カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい 作:黒点大くん
私はベッドの上で持っている情報をすり合わせました。
「よくよく考えますと、一番カードが強いのは主人公ですね。
邪神は5人存在しますが、そのどれもが倒すと攻略対象全員の好感度が上がる効果を持ちます。
好感度を上げるための裏技としてプレイヤーにネタにされていますが、本編での扱いは邪神は恐ろしく強い決闘者なんですよね。
「ですが「プライムディスティニー」は主人公のキャラクタークリエイト要素があります。つまり見た目に頼ることが出来ないのですよね」
デッキこそ主人公専用のユナイツカードで戦うので、分かりやすいんですけどね。
邪神の方々にコネを作りたいですわね。
「良からぬことを企んでいますよね」
「聞いていました?」
この世界の人間にこの話を聞かれるのは非常にまずいんですよね。
史上最大のピンチです。
「プラだのクリエだのあまり話が見えてきませんが、まあお嬢様の表情が悪だくみしていそうな感じでしたので、悪巧みをしているのかと。しかしお嬢様をお屋敷から出すわけにはいきません」
メイドさんはデッキを構えました。
メイドさんの先攻となり、互いに軽減モンスターを出しつつ、メイドさんの3ターン目ですわ。
「コスト3でバナナックルを武装します」
メイドさんはバナナのような意匠のあるナックルを付けました。
3 武装 バナナックル 属性:ビースト
効果:「バナナ」、「ゴリラウンド」カードの効果が発動するたびに、次の相手のターンが終了するまでこのカードの攻撃力を1上げる。
攻撃力:1 防御力:0
ゴリラウンド……プライムディスティニー屈指の
「バナナックルですか」
「お嬢様に攻撃してターンエンドです」
ソウコ:10→9
私の3ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト3で能面の舞姫を召喚します。そして召喚した能面の舞姫でプレイヤーに攻撃してターンエンドです」
メイド:ライフ10→8
メイドさんの4ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。コスト4で賢者のバナナの木を発動します。賢者のバナナの木の効果で2枚ドローします」
バナナの木が現れました。
4 魔法 賢者のバナナの木 属性:ビースト
効果:設置。「バナナ」か「ゴリラウンド」カードがない場合このカードを破壊する。1ターンに1度だけ発動できる。このカード以外に自分の場に「バナナ」か「ゴリラウンド」カードがあるなら2枚ドローできる。
バナナの木から落ちた一本のバナナがカードの形になりました。
「私でお嬢様に攻撃しまして、ターンエンドです」
ソウコ:ライフ9→7
私の4ターン目です。
「ドロー。チャージ。コスト1でクノイチを召喚して1枚ドローします。3でイジャロコロガシを召喚して、効果を発動いたします。よし。手札から
「そのコンボ面倒ですよね」
「泥田坊でプレイヤーに攻撃いたします」
「手札のバナナカウンターのアクションストライク効果を発動します」
4 魔法 バナナカウンター 属性:ビースト
効果:設置。アクションストライク。1ターンに1度だけ発動できる。プレイヤーがモンスターに攻撃されたら、このターン中プレイヤーの防御力を攻撃力分上昇させて反撃を与える。
説明:バナナカウンターとはバナナのような軌道のカウンターを何発も放つ極意である
バナナックルが硬く重くなる。
「……ターンエンドです」
メイド:ライフ8→7
メイドさんの5ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。コスト3でゴリラウンド レスラースカウトを召喚します」
黒縁メガネをかけたチンパンジーが現れました。
4 モンスター ゴリラウンド レスラースカウト 属性:ビースト
効果:1ターンに1度だけ以下の効果を一つ選んで発動できる。
・デッキからバナナックルを武装する
・ターン終了時までプレイヤーの攻撃力を1上げる
説明:今日から君も森の格闘家 ゴリラウンドだ!!
攻撃力:0 防御力:4 ライフ4
レスラースカウトとバナナの木の効果でバナナックルの攻撃力が4になりました。
「私でプレイヤーに攻撃いたします」
轟雷よりも鋭く重い打撃がぶち当たる。
「少々きついですわね」
「お嬢様は存じ上げないかもしれませんが、世間はこれより痛く怖いのです。ターンエンドです。
ソウコ:ライフ7→3
私の5ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。コスト1でクノイチを召喚いたします。コスト2で座敷童を発動します。ちぇりおおお」
空中でコインが舞う。
表が出ましたね。
「忍法誘惑の術と、識痛の呪術と、マスターニンジャをサーチします。これでターンエンドです」
これで良しです。
メイドさんの6ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。賢者のバナナの木の効果を発動いたしまして、コスト5でゴリラウンド コーチを召喚いたします」
インコが現れましたわ。
6 モンスター ゴリラウンド コーチ 属性:ビースト
効果:1ターンに1度だけ以下の効果を一つ選んで発動できる。
・ターン終了時までプレイヤーの攻撃中に、プレイヤーの攻撃力以下のモンスターの効果を発動出来ない
・ターン終了時までプレイヤーの防御力を1上げる
説明:ゴリラウンドとして強くなれ
攻撃力:0 防御力:6 ライフ4
ゴリラウンドで攻撃力を上げてバナナで防御力を上げる。ワンパターンも突き詰めれば恐ろしく強いということを体現しているのがゴリラウンドです。
「コーチの効果でモンスターの効果を封じ、スカウトの効果で攻撃力を1上げます。私でお嬢様に攻撃いたします。これで終わりです」
「アクションストライクを2枚発動しますわ。忍法誘惑の術と識痛の呪術を発動いたします」
メイドさんの攻撃の軌道がクノイチに逸れて戦闘破壊しました。
「ターンエンドです」
危なかったですわ。
私の6ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。コスト4で忍法 サオトサキの術を発動いたしますわ……ターンエンドですわ」
「なぜマスターニンジャをサーチしていながら使わないのですか?」
「出しても勝てませんもの」
雑に反撃追加するの実に厄介ですわね。面白いですわ。
メイドさんの7ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。賢者のバナナの木の効果を発動いたしまして、コスト6でゴリラウンド クロオビマスターを召喚いたします」
黒帯を巻いたゴリラが現れましたわ。
7 モンスター ゴリラウンド クロオビマスター 属性:ビースト
効果:1ターンに1度だけ以下の効果を一つ選んで発動できる。
・墓地から「バナナ」カードを1枚手札に加える
・このターン中プレイヤーは貫通を得る
説明:クロオビマスターの力は強い
攻撃力:0 防御力:7 ライフ4
クロオビマスターですか。魔法効果を封じるシルバーバックではなくてラッキーでしたね。
「予算の都合上シルバーバックがない以上多少不安ですがまあいいでしょう。もはやお嬢様は風前の灯火です」
「心を読まれましたわ。しかしシルバーバックがなければ安全ですわね」
「まあ入れていないというのは冗談ですが。お嬢様結構顔に分かりやすく出るので気を付けた方がいいですよ」
うむむ。気を付けましょう。
メイドさんは一息つきましたわ。
「さて、気を取り直しまして続き行きますよ。コーチの効果でモンスターの効果を封じ、スカウトの効果で攻撃力を1上げます。私でお嬢様に攻撃いたします。この決闘のことは旦那様にご内密にお願いしますね」
「何終わった感じの雰囲気出しているんですか。アクションストライク。忍法 空蝉の術を発動いたしますわ」
「ターンエンドです。サオトサキで引いてましたか」
危なかったですね。
私の7ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。コストを1減らしてコスト4でマスターニンジャを召喚いたしまして、効果で忍法訓練所をサーチいたします。そしてコスト2でハナビキャノンを発動いたします」
クノイチが木製の大砲を持ってきました。
2 魔法 ハナビキャノン 属性:サムライ
効果:自分の場のモンスターを二体まで破壊する。その後破壊したモンスターのコスト合計未満のカードを破壊する。
クノイチは大砲に自らとイジャロコロガシを詰めてから、バナナカウンターに砲口を向けました。
「イジャロコロガシとクノイチを砲弾にしてバナナカウンターを破壊しますわ」
バナナカウンターが爆発しました。
「コスト2で忍法訓練所を発動して効果で空蝉の術を回収してターンエンドですの」
これでなんとかなりましたね。
メイドさんの8ターン目ですわ。
「ドロー。チャージ。賢者のバナナの木の効果を発動いたします」
大量ドローしたときの音が重く響いて聞こえました。
「コストを1軽減し、3で実りの妖精を召喚致します。これがラストチャンスでございます」
4 モンスター 実りの妖精 属性:フェアリー
効果:出現:デッキの上から二枚ドローして、手札を1枚コストゾーンに送る。
攻撃力:0 防御力:4 ライフ4
メイドさんは手札を見つめました。
「……先ほどのターンと同じ事をいたしまして、私でプレイヤーに攻撃いたします」
「アクションストライク。空蝉の術ですわ」
「ターンエンドです」
ラッキーでしたわ。タイムフェアリーやらシルバーバックやらが出ていたら負けていましたわ。
私の8ターン目ですわ。これが私のファイナルターンになりますの。
「これで分身の術を引けなければ私の負けですわね。ドロー……よし。コスト4でイジャロコロガシ召喚しますわ。出現で2枚ドローし、2枚墓地に送ります。コスト2で分身の術をマスターニンジャに使い、マスターニンジャでプレイヤーに二回攻撃します」
メイド:ライフ7→0
モンスターが消えました。
「しかしハナビキャノンなんて入れていたんですね」
「除去カードは多い方がいいですからね」
メイドさんの許可を得て、薄汚い服で外出しましたわ。
街までやってきましたの。
「お忍びですわね。ん?」
突然空が暗くなりましたわ。まだ昼のはずですのに。
空を見上げると大きな目が私を見つめていましたわ。いや、ほんの少しずれていますわね。
「この目…もしかして」
見覚えがありますわ。
目が見ている先に行くと、借金取りのカネトルスがいましたわ。
「あ、お嬢様。こ、これは違うんでゲス」
カネトルスは私のお父様の部下の部下ですわ。本編ではソウコと一緒に主人公に嫌がらせをしていましたね。
目から白鳥のような翼が左右に4枚ずつ生えて、目がスポットライトのようにカネトルスを照らしました。
「ハイロゥでプレイヤーに攻撃」
「アクションストライク。マジックシールド」
やっぱりハイロゥでしたね。ハイロゥはデカいのが特徴なんですよね。
ハイロゥはレーザーを出して、カネトルスを焼きましたの。
「お嬢様の前でやらかすわけにはいかんゲス。やられるとしても抵抗しなければいかんのゲス」
変装したのにもう見抜かれていますね。
「仕方ありませんわ。相手は特異なユナイツカードですもの。善戦です」
「お嬢様。嬉しいでゲス」
カネトルス:ライフ2→0
ハイロゥが消えましたね。ハイロゥはプレイヤーしか使えないカードです。もしかしてこの子が主人公なんですかね。
「貴女、カードの神様からカードを渡された存在ですか?」
「うん。昨日神様にもらったの。それでアンちゃんを傷つけたあのおじさんをぶっ倒したのだ~」
「ぶっ倒したのだ~じゃないですよ。カネトルスさんは借金取りと媚びを売ることにかけては真剣なんですよ。利子も良心的なのでマジで返さない方が悪いんです」
ゲーム中でお世話になる時はほとんど無利子ですしね。
カネトルスは部下に抱えられる。
「そうでゲス。そいつの友だちの親は借りた金も返さない鬼でゲス」
「でもアンちゃん困ってたし」
「名前を名乗りなさい!」
「レイナだよ」
私はデッキを構えました。
この段階の主人公のデッキを知ること。これ大事ですよね。
「カネトルスさんを倒されたことで我々の名誉に傷がつきました。落とし前として対決してくださいまし」
「これで私が勝ったら借金をなかったことにするの?」
「さすがに借金をなくすことはできません。しかし勝てば稼げる仕事を紹介いたしますよ。負ければあなたをカネトルスさんの養子にするように掛け合ってみます」
カネトルスさんの養子になれば子供との遊びで敗れたと取られるので、まあ面子は保たれますね。