カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい 作:黒点大くん
私はメイドさんと邪神アームとお茶をしていました。
「このコーヒーおいしゅうございますね。香りと酸味がすごいです」
「ラヘスロ」
「豆はゼイバルトラジャですから。良いもの使っていますから。まあそれはそれとしてコーヒーは苦いものですよ」
実際私も嗜みだから飲んでいるだけですので。
トゥスル王子様とミツドさんがやってきました。
「ア、アンガーボルド」
「この人はミツドさん。アンガーボルトではないです」
「お嬢様、この方はどなたです?」
「邪神に詳しい方ですわ。このように邪神語の勉強」
そういうことにしておいた方が都合よいですわ。
雷が落ちてきました。
「アンガーボルト?」
雷が落ちた先には赤ら顔で髭面で小柄なおじさんがいた。
「アーム……ウガアアアアアアア」
「よくわからないけど怒ってそうなのは間違いない」
三の邪神 アンガーボルトは傲慢故に怒りっぽくて常に怒っているのです。
ただ叫んで怒っているだけですね。
「人の家で何しているんですか。王子の御前ですよ」
「邪神にその理屈は通じないと思います。邪神に通じる理屈はただ一つ。カードのみです」
「でもおかしいですね。アンガーボルトがあそこにいるはずがないのですれど」
十年前にお父様が遺跡を壊したときアンガーボルトが解放されました。そしてアンガーボルトは力を蓄えるために己をほぼ抑えたままとある人間に取り憑きました。
憑依したアンガーボルトはミツドさんの別人格となったのです。
「ヲンサフヘス、ヒミロナ、ドッペルゲンガー」
「まさかこの間のドゥイさんの訪問と何かあるのでしょうか。しかし自分の信奉者に報いないなんてアームの言う通り趣味が悪い」
名前から分かる通りドッペルゲンガーは他者の姿をコピー出来ます。化ける力と言うのは恐ろしいですね。
ドッペルゲンガーは背の高い人間になりました。
「マズイですわ!」
ドッペルゲンガーはあっという間にトゥスル王子を気絶させて人質にします。
「ホワウィニンゲンラノスリミナセツオシソタスナ」
「人質を取っておいて化けるなんて卑怯とほざくのですか」
どの口が言っているんですかね。
二の邪神 ドッペルゲンガーはこういうところがあるんですよね。
「ミツドさん、あの人は貴方とのデュエルを望んでいるようです。ズタボロにしておきましょうね」
「言われなくても」
ミツドさんはユナイツカードを見せました。
デュエルが始まりました。しかし互いに3ターン目まで動きがなくドッペルゲンガーの4ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4オリハルコスゴーレムタスワ。ターンエンド」
白色の金属巨人が現れました
4 モンスター オリハルコスゴーレム 属性:メカニカル
効果:出現:攻撃不能状態で場に出る
ターンブレイク
攻撃力:6 防御力:4 ライフ:1
「オリハルコスゴーレム…ステータス高いだけのデメリットアタッカーか」
「オリハルコスゴーレム、これこそ邪神 ドッペルゲンガーのエースカードです。ドッペルゲンガーはデメリットのあるアタッカーを活かす構築をしているのです」
しかし下準備もしていないのになぜオリハルコスゴーレムを出したのでしょうか。
ミツドさんの5ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト5で磁力魔導師を召喚してそのままオリハルコスゴーレムに攻撃。破壊してターンエンド」
「敵は何かを隠しています。気を付けてください」
ドッペルゲンガーの5ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト5リサイクルワールド。ターンエンド」
5 魔法 リサイクルワールド 属性:メカニカル
効果:設置
1ターンに1度コストを払って墓地からコスト5以下のモンスターを召喚できる
ミツドさんの6ターン目です。
「気味が悪いね。ドロー。チャージ。コスト4で預言者ヨティス召喚。磁力魔導師でプレイヤーに攻撃」
「アクションストライク。ダメージビルダー」
5 魔法 ダメージビルダー 属性:メカニカル
効果:攻撃によってダメージを受けたら、受けたダメージとおなじ数値のコストの設置を持つ魔法カードを場に置く
「ジャミングフィールド。ターンエンド」
5 魔法 ジャミングフィールド 属性:メカニカル
効果:設置。自分の場のモンスターの効果は無効化される。
「おなじ数値という微妙に使いにくいカードを使いこなしやがりましたね」
「しかも範囲も微妙に狭いですし、カード自体もレアですから考慮していなくても仕方ないですの」
ジャミングフィールドも普通なら使いませんしね。
ドッペルゲンガーの6ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4ビルドアンドビルド。コスト2自動帰還ダイナマイトロボタスワ」
2本脚が生えたダイナマイトの束が現れました。
6 魔法 ビルドアンドビルド 属性:メカニカル
効果:自分の場の設置を持つ魔法カードの枚数分コストを減らす。
3枚ドローする。
2 モンスター 自動帰還ダイナマイトロボ 属性:メカニカル
効果:攻撃後このカードを破壊し、自分のモンスターとプレイヤーに4ダメージを与える。
攻撃力:4 防御力:0 ライフ:1
「ターンエンド」
「誘導が効いていますわね」
「誘導が強すぎますね」
ジャミングフィールドが相手の場も対象なら負けていましたね。
ミツドさんの7ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト2でエンシェントリリー召喚。コスト4でヘリオスの太陽魔術を発動」
5 魔法 ヘリオスの太陽魔術 属性:魔法使い
効果:リアクション
2枚ドローして、自分のライフを1回復する
説明:賢者ヘリオスの遺した魔法の1つ。その魔術は癒やしと知略をもたらす
「磁力魔導師でプレイヤーに攻撃」
「アクションストライク。ヒーリングエナジー」
5 魔法 ヒーリングエナジー 属性:メカニカル
効果:アクションストライク。ダメージを受けるかわりにその数値分相手プレイヤーのライフを回復する
ミツド:ライフ11→16
「躱されましたね」
「エンシェントリリーの効果でヘリオスの太陽魔術を加えてターンエンド」
今のところ凄く有利ですね。
ドッペルゲンガーの7ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4気まぐれタレットタスワ」
首のすわってないタレットが現れました。
4 モンスター 気まぐれタレット 属性:メカニカル
効果:攻撃するときサイコロを3回振る。一度でも違う数字を出した場合このカードはデッキの一番下に戻る
攻撃力:6 防御力:0 ライフ:1
「コスト3ジャミングワールド」
3 魔法 ジャミングワールド 属性:メカニカル
効果:ジャミングフィールドの上に設置
自分の場のモンスターの効果は無効化される
自分のターン中相手モンスターの効果も無効化される
「エセネスハノ、ルリタロヘユナ」
「面倒を避けたいならこんなところに攻めない方が良かったのでは?」
「ハサスロタスケシヲウ」
酷い言われようですね。Fワードを三回も言われましたよ。
気まぐれタレットが磁力魔導師を打ち倒していました。
「シフトも意味がなくなっている……一撃で倒れるのも仕方がないのか」
「自動帰還ダイナマイトロボプレイヤーアタック。ターンエンド」
自動帰還ダイナマイトロボはミツドさんをキックしました。
ミツド:ライフ16→12
「ライフの上では有利ですよ。しまっていきましょう」
「とは言いますけれども、オリハルコスゴーレム出せますし次のターンまでなんとかしないと負けますよね」
ミツドさん集中していますし、多分なにか対策しているでしょう。
ミツドさんの8ターン目ですね。
「ドロー。チャージ。コスト4でヘリオスの太陽魔術発動。エンシェントリリーの効果でヘリオスの太陽魔術で手札に加える。コスト3でマジカルハンマーを武装して気まぐれタレットを攻撃。破壊してターンエンド」
ミツドさんは1mのハンマーを軽々と振り回します。
4 武装 マジカルハンマー 属性:魔導書、魔法使い
効果:このターン中魔法カードを使用した回数分攻撃回数を増やす。この効果は1ターンに2度発動できる。
このターン魔法カードを使用した回数分武装コストを1減らす
このカードは3回攻撃したターンの終了時に破壊する
攻撃力:3 防御力:0
「武装カードはジャミングワールドの効果を受けませんからね」
「それにライフを回復して後のことにも備えました」
うまいこと刺さりましたね。
ドッペルゲンガーの8ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト5オリハルコスゴーレムタスワ。オリハルコスゴーレム、プレイヤーアタック」
「アクションストライク。ミラージュ」
2 魔法 ミラージュ 属性:魔導書
効果:アクションストライク。攻撃を無効化する。
このカードは自分の場に属性:魔法使いのモンスターがいなければ使えない
「自動帰還ダイナマイトロボプレイヤーアタック。ターンエンド」
ミツド:ライフ13→9
ミツドさんの9ターン目です。
「ドロー。チャージ。エンシェントリリーの効果でヘリオスの太陽魔術を回収し、コスト4でヘリオスの太陽魔術発動。マジカルハンマーでプレイヤーと自動帰還ダイナマイトロボに攻撃」
「ムヌッ」
「しかし次のターンが怖いですね。オリハルコスゴーレム2体で試合が終わりますからね」
ドッペルゲンガーの口角が上がったのを確かに見ました。
ドッペルゲンガー:ライフ10→7
ドッペルゲンガーの9ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4ビルドアンドビルド。コスト4オリハルコスゴーレムタスワ。オリハルコスゴーレムプレイヤーアタック」
「アクションストライク。コスト4ハーフエンド」
5 魔法 ハーフエンド 属性:魔法使い
効果:ターンを終了する。5ダメージ以上受けているターン中以下の効果を得る
相手ターンにも発動できる
ストレンジ:0
ミツド:ライフ9→3
「オリハルコスゴーレムの防御4が雑に刺さってますね」
オリハルコスゴーレムさえどうにかできればいいんですけどね。
ミツドさんの10ターン目です。
「ドロー。チャージ。エンシェントリリーの効果でヘリオスの太陽魔術を回収し、コスト4でヘリオスの太陽魔術発動。コスト4でヘカーテの月魔術発動」
「アンガーボルトテ、ヌシツスホヒメタスナ」
「アンガーボルトもこれで終わりだなんて。私はそんなの嫌ですよ」
ミツドさんの目は諦めていません。
ミツドさんのハンマーが唸る。
「マジカルハンマーでプレイヤーに3回攻撃を行う」
「別にモンスターを倒さなくてもプレイヤーには攻撃出来ますからね」
まあそうですけど少しガッカリ感です。
マジカルハンマーはドッペルゲンガーを3回も殴打しました。
「しかし3回も攻撃すれば砂煙が結構舞いますね」
砂煙が晴れました。
ドッペルゲンガー:ライフ7→1
ミツド:ライフ3→6
ネチネチとしぶといですね。
「……アクションストライク。ヒーリングエナジー」
「ターンエンド」
「ホヲロホヲロ。ニンゲンラヲツノアミウ」
「人間にしてはやるだなんて……随分と上から目線ですね」
邪神の中でも卑劣な存在だからこそでしょうね。
ドッペルゲンガーの10ターン目です。
「キヒワトスミ。ドッペルゲンガーハツトツスイミヌネワユクスシロ」
「その弱すぎる相手に苦戦してるくせに、敵であることすら無礼とほざくのですね」
「……さすが邪神。凄い傲慢」
「ラストターン。ドロー。チャージ。コスト2自動帰還ダイナマイトロボタスワ。自動帰還ダイナマイトロボ、オリハルコスゴーレム、プレイヤーアタック」
モンスターが消失しました。
ドッペルゲンガーはミツドさんにピストルを向けます。
「ルスヌノヲセツスネハカスセ! ヲウ!」
「ヌウェワナユデュエルレスカスセラロロアヘスシ」
「デュエルの事前に言っておけば殺害も容認するのですか。恐ろしいですね」
倫理観が違いすぎるから邪神として封印されたんですけどね。
アームがドッペルゲンガーの右腕をつかみました。ここからでも骨のきしむ音が聞こえますね。
「ニンゲンノホケニトノスモム、ロタキハタスナ」
「ヘニシ。ヌウェワヨス」
ドッペルゲンガーはアームの殺意に冷や汗をかいて消えました。
邪神はやはり危険ですね。
「私に勝ったのに殺さないのは何故なんでしょうかね」
「ヲンキハユロカロ」
「将来性……ですか。そういうことなら強くなるように頑張らないといけませんね」
「そうですね。あと一歩のところで相手を追い詰めたとしても弱かったら負けますから」
完全に運負けだと思いますが、今のミツドさんは運負けじゃなくて実力負けだと思ってそうですね。
変装して罪を擦り付けようとした人が決闘強いなんてなんか嫌です。
「兎にも角にも実力はつけなければいけません。お互いに頑張りましょうね」
「精進しましょう」
次またこんなことがあっても勝ちたいですね。