カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい 作:黒点大くん
イツとラウィラニさんの決闘が始まりました。
「何気にイツさんのデッキ見るの初めてですね」
「早く終わらせてくれると有り難いかな。あのお嬢様を早くぶち倒して欲しい」
どうせコントロール奪取系ですから塩試合になることは間違いないですね。
互いに3ターン経過してラウィラニさんの4ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト2でハイパーインターフェイス発動。ハイパーインターフェイスの効果によりリーンマジカ発動。ターンエンド」
「トラップデッキ 聞いたことがある。攻撃を行うとリアクションが発動し、だんだん不利になっていくデッキだと」
例え棚ぼたでも大企業勤めなだけあって流石に情報収集はお手の物ですね。
イツの4ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト4でドラゴニックトランス発動。ターンエンド」
「ドラゴニックトランス……先日、教団が管理していた竜滅デッキが消失したという情報が入ってたね。どこに行ったかと思ったらそんなとこに」
「盗んだと言いたいのか。盗みなんてそんなセコい真似アブゾーブ様がするわけがない」
オートビルダーキャノンにドラゴンの意匠が追加されました。
4 魔法 ドラゴニックトランス 属性:魔導書
効果:設置。相手の場のカードはすべて属性にドラゴンを得る
ラウィラニさんは手札を整えてイツの5ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト5で竜滅剣 ドラゴンキラー武装」
「ドラゴンキラー、トランスある状態でそれをされるのは面倒ですよね。ま、頑張ってくださいよ」
華美な装飾の目立つ金色の剣が天井から降ってきました。
5 武装 竜滅剣 ドラゴンキラー 属性:魔導書
効果:オフェンシブメタ(以下のカードと戦闘を行うときだけこのカードの攻撃力はそのカードの防御力分上昇し、防御力はそのカードの攻撃力分上昇する):属性にドラゴンを持つカード
ディフェンシブメタ(このカードは以下のカードの効果を受けない):属性にドラゴンを持つカード
貫通
攻撃力:0 防御力:1
イツは竜滅剣を持ち上げて振り回します。
「竜滅剣 ドラゴンキラーでプレイヤーに攻撃」
「モンスターじゃないからリアクションも効かないが多いみたいだね。ドラゴン扱いだからかな」
「竜滅はドラゴンであることを強制してそのまま殴るデッキタイプなんです。自分がメインで殴るのでトラップデッキとは相性も良いんです」
相手プレイヤーに直接作用するトラップカードは限りなく0に近いですからね。
ラウィラニさんはジェットナイフとフェイクグラフィッカーを発動してしてターンを終えました。イツの6ターン目です。
「相手モンスターがいれば攻撃を強要してそのまま勝てるのに出ないものだからキツイね」
「やっぱ軟弱なモノを信仰しているヤツとは違うんですよね」
「言うに事欠いて軟弱か……各地を逃げ回って女の子に執着している奴よりマシなんです」
「ドロー。チャージ。コスト5でドラゴニックワイズ発動。ドラゴニックワイズの効果、合計2枚ドロー。竜滅剣 ドラゴンキラーでプレイヤーに攻撃。ターンエンド」
ラウィラニ:生命力9→8
5 魔法 ドラゴニックワイズ 属性:魔導書
効果:設置。1ターンに1度相手の場の属性にドラゴンを持つカード1枚につき1枚までドローできる
ラウィラニさんの7ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト5でハイパーモンスター磁石発動。デッキからソーサレスナイトを召喚して1枚ドロー。コスト2でドリルエナジータンクを発動してターンエンド」
「無理矢理モンスターを引きずり出したわけですね。確実さが更に増し増しになりましたか」
「マリッジ教授がお持ちになられていたカードを貰ったのでさっそくデッキに組み込んだんだ」
なんですかそれ聞いていませんよ。これが終わったらカード貰いにいきますかね。
5 魔法 ハイパーモンスター磁石 属性:メカニカル
効果:相手のデッキから効果を無効化して相手のモンスターを場に出す。その後1枚ドローする。
イツの7ターン目です。
「ドロー。チャージ。ドラゴニックワイズ2枚ドローします。竜滅剣 ドラゴンキラーでプレイヤーに攻撃。攻撃したくないんだけど攻撃誘導装置があるからソーサレスナイトでプレイヤーに攻撃」
「リアクション。コスト1でスパイダートラップ。攻撃を止めてジェットナイフの効果発動。1ダメージを与える」
やっとやりたいことが出来るようになってきましたね。
ラウィラニ:生命力8→7
イツ:生命力10→9
ラウィラニさんはスパイダートラップを回収してイツの8ターン目です。
「ドロー。チャージ。ドラゴニックワイズ、二枚ドロー。そしてコスト3でドラゴンズカース発動。竜滅剣 ドラゴンキラーでプレイヤーに攻撃。ソーサレスナイトでプレイヤーに攻撃」
「リアクション。コスト1でスパイダートラップ」
「ターンエンド。このままじゃギリギリ私が勝てちゃうね」
そう言えばそうですよね。ここからが頑張り時ですか。
3 魔法 ドラゴンズカース 属性:魔導書
効果:決闘中以下の効果を適応する
・属性にドラゴンを持つモンスターを倒されたプレイヤーはそのモンスターのコスト分のダメージを受ける
ラウィラニさんの9ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト6でデッキからリバーストラップ召喚。ターンエンド」
「攻撃済み状態じゃないから攻撃出来ないんですよねぇ」
攻撃できないならどうしようもありませんね。
イツはジェットナイフでダメージを受けてラウィラニさんの10ターン目です。
「ドロー。チャージ。デッキからコスト10でトラップドラゴン召喚。トラップドラゴンの効果発動。リバーストラップの上に重ねて即ギガトラップドラゴンにする。スパイダートラップを回収してターンエンド」
「これは間違いなくドラゴンですね。ドラゴニックトランスのおかげでワニみたいな色や鱗にもなっていますしね」
ドラゴニックトランスを除去出来れば一気に勝利に近づくのですが……
イツの11ターン目です。
「ドロー。チャージ。竜滅剣 ドラゴンキラーでギガトラップドラゴンに攻撃。ギガトラップドラゴンのコストは20……自滅したね。流石ドッペルゲンガーだかなんだか信じている腐れ脳だなぁ」
「コスト2でデッキからギガバイトラップ発動。これが我が神に祈り続けた結果神から授けられた力。やはりケチなアブゾーブとは格が違う」
ギガトラップドラゴンはドラゴンキラーを歯で弾きました。
しかし新たな力ですか。
「おぉドッペルゲンガーってやっぱ神ですね。私も7か5の邪神を信仰して凄い力を貰いたいですね」
「神様はそんな邪な考えで信仰するものじゃない。お前みたいな奴に神様は力を授けない」
「……ターンエンド。次はそこのお嬢様の番になる。覚悟しておいてね」
「私より生命力が1低いのに余裕だなんて。なるほど危機感がないみたいだ」
二人のカルト教徒に睨まれました。ちょっとしたジョークのつもりでしたのに。
? 魔法 ギガバイトラップ 属性:メカニカル
効果:自分の場にギガトラップドラゴンが存在する場合このカードはストレンジ:4を得る
このターン中自分と自分のモンスターは相手の全ての武装とモンスターからダメージを受けない
ラウィラニさんはギガバイトラップを回収してダストトラップを発動してパワードクオリティを発動。ターンを終え、イツの12ターン目です。
「ドロー。チャージ。ギガトラップドラゴンが攻撃済み状態になった。これじゃあ永遠に相手を越えられずにジェットナイフでひたすらチクチクされる」
「そういうことだ。今のうちに降参しておいた方がいい。そうすれば生命力が0になってないから負けじゃないと思い込める。プライドが守れるんだ」
「勝てる勝負を諦めることを勧めるなんて頭が悪いね」
精神を詰めに来ましたね。まぁ失敗しましたが。
イツはドラゴニックワイズで2枚ドローして息を整えました。
「コスト6で開墾の魔導書発動」
「知らないカードですね。それもアブゾーブから貰った力ですか?」
「勘がいいね。アブゾーブ様の権能は凄まじい」
ラウィラニさんは苦しそうな顔をしました。まぁギガバイトラップがコストゾーンに送られてしまいましたからね。
6 魔法 開墾の魔導書 属性:魔導書
効果:相手の手札を1枚コストゾーンに送る。その後相手は2枚までドローしてもよい
「竜滅剣 ドラゴンキラーでギガトラップドラゴンに攻撃。破壊……されてない」
「ギガトラップドラゴンは自らの効果で生命力を1回復した……だからギリギリ1残ったというわけ」
「そう言えばそんな効果もありましたねえ。そういう効果が命を繋ぐなんてキレイですよ」
イツはジェットナイフで1ダメージを受けてターンを終えました。スパイダートラップ等々モンスターの攻撃を止める手段はあるんですよね
イツ:生命力6→5
ラウィラニさんの13ターン目です。
「ドロー。チャージ。墓地からスパイダートラップを回収する」
「たかだが生命力を1回復するだけの効果を頼りにしているんだね。無駄な足搔きすぎる」
「コスト6でメカニカルドロー、コスト6で緊急修理発動。ギガトラップドラゴンの生命力を回復する。ターンエンド」
緊急修理……何故モンスターの少ないデッキにそんなモノ入れているのでしょうか。今回役に立ったから良いですが。
6 魔法 緊急修理 属性:メカニカル
効果:自分のモンスター一体の生命力を全回復する
イツの13ターン目です。
「ドロー。チャージ。竜滅剣 ドラゴンキラーでギガトラップドラゴンに攻撃。そしてコスト4でツインズスワロー発動。ドラゴンキラーでもう一度ギガトラップドラゴンを攻撃して破壊」
「ツインズスワローですか。それ入れてるデッキあまり見たことがありませんね。マジカルランドの武装はマトモなのありませんからね」
竜滅剣から二つの燕の影が現れて、燕がギガトラップドラゴンをバラバラに切り裂きました。
4 魔法 ツインズスワロー 属性:使い魔
効果:自分の武装カードはこのターン中もう一度攻撃ができる
バラバラになったギガトラップドラゴンが竜滅剣の風圧でぶっ飛んでラウィラニさんにぶつかりました。一気に20ダメージも受けたからか気絶しましたね。
「そこの無礼なお嬢様、次は貴女だよ」
「竜滅ですか。噂に聞いたことは数度ありますが、実際見ると大したものですね。では私たち帰らせてもらいますから」
鬼武者をカードに戻してからラウィラニさんを背負って逃げます。
イツが立ちはだかりました。
「なんで逃げようとしているんだ。そんなに負けるのが怖いのか」
「決闘をする意味がありませんから」
「お前そんな性格じゃないだろ。必要がなくても決闘するくせに」
「竜滅は典型的な一度ネタが割れると面白くないデッキなんですよね。なので決闘する必要がないんですね」
あれだけ出したモンスターや魔法も鬼武者によって消えていますし、もう何もかも失敗ですよね。
ラウィラニさんが時間をたっぷりかけてくださったお陰ですね。
「おそらく偶然でしょうが良くやりましたね。私に危害を加えたことはチャラにしてあげますよ」
「そんな……折角用意したモンスター軍団が……」
「なんか知らない間に計画がとん挫するなんて色々大変なんですねぇ」
他人のカードも実体化できてしまったのが一番残念なところですね。それさえなければすべてうまくいっていたと思いますわ。
アブゾーブは頭に血が上っていますわね。
「決闘で叩きのめさないとダメだね」
「いやですね。貴方との決闘はもう飽きました」
「羨ましい奴め、私も飽きるほどアブゾーブ様と決闘してみたい」
アブゾーブは基本的に操って闘気を込めた魔法の雷で不戦勝するスタイルなので相手したくないんですよね。
しかしラウィラニさんも良く頑張りました。
「このままハイそうですかと返すわけにはいかな……」
アブゾーブの胸の真ん中から剣が生えました。
剣が抜けるとアブゾーブの胸から液体が吹き出して倒れます。
「不老不死だから心臓を刺されても死にはしないだろうが、暫くは立ち上がれないだろう」
「お前何者なんだ。アブゾーブ様をこんな目に合わせるなんてタダではすまない」
「そうか。俺に勝利を捧げて忠誠心を見せてくれるのか。タダよりも良い目に合わせでやると言うんだな」
不審者は倒れたアブゾーブを椅子にします。
助かりました。このまま逃げさせてもらいましょう。
「貴方は何者ですか?」
「俺はアンドリュー、ソウコお嬢様も見覚えがあるんじゃないか?」
「凄い変わりようですね。成長期ですね」
アンドリューは脚から液状の闇を吹き出して水かさを増やしてきます。