カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい 作:黒点大くん
部屋で寝転がっていました。
「凄いですね。除霊自体に成功したわけではないから今目の前でポルターガイスト現象が起きていますね。カードや教科書が凄く動いております。ダイナミックでした」
「白昼堂々恥をかかされたわけですからなんか必死になるのも分からなくはないと思われます。恥をかいたのは自業自得なのですがね」
「何の理由があるかわかりませんがこの部屋の人だけ無差別に狙う執念は気持ちが悪いですね」
ヘルズの力をポルターガイストに当てました。あの時は姿が戻っただけで、ヘルズの力が消えたとかそういうのではなかったんです。
ヘルズの力がポルターガイストにまとわりついて人型になりました。
「闇をインク代わりにしたか……ソウコ嬢って変なことできますよね」
「そうですね。そんなことよりもそこのポルターガイストになぜこのようなことをするのか聞いてみましょう」
「いいアイデアですねぇ」
質問しました。
ポルターガイストは鉛筆と紙をつかんで動かします。
「筆談と言うことですか。えっとお前らに話すことはない……ですかね。ヘルズの力を圧縮して縮めましょうね」
「邪神言語で書かれているからおそらく相当勉強家だったんだろうね。その才能が埋もれてしまうのは勿体ない」
「本当に完璧ですよ。これで生きてさえいれば今頃歴史に名前が残っていたと思われます」
ヘルズの力を圧縮するとポルターガイストが苦しみました。
ポルターガイストは机に座って背筋を伸ばして真面目に書いています。
「この部屋の住人が同室の人の暗殺に巻き込まれて以来怨霊となったそうです」
「とばっちりで死んで永遠に害悪し続ける決心を決めたということですね。幽霊君の境遇には同情するよ」
「境遇こそ同情はできますが性根とやっていることが悪な存在の話を受け入れるなんて優しい人ですねえ。私なら許せませんよ」
良いところはありますがダブスタカルトの敬虔な信者なので凄くマイナスなんです。
ポルターガイストはラウィラニさんに抱きつこうとして殴られました。
「ラウィラニさんにいたく感動したらしいですね。私がわざと厳しく接したおかげでございます」
「そうですか。私はてっきり腐りきった性根をただ見せつけていただけかと思いました」
「そんなんだから私に決闘で勝てないんですよ。満足したようですし、除霊しましょうね。教国聖女お墨付きの聖水を喰らいなさい」
聖水をかけるとポルターガイストが襲い掛かってきました。効き目なしでしたね。
ポルターガイストを背負い投げしようとするとポルターガイストが私の正面にテレポートしました。
「ポルターガイストがユナイツカードを構えていますね。言葉は分かりませんが私に敵意を向けているのはよくわかります。徹底的にズタボロにして心を折って未練消滅、成仏させてあげますわ」
「まあ傍から見て酷かったので敵意を向けるのも仕方ないですよね」
決闘が始まりました。
3ターン目までこれと言って何か起きたわけでもなくポルターガイストの4ターン目となります。
「ドローとチャージをしてから半永久機関を設置してターン終了ですか……いささかやる気がないように見えるけど。憎んでいる相手に対する行為とは思えないね」
「本当は私のことが好きだったりするんですかね。こんなのを好きにならないほうがいいですよ。私わりと性格悪いので」
ポルターガイストは壁を叩きました。どうやら怒らせてしまいましたね。そのまま私の命の危険を顧みず来てほしいものです。
ポルターガイストがイライラしている間に準備をしてターンを終わらせ、ポルターガイストの5ターン目です。
「ドローしチャージしてコスト4でカーボンクルを召喚してターンエンド……ひたすら手札加速を重視していますね」
「攻めあぐねていたりして。メカニカルは攻めっ気が凄いカードがありますが、その分攻め手は少ないですから」
その線もありそうですね。
4 モンスター カーボンクル 属性:メカニカル
効果:出現:墓地のカードを1枚コストゾーンに送って1枚ドローする
説明:サイボーグ化ウイルスにより体がメカになったカーバンクル
攻撃力:0 防御力:2 ライフ:2
さてと私の5ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4で妖魔封印の巻物を発動。百鬼夜行絵巻を手札に加えて、妖刀ムラマサでプレイヤーに攻撃します」
4 魔法 妖魔封印の巻物 属性:アヤカシ
効果:デッキから好きなカードを1枚手札に加える
「アクションストライクを発動しましたね。ファイヤーウォールですか」
「むむむ。ターンエンドです」
私の攻撃は炎の壁によって阻まれました。
4 魔法 ファイヤーウォール 属性:メカニカル
効果:設置。互いに各ターン最初に受けるダメージは3軽減する(0未満にはならない)
ポルターガイストが6ターン目です。
「ドローとチャージを行い、コスト6で機械皇帝キカイザーを召喚しましたね」
「キカイザーはモンスターをたくさん並べれば並べるほど強くなるカード……フェアリー・ホログラムを事前に出さなかったあたり手札事故が伺えますね」
「さすがメカニカルの使い手、詳しいですね。あらあらターンエンドしてしまいましたか」
デッキ構築を晒さないために敢えて入れていない可能性もあるというのに。
6 モンスター 機械皇帝キカイザー 属性:メカニカル
効果:このカードの攻撃力と防御力は機械皇帝キカイザー以外の自分の場のモンスター1体につき1上昇する。
自分の場のモンスター2体を破壊することでこのターン2回攻撃ができる
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:2
私の6ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト5で百鬼夜行絵巻を発動してターンエンドです」
「ソウコ嬢にしては立ち上がりが遅い……なにかありますね」
「手札事故で勝ち筋が来ていないだけですわ。つまり恐らく勝ち筋であろうキカイザーを出しているポルターガイストの方が俄然有利なの」
5 魔法 百鬼夜行絵巻 属性:アヤカシ
効果:設置。自分がターンの最初のドローを行った後デッキまたは墓地から属性:アヤカシを1枚手札に加えてもよい
ポルターガイストの7ターン目です。
「ドローとチャージを行ってコスト4で機械侍従を召喚してターンエンドですか」
4 モンスター 機械侍従 属性:メカニカル
効果:出現:デッキまたは墓地から機械侍従を場に出す。機械侍従の効果は1ターンに1度しか発動できない。このカードは戦闘を行えない。
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:1
私の7ターン目です。
「ドロー。百鬼夜行絵巻の効果で鬼武者を手札に加えてチャージ。コスト6で鬼武者を召喚します。鬼武者で機械皇帝キカイザーに攻撃して破壊。ターンエンドです」
「切り札級を除去出来たのは大きいですね。ポルターガイストはこのままやられっぱなしじゃない所を見せてください」
機械皇帝キカイザーを除去できたのは大きいです。
ポルターガイストの8ターン目です。
「ドローとチャージを行いコスト7で量産型移動式修復機を召喚しましたね。そしてターンエンドですか……じゃないですよ! なんで禁止カード使えているんですかおかしいですよねどういうこと!? 禁止カードを使えば肉体が滅びてしまうハズ……」
「亡霊と言うことは肉体を持たないので禁止カードを使うデメリットを踏み倒せているのです。計算されつくしたデッキですね」
禁止カードをデメリット抜きで扱うなんてあまりにも気色が悪いのです。
? モンスター 量産型移動式修復機 属性:メカニカル
効果:このモンスターは好きなコストで召喚出来る。
出現:このモンスターの召喚に払ったコスト1につきゲーム外から量産型移動式修復機を1体召喚する。
過剰制約(このカードの効果を発動するターン他のカードの効果を使用できずモンスターで攻撃出来ない)
攻撃可能状態のこのカードは攻撃されない
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:1
私の8ターン目です。
「ドロー……ようやく来ました。百鬼夜行絵巻の効果で般若の舞姫を手札に加えてチャージ。コスト4で般若の舞姫を召喚します。コスト5でマスターニンジャを召喚します。効果で忍法 空蝉の術を手札に加えて鬼武者でプレイヤーに攻撃します」
ドッペルゲンガー:生命力10→7
「マスターニンジャでプレイヤーに攻撃致します。おっとアクションストライク。スタンガン……鬼武者に使わなかったということはきっとなにかありますね。ムラマサでプレイヤーに攻撃してターンエンドです」
ドッペルゲンガー:生命力7→4
「機械皇帝がいるのにそんな悠長なことしていていいのですか?」
「墓地にいるということは墓地回収できるから実質場に出ている理論ですか。その理論を振りかざすとはよっぽど私のことが嫌いなんですね」
「はい。我らの神を冒涜したこともそうですがその癖シジュークとかいう邪教に味方するダブスタさに苛つきます」
「フツーそこははぐらかしますよ」
「神官ジョークです」
なんという人なのでしょう。
ドッペルゲンガーの9ターン目です。
「ドローとチャージを行い機械皇帝を召喚して効果で機械侍従を2体破壊しましたね」
『エネルギー充填完了。コレにより必殺キャノン2連射のシークエンスに入るぜ!!』
「ノリのいいモンスターですね」
機械皇帝の胸のコア部分に2つの膨大なエネルギーを感じました。
機械皇帝の弾丸が着弾します。
「うっっっっぐ。ファイヤーウォールのおかげで7ダメージしか受けませんでしたね。しかし次は耐えられません。トドメいけますよ」
ソウコ:生命力10→3
『エネルギー充填完了!! カイザーブラスト』
「まぁ無効化されるというのは分かり切っていますが、それでも使わせるためにはそうせざるを得ませんよね。アクションストライク。忍法 空蝉の術……ヨティス・プログラムを召喚してターンエンドですか。先にマスターニンジャから処理すべきでしたね」
「出来ないって分かってるくせに」
ポルターガイストは地団駄を踏みました。
私の9ターン目です。
「ドロー。イジャロコロガシをサーチして即チャージ。コスト2で忍法訓練所を発動して、空蝉の術を回収します。マスターニンジャの効果により分身の術をサーチして、鬼武者でプレイヤーに攻撃します」
ドッペルゲンガー:生命力4→1
これでトドメですね。
「マスターニンジャでプレイヤーにトドメです。アクションストライク スタンガンですか……プレイミスしましたね。煙玉ならこの状況なんとかなりましたのに。私は何を考えて……」
「これで一気にソウコ嬢にとってキツい状況になりましたね」
「仮に次のターンがあるとしても、リーサル行けるわけでもないので大丈夫ですよ。コスト2でクノイチを召喚して、妖刀ムラマサでプレイヤーに攻撃です」
ドッペルゲンガー:生命力1→0
モンスターが消えました。
「量産型移動式修復機は1枚で除去されにくいモンスターをたくさん並べるという一芸が強すぎるのはあります。しかし数をなるべく沢山並べたい機械皇帝とは相性バツグンのようで、攻撃出来なくなるので少し噛み合わないんですね。しかし武装は攻撃出来ますのでそれさえ使えばなんとかなりました。つまり貴方の敗因は武装を使わなかったことにあります」
「気にしないでくださいね。クノイチ召喚してからクノイチで殴ればスタンガンがあっても安全に勝てたとか、煙玉をサーチすればマスターニンジャでトドメをさせたとか、ソウコ嬢にもプレイングの温いところはあったから」
ポルターガイストは膝をがっくりとおろしました。こんなプレミだらけの奴に負けて落ち込んでいるんですかね。
まあ実際のところこうして武装の重要さに気づかせるためにわざとあのような雑なプレイングをしたんですけど、訂正したら負け惜しみだと言われそうなので言わないことにします。
「プレイングの温い奴に説教されてぐちぐち責められるなんて可哀想だね」
「まあ温いところがあったのは認めますが勝者であることに間違いはありませんから」
ポルターガイストは私にタックルして中に入ってきました。
勢いで壁に叩きつけられます。
「なんか入ってきましたね。まあ膨大なヘルズの力で押し潰されて除霊という結果になりました。残念なことです」
「しかし残念ですねぇ。邪神言語を知るほどの勉強家ならば様々な情報を得ているかもしれませんのに」
「今までが第二の人生ならば第二の死があってもおかしくはないですよね」
ポルターガイストを分厚いヘルズの力で閉じ込めることで出られないようにします。嘘ばかり言っているように感じますが、信用ならない人に秘密は大っぴらにできませんし、自由もなく暗闇に閉じ込められているので本当に死んだも同じなんですよね。