カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい 作:黒点大くん
私の先攻4ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト4で
「安定ムーブだね」
「本当はオルトロスも出したかったんだけどね。オルトロスは強いんだけど一枚しか持ってないからそうそう引けないの」
「誘拐なんかするような輩だから流石に運が悪いみたい」
凄い偏見。不運な善人も運のよい悪人もいるよねってこと。
レイナの後攻4ターン目。おっいきなりマッハドロー使っちゃう感じ?
「ドロー。チャージ。コスト4でプロメテウス・プログラム召喚。1コスト貯めて3枚ドロー。ターンエンド」
「何度も言うけど聖殿とアイギスが雑に強すぎるんだよねぇ」
「全力で相手しなければならないから雑に強いカードを止むなく使わないとね」
除去されにくいコスト軽減カードと息切れしないようにするカードとかもう滅茶苦茶だな。でもそれでいいんだよ。
本気のぶつかり合いを制す……これ即ち強者の歓び。
「本気なのは良く分かるよ。さっきもハイロゥストライクを使ってガンガンコストチャージしてるって感じだったからね。でも私そういうのをぶち倒すのがとっても好きなの。いわゆるわからせってやつ♡」
「その願いは叶えられそうにない。本当にごめんね」
悪い友人を持ってしまいまったね。
私の5ターン目。
「ドロー。チャージ。コスト4で踊り子の悪魔召喚。オルトロスを手札に加えてコスト2でオルトロス召喚。
「舐めた真似を……踊り子の悪魔で攻撃してから
「あれれミスっちゃった~舐めプしても勝てるからへ~きだね♡」
4 モンスター 踊り子の悪魔 属性:ガイスト
効果:出現:デッキの上から二枚を見て1枚を手札に加えて
1枚をコストゾーンに送る
攻撃力:2 防御力:2 ライフ:2
「やっぱりニセモノだ。ソウコちゃんがこんなことするか」
「ちょっとプレミしただけで悪し様に言うじゃん。人間誰しもミスはあるものだよ」
ちょっと怒り過ぎだ。カルシウム不足だな。この世界の食事は基本的に栄養が足りてないんだよねえ。
レイナの5ターン目。
「ドロー。チャージ。コスト3で伝説の剣召喚。伝説の剣でプレイヤーに攻撃」
「アクションストライク。悪霊呪。良かったねえダメージが倍になっちゃうよ~♡」
「一々癇に障ることを言わないと気が済まないのか……コスト3でプリンシパリティズを召喚してターンエンド」
ソウコ:生命力10→4
6 魔法 悪霊呪 属性:ガイスト
効果:アクションストライク
2枚ドローしてこのカードをコストゾーンに送る。
コストを支払わずにこのカードを使用したターン受けるダメージが倍になる。
私の6ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト5で幽鬼武者召喚。幽鬼武者でプリンシパリティズに攻撃して破壊。伝説の剣に攻撃して破壊。プレイヤーに攻撃しちゃう」
「これはとってもマズイかも……」
「ここから逆転してくれるって信じてるからね。がーんばれがーんばれ。ターンエンド」
サキュバスマスターで一気にトドメもさせたけど、それじゃ面白くないもんね。
レイナの6ターン目だ。デッキの上が光っているね。
「ドロー。チャージ。何このカード……コスト7で天将エルデウス召喚。1枚ドロー」
「なんなのそのカード。私そんなカード見たことも聞いたこともない。プライムディスティニーで引いたってわけね」
「いつの間にか持っていたからデッキに入れた」
黄金のイスに座った白銀の鎧騎士が現れた。
8 モンスター 天将エルデウス 属性:エンジェリオ
効果:出現:自分の墓地のコスト6以下のモンスターを場に出す
1ターンに1度コストを4払うことで自分の墓地からモンスターを2枚まで手札に加えることができる
攻撃力:4 防御力:4 ライフ:8
「天将エルデウスの効果発動。伝説の剣を場に出す。天将エルデウスと伝説の剣で相手プレイヤーに攻撃」
「アクションストライク。時の悪魔」
「良かった。時の悪魔を使わせることが出来た。ターンエンド」
「負け惜しみだぁ。本当に使わせる気があるなら次のターンを見越してプリンシパリティズ出すもんね」
ハイロゥ出す気満々だね。表情から殺意を隠そうとする努力が透けて見える。
私の7ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト7でサキュバスマスター召喚。サキュバスマスターの効果でサキュバスマスターに2回攻撃を付与する。サキュバスマスターでプレイヤーに攻撃」
「リアクション。ハイロゥ。1枚ドロー。コスト5でリアクション。伝説の盾」
「まぁ伝説の剣があるなら盾もあるよねぇ。誘導が二体いる場合好きな誘導のモンスターに攻撃出来る。幽鬼武者でハイロゥと盾に攻撃して破壊」
5 モンスター 伝説の盾 属性:レジェンド
効果:リアクション。誘導。
出現:このカードを攻撃済み状態にする
攻撃力:0 防御力:5 ライフ:3
「そして幽鬼武者でプレイヤーに攻撃」
「これはキツイ。私もああなってしまうかも」
「
レイナ:生命力10→6
レイナの7ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト4エルデウスの効果で伝説の盾とハイロゥを手札に加える。コスト5で伝説の盾を召喚して1枚ドロー。エルデウスでプレイヤーに攻撃」
「ヤバ~い♡ソウコちゃん死んじゃうよ~♡」
「……どうせなにかあるんでしょ」
「よくわかったね。アクションストライク。地縛霊の誘い。エルデウスの攻撃力を0にする」
「ターッンエンド」
残念そうな顔をしているね。
私の8ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト4で悪魔銀行の頭取召喚。コスト2でサキュバスマスターの効果発動。二回攻撃を付与する。サキュバスマスターで伝説の盾破壊」
『一撃でブッ倒してあげるね。オラっ最後の一発喰らえ』
「サキュバスマスターでプレイヤーに攻撃。イービルウィップ!」
「リアクション。ハイロゥ」
「またそれか。デッキが切れるまで無限に防御し続ける千日手は面倒くさいんだよねぇ。面倒だなぁ」
そういうのは飽きているんだけど。
このターンで生命力をある程度減らしておこう。
「悪魔銀行の頭取の効果発動。自分のモンスターを一体破壊してデッキからコスト3以下のモンスターをデッキから場に出す」
『魂を融資すれば未来と引き換えに今を得る』
「幽鬼武者を破壊してスクリームを場に出し、スクリームでプレイヤーに攻撃。ターンエンド」
「幽鬼武者で攻撃すればとどめを刺せていたのに……そんなに私のことを侮っているの?」
レイナ:生命力6→3
レイナの8ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト2でハイロゥストライク発動。コスト4で伝説の盾と伝説の剣を手札に加え、エルデウスでプレイヤーに攻撃」
「アクションストライク。時の悪魔」
「スペルコンディション。百王の生誕。その時の悪魔の効果を無効化する。エルデウス、トドメだ」
「容赦がない……」
ソウコ:生命力4→0
私の見た目が戻る。 地下から膨大な力の吹き溜まりが高速で近づいているのを感じた。
「やる……やりますねえ。こんなにつよくなってくれるなんて嬉しいですねえ」
「ニセモノじゃなかった……ごめんなさい」
「残念でしたね。アレはニセモノではありませんでした。まぁ友人の性格がガラリと変わって見えれば人が変わったように思えますよね。しかし比喩抜きで人が変わったと思うのはそんなにいなさそうです」
レイナさんは気まずそうな顔をする。
そのあとホッとした顔をしました。
「ということはプレミ放題だったのは内心露悪的な自分に負けて欲しかったからとか……」
「私はそんなタイプではないのですが。そんなことよりもアンドリューさんも戻ってハッピーエンドというところ。しかしこのまま2タテというのもあまりにも面白くないのですよね」
気まぐれな神だ。あてにはできないね。
七の邪神が出てきた。
「どっちの味方目線の発言なわけ?」
「さっきの戦いも一方的でつまらなかったので別の人が仕切り直ししてくれるそうです」
「なっあなたは」
「今は地面から出てきたただの決闘者でしかない。まあ適当にサバイチでいいだろ」
シジューク神とバレたら大っぴらに行動出来ないだろうからね。見た目も半裸山羊頭と言われている一般的なシジューク神とは違うし。
そして七の邪神とレイナさんの決闘が始まりレイナさんの先攻7ターン目。
「ドロー。チャージ。コスト8でセラフを召喚して攻撃。フレイミングゴッドサーバント」
「これで残りの生命力は2。一方的に追い詰められたことになる」
「伝説の剣の攻撃。これで終わり」
「アクションストライク。時の悪魔」
ここからの逆転は難しい。しかし邪神特有の強カードがあればおそらく何とかなると思いますね。
七の邪神がカードを使用するともう一度決闘が始まっていました。
「なんだなんだ、あの兄ちゃん一体どんな手品をやりやがったんだ」
「どうせ一度負けてやり直したに……」
「違いますね。相手にはアイギスがある。ということは一度負けてやり直したわけではありません」
「それじゃああのすっからかんの場とコストはどういうことなんだ」
そういうことでしたか。
レイナさんが何もせず七の邪神の8ターン目。
「ドロー。時の悪魔とラプラスの悪魔を下に置く事をコストとして世界の悪魔召喚」
6本腕の悪魔が空間を割いて現れましたは
「特殊な条件で召喚されるモンスター……」
「ラプラスの悪魔はターンが飛ばされた直後にのみ場に出すことが出来る、それ以外は何ともない雑魚カード。そんなカードを使って出すもんだから、出すのに苦労するし、苦労した分強さは折り紙付きというわけ」
「しかしてその効果は」
「ターンエンド時に互いの生命力を0にする」
苦労して出した割に絶対に引き分けにしかならない。とんだ期待ハズレなカードですね。解散。
しかしどうしましょう。散々引っ張っておいて引き分けですなんて怒られますよね。
「成る程な。ああいった使い方をするのか」
「よくわかったぜ。実際の試合形式でルールや入れたほうがいいカードの構築を合わせろということを示していたに違いない」
「そういうことなら私達もやってみるわ」
勝手に深読みしてくれて助かりました。都合が良すぎるかもしれませんが、世の中の都合は大抵不合理なので問題なしですね。
一件落着ということです。最終的には誰も損していないのでベリーハッピーエンドですね。欺瞞。
「もしかすると全部お嬢様がアピールするための茶番だった……ってことはないよなぁ」
「そんなことのために他の国の規模の小さい祭を襲うわけないじゃないですか。やるんなら5倍くらい大きな祭りでないとダメですね」
「レイナに心配ばかりかけさせるなんてよ。アンタの親父さんが聞いたら悲しむぜ」
「急になんなんですか。お父様にはバレないようやったから悲しむも何もありませんよ」
後で知られたらキツい制約がつくかもしれませんしね。私としてはそんなもの嫌なので。
七の邪神はレイナさんとアンドリューにもカードを渡しました。
「君たちの人生の歩みによって姿が決まるカードだ。そのカードの姿が決まる日を楽しみにしているよ」
「わざわざありがとう御座います」
「これからも一層精進するが良い……なんちゃって。出来るだけいいこと言ってみた」
いいところ取りするなんて案外図太い。姉にこき使われてすべてを奪われているとは思えませんね。
聖女様が困惑気味に拍手をすると周りから拍手喝采と歓声の嵐。
「良い劇でしたね。この劇はこの国を開発してくれている大企業 メッセル財閥が出資し、我々が企画したものとなります。この劇は変わったものでして決闘の勝敗自体は決まっていませんが、決闘の勝敗次第でセリフや展開が変わると言った物らしいですね。いやぁ素晴らしい劇でした」
国民たちは沸いている。便乗しましょう。
私は思い切り手を上げました。
「この劇の見物料は強き決闘者となること、ただそれのみです。皆様方精進してくださいまし」
「そう言えばアンドリューもレイナさんも劇の練習をしていましたよね。
「そんな乱暴な」
「そういうことにしておいた方が都合がいいってことです。協力してください」
空気を盛り下げると暴動が起きるかもしれませんからね。
そうして1か月あと帰国し劇を見ることになりました。
「友達のために各地を旅する内容ですか。なにやらだいぶ実感がこもっていますね」
「話は聞きました。あの体験をしておいて話に実感がないわけないですよ。演技に力も入ろうもんです」
それもそうでしょうね。