カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい   作:黒点大くん

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 廊下を歩いていると上級生がぶつかってきました。レイナさんは鼻血を出していますね。庶民の癖に目立っているのが気に食わないのが理由だとしたら、私のせいですわね。

「あらあらぶつかってしまってごめんあそばせ〜。しかし私も制服が汚れたのでおあいこですわね〜おほほほほ。下衆な庶民の癖に」

「すみませんね。懐事情の厳しいド貧乏人の服を汚してしまって。非人道的でしたよね」

 根っからの貴族の家の出身ですね。こういうタイプには資金を煽るのが良く効きます。

 

 持っていたティッシュでレイナさんの鼻血を抑えました。顔を覚えられたくないので去りましょうね。

「換えの制服の代金は立て替えておきますから、汚れた制服は寝巻きにでもしておいてくださいね。プライドだけで生きてる人にとっては貴重な体験でしょうから堪能しておいてくださいね」

「伯爵令嬢になんという口の聴き方ですの?」

「やはり庶民は下品だわ」

「いえいえ。やはり平気で人を傷つけておいて平気な顔をするお貴族様には負けますわ。流石お貴族様です。我々庶民とは格が違います」

 表面上1貶したけど2褒めておいたからご機嫌気分で顔も覚えられることはないでしょう。

 

 翌日

 

 せこい真似して来た上級生が来ました。

「昨日の今日で来るなんて私のファン、もしくは借金しに来たのですかね。貧乏って怖いですよね」

「金の無心なんてしませんわ」

「それは関心ですね。では未来の王族という客観的事実を持つ私に今のうちに媚を売りに来たのでしょうか。さすがお姉様安定派ですわ」

 18で死ぬので媚びるとしたら大ハズレな選択肢なんですけどね。

 

 上級生に胸ぐらを掴まれました。

「代々大金持ちな我が一族が貧乏なわけあるかぁ。いい加減にしないとはっ倒すぞ」

「すみません。偉そうなこと言ったところでゲスな庶民に資産力で負けてるんです。そしていずれ権力でも負けそうで焦りがありますね」

 レイナさんを傷つけておいて謝らないのでこのくらいしてもいいと思いますわ。

 

 取り巻きたちは私を睨みつけます。

「庶民の癖に口を開けば愚弄しかしない」

「身分の差を理解させ貴族の偉大さをわからせて差し上げますわ」

「偉大なる母や父の顔に泥を塗りながら偉大さを教えるだなんて立派な心がけですね。涙が止まりません」

 決闘が始まりました。今回は私が2つのデッキを使いタッグバトルです。

 

 取り巻きAの先攻3ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト3で青邏ナドリス召喚。ナドリスでプレイヤーに攻撃してターンエンド」

「マーフォーク型ですね」

 セーラー服を着た猫耳の女の子が現れました。

 

 3 モンスター 青邏ナドリス 属性:マーフォーク

   効果:このモンスターが攻撃済み状態の時、属性:マーフォークのモンスターが出た場合1枚ドローする

   攻撃力:0 防御力:1 ライフ:2

 

 私Aの3ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト3ではにわさんを召喚してはにわさんでプレイヤーに攻撃です。そしてターンエンドします」

「はにわさん……そんな攻撃力に対してデメリットが凄いカード使うのね。流石庶民ですわ」

「そうですかね。先輩方のことを聞いて真面目にメタカードを組んできたのですがね。タッグファイトはマイナーですから、タッグファイターはそれなりに有名になりますし情報も集めやすいですよ」

 しかしこの人達私の記憶が確かですと本編に出ていないんですよね。ですから情報収集が大変でした。

 

 取り巻き:生命力10→7

 

 3 モンスター はにわさん 属性:アヤカシ

   効果:相手モンスターの攻撃時相手は1枚ドローする

   攻撃力:3 防御力:1 ライフ:2

 

 取り巻きBの3ターン目です。

「ドロー。チャージ。ナドリスでプレイヤーに攻撃。そしてコスト6でカイリュウブラスター武装。ターンエンド」

「はにわさんの効果を上手く使われてしまいましたね」

 効果を使わなかったということは、手札アドバンテージがよほど大事ということですね。

 

 私Bの3ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト6ではにわんだーを発動してはにわさんでプレイヤーに攻撃します」

「アクションストライク。ドローガード」

「ターンエンドです。上手く削ることが出来ませんでしたね」

 はにわが多数入っている箱が現れました。

 

 6 魔法 はにわんだー 属性:アヤカシ

   効果:設置。このカードは1ターンに1度だけ効果で破壊されない

      相手が効果でドローするたびに1枚につき以下の効果を1度選んで発動できる

      ・このターン中自分か自分のモンスターの攻撃力と防御力を1ずつ上げる

      ・デッキか墓地からはにわにとはにわんを一体ずつ召喚する

 

 取り巻きAの4ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト2でサハギンシールド召喚。ナドリスでプレイヤーに攻撃して、コスト4でハンティングマーメイド召喚」

「はにわんとはにわにを召喚します」

「ハンティングマーメイドでプレイヤーに攻撃」

「バフします」

「ターンエンド。防御力が増えると攻撃通りにくくなるから地味に面倒くさい」

 はにわのワニと犬が箱から現れました。

 

 4 モンスター ハンティングマーメイド 属性:マーフォーク

   効果:攻撃する時1枚ドローする

   攻撃力:2 防御力:0 ライフ:2

 

 2 モンスター はにわに 属性:アヤカシ

   効果:相手はデッキからドロー以外でデッキからカードを手札に加えた場合1枚ドローする

   攻撃力:1 防御力:1 ライフ:2

 

 1 モンスター はにわん 属性:アヤカシ

   効果:はにわカードが破壊される代わり相手は1枚ドローする

   攻撃力:0 防御力:0 ライフ:1

 

 ソウコ:生命力10→9

 

 私Aの4ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト4でサオトキキの術を発動します。はにわさんでサハギンシールドに攻撃してターンエンドですわ」

 私サハギンシールドを相手するたびに面倒だと思うんですよね。

 

 取り巻きBの4ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト6で魚竜群召喚。デッキの上から5枚捲って1枚ドロー。コスト2でドリルサザエ召喚。1枚ドロー。ターンエンド」

「攻撃しないんですね」

「手札は十二分に溜まったからね」

 次のターンが怖いですね。

 

 私Bの4ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト6で鬼武者を召喚してサハギンシールドに攻撃します。そのまま破壊して魚竜群に攻撃して破壊します」

「アクションストライク。ドローガード」

「ドローガードで魚竜群への攻撃を防がれましたか。ターンエンドです」

 なかなかしぶといですね。

 

 取り巻きBの4ターン目です。

「ドロー。チャージ。魚竜群で1枚ドローしてナドリスとハンティングマーメイドで攻撃」

「あーあ。これでマレンティの審神者でも出されでもしたら次のターンに私負けてしまいますね。なんてたって最強ですから」

 この挑発、乗らざるを得ませんよね。乗らなかったら庶民に逃げ腰になったということですからね。

 

 取り巻きBはその手があったかと言う顔をしました。そんな……打算抜きでアッサリ策に乗るなんて。

「コスト8でマレンティの審神者を召喚」

「強くなっているのは皆一緒だから。ナドリスでドロー。マレンティの審神者の効果発動」

 マレンティの審神者の効果はなかなか面倒なんですよね。ですから気を抜くとライブラリアウトさせられて牽制になりそうなはにわにを使っているんですけどね。

 

 8 モンスター マレンティの審神者 属性:マーフォーク

   効果:このカードはルール上サハギンカードとして扱う。

      自分が効果によってドローした時デッキから属性:海竜のモンスターを2枚まで手札に加えて自分の手札の枚数以下の属性:海竜のモンスターを場に出す。この効果で出したモンスターはこのターン攻撃出来ない

   攻撃力:2 防御力:2 ライフ:2

 

「オルトシナウズを2枚手札に加えて手札が7枚だからコスト7のオルトシナウズ召喚。デッキから手札に加えたからはにわにの効果でドロー。オルトシナウズを2枚手札に加えてオルトシナウズ召喚。はにわにの効果。グリッピアを二枚手札に加えてオルトシナウズを召喚。はにわにの効果。グリッピアを二枚手札に加えてオルトシナウズを召喚。これは無限ループね」

 無限ループの快感と大量ドローの快楽にどっぷりハマってしまいましたね。

 

 しかし快楽を1度に多量摂取すると人間は壊れてしまいますよ。

「デッキに海竜がある限りこのコンボは発生し続けて、いずれ過剰なドローによりライブラリアウトを起こします」

「あっバカ」

「バカって言った方がバカだから」

 稚拙な演技に誘い込まれましたね。

 

 凄まじい数の海竜が並びました。取り巻きBは興奮して相方の制止も聞かずに展開していますね。

「山札6枚じゃん。もう知らないから」

()()()()()これで私のデッキに海竜はない」

 取り巻きBはニヤリと笑いました。てっきり大型出すのに夢中で山札無くなることに気が付いていないとばかり……

 

 

「上手い事利用されてしまいました。」

「これでライブラリアウトせず好きなだけ展開できたという訳。ターンエンド」

「そうか……タッグファイトは手札やデッキは盤面を左右するプレイヤーはターンごとに入れ替わり、それぞれのデッキを使う。だから次のターンになっても山札に余裕のある方になるからライブラリアウトの危険性もない。ド庶民のカードをうまく利用しましたわね」

 一気に大量のモンスターを展開されてしまいました。

 

 7 モンスター オルトシナウズ 属性:海竜

   効果:手札が10枚以上なら貫通とオールアタックと蹂躙を得る

   攻撃力:4 防御力:3 ライフ:4

 

 6 モンスター グリッピア 属性:海竜

   効果:なし

   攻撃力:6 防御力:2 ライフ:5

 

 私Bの4ターン目です。

「これをどうにかしなければ負けですわね。ドロー。チャージ。コスト6で百花繚乱。デッキから座敷わらしを手札に加えて1枚ドロー」

「ギャンブルに頼るなんて思い切った真似をするわね」

「はい。コスト2で座敷わらしを発動します」

 狙い通り裏がでました。

 

 山札は残り二枚……これであと4ターン耐えれば私の勝ちですわね。

「浅はかね。はにわにの効果で1枚ドロー」

「なんとでも言ってくださいまし、はにわんだーの効果でパンプして鬼武者でオルトシナウズに攻撃します」

「アクションストライク。マレンティの詠唱発動。さっきの座敷わらしを利用させてもらったわ」

 

 6 魔法 マレンティの詠唱 属性:マーフォーク

   効果:自分の場にマレンティカードがある場合相手もしくは自分のターンに1度だけコストを払わずに使用出来る。

      手札のコスト3以下の魔法を見せてその魔法を唱える

 

「マレンティの詠唱で神秘なるアクアマリン発動。デッキからマリンスノーを出して手札を全てデッキに戻す」

「なんでそんなもの入れているんですか」

「トピア・クアを使う以上山札切れは課題の一つ。ならば対策するのが筋でしょうが」

 結構な力技ですね。しかも手札が10枚以上あったら負けない魔法とかあるのにアクアマリンに拘るなんて頑固ですわ。

 

 まぁ拘りは否定しませんけどね。そういうのは大事ですし。

「でも残念だったね。デッキアウトさせようと浅知恵絞ったけど逆に利用されたんだから。コインが裏でも表でも負けるのは変わりなかったという訳。この状況を打開できるカードももうないんじゃな……あっ」

「……鬼武者でグリッピアに攻撃です。判断を謝りましたね、ドローガードで防いでからマレンティの詠唱を使えば良かったですね」

「ああしまった。ちゃんと除去もしておけば」

 海竜は全滅し、鬼武者の刃が相手プレイヤーに届きました。

 

 これでトドメですね。

「はにわさんでプレイヤーに攻撃してトドメです」

 

 取り巻き:生命力7→1→0

 

 凄い人でしたね。

「宜しければ名前を伺いたいのですが」

「貴女、庶民に負けるなんてお恥ずかしいですわね」

「恥ずかしいのはおま……貴女ですよ。先輩名前を教えてくださいまし」

 上級生の手を払い除けました。今それどころではありませんから。

 

 取り巻き先輩は混乱しております。

「騎士の娘 オットー・シゴだけど。コッチの娘はトリー・マッキンジーね」

「オットーさん貴女は応用力が効き私の裏をかく起点もあります。私のライバルになってください」

「シゴは私のライバルだから。あんたなんか指一本触れさせないから」

 握手をしながら執拗に妨害しようとしてくる上級生を撃退します。

 

 上級生が胸ぐらを掴んできました。

「人の取り巻きを勝手にライバルにしようだなんて下品で強欲ですわね。貴女のお父様そっくりですわ」

「そうですか。貧乏人は挑発も安いですね。節約しないといけないからですか?」

「貴様!」

 罵倒に乏しい人に対して冷笑しないあたりよっぽど効いていますね。

 

 このまま宙をさまようような感覚を味わうのもいいですが、腕力も限界でしょうね。

「決闘で分からせて心根を折った方がいいですよね」

「負けて折れるような奴ではないでしょ」

「貴女のような偉い人も私のことを知っているなんて……光栄ですね」

 上級生は悔しそうに下唇を嚙みました。偉いから煽られた経験もなく煽り耐性が低いんでしょうね。

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