カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい 作:黒点大くん
急いで怪我を治してから盗賊のところに向かった。が、しかし衛兵さんに防がれる。
「通してくださいよ」
「この先に凶悪犯がいるので通せません。どうしてもというならこれですよ」
衛兵さんはデッキを構える。
衛兵さんをカードファイトで倒して向かう。
「凶悪犯と言うことは、ほぼ確実にマイノネさんがいますね。盗賊が倒されていないと良いのですが…」
「これで最後だ」
黒い長髪で薄汚い服を着た瘦せた男、マイノネ王子が歩きながらフリントロック式の拳銃を盗賊の頭に近づけている。マズい。このままじゃ射殺されてしまいます。
勢いよくタックルしてマイノネ王子に尻餅をつかせる。ちょっといたい。
「そこのお前。なんで庇ったりなんかしたんだ」
「そんなのどうでもいいじゃないですか。ライフは0に出来たんですから。問題はもっと別のところにあるんですよね」
「どこにもないだろ」
「攻撃宣言が成功した時点でライフは削れるのにどうしてわざわざ当てようとしたんですか。貴方の攻撃でライフが0になれば命に関わるってご存知のはずですよね?」
マイノネ王子は相手のライフを0にすると、肉体的ダメージをリアルにするという特異体質を持っている。例えば魔法の雷で相手のライフを0にしたら、相手は雷に打たれたのと同じくらい肉体にダメージを負う。
それを知らないわけではないのに明確に頭を狙っていたのだ。
「こいつやトゥスルの婚約者みたいに、自分の欲望を優先して人に迷惑かける人間のクズはいない方がいい。お前はもう帰れ」
「義兄様こんにちは。今、私ことソウコ・メッセルがこの場にいるのは自分の欲望を優先させて人に迷惑をかけた責任を取るためです。自分のしたことの責任くらい自分で取らせてほしいんですよ」
「だったらせめて俺ぐらいは倒せなきゃな。力がねえやつに責任能力は無いからよ」
今回のことも私の欲望を優先した結果なので何も言えませんね。
しかし面と向かって人間のクズ呼ばわりされるのは少し悲しいです。
「……私のユナイツカードはサムライズです」
「デッキ調整してから、トピア・クア」
主人公の専用ユナイツカードと邪神関連のユナイツカードを除けば一通り出ましたね。トピア・クアは魚と海竜とマーフォークを使用するデッキですね。手札の補充に長けたユナイツカードですわね。
私の先攻ですね。
「ドロー。チャージ。ターンエンド」
マイノネ王子の1ターン目。
「ドロー。チャージ。コスト1で神秘なるアクアリア発動。効果で神秘なるマリンスノー発動。ターンエンド」
雪が降る。
1 魔法 神秘なるアクアリア 属性:マーフォーク
効果:デッキから神秘なるマリンスノーを設置して発動する。手札を全てデッキに戻す。
説明:人魚の歌は海の恵みをもたらす
1 魔法 神秘なるマリンスノー 属性:魚
効果:設置。ターン開始時にドローするかわりに、全てのプレイヤーか1枚ドローする。
説明:海の恵みは平等である
私の2ターン目ですわ。
「ドロー」
「手札の神秘なるイワシの効果発動」
テンポの悪いデッキですわね。
4 モンスター 神秘なるイワシ 属性:魚
効果:サモンコンディション(以下の条件のときこのカードのコストを支払ったものとして召喚出来る)
:手札0枚の時にこのカードをドローする。
出現:デッキの上から5枚を見て、2枚をコストゾーンに送る。その後好きな順番でデッキの一番上に戻す。
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:2
神秘テーマはこういうところがあるんですよね。
「チャージ。獣遁 ワンジャを召喚してターンエンドします」
マイノネ王子の2ターン目ですね。
「ドロー。手札の神秘のアンコウの効果発動。神秘なるイワシと神秘のアンコウをデッキの上に戻し、ターンエンド」
2 モンスター 神秘のアンコウ 属性:魚
効果:サモンコンディション:手札0枚の時にこのカードをドローする。
出現:このカードと自分のモンスター1枚を好きな順番でデッキに戻す。
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:2
私の3ターン目ですね。
「ドロー」
「神秘なるイワシの効果発動」
「チャージ。コスト3で能面の舞姫を召喚して、プレイヤーに攻撃。ターンエンドです」
マイノネ:ライフ10→8
マイノネ王子の3ターン目です。
「ドロー。龍神秘宝剣の効果発動」
魚の鱗で出来た大剣が現れる。
4 武装 龍神秘宝剣 属性:魚
効果:スペルコンディション(以下の条件のときこのカードのコストを支払ったものとして使用出来る)
:手札0枚の時にこのカードをドローする。
このカードが場に存在する限り、魔法カードは場を離れない。
攻撃力:0 防御力:3
神秘の弱点はマリンスノーがなくなれば瓦解すること。魔法に耐性を付与してその弱点を補える。
「ターンエンド」
何かありますね。
私の4ターン目です。
「ドロー」
「神秘のアンコウの効果発動。イワシと自分を戻す」
「チャージ。コスト2で忍法訓練所発動。ターンエンドですわ」
神秘武装が厄介ですわね。
マイノネ王子の4ターン目です。
「ドロー。手札の神秘なるイワシの効果発動。ターンエンド」
私の5ターン目ですね。
「ドロー」
「神秘のアンコウの効果でイワシと自身を手札に戻す」
「チャージ。コスト4で忍法 サオトサキの術発動。忍法訓練所の効果でサオトサキの術を手札に加えて、コスト1でクノイチを召喚ですの。ターンエンドですわ」
よし。鬼武者が来ましたわ。
マイノネ王子の5ターン目です。
「ドロー。コスト6で魚竜群を召喚。魚竜群の効果発動。ドローする」
大量の魚が現れて竜の鱗のように重なり、巨大なドラゴンを形作る。
6 モンスター 魚竜群 属性:海竜、魚
効果:下記の効果はそれぞれ1ターンに1度使用できる。
・デッキの上から5枚を見て好きな順番にして1枚ドローする。
・コストを払って属性:魚のモンスターを召喚した場合相手は手札を1枚捨てなければならない。
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:6
マイノネ王子のエースモンスターですね。サモンコンディションと相性良すぎるんですよ。
「神秘なるイワシの効果発動。魚竜群の効果発動。ターンエンド」
これにより1ターンに2枚ハンデスされる。
私の6ターン目。例によってアンコウが出てきて手札を削られる。
「チャージ。墓地のサオトサキの術を加えてそのまま発動。ターンエンドです」
手札の消費に対して供給が間に合わない。じわじわ苦しめられていく。
マイノネ王子の6ターン目ですわね。
「ドロー。コスト7で海竜の御使い召喚」
ドラゴンの意匠のある服を着た筋肉質で褐色肌の男が現れた。
7 モンスター 海竜の御使い 属性:海竜
効果:手札が捨てられた場合、手札を捨てたプレイヤーに1ダメージを与える。
攻撃力:0 防御力:4 ライフ:3
「ターンエンド」
これが
私の7ターン目。
「ドロー」
「神秘なるイルカの効果発動」
6 モンスター 神秘なるイルカ 属性:魚
効果:サモンコンディション:手札0枚の時にこのカードをドローする。
出現:このカードをデッキの一番上に戻し、デッキの上から6枚を見て好きな順番に戻す。
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:2
「魚竜群の効果と御使いの効果発動」
ソウコ:ライフ10→9
「サオトサキを捨ててチャージ。墓地のサオトサキを回収してそのまま発動します。このことを見越して入れておいたメタカードが来ましたね。コスト2で座敷わらし発動」
2 魔法 座敷わらし 属性:アヤカシ
効果:コイントスを1回行う。表が出たらデッキから3枚選んで手札に加える。
裏が出たら相手はデッキから3枚選んで手札に加える。
説明:来れば幸せになるが、去れば不幸になる。それは幸と不幸の権化
結局最後は運。
「運に頼るのか」
「運に頼ってなにが悪いんですか」
コイントスをする。
コインは裏向きだ。
よしっ。
「よしよしよし。今日の私はラッキー・ガールですね」
「外したくせに…サモンコンディション発動! 出来ない まさか」
私は座敷わらし以外の相手にドローさせるカードも持っていない。決まって良かったですね。
「神秘には致命的な弱点があります。それは常に手札を0枚の状態にしなければならないこと。そしてトピア・クアがそもそも手札を減らしにくいということですわ」
手札を捨てるカードはあるものけど捨てた分ドローしたりするので、単純に神秘とトピア・クアの相性は悪いんですよね。
しかしこの状況も
「ターンエンドです」
座敷わらしが忍法なら無限に使えたのですが。
マイノネ王子の7ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。コスト6で神秘のイルカ召喚。魚竜群の効果と御使いの効果発動。ターンエンド」
ソウコ:ライフ9→8
私の8ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。墓地のサオトサキの術を回収してコスト4で発動。そしてコストを1減らしてコスト5で鬼武者召喚です」
「鬼武者だと」
鬼の仮面で顔の上半分を隠し、赤褐色の甲冑を着ている男が現れた。
鬼武者は居合斬りをする。魚竜群は切り裂かれ、海竜の御使いはあと一歩のところまで追い詰められる。
「ターンエンド」
「結構雑に攻撃してきたな」
雑こそ強さですよ。
マイノネ王子の8ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。コスト6で魚竜群召喚。コスト4で神秘なるイワシ召喚。ターンエンド」
「コストを払って召喚だから普通にハンデスされるんですよね。普通に面倒くさいですよ」
ソウコ:ライフ8→7
マイノネ王子はアンコウを召喚してターンを終えましたので、私の9ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。墓地からサオトサキを回収して、コスト4でサオトサキを発動します。コスト4でマスターニンジャを召喚して、分身の術をデッキから手札に加えます。鬼武者で魚竜群と御使いとイワシとプレイヤーに攻撃」
「俺のモンスターは攻撃済みではない。攻撃されるはずはない」
鬼武者は刀を抜いて納刀した。するとマイノネ王子の場のモンスターが全滅する。
6 モンスター 鬼武者 属性:アヤカシ、サムライ
効果:オールアタック(このカードは攻撃済み状態ではない相手モンスターにも攻撃できる)
蹂躙、アーマードレイン(相手モンスターの生命力を0にした場合、このモンスターの防御力を1上げる)
攻撃力:6 防御力:0 ライフ:6
マイノネ:ライフ8→5
「コスト2で分身の術。マスターニンジャ分身。マスターニンジャでプレイヤーに2回攻撃」
マスターニンジャがマイノネ王子を切り裂こうとした。
しかしその攻撃が届くことはなかった。
「アクションストライク」
「神秘は手札を使わない。入れてるはずがないのに…」
「ウニードル。マスターニンジャを破壊する。手札を強引に減らすために入れたのだ。アクアリアが来ないかもしれないからな」
バランスボール程の大きさのウニの棘が2体のマスターニンジャを貫いた。
2 魔法 ウニードル 属性:魚
効果:アクションストライク。防御力2以下のモンスターを破壊する。
「ターンエンド。やられましたか。しかし最初から使っておけば盤面を維持できたのでは?」
「トドメの状況を邪魔された方が絶望するだろ」
舐められてますね。
マイノネ王子の9ターン目だ。
「ドロー。サモンコンディション発動。神秘なるサンゴ礁」
本能の奥底から揺さぶられるように美しいサンゴ礁が現れた。
6 モンスター 神秘なるサンゴ礁 属性:魚
効果:サモンコンディション:手札0枚の時にこのカードをドローする。
出現:自分の墓地と場のモンスターを全てデッキに好きな順番で戻す。そのあと2枚ドローする
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:6
1体のモンスターが現れた。
「コスト6で魚竜群を召喚。コスト4で神秘なるイワシを召喚。魚竜群の効果でドロー。神秘なるホタルイカの効果発動。鬼武者と自身をデッキの一番上に戻してターンエンド」
6 モンスター 神秘なるホタルイカ 属性:魚
効果:サモンコンディション:手札0枚の時にこのカードをドローする。
出現:相手の場のコスト6以下のモンスター一体とこのカードをデッキに好きな順で戻す。
攻撃力:0 防御力:0 ライフ:6
私の10ターン目だ。
「ドロー」
「神秘なるホタルイカの効果発動。マスターニンジャと自身を戻す。魚竜群の効果発動」
「サオトサキを回収してからコスト4払って発動。2枚ドロー。そしてコスト4でマスターニンジャを召喚。効果で土遁忍法 土利留の術を手札に加える。マスターニンジャでプレイヤーに攻撃してトドメです」
マイノネ:ライフ5→0
モンスターと魔法が消え去る。
「危なかったですね。あのプレイミスさえなければやられていました」
かなりギリギリでしたね。