 

「……当たりか……」

「ちょ、マサカズ!? 何でそっちに……」

 

 だがマサカズは納得したとばかりに頷いてゲートに向かう。それを見たアカネは慌てて止めるがマサカズはゲートの建物に入ったのである。

 建物に入ると通路には黒服の男二人がおりマサカズとアカネが入ってきたのを見てカモが来たとばかりに素早く此方に向かってきて口を開いた。

 

「此処を通りたけりゃ通行料を払いな」

「一人1000円だ。二人で2000円な」

「ちょ、おかしいやろ!! ゲートで通行料払えって聞いた事ないで!!」

「そりゃお前さんが聞いた事なかっただけだろ。さぁ通りたけりゃカネをーー」

 

 男が言えたのはそれだけだった。マサカズに視線を向けたら目の前に拳があったのだ。

 

「へっーー」

 

 男の顔に拳が命中し男は吹っ飛ばされた。隣にいたもう一人の男は驚愕の表情をした。

 

「て、てめぇーー」

 

 だがもう一人もマサカズの裏拳によって右頬に命中しよろめいた。その隙を逃さずにマサカズは腹に右ストレートを叩き込んだ。

 

「グァッ!?」

「ちょ、マサカズ!?」

 

 倒れた二人の男にマサカズの一連の動作にアカネは顔を真っ青にしたがマサカズは気にせずバタフリーを出した。

 

「バタフリー、【いとをはく】でこいつらの身体を巻け」

「フリィッ」

 

 バタフリーは【いとをはく】で二人の男を拘束した。

 

「マ、マサカズ……」

「大丈夫だアカネ。コイツら、ロケット団だ」

「ハァッ!? ロ、ロケット団やて!?」

 

 マサカズの言葉にアカネは驚愕する。ロケット団と言えば数年前にカントー地方を恐怖のどん底まで震わせた集団であった。

 

「ロ、ロケット団って解散してた筈やろ!?」

「解散後に地下に潜伏していたんだよ。俺のスーパーが強盗に入られて休業したろ? あれもロケット団の仕業なんだよ」

「ウッソォッ!?」

「嘘ちゃう、ホンマの事や。それに此れを見てみぃ」

 

 マサカズはアカネに昨日買った『美味しい尻尾』の1個を渡す。

 

「何やこれ……?」

「ロケット団の資金源の一つ、『美味しい尻尾』だ」

「あー、そういや最近そんなのが売られてるって聞いた事あるな……」

「それの元はヤドンだ」

「……………ハァッ!? ヤ、ヤドンって……あのヤドンの事ォッ!?」

「どのヤドンを想像したのかは知らんが……アカネが想像したヤドンだ。奴等、ヤドンの尻尾を切って『美味しい尻尾』として売り捌いていたんだよ」

「な、何やてェッ!?」

 

 衝撃の真実にアカネがムンクの叫びのような表情をする。まぁ信じられないのも当然だろう。

 

「取り敢えずコイツらはこのままにして湖行くで」

「湖なん?」

「あぁ。確認する事があってな……昨日、ポケモンセンターのジョーイさんから聞いたんやけど『いかりの湖』でギャラドスが大量にいるらしいんや」

「ギャラドスが大量に……?」

「それらしい兆候がなかったのに急に大量に出てきたんやと」

 

 マサカズとアカネは取り敢えず気絶してバタフリーの【いとをはく】で拘束されているロケット団二人の置いて『いかりの湖』に向かうのであった。

 

「うわぁ……めちゃめちゃギャラドスいるでマサカズ……」

「……いるなぁ……」

 

 『いかりの湖』に到着した二人だが、湖にはギャラドスがいた。それも10匹そこらではなく50匹はいそうな勢いである。その時、水面を跳ねるコイキングがいた。

 

「あ、コイキングや」

「……ちょっと待て……」

 

 水面を跳ねていたコイキングだが、空中に飛び上がった瞬間に身体を震わせたと思った光り出した。コイキングが進化したのだ。

 

「あ、あれってッ!?」

「進化……強制進化されてるぞ!?」

 

 コイキングは進化してギャラドスになった。マサカズとアカネは目の前の光景が信じられなかったが現実であった。

 

(チッ……ちょっと物語の展開が早くないですかねぇ……)

 

 マサカズは舌打ちしつつそう思う。だが、コイキングがギャラドスに強制進化されているので事実であった。そしてマサカズは湖の中央に視線を向けると盛大に舌打ちをした。

 

「チィッ!?」

「マサカズ……? ってあれば!?」

 

 湖の中央にはギャラドスがいた。ただのギャラドスではなかった。そのギャラドスは通常は青い色なのにコイキングと同じく赤い色に纏っていたギャラドスだったのだ。

 

(赤いギャラドスッ!? もうコイツまでいるのか!?)

 

 マサカズは咄嗟にカバンの中にあるボールの数を確認する。

 

(モンスターボール14個、スーパーボール5個、ハイパーボール3個……ゲームなら弱らせてなら余裕だが……)

 

 果たしてあの赤いギャラドスが簡単に捕まるかは分からない。

 

「アカネ、湖の周辺に民間人がいないか確認してくれ。いたらそのまま逃げるように言うんや」

「マサカズは!?」

「あのギャラドスを止めるか捕まえる。恐らくはアイツが親玉の筈……」

「……分かった。けど、無茶はせんといてや!!」

「当たり前だのクラッカーよ!!」

「こんな時にボケすんなや!!」

「こんな時にボケていつボケるんやて!!」

 

 マサカズはマンタインを出して【なみのり】で赤いギャラドスに向かう。赤いギャラドスは近づいてくるマサカズを見て戦闘態勢に入り【りゅうのいかり】を放ってきた。

 

「マンタイン、躱せ!! ピカッ!!」

「ピカッ!!」

 

 マサカズの肩で待機していたピカがジャンプして赤いギャラドスにしがみついた。

 

「【10万ボルト】ッ!!」

「チュウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

 ピカが必殺の【10万ボルト】を出して赤いギャラドスに大ダメージを与える。だがギャラドスはピカに【かみつく】で応戦する。

 

「ピカ、【アイアンテール】ッ!!」

 

 ピカは尻尾をはがね化させて赤いギャラドスの顔に叩きつけた。ギャラドスはその反動で水面に倒れマサカズは直ぐにモンスターボールを投げた。

 

「いけたか!?」

 

 だがボールは破壊されギャラドスはまだやる気だった。

 

「マンタイン、【ちょうおんぱ】ッ」

 

 マンタインの【ちょうおんぱ】でギャラドスは混乱して自分の身体を攻撃する。

 

「とっておきだッ!!」

 

 マサカズはハイパーボールを投げた。ボールに収納され水面を揺れるハイパーボール、やがて数回揺れと開閉スイッチの赤ランプが消えた。

 赤いギャラドスをゲットしたのである。

 

「……はぁ~、何とかなったか……ん?」

 

 マサカズはボールを拾いあげると水面に数枚の赤い鱗が浮かんでいた。

 

「このギャラドスのか……」

 

 取り敢えずは赤い鱗も拾ってアカネのところに戻るのであるが……何故かそこにはワタルがいたのである。

 

「君は……」

「あ、マサカズ。大丈夫やったか?」

「何とかな。ほら、赤いギャラドス」

「うはー……ホンマに赤いもんやなぁ……」

 

 ハイパーボールの中にいるギャラドスをアカネが見ながらそう感想を言うと隣にワタルがいた。

 

「先ほどのバトル、見させてもらったよ」

「……四天王のワタルにそう言ってもらえるのは光栄だな」

「し、四天王のワタルやて!?」

「おいジムリーダー。何でお前が知らんねん」

 

 驚くアカネにそうツッコミを入れるマサカズであった。

 

「君の腕を見込んで頼みたい事があるのだよ」

「……チョウジタウンにあるロケット団の地下アジトの事ですか?」

「ッ!? 知っていたのかい?」

「昨日に目ぼしい家を見つけたのでね。湖の噂もあったので先に此処に来たんです」

「成る程……そういう事か。なら話は早い、ボクとアジトの破壊を手伝ってもらえるかい?」

「無論です」

 

 そしてマサカズとアカネはワタルも加えてチョウジタウンに戻るのである。

 

 

 

 

 

 




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