カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい 作:黒点大くん
飛んできた矢をユナイツカードで叩き切り落としました。
「矢が飛んでくるなんてやーねー」
「自分で矢を飛ばしてきたくせに何詰まらないことを言っているんですか。というかこの声どこから……」
今の声は男の人の声ですね。
ラウィラニさんは飛んできた十本の矢を叩きおとしました。
「飛んできた矢の威力と速度がそれぞれ違う……余裕をもって遊ばれているということか」
「まじめにやったのに遊び扱いされた。これ以上は矢の無駄になりそうで本当にやだ。いい加減観念しないといかんねん」
「余計なことばかりほざきますね。見たこともありませんが私はあなたのそういう言い回しが気に入らないのですよ」
空間に穴が開いてマッチョな男の人が出てきます。
男の人は目を金色に光らせていますね。プライムディスティニーの死に設定、呪眼ですか。
「自己紹介をしようかい。俺は異空間避難の呪眼を持つ男 ダージヤ・レユータンダ・レジヤ。よろしく……しなくてもよろしいな」
「知らない顔……タンダさんですか」
「死闘をしとうございますってね」
ユナイツカードを構えました。
タンダさんの3ターン目です。
「ドロー。チャージ。
「軽減とドロー持ちの最強カードですね」
相手が設置を持つ魔法カードを発動しても1枚ドロー出来るので、ミラーでも強いんですよね。
2 モンスター
効果:
設置を持つ魔法が発動したとき一枚ドローする
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:1
私の3ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト2でクノイチを召喚してそのままプレイヤーに攻撃してターンエンドです」
「相当運が悪かったと見える。これは勝ったと見えるな」
初手の運が悪いだけでこの言いざまですか。
タンダさんの4ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト3で
「この顔は生まれつきですよ」
鬼武者が持っていかれましたね。鬼武者コピーはなかなかキツイものがあります。
4 魔法
効果:このカードを未使用状態でコストゾーンに送り、相手のデッキからカードを一枚選んで使用状態でコストゾーンに送る。次の相手のターン終了時この効果でコストゾーンに送った相手のカードを相手の手札に加える。
私の4ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4で般若の舞姫を召喚して、プレイヤーに攻撃します」
「アクションストライク。
4 魔法
効果:このカードは自分の場に設置を持つ
攻撃によるダメージを無効化する。その後このカードを
2 モンスター
効果:
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:1
「腐るハナビキャノン引いてなくて良かったですね。ターンエンドです」
これはいよいよマズいですよ。
タンダさんの5ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト6でコピーミラージュ召喚。効果で鬼武者をコピーする。コピーの方法は……こうかっ」
「1000点満点で0点です」
「コピーミラージュでクノイチと般若の舞姫でプレイヤーに攻撃」
「なんか鬼武者って敵に回した時の方が強いですね。残り生命力は4ですか」
味方の時も強いので抜きづらいんですけどね。
私の5ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト5で呪術藁人形五郎を召喚してターンエンドです」
「そんなの持っていたんですね」
「のろいプレイングだなあ。そんな怠けてるかのようなスピードじゃすぐにな、負けるぜ」
5 モンスター 呪術藁人形五郎 属性:アヤカシ・ニンジャ
効果:プレイヤーが戦闘ダメージを受ける代わりにこのカードを破壊してもよい
このカードは戦闘で破壊される代わりに生命力を1回復する
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:2
タンダさんの6ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4で予言者 ヨティスを召喚。そしてコスト2で
「きついですね。アクションストライク。忍法 空蝉の術」
4 魔法
効果:設置。設置を持つ
私の6ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト2で座敷童の効果を発動します……コインは表、よってデッキから3枚選んで手札に加えて、コスト4で今手札に加えた獣遁 トラジャを召喚します。トラジャの効果でデッキからマスターニンジャを召喚し、コピーミラージュに攻撃して破壊です。マスターニンジャで空蝉の術をサーチしてターンエンドです」
4 モンスター 獣遁 トラジャ 属性:ニンジャ
効果:このカードの攻撃時デッキの上から5枚を見て、コストが5以下のモンスターを一体場に出す。その後このカードをデッキの一番下に送り、相手のコスト6のモンスターの生命力を1減らす
攻撃力:2 防御力:0 ライフ:1
「たかが一体壊したからってぬか喜びしたか。ガッカリな奴だな」
ガッカリな奴呼ばわりですか。
タンダさんの7ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト6でコピーミラージュ召喚。効果で貴様の手札の鬼武者をコピーしとこうかなっ……なにっ鬼武者がいない」
「鬼武者を面倒な敵を生むだけのカードと見てチャージしたか。ソウコ嬢は損切り得意なのに基礎でミスが多いなぁ」
一言どころか発言の全部が余計な人ですね。
ダンダさんは開き直って品定めをし始めます。
「こうなったらマスターニンジャをコピーしとこうかな。高すぎる攻撃力が仇となったなあだだだだ。コピーミラージュでプレイヤーに攻撃」
「アクションストライク。忍法空蝉の術を発動します」
「ターンエンド」
優秀なカードは複数枚あると思った方がいいんですね。
私の7ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4で忍法サオトサキの術を発動し、コスト2で忍法訓練所を発動します。忍法訓練所によって墓地から空蝉の術をサルベージです。マスターニンジャの効果によりデッキから分身の術をサーチして、そのまま攻撃です」
「コストはまだ2も残っているためワンショット成立ですね」
「なんで言うんですか。マスターニンジャでプレイヤーに攻撃します。その時にコストを2払うことで分身の術。マスターニンジャ、分身!」
マスターニンジャが二人になりました。
一人のマスターニンジャがダンダさんに綺麗な右フックを決めます。
「これでトドメですよ。マスターニンジャでプレイヤーに攻撃です」
「リアクション。コスト1で癒しの
「ターンエンドです」
自分を客観視できているなんて好感が持てますね。
3 魔法 癒しの
効果:リアクション。設置を持つ
タンダさんの8ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4で予知する者 ヨーゲンス召喚。コスト4で古の
4 モンスター 予知する者 ヨーゲンス 属性:魔法使い
効果:出現:自分のデッキの上から5枚を見て1枚を手札に加える。
このカードは墓地に送られる代わりにコストゾーンに送られる
攻撃力:2 防御力:0 ライフ:0
6 魔法 古の
効果:設置。1ターンに1度墓地から
「癒しは相手の攻撃でやられてしまえば効力を発揮できず、役に立ちません。古の
「相手がそれくらい織り込み済みではないと侮る。それがソウコ嬢の悪いところです。品性も含めて育て直した方がいいよもう」
ここをこうすれば今度こそ倒せますね
私の8ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト3でムラマサを武装します。忍法訓練所の効果で分身の術をサルベージします。マスターニンジャの効果で煙玉を加えさせてもらいますね。マスターニンジャでプレイヤーに攻撃です」
「アクションストライク。大結界」
「大結界っ!?」
「ターンエンドです」
大結界……聞いたことがあります。100年前からパックから出たことがないレアカードだと。私も4枚でいいから欲しいものです。
4 魔法 大結界 属性:魔導書
効果:このカードは自分の場に設置を持つ魔法カードが3枚以上なければ発動出来ない。アクションストライク。このターン互いにダメージを受けない
タンダさんの9ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4でソーサレスナイトを召喚。手札の再生の
「エースを今引きされてしまいましたね」
揺るぎない勝利を確信した笑顔ですね。
勝負は無表情で圧をかける基本ですがここまで追い詰められてしまっては、もはや笑顔でさえ圧を持ちます。
「コスト6でコピーミラージュ召喚。効果でコピーミラージュをコピーする。コピーミラージュでプレイヤーに攻撃」
「アクションストライク、空蝉の術です」
「コピーミラージュでプレイヤーに攻撃」
ソウコ:生命力4→0
痛いですねコレは。
「あと一撃というところで負けてしまいましたか」
「あとワンタッチで負けたっち。別に勝っても負けても何にもないからこの決闘に価値なし」
「そういえばそうですね。ところで取り敢えず矢を発射していた理由だけ知りたいんですけど」
そうする理由が分からないんです。矢を撃っていなければお互い何事もなく平和でしたのに。
なにか警戒していますね。
「そう言えば」
「人間は呪眼持ちをひどい目に合わせると知っているから射抜こうと思ったんだ。でも矢で射抜けないから決闘で怪我させて、撃退しときたいという考え方にシフトしたんだよね」
「そうですか」
異常に警戒しているんですね。遺跡探検に来ただけなのに策略家扱いされてますよ。
この仮説が事実ならタンダさんにナイフを首筋に当てられている現状をなんとか出来ると思いますよ。
「早くやれっ」
「見られたからには死ぬしかないしね、こんなところに入ってしまう悪運にうんと後悔しろ」
「強きものと決闘出来たので未練はないですよ。因みにこれは関係ない話なんですけど、風のうわさでニオジーンという大企業の社長が呪眼持ちの人を秘書にしたと聞きました。実際呪眼持ちは人間を始末してでも隠れ続けなくても良いヒエラルキーだと思いますよ」
お父様経由で入学する少し前に手に入れた情報です。デタラメかもしれませんが、私は事実だと言っていないのでセーフなんですね。
ナイフが首から離れました。
「嘘かもしれないのに。いいんですかこの人平気で嘘つくし自分のことしか考えないクズですよ」
「確かに私はそういう人間です。ですので文句があればいつでも決闘で私を殺しに来てくださいね」
「君には保身なんてほ死んでもしなさそうな不気味さがある。人間は可哀想な自分が可愛いという自己憐憫の精神がビンビンなはずなのに」
それを言ってしまえば私なんて可哀想でなくても自分が一番可愛いんですけどね。
この人自分も人間の癖に人間の悪辣なところしか知らないんですね。
「格好が汚れているから貧しいだろうし恐らく使い捨てだろう。多分囮の命が亡くなって初めて成立する作戦の囮をしていると見た」
「それだけ警戒心強いのに矢でいきなり射抜こうとするなんておかしくないですか?」
強い人との決闘は1度きりじゃ終わらせたくありませんからね。だから複数回決闘出来る発言をしたのですが失敗でしたね。
タンダさんが去ったので更に奥に進み行きます。
「テンポが悪くなりましたが、最後にあのような逆転勝ちされたので差し引き1ですね」
「そうか。人生最良の気分のまま昇天するのも悪くないんじゃないかな?」
「嫌ですね。12歳、まだまだこれから良いことがあるかもしれませんから」
ラウィラニさんのナイフを避けて裏拳を当てました。
まったく……この人は隙があればこうなんですから。
「変なことしてないで次いきますよ」
まったくもうです。