紫「ウワーッ!雪炎の尻尾はやっぱモフモフね!羨ましい限りだわ!」
なぜ紫のこんなだらしない(妖怪の賢者らしくない)言葉からこの第三話は始まったのか。
それはだいたい二十分前くらい。
僕と月炎が紫のスキマからそろそろお暇しようかとしていたときだ。
~二十分前~
月炎「そろそろお暇しましょうか。」
雪炎「そうするか。紫〜!」
僕が紫の名前を呼ぶとそれに呼応するかのように紫がやって来た。
紫「え〜なになに帰っちゃうのだったら雪炎の尻尾触らせてよお願い!ダメだったら月炎でもいいから!」
お前の口はマシンガンか。
あと月炎を巻き込むな。
まあ、最後の、いや、半分くらいは聞かなかったことにしよう。
雪炎(帰ろ?)メクバセ
月炎(コクッ
よーし、帰るぞーっ!!
紫「あーっ待ってお願いだから行かないで!そういえば二人ともまだ家建ててないでしょその辺も一緒に話し合いましょ!」
だからお前の口はマシンガンか。(二回目)
………そういえば家、建ててないのか。
家がないのに『帰る』という表現はおかしいか。
雪炎「家……ね。」
紫「そこのトコロも含めてしっっかり話し合いましょ?」
月炎「ええ。」
雪炎「勝手に決めるな。」(バシッ
月炎「イタッ。」
………とまあ、こんな話をしていたのがつい数分前。
で、その後の数分で何が起きたか。
セリフまで入れるといろいろめんどくさい為、セリフなしで書かせていただく。
〔それはただのサボりだ〜っ!(雪炎)〕
地の文に介入(干渉)してくるとはな……。
〔聞いてんのかー?もしもしー?(雪炎)〕
ほっとけ。
で、何が起きたかというと、
〜数分前〜
最初の数分くらい(多分三分くらい)は普通に家を建てる場所などを決めていた。
ただ、問題は次からだ。
具体的にまとめると、次の通りだ。
➀ 家を建てる場所がざっくりだけど決まった!
② やることがなくなって全員が手持ち無沙汰に。
➂ 紫の視点が雪炎の尻尾に移動。
④ 紫が雪炎(月炎)の尻尾をモフらせろと執拗にせがむ。
⑤ 雪炎、月炎、断固拒否。
➅ それでも紫が執拗に尻尾をモフらせろとせがんでくるので、雪炎がついに折れる。
以上六つのステップを踏んで、最初の、
紫「ウワーッ!雪炎の尻尾はやっぱモフモフね!羨ましい限りだわ!」
このセリフに原点回帰してきた訳だ。
しかし、いくらなんでもだらしなさ過ぎる。
このままどさくさ紛れに紫の首を絞めてもバレないのではなかろうか?
まあ、そろそろ行かなければ行きたい場所に間に合わなくなってしまう。
……どうやって抜け出そうか。
うーん。
月炎「紫さーん、僕たちそろそろ行きますね。」
おい!
そこはもう少しオブラートに包んで言うとかさぁ〜。
紫「いってらっしゃ~い。」
あるぇ?(O_o
今の紫だったらもう少しとか言いそうだったが。
夢でも見てるのかな?
紫「あれ?行かないならもっとモフるわよ?」
もう嫌です。
雪炎「じゃ、また。」
僕たち二人はそう言って紫の所を後にした。
既に空には一等星と満月が爛々と光り輝いていた。