カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい   作:黒点大くん

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 ここ一か月逆に平和ですねぇ。

「平和と言うのは良くないですね。なんか日に日に衰えている気がしますから」

「そうか病気だな。一度お医者さんに診てもらったらいいよ」

「不治の病です。この病気のせいで人生に悪い影響を及ぼしているのになぜか同情されないんですよね。私は薄幸の美少女ですのに」

「性格は歪んでいるから嫌われていても仕方がないと思うよ。その上性格が醜悪だし」

 通りすがりで私のことよく知らないくせによくもまぁボロクソに貶してくれたもんですね。

 

 そしてなんだかんだ授業中です。

「カードメタルをカードに加工をしたとき、たまに通常の物や偽物とも違うイラストになる現象を何というか」

「エシカ・エタ現象でございます。因みに偽造を行う場合エシカ・エタ現象は起こらないことが分かっています」

「うむ、正解だ」

 不思議なことに起こる条件は分かっていないのに起こらない条件が分かっているんですよね。本当分からないです。

 

 鳥が囀り花は咲きみだれこの世は絵に書いたような平和(退屈)。私は社会不適合者すぎますね。

「学校にテロリストが来て私がそれを倒すっていう良くある暇つぶしの妄想……同じようなことしているのでやや陳腐化している節はありますね」

 改めて考えると私の人生は刺激的ですが、悲しきかな喉元過ぎれば熱さを忘れるという人の愚かな習性。

 

 いきなり窓ガラスが割れました。ヘルズの力で咄嗟に防いだお陰で顔中血まみれになるだけですみましたね。

「どうも ガリオンナンバーです。皆様には死んでもらおうか」

「危なっ。なんてことをするのですか」

「あわわ。どういうことなんだぁっ」

 先生に飛んできた爆発の呪術の札をヘルズの力で防ぎました。

 

 しかしガリオンナンバーの皆さんはいったい何を考えているのでしょうか。

「あなたたちの目的を答えなさい」

「新たなるカード デュオカードの実験の為だ。お前たちには死んでもらおう」

 デュオカード……聞いたことがあります。『プライムディスティニー』の次回作の目玉で二つのユナイツカードに記された属性を持つカードだと。要するにヘルズとヘブンズで兼用できるゴッズみたいな感じですね。

 

 今回は色々やりすぎて次回作のイベントが少し早めに引き出されてしまったのですかね。元凶とはいえこの世界滅茶苦茶にし過ぎて少し申し訳ないですね。

「あと100年くらい大人しくしていて欲しいんですけど」

「うるさい。そんなに待てるか」

「ケチですねー。それに実験ならこんなところではなくてルノスチで聖女様ブッ倒した方が良いですよ。あの人実力派ですから」

 聖女サマはなんだかんだ私に勝ち逃げしていましたし襲われても大丈夫でしょう。

 

 ガリオンナンバーの一人に殴られました。

「おめぇ以外ぶっ殺してやるぞ。おめぇは営利誘拐した後総帥ガリオンに捧げてやる。ふざけてねーでおとなしくしてけろ」

「ふざけてるのはそっちでしょ」

 私を殴った人はレイナさんの手刀を首に受けて気絶しました。

 

 気持ちは分からんでもないですけどね。

「テメェ何をするんだ」

「襲撃者の撃退ですけど。学び舎にカチコミかける方が何をするんだって感じですよね」

「ガキのくせにナマ言ってんじゃね〜。テメーは殺すぜえ」

 ガリオンナンバーの一人はデッキケースを構えました。

 

 レイナさんとガリオンナンバーの一人の決闘が始まりました。

「俺はガリオンナンバー総帥 ガリオン。聖母 アンジュラーナの正当なる後継者。アンジュラーナを倒したソウコ・メッセルを倒すためにこの4年力を蓄えていた」

「本当にすみませんでした」

 アンジュラーナさんですか。四方に迷惑かけているので心当たりはないですね。

 

 ガリオンの4ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト4で絡繰忍者召喚。絡繰忍者でプレイヤーに攻撃してターンエンド」

「なーんだ。ただの貫通持ちのモンスターじゃない」

「そうか。じゃあここがお前の限界だな。可哀想に」

 機械の忍者が現れました。

 

 4 モンスター 絡繰忍者 属性:メカニカル ニンジャ

   効果:貫通

   攻撃力:2 防御力:2 ライフ:2

 

 私は体格の大きな人に投げられました。

「おらは大柄のビッグ ガリオン様に次ぐ実力者だ。やると言ったらやるぞ」

 体格の大きな人は先生の背骨を握り折ります。

 

 決闘が始まり、大柄のビッグの4ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト4でエンシェントエルフ召喚だ。ターンエンドだぞ」

「魔法カードをコスト加速カードに出来るのですね」

 

 4 モンスター エンシェントエルフ 属性:魔法使い フェアリー

   効果:自分が魔法を発動したとき墓地に送られる代わりにコストゾーンに使用済み状態で送られる

   攻撃力:0 防御力:0 ライフ:4

 

 私の4ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト4で般若の舞姫を召喚し、そのまま攻撃。ターンエンド。何のことはないただのザコですね」

「アクションストライク。マジックシールドだぞ」

 防がれてしまいましたか。

 

 しかし魔法は基本墓地に落ちたものを利用するのがキモなのにセルフでそれを封じるなんて実は弱いですね。

「ザコと言った。ガリオン様に感謝するんだぞ。そうでなかったらおめぇの頭掴んで背骨を引っこ抜いていたんだ」

「はいはいガリオン様すごいすごい。私に勝てなかったザコ信仰しているのが特に凄いですね」

 覚えていませんが、怒らせてプレイングを雑にしましょう。煽り得です。

 

 大柄のビッグの5ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト5で魔法の雷発動。ターンエンドだぞ」

「3ダメージ与えて1加速ですか。しょっぱい真似しますね。これが二番手だなんてガリオンナンバーの層は薄いです」

「好き放題言ってくるんだぞ。後悔すると良いんだ」

 

 ソウコ:生命力10→7

 

 私の5ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト4で忍法サオトサキの術を発動。マスターニンジャを手札に加え、般若の舞姫でプレイヤーに攻撃してターンエンド」

「2ダメージ与えて1加速だなんてしょっぱい真似だ。やる気なさそうだぞ」

 大柄のビッグ:生命力10→8

 

 大柄のビッグの6ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト4で二枚速発動だ。そしてコスト4で魔法の矢発動だぞ。ターンエンドだ」

「着々とコストを加速しつつ生命力を削っていますね。これは侮れません」

 

 ソウコ:生命力7→6

 

 4 魔法 二枚速 属性:魔導書

   効果:2枚ドローする

 

 4 魔法 魔法の矢 属性:魔導書

   効果:相手プレイヤーに1ダメージを与える

 

 私の6ターン目です。

「ドロー。チャージ。コストをせこせこ溜めていましたがとうとう終わりが来たわけです。コスト5でマスターニンジャ召喚。そしてデッキから分身の術をサーチします。コスト2でマスターニンジャに分身の術を発動し、マスターニンジャでプレイヤーに攻撃します」

「ぐぼぉ!」

 大柄のビッグは殴られてふらつきました。

 

 マジックシールドを使われたとしても残りの生命力は3……削り切れます。

「マスターニンジャでプレイヤーに攻撃します。これでトドメ行きますよ」

「リアクションストライク。無敵竜の加護発動」

「防がれましたか。ターンエンドです」

 実質デュオカード専用カードですね。名前的に竜化専用カードなのでしょうが。

 

 4 魔法 無敵竜の加護 属性:魔導書

   効果:自分の場にマジカルランドのユナイツカードに記されていない属性を持つモンスターが存在する場合のみ発動できる。

      アクションストライク。次の攻撃で受けるダメージを0にする

 

 大柄のビッグの7ターン目です。

「ドロー。チャージ。ぐぬぬ……ガリオン様に止められているが仕方がねぇぞ。オラが切り札コスト4で生贄竜召喚だ」

 腹に魔法陣が刻まれた青い竜が現れました。

 

 4 モンスター 生贄竜 属性:魔法使い ドラゴン

   効果:自分のターンの終了時自分は1ダメージを受ける

   攻撃力:5 防御力:1 ライフ:1

 

 魔導竜の咆哮が私を焼きましたが生命力は1残っています。

「さっきの言葉そのまんまお返しするぞ。とうとう終わりが来たという訳だ」

「分かっていないですね。残りの生命力は0でなければ1でも100でも同じなのですよ」

 互いに一撃当てれば終わりの真剣勝負……面白いですね。

 

 ソウコ:生命力6→1

 

 私の7ターン目です。

「ドロー。チャージ。残り生命力2……狩るのは楽勝ですね。コスト3で妖刀ムラマサ武装。そしてマスターニンジャで煙玉を手札に加え、コスト2で煙玉発動。マスターニンジャに使用します。マスターニンジャで相手プレイヤーに攻撃です」

「ぬおおおお。リアクション。コスト2で大地詠唱発動だぞ。効果で魔法の雷を手札に加えてコスト5で唱える」

 大地詠唱……知らないカードですね。

 

 2 魔法 大地詠唱 属性:魔導書

   効果:リアクション。自分のコストゾーンの魔法カードを1枚手札に加える。その後この効果で手札に加えた魔法をコストを支払って発動できる

 

 ソウコ:生命力1→0

 

 負けました……

「大柄のビッグ……自分ターンに大地詠唱を使って魔法の矢を唱えれば倒せるはずなのに、わざわざリアクションで使って魔法の雷を唱えましたね。なぜですか」

「それはそうした方がおめぇが油断するからだ。勝ちそうな相手をそのままブッ倒した方が気持ちがいいんだぞ」

「そうですか。見た目と違って陰湿なサディストですね。そして常に冷静だったと言うわけですか」

 立ち上がる力もありませんし、レイナさんの試合を観戦しますか。

 

 ガリオンの10ターン目です。

「まずいな。相手の生命力8なのに俺の生命力は1だ。これは俺の負けかもしれねぇなぁ。カードの神様に選ばれてるなんてすげえ」

「欺瞞よ」

「ガリオン様の悪い癖だ。最初に攻撃以降はわざと相手の生命力を削らず、生命力が1になったら逆転するんだぞ」

 ガリオンの場には数体のモンスターが存在していますが、レイナさんの場には一体のモンスターも存在しませんでした。

 

 なるほど。ガリオンはレイナさんのモンスターを攻撃して除去していたのですね。

「これはデッキの中のモンスターをあと一体でも出されたら負けちまうってことでターンを終える。あの実力だけはあるソウコ・メッセルに勝ち越してるってのは確からしいな」

 レイナさんの腕が光りました。

 

 レイナさんの11ターン目です。 

「ドロー。チャージ。コスト7でエルデウス召喚。墓地の伝説の剣復活。そしてそのままプレイヤーに攻撃」

「アクションストライク。忍法 空蝉の術」

「スペルコンディション。百王の生誕、空蝉の術を無効化。なんとか勝てて良かった」

「リアクション。真なる藁人形の呪術。戦闘ダメージは相手が受ける」

 

 10 魔法 真なる藁人形の呪術 属性:アヤカシ

   効果:次の攻撃で受けるダメージは相手プレイヤーが受ける

 

 伝説の剣がガリオンに向かっています。

「アクションストライク。画竜点睛」

「ターンエンド」

 

 4 魔法 画竜点睛 属性:ニンジャ

   効果:自分の場にサムライズのユナイツカードに記されていない属性を持つモンスターが存在する場合のみ発動できる。

      アクションストライク。次の攻撃で受けるダメージを0にする

 

 ガリオンの11ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト6でおぞましきグレムリン召喚してプレイヤーに攻撃。そしてもう一体のおぞましきグレムリンでプレイヤーに攻撃してトドメ」

 

 6 モンスター おぞましきグレムリン 属性:アヤカシ メカニカル

   効果:貫通

   攻撃力:4 防御力:2 ライフ:1

 

 レイナ:生命力8→0

 

 負けたレイナさんの手から攻撃無効化カード(天使のウィンク)が落ちました。心が折れましたね。

「常人には耐えられなかったか。カードの神は人を見る目がなかったわけだ」

「良いことじゃないですか。あんたらや私のようなのとは違って健全です」

 このゲスが。

 

 ガリオンは私の髪の毛を掴みました。

「てめえは俺達が酷い目にあわす。ビッグが営利誘拐って言ったそうだが、あれはアイツなりの安心させるためのジョークだ。拷問してやるよ」

「そんなにアンジュラーナとやらを倒したのが気に食わないのですか」

「アンジュラーナはお前が倒した盗賊の親玉だ。それだけ分かれば充分だろ」

「あの人そんな名前なんですね。あの人のことはちゃんと覚えていますから、最初からそう言って欲しかったです」

 名前を初めて知りました。

 

 教室に電車が突っ込んで来て轟音を建てます。

「そこの野次馬の人たちはなんで自分が無関係だと思っているのかにゃ? お前たちも人質にするに決まっているんだにゃ」

 クラスメイトの人たちは拘束されて突っ込んできた電車に積み込まれました。

 

 大柄のビッグはレイナさんを弾き飛ばしました。

「平民に価値はないから退くんだぞ」

「何をしているんですか」

 レイナさんが平民であることも知っているなんてどんな情報収集能力をしているのでしょうか。恐ろしい組織ですね

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