空達は大峡谷を歩き続けているとシアが空達に話しかけた
シア「あの、こんなこと頼んでおいて言うのは変ですけど、本当に良いんですか?」
空「何がだ?」
シア「この先に帝国兵がいます、このままだと私達を守るために同じ人間族と戦う事に」
空「ふむ、シアよ覚えておけ、世の中には生きていてはいけない人間と言うのがいる」
シア「そ、そんな!!」
空「いるのだ、犯罪者、狂信者、子供を道具の様に使う親、自分の方が優れているからと親を蔑み見下す愚かな子供、そして俺だ」
シア「え?」
ハジメ「おい」
空がハジメの方を見ると空にドンナーを突き付けていた
ハジメ「それ以上言うな、もし言うなら多少怪我する覚悟をもって言え」
空「まぁ、そうだな、確かに今のは言い過ぎた、だがシア、これだけは忘れるなよ、生きていてはいけない人間がいると言うのは事実だ」
シアが返事することは無くその眼は哀しみを宿していた、ユエはハジメと空に聞こえないようシアに言う
ユエ「空の運命は壮絶」
シア「え?」
ユエ「空に聞いた、空の辿った道を行ける人はきっと空だけ、私も、ハジメでも渡りきることは出来ない」
シア「そんなに大変なんですか?」
ユエ「あれは最早呪い」
ユエはシアの前を歩きだし、やがて峡谷を抜け出す階段が現れた
空「まぁ、いるだろうな」
ハジメ「ああ、どうする、割と面倒だぞ」
空「俺がやろう」
空は歩きだし帝国兵の前に立つ
帝国兵1「ああ?、何だ兎人の奴ら生き残ってやがッた」
帝国兵2「て言うかあいつこっち来てるぞ?」
帝国兵1「兎人を連れてるって事は奴隷商人か?、まぁいい、そいつら全員帝国で引き取るから置いていけ」
空は何も言わず帝国兵の1人の頭を握り潰した
帝国兵2「は?」
そこから惨劇が始まる、次々頭を失う兵士達とまるで作業の様に淡々と頭を潰していく空、兎人達は完全に怯えそして帝国兵は全滅した
空「クハハ」
空は笑っていた、怯えるシアの横にユエが立ち言う
ユエ「あれが空の本性、と言って良いか分からないけど空に定められたありかた、魂が歪み狂気的な方法で快楽を貪る、今は魂が鎖で縛られてるからあれでもまだマシな方」
シア「あ、あれでですか?」
ユエ「空も本当はこんなこと望んでいない、昔全部奪われて狂ってしまった」
シアは空の言葉を思い出す、自分は生きていてはいけない人間だ、とそして同時に自分の事を思う、自分も全てを奪われた、しかしあんな風に狂う事はなかった、それは自分には家族が、仲間がいたからだ、しかし空の周りには誰もいない、一緒にいるハジメとユエですら空に力を使うなと言って留まらせておくのが精一杯だ
ハジメがユエの横に立ち言う
ハジメ「空を救えるとしたら香織か八重樫だけだ、姉と友、あいつにはそれが必要だ」
シアは言う
シア「ハジメさんは友達じゃないんですか?」
ハジメ「ああ、俺は仲間にはなれても友達にはなれない、友達ってのはそういうもんだ」
遠くで空が手を振っておりハジメ達は近よる
空「どうやら他の奴らは既に帝国らしい」
ハジメ「そうか、仕方ない1度樹海に向かおう」
そうして帝国兵が持っていた馬車や馬を奪い怪我人や疲労が多い者を中心に乗せた、結果兎人族全員が乗ることが出来たがシアは前回同様ハジメ達と同じ車に乗り込みさほど時間を掛けず樹海に入った
空「どうやら歓迎はされないらしい」
ハジメ「当たり前だ、こいつらはお尋ね者、俺達は亜人を迫害する人間、これで歓迎されたら奇跡だ」
シア「あの、お二人ともさっきから何を?」
空は1本の枝を拾い林の中に投げつける
???「グハァ!!」
誰かに当たったのか声が聞こえ何かが飛び出す、現れたのは筋骨隆々の男が2人
???「くっ!なぜ分かった!!」
空「野生の生物を装うならもっと自然に連携を取るべきだな、まぁ、相手が悪かったと言うのもあるが」
男1「くっ!貴様ら何が目的だ!!」
空「この先にあると言う大樹と7代迷宮に向かいたい」
男1「既にここは迷宮の中だ」
ハジメ「それはおかしい」
男1「何?」
ハジメ「大迷宮ってのは解放者の残した試練なんだよ、それがこんなに簡単なわけない」
男は考えたが大樹に向かう許可を取るため1度部下を本国に戻すので待機して欲しいと言ってきた、ハジメ達が了承し待っていると耳が長い老人が現れた
??「私はアルフレリック・ハイビスト、フェアベルゲンの長老の1人だ」
そこからハジメとアルフレリックは話し始めた、ハジメは今すぐ大樹に向かいたいと言ったが霧が濃い今は無理だと言われ仕方なくフェアベルゲンに向かった