カードゲームもできる乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど、そんなことよりデュエルがしたい   作:黒点大くん

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8 最上の運命への選択

 互いにユナイツカードを見せましたわ。

「サムライズですわ」

「ヘブンズ」

 ヘブンズ……カードの神に選ばれた存在のみが使用できるユナイツカードですわ。レジェンドとエンジェリオと2つのユナイツカードに入れることができる特殊な属性、ゴッズを持つユナイツカードですわね。

 

 私が軽減モンスターを出して2ターン目まで経過しましたわ。レイナの3ターン目ですわ。

「ドロー。チャージ。コスト2でアイギスを武装。ターンエンド」

「アイギスですか。実質マジックシールドと祈りの妖精でしたっけ。各ユナイツカードに配って欲しいカードですわね」

 レイナは丸い小型の盾を武装しましたわ。

 

 2 武装 アイギス 属性:レジェンド

   効果:モンスターの召喚コストを1減らす  

   攻撃力:0 防御力:2

 

 私の3ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト3で妖刀ムラマサを武装して、私でプレイヤーに攻撃いたします。ターンエンド」

 レイナ:ライフ10→9

 

 レイナの4ターン目ですわ。

「ドロー。チャージ。コスト3で聖殿を発動してから、コスト1で翼の使徒を召喚」

 ギリシャの神殿っぽい建物が現れましたわ。

 

 3 魔法 聖殿 属性:レジェンド

   効果:設置。1ターンに1度モンスターが召喚された時1枚ドローする

 

 2 モンスター 翼の使徒 属性:エンジェリオ

   効果:出現:1枚ドローする  

   攻撃力:0 防御力:2 ライフ:2

 

 聖殿から白い翼を生やした青髪メカクレベリーショートで中性的な人が出てきて、手札を2枚授けました。

「ターンエンド」

 手札よさげですわね。

 

 私の4ターン目ですわ。

「ドロー。チャージ。コスト3で能面の舞姫を召喚します。私でプレイヤーに攻撃いたします。ターンエンド」

 攻めているのに嫌な予感がしますわね。例えるならダイナマイトが徐々に近づいてきているような感じですの。

 

 レイナ:ライフ9→8

 

 レイナの5ターン目ですわ。

「ドロー。チャージ。コスト5でプロメテウス・プログラム召喚。聖殿で1枚ドローしてから効果を発動してターンエンド」

 

 6 モンスター プロメテウス・プログラム 属性:ゴッズ

   効果:2枚ドローしてもよい。そうしたらこのカードをコストゾーンに送る  

   攻撃力:0 防御力:0 ライフ:1

   説明:魔術の祖 プロメテウスの最高傑作

 

 私の5ターン目ですわ。

「ドロー。チャージ。コスト5で忍法 回天の術を発動してターンエンドです」

「えー。テキスト読んだけどその魔法カード強くない?」

「このくらいやらなければ不安ということですの」

 今のところ順調ですわね。しかし相手は主人公なので油断ならないですの。

 

 レイナの6ターン目ですわ。

「ドロー。チャージ。コスト7でデッキの切り込み隊長、アバドンの使徒を召喚。1枚ドロー」

 2mの人型のサバクトビバッタが現れました。

 

 8 モンスター アバドンの使徒 属性:エンジェリオ

   効果:オールアタック。蹂躙。ターンブレイク(このモンスターは攻撃した次のターン攻撃出来ない)  

   攻撃力:6 防御力:2 ライフ:6

 

 災害と対峙したときのようなプレッシャーを感じますわね。

「アバドンの使徒ですか。随分と物騒なモンスターを使うんですのね。しかし先にアバドンを出したほうが強いですの」

「さっき使っても思ったようにいかなかったから抜いちゃった。アバドンの使徒で相手モンスター全部と相手プレイヤーに攻撃」

 アバドンはギチギチと歯を鳴らして、蝗の群れとなる。蝗の群れはすべてを喰らい尽くして、私に纏わりつく。

 

 アバドンは出すのに多少手間がかかるのでロマンの域を出ませんが、アバドンの使徒をほぼ無敵に出来るカード。大抵のロマンカードは事故の元になりうるので抜くのも一つの正解なんですよね。寂しいなぁ。

「うぐっ」

 ソウコ:ライフ10→4

 

 私の6ターン目ですわ。

「ドロー。チャージ。コスト6で鬼武者を召喚して、そのまま翼の使徒とアバドンの使徒に攻撃ですわ。……ターンエンドですわ」

 ここまでアクションストライクを使わないとなると、案外主人公補正が無かったりするんですかね。

 

 レイナの7ターン目ですわ。

「ドロー。チャージ。コスト5でワルキューレの誘いを発動してターンエンド」

 

 5 魔法 ワルキューレの誘い 属性:レジェンド

   効果:相手は自らの場の攻撃力が一番高いモンスターを全て墓地に送らなければならない

 

「コレはきついですね。まさかこれを狙ってたんですか?」

「そ、そんなことないよー。今出せるの何もないもん」

 何かを狙っていると見せかけて何も無いと思わせているパターンですか。

 

 私の7ターン目ですわ。

「ドロー。チャージ。コスト2でワンジャを墓地から召喚しますわ。そしてコスト4でサオトサキの術を発動して2枚ドローですの。コスト2でハナビキャノン発動ですわ。ワンジャとアイギスを破壊しますの」

「うがっ。キツイ」

「鬼武者でアバドンとプレイヤーに攻撃してターンエンドですの」

 ふふふ。ここまで来れば最早勝ったも同然ですね。そういえば「プライムディスティニー」でも主人公補正効かないときは効きませんでしたね。

 

 レイナ:ライフ8→2

 

 レイナの8ターン目ですわ。

「ドロー。チャージ。うむむ。コスト5でカリスを発動してターンエンド」

 金色のカップが現れた。金色のカップから3枚のカードが溢れる。

 

 5 魔法 カリス 属性:レジェンド

   効果:3枚ドローする

 

 期待しすぎましたかね。主人公補正なんて、そもそも大抵の乙女ゲームにはあってないようなものじゃないですか。

「もう少し手ごたえがあるものかと。カネトルスさんに勝てたのもビギナーズラックかもしれませんね」

「お嬢様。油断してはならないでゲス。私は油断して負けたでゲス」

「断罪イベントでも死ななそうですね。カネトルスさんを倒したからと言って期待しすぎるのはよくなかったようですね」

 これで怒ってくれれば実力も上がろうもん。正直言って今のレイナは脅威になりませんからね。

 

 私の8ターン目ですわ。

「ドロー。コスト2でワンジャを召喚。コスト1でクノイチを召喚しますわ。そして更にコスト4でマスターニンジャを召喚しますの。分身の術をサーチして、マスターニンジャでプレイヤーに攻撃いたします」

「お嬢様。それはまずいでゲス!」

 カネトルスさんどうしたのですかね。

 

 空が暗くなる。

「あっ。しまった。やってしまいましたわ」

 ヘブンズにはこの状況を何とかできるカードが一つだけありましたわ。

「ハイロゥのリアクション発動」

 コストゾーンのカードがすべて回復しましたわ。

 

 ? モンスター ハイロゥ 属性:エンジェリオ  

   効果:このカードは自分のターンに場に出せない。リアクション。誘導。シフト

      相手のターンに召喚された場合このカードは攻撃済み状態になる  

      ストレンジ(このカードのコストはルール上以下のものとして扱う):

      相手のコストゾーンの使用済み状態のカードが7枚以上なら互いのコストゾーンのカードをすべて未使用状態にする

   攻撃力:6 防御力:0 ライフ:5

 

 回りくどい言い方をしているけど、要するに互いのコストゾーンのカードをすべて使えるようにしてから攻撃済み状態で出てくる壁なんですね。

「聖殿の効果で一枚ドロー」

「クノイチを召喚しなければ出ていませんでしたね」

 あっ。前のターンにムラマサでそのまま攻撃していれば勝っていましたね。

 

 ハイロゥがあるって知っていたのに色々と考慮しなかったりとか、行動に気を付けたりしなかったとか、いろいろダメダメな点はありますが、それを除いてもなお勝敗に関わるプレイミスを何度かしていますね。このタイミングで攻撃しなければ何とかなってましたし。

「顔こわいよ」

 主人公補正が効いていると思い込んで必要以上にビビり倒し、効いてないと思ったら相手を見くびり高を括ったりと反省ポイントが多すぎる。

 

 ……バカバカバカバカ。反省会は後で良いんですよ。今は決闘を楽しみましょう。

「……マスターニンジャでハイロゥに攻撃します」

 ハイロゥは貫通持ちのモンスターと相性が悪いんですよね。

 

 マスターニンジャがハイロゥを砕く。

「コスト4でプリンシパリティズのリアクション発動」

 王様のような冠と笏を持った姿をした中性的な人達が出てきました。

 

 4 モンスター プリンシパリティズ 属性:エンジェリオ

   効果:リアクション

      モンスターガード(下記の条件を持つモンスターが場を離れる代わりにこのモンスターを破壊し、代わりになったモンスターのライフを1回復する):属性:エンジェリオまたはレジェンドのモンスター

   攻撃力:1 防御力:1 ライフ:1

 

 マスターニンジャの攻撃によりハイロゥの体にヒビが入ったものの、プリンシパリティズが光の粒子となりヒビを塞いだ。

「むぅ。コスト4でサオトサキの術発動ですわ。……ターンエンドします」

 計算上おそらく大丈夫だと思われますが、油断なりませんからね。

 

 レイナの9ターン目ですわ。

「何やらレイナのデッキが光ってますわね」

「なにこれ…よくわからないけど、なにか大丈夫なはず」

 プライムディスティニーにはターン開始時にライフが5以下なら、決闘中一度だけターン開始時のドローでデッキから好きなカードをドローできるシステムがあるんですよね。設定的にはカードの神に選ばれた存在のみが公使できる最上の運命への選択(プライム・ディスティニー)という力ですの。

 

 既のところで、最上の運命への選択を使えるようになりましたか。ふふふ。こう言うのでいいんですよ。こう言うので。

「ドロー…ハイロゥでプレイヤーに攻撃」

「アクションストライク。忍法 誘惑の術を発動します」

 普通ならただ退屈なんですよね。普通ならね。

 

 しかしまだ最上の運命への選択で引いたものがありますわね。それが逆転の切り札であることは間違いない。

「コスト8でセラフを召喚」

「そんな高コストカードを…しかし最適解ですね」

「朱き6枚の翼持つ蛇は聖なるかな…現れよ。セラフ! 1枚ドロー!」

 朱き6枚の翼を持ち、その内の2枚で頭を隠し、残りの2枚で羽ばたいている大蛇が現れた。

 

 ? モンスター セラフ 属性:エンジェリオン

   効果:コストが数字ではないモンスターが場にいるならルール上このカードは以下の効果を得る

     ・ストレンジ:8

     ・このモンスターの攻撃と効果と召喚は無効化されず、効果を受けない

   攻撃力:8 防御力:2 ライフ:10

 

 大蛇は火球を放つ。

「フレミングゴッドサーヴァント」

「最後の最後で逆転しに来ますか。やはり貴女は極上の決闘者だ。全力で叩き潰し合うことを至上とするのに、貴女に対して全力を出せていなかったことをお詫びします。らしくありませんでしたわね」

「変顔しながら負け惜しみ言っても遅いよ! これで終わりだあああ」

 運が良かったですわ。

「アクションストライク! 藁人形の呪術」

 これで大丈夫ですわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 落雷が藁人形を焼く。

「これを聖殿で引いていた。スペルコンディション。百王の生誕」

 

 5 魔法 百王の生誕 属性:レジェンド

   効果:スペルコンディション:相手プレイヤーのライフと防御力の合計が自分のモンスターの攻撃力より低い

      カード1枚を選んでターン終了時まで効果を無効化する 

   説明:王が百代続く時、全てが終わる

 

 そうきましたかぁ。

「私の負けですわね」

「藁人形の呪術の効果を無効化するよ」

 

 ソウコ:ライフ4→0

 

 モンスターと聖殿が消える。

「あーっ。もうちょっとだったのに〜。あんなの聞いてないですよ〜」

「声が嬉しそうだね」

「結果はどうあれ面白い決闘でしたからね」

 最後の最後以外はちゃんと相手を見れていなかったせいで、ケチがつきましたね。しかしそれがなければ単調になっていたというジレンマ。

 

 これからもっと強くなるなんて…楽しいですね。

「カネトルスさんごめんなさい。私も債務者にあう一緒に探しますよ」

「無理でゲス。あの債務者は賭博中毒すぎて解雇された人でゲス」

「なんで貸したんですか」

「債務者が賭博中毒者であることを貸した後に知ったからでゲス」

 全面的に悪くないのに可哀想な人である。許してください。

 

 レイナは私を見る。

「なんか、私か悪いみたいな感じ?」

「レイナさんは借りたものを返さない人を守ってしまっただけです。全然悪くないですよ」

「言い方にトゲがある」

「まあそんなことよりもですね。謝罪したいと思うなら、あなたも一緒に探しましょうね。アンさんのためですものね」

 レイナの案内でアンさんの家に行く。

 

 アンさんの家にはみすぼらしい男の人がいた。

「なんだお前ら」

「逃げないように確保しますね。アンさんももう大丈夫ですよ」

「手荒すぎるでしょ」

「借金返済のために普通の人よりも稼げる仕事に就かせようとしてるんですよ。多少手荒でも仕方ないです」

 数日後、アンさんの父親の仕事がちゃんと見つかって借金が払えるようになったらしい。強引ですが丸く収まりましたね。

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