カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい 作:黒点大くん
一ヶ月経過しました。
「秋の生徒会総選挙デスマッチですわ〜」
「なんなんですかそれ」
「年に一度優勝すれば生徒会役員になることが出来る大会ですわ。生徒会は代々生徒会総選挙デスマッチの優秀者と身分が高く成績優秀な者のみで構成されているのですわ」
選挙じゃないという批判は止してほしいですわ。本編に忠実な表現をしているだけなのですからね。
これで力を付けていずれイーシラムにリベンジしなければいけませんわ。
「建前上はどんな身分の方々も生徒会長になることができますが、権力だの忖度だのあるので結局のところ偉さ=強さなイベントですわ」
「そうなんですか」
「しかしここにたった二人そういう忖度をしなくても良い人がいます。あなたと私です」
「あ、はい、そうですね」
客観的に見ればレイナさんはド庶民、私は将来の王族。忖度ランク圏外の低みと高みですわね。圏外だから好き放題出来るのです。
生徒会総選挙デスマッチに立候補しますと周りがざわつきましたわ。
「庶民の癖になんて度胸なんだ」
「ただの度胸じゃねえド級の度胸ド度胸だ……」
「ただ戦いたいだけだろ。横の子も巻き込まれて可哀想に」
参加してくれなんて一言も言ってないので、レイナさんは巻き込まれたんじゃなくて飛び込んだのですよね。
上級生の方がやってきましたわ。
「あら、偉そうですわね」
「コッチのセリフなんですけど」
「ごめんなさいね。おくちが緩くて余計なことを言ってしまいましたわ」
勿論これは計算のうちです。確かこのイベントで決闘出来るキャラは結構面白味があっていい感じですからね。
レイナさんは怒ったらどうするんだと言いたげな目で見ていますね。怒らせるのが目的なので巻き込まれるレイナさんは若干可哀想ですわね。
「ソウコお嬢様それはさすがにダメですよ」
「上級生に対する態度がなっていないわね。成金の子供に品位は期待していないけど、ここまで酷いだなんて思わなかった」
酷いのは当然、一晩考え抜いた悪口ですからね。
上級生はユナイツカードを構えました。マジカルランドですか。
「それで、貴女はどうしたいんですか? 下級生を倒して実力を見せつけるのですかね」
「そんなんじゃないよ。ただ無礼な人間は緩い口をキツくして分からせないとダメだし、決闘しか取り柄の無い人間を倒して自信をくじくのは効率がいい。だから決闘して分からせるしかない」
おっ。ついに決闘が始まりますね。あるかどうかわからない品性を投げ捨てた甲斐がありましたわ。
上級者との決闘ですわ。
「チャージ。手札のハンカチョーカーを開示いたします。コイントスは……表。2枚ドローでハンカチョーカー武装」
上級生の首にツボ皿の付いたチョーカーが装着されましたわ。
6 武装 ハンカチョーカー 属性:魔法使い
効果:手札のこのカードを見せてコイントスを行う
表を出した場合このターン手札のこのカードはストレンジ:2枚ドローを得る。裏を出した場合自分は手札を捨てる。
自分はコイントスまたはサイコロと記されたカード以外使用できない
一ターンに一枚だけハンカチョーカー以外のコイントスまたはサイコロと記された自分のカードの結果を操作できる。
この効果は自分のターンにのみ発動出来る
攻撃力:0 防御力:0
「私の先祖は王国建立777年に突如現れ各地に伝説を残し、ギャンブルで勝ち貴族の娘と結婚した伝説の博徒 ブルギャンビット・ハルヤマノ。だから一族代々ギャンブラー。積み重ねられたギャンブルセンスを見せつけてくれる」
「そう。それを生で聞きたかったのですわ」
「この口上どうやら庶民の間でも人気らしいね。ターンエンド」
このブルギャンビット・ハルヤマノの子孫さんは本編では一貫してモブ扱いと言うある意味もったいない人なんですね。
そして3ターン目までなにも起こらず上級生の4ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4で墓場の丁 グサン召喚」
墓石を背負った四ツ目のゾンビが現れました。
4 モンスター 墓場の丁 グサン 属性:使い魔
効果:出現:サイコロを振る。そして出た目に対応した効果を発動する
1:自分の手札を1枚デッキの上に置く 2:2枚ドローする
3:自分のコストゾーンのカードを1枚デッキの上に置く
4:サイコロを2回振りこのカードの出た目に対応した効果を発動する。この後4が出たらこのカードの効果を無効化する
5:相手モンスター一体を選び、攻撃力を倍にする 6:デッキの上1枚をコストゾーンに置くその後1枚ドロー
攻撃力:0 防御力:2 ライフ:2
上級生がサイコロを振ると4が出ました。
「サイコロを2個振らせてもらう。ダイスロール 4、2。4を6にして3枚ブースト。ターンエンド」
「堅実なプレイングですわね」
ギャンブルデッキ使っているのにリカバリーも欠かさない。後の先を読む伝説の博徒の子孫らしいですわね。
私の4ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4で忍法 サオトキキの術を発動します。鬼武者を手札に加えてターンエンドです」
「おお、互いに手堅いプレイングですね」
マスターニンジャを手札に加えられなかったのがキツイです。
上級生の5ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト6で災コロ発動。ターンエンド」
異様に大きくて黒いサイコロが赤くて大きな単眼でこちらを見つめてきます。
6 魔法 災コロ 属性:魔導書
効果:相手の攻撃時サイコロを振る。出た目が相手の攻撃力と一致していればそのターン中その相手から戦闘によるダメージを受けない
一致していなければ相手はダメージを与えたとき与えたダメージ分生命力を回復しても良い
私の5ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。コスト6で鬼武者でプレイヤーに攻撃します」
「災コロの効果発動。ダイスロール」
災コロは回転して止まって真っ白な六つ目で私を睨みつけました。
6が出ましたか。
「ターンエンドです」
「豪運な人間がギャンブルデッキを使うのが最強なんだよね。入試を全て鉛筆転がしで解答し歴代最高得点を叩き出した私に運で勝てる者などこの世にはいない。と言うことはつまり……」
「自分が一番ギャンブルデッキを使いこなしているという自信ですか。でも貴女は言うほど豪運でもないですよね」
ハンカチョーカーに頼らずともサイコロを当てるなんて凄いですわね。
上級生の6ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4で屑鉄の賽比べ スクラップス召喚。コスト3でハーフガンナー召喚」
二つのサイコロを持っている継ぎ接ぎのロボットとガンナーが現れました。
4 モンスター 屑鉄の賽比べ スクラップス 属性:使い魔
効果:お互いのターン開始時お互いにサイコロを振る。出た目の数が多いプレイヤーは2枚までドロー出来る
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:4
3 モンスター ハーフガンナー 属性:使い魔
効果:コイントスを行う。
表が出た場合相手モンスター一体を破壊する。裏が出た場合自分のモンスター一体を破壊する
攻撃力:2 防御力:0 ライフ:3
「ハーフガンナーの効果……表が出たので鬼武者を射殺! ハーフガンナーでプレイヤーに攻撃」
「鬼武者は除去されるときついんですよね」
ソウコ:生命力10→8
私の6ターン目です。
「ドロー」
「スクラップスの効果。私は2 君は1か。2枚ドロー」
「チャージ。コスト7で回天の術を発動してターンエンドです」
「参ったなぁ……ハーフガンナーが役立たずになっちゃったよ」
いくら墓地から出せるとはいえコストが必要なので役に立たないなんてことはないんですけどね。
上級生の6ターン目です。
「ドロー。スクラップスの効果。私は4 君は3。2枚ドロー。チャージ。コスト5でミスタールーレット召喚。ハーフガンナーでプレイヤーに攻撃してターンエンド」
赤と黒の縞模様が付いた手枷足枷を付けた男が現れました。
5 モンスター ミスタールーレット 属性:魔法使い
効果:コイントスを行って裏が出たらこのカードを破壊する
表が出たら相手の全てのモンスターの生命力を2軽減する
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:1
私の7ターン目です。
「ドロー。スクラップスの効果ですね。今度は私が勝ちましたか。チャージ。コスト5でマスターニンジャ召喚。マスターニンジャの効果で分身の術をサーチします。マスターニンジャでプレイヤーに攻撃します」
「災コロの効果発動。ここで5を出さなければ私の負け、ダイスロール」
マスターニンジャの攻撃が弾かれました。5が出ましたね。なのでターンを終えました。
上級生の7ターン目です。
「ドロー。スクラップスの効果。私は6 君は3。2枚ドロー。チャージ。ハーフガンナーの効果発動。表が出たのでマスターニンジャ破壊。コスト7で流転の毒蜘蛛召喚。ハーフガンナーでプレイヤーに攻撃してターンエンド」
7 モンスター 流転の毒蜘蛛 属性:使い魔
効果:相手ターンにコイントスを行う。それら表ならこのモンスターは次のターン攻撃できる。裏ならこのカードをデッキの一番上に戻す
攻撃力:7 防御力:0 ライフ:1
私の8ターン目。スクラップスの効果で勝ちましたので2枚ドローします。
「チャージ。コスト7で墓地からマスターニンジャを蘇生します。そのままマスターニンジャで攻撃です」
「災コロの効果発動。ダイスロール……5」
「マスターニンジャでサイバー忍法 破壊工作の術をサーチしてターンエンドです」
「流転の毒蜘蛛の効果発動」
表が出てしまいましたね。
上級生の8ターン目です。スクラップスの効果で負けたので2枚ドローされました。
「チャージ。ハーフガンナーの効果発動。裏が出たからスクラップス破壊。もう手札加速は必要ないから運が良かった。流転の毒蜘蛛でプレイヤーに攻撃」
「こんな攻撃受けたら負けますよ。アクションストライク。忍法空蝉の術」
「ハーフガンナーでプレイヤーに攻撃してターンエンド」
これで残り生命力は4ですか。
私の9ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト5でサイバー忍法 破壊工作の術を発動します。災コロを破壊しますね」
5 魔法 サイバー忍法 破壊工作の術 属性:ニンジャ
効果:自分の場に属性:ニンジャを持つモンスターがいなければ発動出来ない
相手の場のカードを1枚破壊する
「そしてマスターニンジャでプレイヤーに攻撃します」
「うぐっ」
「マスターニンジャの効果発動。分身の術をサーチしてそのままコスト2で分身の術発動。分身することによりもう一度攻撃出来ます。マスターニンジャでプレイヤーに再攻撃です」
勝ちましたね。
マスターニンジャの動きが止まりました。
「リアクション。コスト6で運勢魔法ダイキチラッキー発動」
「ダイキチラッキーですか。それが決まるかどうかで運命が決まりますね」
6 魔法 運勢魔法ダイキチラッキー 属性:魔導書
効果:コイントスまたはサイコロと記されたカードを武装しているならこのカードはリアクションを得る。
お互いにサイコロを振る。出た目の数が多いプレイヤーはこのターンダメージを受ける代わりに生命力が1上昇する
少ないプレイヤーはこのターン受けるダメージが2倍になる
「私は5が出たけどキミは?」
「2です」
「だんだん運が悪くなっている。天も横暴さに呆れて物も言えないんじゃないの。天罰覿面という奴だね」
「ターンエンドです」
「流転の毒蜘蛛の効果発動、表が出た」
もう少しでしたね。
上級生の9ターン目です。
「ドロー。流転の毒蜘蛛でプレイヤーにトドメ。アンラッキーポイズン」
「うぎいいいい」
流転の毒蜘蛛に右肩を噛まれ、モンスターが消えました。
負けてしまいました。
「これに懲りたらもう二度と行儀の悪いマネはしないこと。そんなことをすれば無限に敵を増やしてしまうから」
「そうですね。肝に銘じておきます」
強い敵と戦うことが目的なのですけれどね。まぁ婚約者が退学させられるなんて王子様の面目丸つぶれなので、少しおとなしくしましょう。
そもそも今回は下品過ぎましたわね。
「次はもっと上手くやりますわ」
「そうじゃなくてね……まぁいいや。極力周りから嫌な眼で見られないよう上手くやってね」
「ありがとうございました」
上級生はレイナさんの感謝の言葉に首を傾げながら去りました。
レイナさんに引っ張られました。
「あの先輩がなんだかんだいい人で良かったですね」
「そうですね。決闘好きな人間を分からせたければ決闘しないことが一番効くのに、わざわざ決闘で分からせようとしたのですから」
しかし行儀が悪い以外なんも悪いことしていない気がするのですがねぇ。暗黙の了解という権威に屈しましたか。