カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい   作:黒点大くん

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 オットー先輩と決闘をしていました。

「ここをこうしてもああなってあれをああしてもこうなるから……負けですね。対戦ありがとうございました」

「対戦ありがとう。実際ギリギリだった」

 実力が凄い。レイナさんクラスの実力者であることは間違いないですね。

 

 こんなに強い人が生徒会総選挙に興味がないなんて割と多大な損失です。

「こんなに強いのにどうしても生徒会に入らないんですか?」

「あなたにはわからないと思うけど、常人には大人の世界と暗黙の了解というものがある。それにハッキリ言って成績はあまりよくない方なんだよね」

 オットー先輩は拝んでいます。どういうことなのでしょうか。

 

 真剣な表情ですねぇ。

「神様、令嬢様、ソウコ様勉強を教えてください。今日この部屋に来たのは半分これが目的なんだよ。そういう理由なので問題もないというわけ」

「あっそうですか。道理であっさり来ると思いましたわ」

 プライドを捨てることが出来る……私はそんなオットー先輩を尊敬します。

 

 プライドを捨てたオットー先輩に勉強を教えていると、ラウィラニさんが戻ってきました。

「あ〜ん♥ドゥイ様〜♥私に鬼畜なことをしてぇ〜ん♥」

「レディがあまりそういうことを言うものじゃありませんよ」

「満足~♥でも鬼畜なこともしてぇ〜ん♥」

 凄いよね、今まで勉強したことが全て抜けている模範的アホ面ですよ。軽蔑しますね。 

 

 顔を見れば嫌がっているのが分かりますね。これが愛ゆえの面倒くささです。

「先輩、せんぱ〜い、もう半分の用事をいい加減に教えてくださいよ」

「あ、ドゥイ様の顔が良すぎて忘れてた。第4王子様と庶民の子と付き合っていたよ」

「すごいスクープじゃないですか。私の顔よりも大事なことですよね」

 湧き上がる嫉妬心を理性で押さえつける。

 

 明日考えることにして翌日です。

「授業中も仲良く話すなんてメラメラ嫉妬しますね」

「どちらに嫉妬しているんだい?」

「二人ともにですよ。きっと私がカードに夢中になっている間浮気しているんでしょうね! ふんだ!」

 この国は一夫多妻及び一妻多夫制ですし、貴族にはお妾さんがいないのは異常ですから理屈には合っていますが、それでもムカつくものはムカつきますね。

 

 半日悶々としたまま過ごしました。

「あっ。私をチラ見して逃げましたね。やはり王子と私は結ばれる運命ではないということでしょうか?」

「何バカなことを……傲慢不遜な貴女らしくない。ずっとそうやって死ぬまで大人しく生きていて欲しいね」

 励ますのと貶すのどちらかにして欲しいですね。

 

 なるほど。本編では明かされませんでしたが、こういうようなことがあって本編の私は主人公を妨害するに至ったのかもしれませんね。

「事前に対策していなければはらわたが煮えくり返る思いをしていましたね」

「結構無理しているのが目に見えているけどね」

「もしかして嫉妬を煽るためにわざと見せつけているのかもね」

 その線もありますね。もしそうだったら私は王子を軽蔑します。レイナさんがかわいそうですからね。というかなぜオットー先輩はなんでいるのでしょか。

 

 現状分からないことだらけなのでしばらく様子見をしましょう。

「いけ、ソウコちゃん。応援しているゾ」

「先輩のばか! デリカシーレス」

 王子様達振り向いたらいきなり私がいたので驚いているじゃないですか。

 

 なんか気まずいですね。

「おはようございますわ」

「おはようという時間でもないですね」

「そんなことはどうでもいいんですよ。問題は王子様と貴女がなぜ一緒にいるかなんです」

 言えないけど怪しくないという顔をしていますね。

 

 訳ありですか。まぁ知ったことではないんですけど。

「いえね別に嫉妬しているとかそういうのではないんですよ。お妾さんがいるのは当たり前ですし、レイナさんがお妾さんになれば私も嬉しいですから。ただ普段は心の奥底で自重している王子様への愛があふれると言いますかねそのうまく言えませんね」

 面倒臭い奴だなと言う視線をひしひしと感じます。

 

 愛は人を複雑にする……オットー先輩は心当たりがあるはずなんですがね。

「ソウコ嬢は面倒くさいお人ですね。王子様は早急に事実を応えるのが吉かと思われます」

「ラウィラニ家の者か。言えないけどソウコ嬢を悲しませるようなことではない。それだけは分かってほしい」

「私が目の前にいても私に何も言わないのにやましいことはないと言いたいのですね」

 デッキを構えました。

 

 レイナさんはすべてを理解したと言いたげな顔をしました。

「ソウコお嬢様がなにを勘違いしているのか知らないけど、悲しませることではない。それだけはハッキリと知ってほしいのです。もしも悲しませたなら……覚悟の二つ三つはしているますよ」

 レイナさんは私の腕をつかんで自らの首に近づけます。死んでもいいということですか。覚悟を感じますね。

 

 レイナさんの腕を払いました。

「そこまでの覚悟があるのですか。その覚悟見届けさせてもらいますよ」

「ソウコお嬢様に見届けていただけるなんて光栄ですね」

「そこまでいうならしばらく何もせず静観致しますか」

「そこまでと言うほど何か言っているわけじゃないと思うのだけど」

 一々煩い人だ。友人や婚約者を疑いたくない反面疑うしかないという複雑な心境を理解できないのは、ラウィラニさんらしいと言えばらしいです。

 

 私は戻ったふりをしてバレないように尾行を行います。

「なんか楽し気ですねえ。デートでしょうか。友人の幸せを祝福する気が起こらないなんて、私も落ちましたね」

 いつまでも友人のまま婚約者のままというなぁなぁな関係でいられないというのは分かり切ったことなんですけどね。

 

 ……今日の私は不調ですわ。

「あっ。マッキンジー先輩とマッキンジー先輩を取り巻きにしている人ですね。奇遇ですわ」

「なんですの。私が取り巻きのついでみたいな呼び方。無礼でしてよ。聞いて驚きなさい。私の名前は」

 変に優しいですね。怒って決闘で私を倒そうって考えるのかと推測しましたのに。

 

 まあ王子様見張るのに集中できると考えたらそれはそれでラッキーですね。

「これあげますから黙っていてください。ラウィラニさんが使ったジャムの空き瓶です。高く売れそうでしたので持っていて正解でしたね」

「なんですのそのゴミ。要らないですわ」

「学園の女子の4割をファンにする凄いイケメンが使ったジャムの瓶ですよ」

 マッキンジー先輩を取り巻きにしている人は私の手からひったくるようにジャムの空き瓶を貰っていきました。

 

 取り巻きの人が一新していますね。何処かで見たことある顔です。一新した成果なんか機嫌が悪いマッキンジー先輩だけが残ったのですね。

「そう言えば王子様をストーキングしているんじゃないの?」

「あ、忘れていました。マッキンジー先輩、ありがとうございます。また会う日までごきげんよう」

「私としましてはまたなんてない方がいいですわ」

 それにしてもなぜあの場所にいたのでしょう。私もストーカーされているのでしょうか。

 

 それにしても私に隠れてデートだなんていい根性してますね。

「おやりくださいましっ」

「そうですか。やっぱりおかしいと思ったんですよ。口調が妙に柔らかいものなのでね」

 王子様達に向かって放たれたクロスボウをカードで撃ち落としました。

 

 マッキンジー先輩を取り巻きにしている人にナイフを投げつけるとちゃんと刺さりました。しかし出血は確認できません。

「会いたかったよ。君に対する思いはあそこのマヌケ面よりもあると思う」

「しかしその思いはすべて憎しみで構築されていますよね」

 四の邪神 アブゾーブでした。本当にお久しぶりですねえ。

 

 しかしその姿と言うことは……

「良くもやってくれましたわね。その姿の人には悪い思い出しかありませんが、それでもそこまでされるような人間ではありませんでした」

「そうかい。ボクにはそんなことどうでもいい事なんだけどね。でも王子の姿コピーしようとしたらこの姿の奴に見つかったので仕方ない」

「羨ましい限りですよ。私なんか目が貴重なせいでアブゾーブ様に全てを捧げることが出来ませんから」

 取り巻きの一人……イツが入れ替わっていたんですね。

 

 マッキンジー先輩はため息をつきました。

「そういうわけで脅迫されて無理矢理脅迫されてたってわけ。庶民ごときに助けてもらいたくないからとっとと帰ってね」

「一旦王子の尾行はやめましょう。目の前で見捨てるのは癪ですからね」

 マッキンジー先輩は他人の心配している場合なんですかね。

 

 マッキンジー先輩が色々言っている気がしますが、気にしないようにしましょう。どうせ私を制止する言葉ですから。

「決闘で倒して心を折りお前のすべてを貰う。いきなり目的地にたどり着けるのは、ちょっとラッキー」

 デッキを構えるとマッキンジー先輩はその辺に捨てられました。

 

 デッキ内容は変わっていませんが、回し方が上手くなっていますね。

「鬼武者でプレイヤーに攻撃。自分の切り札で負けろ」

「そのカードで負けるわけにはいきませんね」

 この鬼武者は王子からもらったカードですから。

 

 しかし幸いクノイチがいます。

「焦りましたね。アクションストライク。忍法 空蝉の術」

「ターンエンド」

「やりましたね。これでアブゾーブ様もあと少しで悲願達成です」

 逆転の手がないのも事実。

 

 私の10ターン目……マッハドローを行いました。

「ドロー……チャージ。互いに1ダメージでも受けたら死に至るようなギリギリの決闘ですね」

「ここだけ見ていれば熱いけど、ボクが勝つのが既定路線だから全然熱くないってわけ」

「何舐め腐ったことほざいているんですか。クノイチでプレイヤーに攻撃です」

「アクションストライク。マジックシールド」

「コスト3で妖刀ムラマサ武装。ムラマサでプレイヤーに攻撃します」

 モンスターが全て消えされました。

 

 私も今回はギリギリまで追い詰められて危なかったですね。

「当たり前ですが成長しているのは私だけではないということですか。今回はかなりギリギリでしたよ」

「闘気への耐性が上がっていた……前より倍の量を浴びせているのに」

「私を倒せるようになるまで頑張ってくださいね」

 アブゾーブは帰りました。

 

 何かがおきた音がしたので後ろを向くと、王子様が私を見ています。

「バレてしまったのですか」

「今の生徒……心当たりのない見た目でしたね。また危険なことですか?」

「心当たりがないというだけで危険なことしているというのは些か根拠に」

「雷を受けた痕跡が地面にありますね」

 アッ掃除し忘れました。

 

 王子様達に変な目で見られます。

「痕跡ないですよ。しかし痕跡が発生するような危険な決闘をしているということが分かりました」

「王子様が魅力的なのが悪いんですのよ。私の前で他の女性とイチャイチャなさるから。やさぐれてこんなことするようになったのです」

「猛省いたしました」

「いえね、そういうことではなくて私が一方的に悪いのですが、その、素直に言葉が出なくてですね。ごめんなさい。でも心配してくれてありがたかったですわ。やさぐれの氷が溶けた気がします」

 こういう面倒くさいところがあるから普段はトゥスル王子様に対する思いを封じていたのです。

 

 頭の上に何かが乗っかるのを感じます。感触的に植物ですね。

「花の冠です。レイナ嬢と一緒にいたのはソウコ嬢にこういった物をプレゼントしたくてですね……こういうのはサプライズがいいので、こっそりレイナ嬢に作り方を教わっていたという訳です」

「そういうことだったんですのね……ですが今日私の誕生日とかでしたっけ?」

「いえ、なんでもない日のプレゼントです」

『プライムディスティニー』本編にも好きなタイミングでキャラにプレゼントをあげて好感度を上げるシステムがありました。

 

 我ながらチョロいかもしれませんが、これは好感度の一つや二つ上がりますよね。

「お金をかけるプレゼントと言う選択肢もあるにはありますが、ソウコ嬢はそんなもの飽き飽きしておられるでしょう?」

「私としては普通に税を尽くしたプレゼントの方が好きなんですけどね。これには早急に状態固定の呪いをかけさせていただきます」

「プレゼント大成功ですね。トゥスル王子様」

 頭の上の花冠を取りました。

 

 部屋に戻りまして花冠に状態固定の呪いをかけました。

「ソウコ・メッセルがそんなショボい花冠をいとおしそうに持つなんてミスマッチですね」

「ミスマッチに見えるのも当然ですわ。世界でたった三人しか価値の分かりませんもの」

「王子様とのことは解決したんですか?」

「理想的な円満解決です」

 そもそも王子様は問題が発生したことに気が付いていませんけどね。それでいいん

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