カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい   作:黒点大くん

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注意
現実で女性的な男性に対してトラップと言ったり、男性的な女性に対してリバーストラップと言うことは、ジェンダー差別になるので絶対しないようにしましょう


15 リバーストラップ

  ヴァカンスから帰ってきました。

「バカンスをいつまでもやってるようではバカっスとおうことですわね」

「そうですか。よくわかりませんが良かったですね」

 庭にひっそりと作らせた邪神を祀る社も順調に出来ているらしいですしよかったよかった。

「旦那様にはお嬢様が壊れた社の代わりを建てていると連絡しております」

「そうですか。ありがとうございます」

 お父様に良き言い訳が出来ました。いくらなんでも勝手に庭に建物建てさせてくれるほど甘い人だと思いませんしね。

 

 よし。これで宿題が終わりました。

「門の先でドゥイ・ラウィラニという美男子がお嬢様に合わせろと」

「美男子…美男子ですか。ドゥイ・ラウィラニさんですね。興味があります」

 ドゥイ・ラウィラニ…『プライムディスティニー』の攻略対象であり、見た目は攻略対象の中でも最もイケメンです。しかしバッドエンドだと死体を利用され、グッドエンドだと主人公が邪神の生贄にされるという、選んだ時点でバッドエンド確定のようなキャラなのです。

 

 門の先に行くと金髪美少年がいました。

「カワイイ女の子ですわね」

「ハーハッハハ。ラウィラニ子爵の嫡男であるこのボクを女の子と見間違えるとはね。異性の友達よりも同性の友達の方がハードルが低いからそう思うことにしたのかな?」

「いいえ。秘密まみれの貴女の事ですから、もしかしたら女性でもおかしくないと思いましてね」

「君は実に空想家だね。いいよ。そういうのも面白いと思うな」

 所謂王子様系キャラですが、ラウィラニの家系は密かに二の邪神ドッペルゲンガーを信奉しているのです。

 

 ラウィラニ家は表向きは邪神やそれに関連するものはすべて滅ぼすべきという思想の一族…ラウィラニ家から遠いから情報が入らないと高を括っていましたが、流石に甘く見ていましたね。

「ところでどのようなご要件でいらっしゃったのですか?」

「一の邪神 アームを祀る神殿を庭に建てているそうじゃないか。だめだろ。邪神を大っぴらに崇めちゃ」

「事情は話しますから取り敢えず中にお入りくださいまし」

「お邪魔するよ」

 門の前で騒がれると困りますからね。

 

 メイドさんがお茶を運んできました。

「美味しいお紅茶だね。花の香りがするからキーマリガンかい?」

「当たりですわ。お紅茶にも詳しいですのね。今度メッセル商会でも取り扱う予定ですの」

 お菓子も持ってこさせました。美味しい紅茶とお菓子に誤魔化されてほしいですね。

 

 ドゥイさんは後ろのアームの社を指さしました。

「誤魔化されないよ。邪神の社を建てるのをやめてもらおうか」

「そんなこと言ってもドッペルゲンガーの社でしたら止めませんよね。実際お宅の家の地下にもドッペルゲンガーの社がありますものね」

 ラウィラニ家は代々二の邪神ドッペルゲンガーを信仰しております。邪神は自分以外の邪神が敵であるため、邪神を弾圧しドッペルゲンガー以外の邪神を弱らせようと考えているのです。

 

 しかし目が泳いでますわね。

「趣味の悪いジョークだね。ラウィラニ家は代々邪神嫌いで有名さ。常識的に考えてそんなものあるわけがない」

「そうですわね。そう言うことにしておきましょうね。あと一つ言いますが、この社は邪神アームの社を壊してしまいましたので代わりを建てているだけですの」

「そういう事情だったのか。すまないね。では僕は帰ります。さようなら女王様」

「マジでいい顔ですわね」

 バッドエンド確定人間だと知っているので惑わされませんけどね。

 

 邪神アームが祠から出てきました。

「ドッペルゲンガーウィロリラニ。イアヲロ。ヌウェワへ」

「怪しいからと言って殺してはいけませんよ」

「君は何故邪神語を理解しているんだい?」

「勉強熱心ですもの。ユナイツカードを身構えてるから、貴女も邪神語を理解していますよね」

 身を守るかのようにユナイツカードを構えていますね。

 

 邪神アームはドゥイさんにユナイツカードを見せました。

「ヒシヘツノスロニフウィヘスカ。ケリタユナセツステワミ」

「負けたら何でもするって、そんなこと気軽に言っちゃいけないと思いますよ」

「まあ本人が納得してるならいいんじゃないかな」

「アケウィハレラヲソヲナロネアノスロ」

 今のうちに始末しないとヤバいって…冷や汗流しながら言いきるのですか。

 

 

 実際いずれやらかす人間ですからここでなんとかしないとマズイですわね。

「分かりました。責任は私が取ります」

「ボクはメカントリーを使うよ」

「トピ・アクア」

 ドッペルゲンガーの加護は得ていますが、人目があるので大っぴらには使えませんよね。邪神アームはいい判断をしましたね。

 

 マリンスノーを使ったこと以外はなんの進展もなくドゥイさんの3ターン目ですわね。

「ドロー。チャージ。コスト3でオートビルダーキャノンを武装してターンエンド」

 黄色と黒の縞縞ミニガンが現れました。

 

 3 武装 オートビルダーキャノン 属性:メカニカル

   効果:手札のトラップカードはリアクションを得る。相手ターン中リアクションを持つカードのコストは2減る

   説明:自動で罠を作る画期的なガトリング砲

   攻撃力:0 防御力:0

    

「トラップ…ドゥイさんみたいですね」

「美しさが罠と言うならボクはトラッパーでいよう。美しさが罪と言うならボクは大罪人でいよう」

 ドゥイ・ラウィラニはトラップのような属性にまみれた人間ですからね。

 

 アームの4ターン目ですわ。

「ヒシハターン。ドロー。チャージ。コスト4ヨティスのマトウダイタスワ。ターンエンド」

 ドゥイさんの4ターン目ですわね。

「ドロー。チャージ。コスト2で誘導超音波マシーン発動。ターンエンド」

 ドゥイさんの後ろにスピーカーが現れました。

 

 2 魔法 誘導超音波マシーン 属性:メカニカル

   効果:設置。相手モンスターは1ターンに1度必ず攻撃しなければならない。

 

「誘導超音波マシーンでオートビルダーキャノンの効果を活かすのですね」

「そういう意味ではゴリラウンドみたいな感じだと思われますよ」

 トラップカテゴリはオートビルダーキャノンありきのテーマですからね。

 

 アームの5ターン目ですわ。

「ヒシハターン。ドロー。チャージ。コスト5サハギンバトラータスワ」

 執事服を着た魚人が現れましたわ。

 

 5 モンスター サハギンバトラー 属性:マーフォーク

   効果:手札が5枚以上なら以下の効果を得る

      ・2回攻撃できる

      ・モンスターの召喚コストを2減らす

   攻撃力:5 防御力:0 ライフ:5

 

「サハギンバトラープレイヤーアタック」

「御婦人にアドバイス。敵陣を歩くときは怪我を致しますよ。コスト2でベアートラップ発動」

 オートビルダーキャノンはコンクリートを発射し、クマの頭のような建造物を作りました。そして建造物はサハギンバトラーを噛み砕いて崩れましたわ。

 

 4 魔法 ベアートラップ 属性:メカニカル

   効果:相手の防御力0のモンスターを破壊する。

 

「ターンエンド」

 トラップは相手に攻撃させて相手を弱らせていくテーマですわ。

 

 ドゥイさんの5ターン目ですわね。

「ドロー。チャージ。コスト2でアタッチメント:ドリルエナジータンク発動。ベアートラップを回収してターンエンド」

 ドゥイさんの背中にリュックサックが現れてから、コンセントが生えてオートビルダーキャノンと接続されると、オートビルダーキャノンにドリルが生えました。

 

 2 魔法 アタッチメント:ドリルエナジータンク 属性:メカニカル

   効果:オートビルダーキャノンの下に送る

      このカードが下にあるオートビルダーキャノンは以下の効果を得る

      ・1ターンに1度墓地のトラップカードを1枚手札に加えてもよい

 

「ターンエンド」

 着々と足固めしてますね。

 

 アームの6ターン目です。

「ヒシハターン。ドロー。チャージ。コスト5海底邪神剣。プレイヤーアタック」

「アームの手札は14枚。これで決まりましたわね」

「リアクション。コスト3でダストトラップ発動。ベアートラップを捨てるよ」

 ゴミ箱が現れましたわ。

 

 5 魔法 ダストトラップ 属性:メカニカル

   効果:手札のリアクションを持つカードを墓地に送り2枚ドローする。その後このカードをコストゾーンに送る

 

「よし。コスト1でスパイダートラップ発動」

 

 3 魔法 スパイダートラップ 属性:メカニカル

   効果:攻撃を無効化する

 

「ターンエンド」

「ふふふ。悔やむことはないよ。これまでボクに戦闘ダメージを与えられた人なんていなかったんだからね」

 そう。トラップは効果ダメージに弱いデッキなんですよね。

 

 ドゥイさんの7ターン目ですわね。

「ドロー。チャージ。コスト2でアタッチメント:フェイクグラフィッカー発動」

 オートビルダーキャノンに映像プロジェクターが生えましたわ。

 

 2 魔法 アタッチメント:フェイクグラフィッカー 属性:メカニカル

   効果:オートビルダーキャノンの下に送る

      このカードが下にあるオートビルダーキャノンは以下の効果を得る

      ・このカードはアタッチメントまたはトラップカード以外の効果を受けない

 

「スパイダートラップを手札に加えてターンエンドするよ」

 邪神アームはフェイクグラフィッカーによる凄い耐性と凄い手札の数を乗り越えられますかね。

 

 アームの8ターン目です。

「ヒシハターン。ドロー。チャージ。コスト4サハギン・リチュアル。海底邪神剣、プレイヤーアタック。ターンエンド」

「コスト1でスパイダートラップ。蜘蛛の糸にかかる君も魅力的だよ」

「ターンエンド」

 スパイダートラップが無限に回収される限り勝ち目はありませんね。

 

 ドゥイさんの8ターン目ですね。

「ドロー。チャージ。コスト6でマイ・フェイバリットカード、リバーストラップを召喚して効果発動。君の墓地のサハギンバトラー復活。そしてターンエンド」

 イケメンが召喚されました。しかしよく見ればそのイケメンの骨格は女性的であり、胸部も少し膨らんでいました。そうなのです。リバーストラップは男装女子モンスターなのです。

 

 6 モンスター リバーストラップ 属性:メカニカル

   効果:このカードはトラップまたはアタッチメントカード以外の効果を受けない

      1ターンに1度相手の墓地のモンスターの効果を無効化して相手の場に出しても良い

   攻撃力:0 防御力:0 ライフ:1

 

「リバーストラップだなんてまるで自分自身のことのようですね」

「どちらかというとボクはトラップだよ」

 ドゥイさんは男装イケメン女子という秘密を抱えております。フェイバリットカードにリバーストラップ(男性にしか見えない女性)という名前のカードを選んだのは、偶然でしょうか。

 

 アームの9ターン目ですわ。 

「ヒシハターン。ドロー。チャージ。コスト7邪神海竜タスワ」

「自らの手札を減らすなんてヤケを起こしたのですかね」

「相手に手札交換をさせてトラップを無くすことが目的だったようですね」

「邪神海竜プレイヤーアタック。ターンエンド」

 ドゥイ:ライフ10→3

 

 ドゥイさんの9ターン目ですわね。

「ボクの美しさには勝利の女神もくぎ付けさ。ドロー。チャージ。コスト4でヨティス・プログラム召喚。合計コスト6でアタッチメント:ハイパーインターフェイス、ジェットナイフ、デッキからリーンマジカ発動」

 

 コスト2 アタッチメント:ハイパーインターフェイス、ジェットナイフ、リーンマジカ

 効果:オートビルダーキャノンの下に送る

      このカードが下にあるオートビルダーキャノンは以下の効果を得る(ここまで共通)

 

 ハイパーインターフェイス 

 ・1ターンに1度コストを払いデッキ墓地からアタッチメントまたはトラップカードを発動できる。

 ジェットナイフ

 ・相手ターン中にトラップカードの効果を発動した場合相手に1ダメージ

 リーンマジカ

 ・相手ターン開始時にこのカードの下のアタッチメントカードの枚数分コストゾーンのカードを使用可能状態にする

 

 リーンマジカの効果で6コスト使えますね。

 

 アームの10ターン目ですね。

「ヒシハターン。ドロー。チャージ。邪神海竜プレイヤーアタック」

「コスト2でベアートラップ発動。惜しかったね。しかし勝利への貪欲さは伝わってきた。ボクの次に輝ける人間を目指してほしい」

「リアクション。コスト3で鉄を食らうナノマシン。場の武装カードを全て破壊させてもらうよ。でもボクだけはこのカードの効果を受けない」

「…ターンエンド」

 

 5 魔法 鉄を食らうナノマシン 属性:メカニカル

   効果:リアクション。場の武装カードを全て破壊する

 

 ドゥイさんの10ターン目ですわね。

「ドロー。チャージ。リバーストラップの効果で邪神海竜復活。デッキからコスト5でパンジストライクトラップを発動するボク! そしてパンジストライクトラップを回収してターンエンド」

 

 5 魔法 パンジストライクトラップ 属性:メカニカル

   効果:相手プレイヤーに2ダメージ

 

 そしてそのままアームはトラップで痛めつけられたのでした。

「ふふふ。邪神を祀る建物作るのを止めてもらおうかな」   

「まだライフ1残っていますのに」

「攻撃をすればライフが0になる。手札の数は可能性の数と言うけれど、デッキもライフもない。だから勝ち目もないんだよ。ただひたすら手札加速をして逃げてきたけどどうやらここで君も終わりだ」

「コスト2ハンドチェンジ」

 

 2 魔法 ハンドチェンジ 属性:魚

   効果:自分の方が手札が多いなら相手は手札が同じ枚数になるようにドローする。

      そして自分は相手がドローした枚数分手札をデッキに戻す

 

「なんでそんなトピア・クアじゃなんの役にも立たなさそうなカードを入れているんですかね?」

「5枚目のサハギン・リチュアルとしての採用かと思われます」

「そういうことでしたか」

 ドゥイさんはデッキを引ききって負けました。

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